保育士試験は、筆記試験9科目のすべてに合格しなければなりません。そのうえ出題範囲が非常に広く、最新情報も盛り込まれているという難しさもあります。この筆記試験を突破するべく、テキストやアプリ、サイトを利用した勉強方法について考えてみました。効率よく勉強し、保育士資格取得を目指しましょう。
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保育士試験はどうやって勉強したらいい?
保育士試験の関門と言えば、全部で9科目ある筆記試験です。
合格率は例年約20%、合格科目には3年間の合格有効期限が設けられるなど、それらの数字から試験の難しさを伺うことができます。
出題範囲がとにかく広い上に、最新の統計や法改正の情報も問われるため、膨大な知識を覚える必要があります。
その保育士試験を突破するためには、勉強の仕方を工夫することが求められると言えるでしょう。
テキストでの勉強方法
保育士試験の自主学習では、テキストを使った勉強がメインになるでしょう。まずはその勉強方法を紹介します。
インプットするにはアウトプットが必要!
保育士試験の筆記試験では、保育の用語や実践に関する知識など、9科目の膨大な知識をインプットしなければなりません。そのためには、アウトプットがカギになります。
テキストに軽く目を通す
最初はテキストを軽く一周読んでいきましょう。じっくり時間をかけて読まなくても、メモを取らなくてもよいでしょう。とにかくテキスト全体に目を通すことを心がけます。
早々に問題集に挑戦
テキストを一通り読んだら、問題集に挑戦してみましょう。もちろん初めて問題を解く段階では、ほとんど知識がインプットされていないため、解けないこともあります。解けない経験をし、正解、不正解した問題に関わらず解答解説を読むことで、テキストを読むだけで勉強するよりも、テキストの中のどこを勉強したらよいのかわかるので、効率よく勉強できると言えるでしょう。
最初から間違えるために問題を解くことに違和感はあるかもしれませんが、実際のところ、テキストを読んでいなくても答えられる問題もあります。例えば保育原理なら、用語の問題などは知らなければ答えられないですが、保育者としての基本的な心構えを問われるような問題もあるので、試験の実践練習にもなります。
また、回答を暗記するだけだと、出題のされ方が少し変わっただけでも対応できない可能性も。保育所保育指針の穴埋め問題などは、空白になる場所が変わることもよくあります。暗記ではなく、解説をしっかり読んで理解するようにしましょう。
インプットとアウトプットを繰り返す
テキストを読んだら問題種を解く、というようにインプットとアウトプットを繰り返しましょう。問題を解く前と後では、テキストに並ぶ文章の見え方も変わってくるのではないでしょうか。知識の吸収度や理解にかかる時間も変わってきますよね。このインプットとアウトプットを繰り返し行って、広い出題範囲のテキストをどんどん勉強していきましょう。
過去問問題集は年度をチェック
過去問の問題集を解くときは、いつの過去問が使われているかを確認しましょう。だいたい3年以内であれば、法律の改定などが行われていない可能性が高いため、正しい情報で勉強できるそうです。
例えば過去問を解くときに注意したいのは、「子どもの食と栄養」でときおり出題される、厚生労働省の「日本人の食事基準」。2005年、2010年、2015年と、5年に一度のペースで改定されています。また、保育所保育指針もおおよそ10年に1回程度のペースで改定がされています。
ただそれでも、タイミングによっては3年以内のものでも改定前にあたる可能性もあります。過去問で勉強する際は、出題形式に慣れる、問題の雰囲気に慣れるという目的で臨むのがよさそうですね。
アプリでの勉強方法
leungchopan/shutterstock.comアプリは、テキストとは少し勉強の仕方が異なります。どのようにしてアプリで勉強するのがよいのでしょうか。
アプリにはさまざまなタイプがある
保育士試験用のアプリには、過去問集や一問一答形式のものなどをはじめとした様々な種類のものがあります。中には間違った問題をあとで復習できるものや、大事なところに手書きでアンダーラインが引けるものもあるなど、その種類も機能も充実しています。
