◆保護者の悩みを解決するのも保育士の仕事!?
毎日、元気いっぱいの子どもたちのお世話や保護者対応、本当にお疲れ様です!特に、保護者対応については、相当気を遣いながら業務にあたっているという方も多いのではないでしょうか?
保育士バンク!にも、保護者対応についての保育士さんからの相談が結構寄せられます。
そこで今回は、その保護者対応の中の一つである、保護者の悩みについて取りあげてみたいと思います。
最近の保護者は、核家族化が進み、案外孤独。
そういうときに救いの女神となるのは、保育士さんかもしれませんよ。
◆ママのお悩み(1)子育ての大変さの本質とは?
保育園や幼稚園では多くの子どもたちと接している保育士さん。
でも、まだ自分自身に子どもがいないという場合は、保護者がなぜそこまで「辛い」と言っているのか、よく分からない場合もあるのでは?そこでまずは、3人のお子さまを育てているあるブロガーさんの記事より、子育てで一体何が大変と思うのかを取りあげてみたいと思います。
〇「時間」がない辛さより「達成感」がない辛さ
育児をしているママたちは、子育ての何が大変だと感じているのか。
休む時間がない・睡眠不足など「時間」という概念ではなく、自分のやろうとしていたこと・したかったことを、自分の意思とは無関係に遮られることにあると言っています。
例えば18時までに夕食を作りたいという欲求があり、その目標に向かって行動します。
でもその行動の途中でトイレに行きたい子どもに呼ばれ、予想外の仕事が発生してしまい、どんどん時間が押して、予定していた時刻まで時間がないことに焦り、イライラ……なんてことありませんか?
「3時間後に起きると自分で決めて自分の意思で起きる3時間」
と
「子どもの泣き声で無理やり眠りから起こされる3時間」
「自分のやりたいように過ごせて、全てを自分の思い通りに行動・完了させることのできる1時間」
と
「自分がしたいことを、きりの良いところまでやりたくても、途中で子どもに呼ばれて駆け寄って終わってしまう1時間」
それぞれ同じ時間ですが、自分の意思や行動が遮られることって後味が悪いですよね。
なんかスッキリしないし、その場面を考えただけで「も~!!」って思っちゃいます。
これは行動だけに限らず、会話でも同じですよね。
話を途中で遮られるのは気持ちのいいことではありません。
子育ては、自分の意思とは関係なく行動が遮られることの連続なので、自分の行動したい・完了したいという欲求が満たされずにストレスとして溜まってしまいます。
それが子育ての大変な本当の理由だと、述べられています。
〇保育士として子育てを頑張るママたちにできることは?
ママたちがよく口にする「一人になる時間が欲しい」「自由な時間が欲しい」というのは、リフレッシュしたいという意味もありますが、自分のしたいことを誰にも邪魔されずに最後までやり遂げたいという欲求なのだと思います。
その欲求が満たされれば達成感を得られることができます。
我が子にイライラしてしまう、自分はダメだなぁと自己嫌悪に陥ってしまう…そんなことありません。
みなさん一生懸命子育てしてらっしゃいます。
子どもにイライラしてしまうのではなく、行動を遮断されることにイライラしているのだと気付ければ、対応策も考えられるでしょう。
例えば洗濯物を干している間だけは旦那さんに対応してもらうなど、自分がしたい行動を完了できるように、工夫してみてはいかがでしょうか?
保育士さんが相談にのってあげることも、解決策の一つかもしれません。
小さなことでも、積もり積もればかなりの達成感を得られるのではないでしょうか。
保育士として、悩めるママの支えとなれるといいですね。
◆ママのお悩み(2)ママ友作り
幼稚園や保育園に子どもを通わせている保護者たちが最もストレスに感じていることはママ友関係だと言います。
ママ友関係について悩み、保育士に相談してくる保護者も中にはいるようですよ。
ここでは、そういった悩みの一歩手前にいる保護者の方にどういったアドバイスをすべきか、悩んでいる保育士さんのお手紙から、対応の仕方を考えていきたいと思います。
〇30代保育士さんからのお手紙
私の担任するクラスではお母さん同士の交流が盛んで、仲のいいお友達同士休日にはお家に集まったり、お出かけにいったりととても楽しそうです。
仲が良くていいな、と思っていたら、ある子がぽつり、「私も〇〇ちゃんの家に行きたい!」と…
その子の家は、割と孤立しているというか、クラスの中でもお迎えの際にママ同士の会話もあまりないので、誰かのお家に行ったことがないそうなのです。
ある程度大きくなれば、子どもたちだけで遊びに行くことはあるでしょうが、保育園では中々難しいもの。
そこで、「他のお母さんと交流を持ってみては?」とその子のお母さんに伝えるべきか悩んでいます。
私自身では保護者同士、交流を持つことはいいことだと思っているのですが、よく思わない人の場合「保育士のくせに出過ぎ」と思われてしまうでしょうか…?
〇ママ友を作れ、とは言えない!けど…
これは難しいお悩みですね。
でも、実際のところ保育士として「他のお母さんと交流を持って」と言うのは少し出過ぎた発言かもしれません。
もしかしたら、そうできない理由があるかもしれませんし、家庭の事情はいろいろですから…。
保育士としていうのであれば、「お子さんがお友達の家に遊びにいってみたいって言っていましたよ」と、何の気なしに保育園での様子を伝える際に伝えてみてはいかがでしょうか?
まずは子どもの気持ちを代弁してあげて、「そんなことを思っていたんだ」と気づかせてあげることが重要ではないでしょうか。
そこからどうするかは、保護者さんにゆだねてしまっていいのだと思います。
〇「ママ友」はいた方が得?
保護者さん方に「ママ友」についてお伺いすると、「一緒だと楽しい」という方や、「仕事が忙しくて友達作りは考えられない」という方、「正直面倒くさい」という方などさまざまです。
でも一つ共通しているのが、「ママ友がいた方が得」というご意見。
同じ年齢の子どもを持つママ同士悩みの共有ができますし、小学校や保育園の行事の際に情報の交換ができる、というのが意図するところでしょうか。
「一緒に出かけたりはしないけど、立ち話はいくらでもできてしまう」なんて方もいらっしゃいます。
家事や育児が大変なお母さんのリフレッシュにも、「ママ友」は役立っているのかもしれませんね。
◆保護者に寄り添える保育士に
保護者が子育てのどういうところで行き詰りがちなのか、またママ友関係のデリケートな部分をお伝えしました。
保育士として的確なアドバイスをできればそれが一番ですが、もし、「自分の度量ではとても対応しきれない」と感じたなら、その保護者の悩みに共感する態度を示すだけでも良いと思います。
基本姿勢として大切なのは、目の前の保護者のことを決して否定せず、認めてあげることです。
保護者の方々と二人三脚で園児たちを育てる素敵な保育士さんを目指してくださいね。