テキストに直接書き込んで覚えたいタイプの人にはぴったりですね。いろいろなものを試して、自分に合うものを探してみるとよいでしょう。
解説があるアプリを選ぼう
一問一答形式のアプリだと、問題を解いてそのままにしてしまいがちです。特に間違った問題に関しては、解説を読んでしっかり理解した方が効率がいいですよね。そのため、アプリのタイトルや概要などを確認して、解説付きのものを選ぶようにしましょう。
解説はついてないけれど、使い勝手などがよくて気に入っているものがある場合は、回答に間違えたらそれに関する解説を調べて読むというルーティンができればいいですね。
スキマ時間を有効活用
アプリを使って勉強するタイミングは、移動時間や待ち時間などのスキマ時間に利用するのがよいでしょう。一日の中で5分などの短いスキマ時間を洗い出してみると、意外とたくさんありますよね。
電車やバスを待っている時間、歯磨きをしている時間など、このスキマ時間をうまく利用することで勉強の効率を上げることができるかもしれませんし、少なくとも単純に勉強時間を増やすこともできます。
また、少しゲーム的な要素もあるので、学校や自主学習の息抜きとして使うのにも有効と言えますね。また、試験直前の最終確認に使ってもよいでしょう。
勉強サイトをうまく活用
テキストやアプリ以外にも、保育士試験対策用のサイトをうまく使うこともできます。
保育士試験過去問サイト
インターネットで検索してみると、保育士試験対策用の過去問サイトがいくつか出てきます。気分転換としていつもと違うツールを試したり、違う問題に挑戦したりするために使ってみるのもよいでしょう。
保育士試験対策の動画もある
保育士試験対策のための動画を動画サイトで見ることもできます。もちろん筆記試験用なので、こちらも息抜き用や、何かをしながら聞いたりというのにもよいでしょう。独学をしている方には、なかなか耳から入る情報というのがないので、インプットとして頭に残りやすいかもしれませんね。
科目ごとの勉強方法のポイント
保育士試験の筆記9科目を効率よく勉強するためには何に気をつければよいのでしょうか。
最初に「保育原理」を勉強
勉強する科目の順番として、「保育原理」を最初に勉強するのもひとつの方法です。なぜかというと、保育原理の中で頻繁に問題に出てくる「保育所保育指針」。これが、保育原理以外の科目でも出題されるため、他の科目にも応用できるからです。そのため、先に勉強してしておいた方が、初めて見るものではないので、あとで他の科目を勉強したときに頭に入りやすいかもしれません。
グループ分けして勉強する
9科目を似ているもの同士で2つのグループに分けて勉強するのも、効率よく勉強するための一つの方法です。グループは下記のように分けます。
(1)「教育原理」「社会福祉」「児童家庭福祉」「社会的養護」→法律・原理・福祉系
(2)「保育の心理学」「子どもの保健」「子どもの食と栄養」「保育実習理論」→実践系
(1)の科目は保育に関する法律や原理、福祉に関しての科目で、(2)は現場での実践に近い内容になっています。大きくこの2つにグループ化して勉強することで、一つの科目を勉強することが他の科目の勉強にもつながり、理解度がアップしやすくなるかもしれません。
例えば、直近の2週間は(1)の法律や原理系のものを勉強して、そのあとの2週間は(2)の実践系を勉強するなどサイクルを自分で決めてしまうのもよさそうですね。
効率よく勉強して保育士試験に合格しよう
保育士試験の筆記試験で、テキストやアプリを用いた勉強方法について解説しました。問題数こそさほど多くはないものの、出題範囲が非常に広い保育士資格の筆記試験。勉強する量が多い分、効率よく勉強することが求められます。テキストやアプリ、サイトなどのツールを、場所や状況に合わせて上手に使って合格を目指しましょう。保育士バンク!は、保育士さんの転職をサポートするお仕事紹介サービスです。
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