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【2025年最新】放課後等デイサービスの処遇改善加算は「障害福祉サービス等報酬改定」でどう変わる？

公開日: 2025年05月22日

放課後等デイサービスで働く職員の給与の引き上げのために2024年度から施行された「障害福祉サービス等報酬改定」。この制度では「福祉・介護職員等処遇改善加算」が段階的に行なわれています。今回は放課後等デイサービスの加算率や施設が満たすべき要件などについて、2024年度の報酬改定結果と2025年度の最新情報をまとめました。

kapinon / stock.adobe.com

放課後等デイサービスとは
【放課後等デイサービスの処遇改善加算】報酬改定の内容
【放課後等デイサービスの処遇改善加算】2024年度の加算取得の結果は？
【放課後等デイサービスの処遇改善加算】2025年度からの新要件
- 取り組みが必要な6区分
- 必要取り組み数
【放課後等デイサービスの処遇改善加算】給与アップとの関係
処遇改善加算で放課後等デイサービスの給与はアップ

放課後等デイサービスとは

放課後等デイサービスは、障がいのある児童生徒を対象とした通所型の福祉サービス施設です。

児童福祉法に基づいて設置され、学齢期の障がい児に対して日常生活の支援を提供するのが目的です。施設は自閉症、発達障がい、身体障がいなどを抱えた子どもの療育の場です。

子どもたちは放課後や学校休業日に施設に通い、生活能力向上のための訓練や指導を受けながら日常生活を送り、友だち・支援者との交流や遊びを楽しみます。

施設によって対応可能な障がいの種別は異なる場合がありますが、いずれも障がい児の成長と自立を支援する役割を担っているのが特徴です。

利用対象は幅広く、小学校に入学した児童から原則18歳までとされており、利用するには保護者が各自治体に申請し「受給者証」の交付を受ける必要があります。

放課後等デイサービスは、通常の学校生活外で障がい児に手厚い支援を行い、生活上の困難を緩和することで、健全な成長を促す重要な役割を果たす施設と言えるでしょう。

支援スタッフには保育士の配置が義務づけられているため、保育士免許を取得している人のニーズが非常に高いのも特徴です。

これまで保育園などで健常児の保育のみを経験している方でも問題なく働くことができるでしょう。放課後等デイサービスの求人を探す

【放課後等デイサービスの処遇改善加算】報酬改定の内容

2024年度に施行された「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定」から、放課後等デイサービスで勤務する職員の給与アップに直結する制度「福祉・介護職員等処遇改善加算」について見ていきましょう。

「福祉・介護職員等処遇改善加算」では、職員を雇用する施設が以下の要件を満たすことで、その項目ごとの加算率に応じて補助金が国から支給されます。

この加算に関しては、保育士さんや指導員さんが直接手続きしたり対応したりすることはありません。

とはいえ、自分の働いている放課後等デイサービスなどの施設がこの報酬改定の要件に意欲的に取り組むことで、保育士さんの昇給はもちろん、提供するサービスの質にも大きく関わってくることになるでしょう。

職員として働く立場であれば、施設の取り組みをしっかり確認したいですね。

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【放課後等デイサービスの処遇改善加算】2024年度の加算取得の結果は？

車いすの少女と保育士 kapinon / stock.adobe.com

2024年度の報酬改定で行われた放課後等デイサービスも含めた福祉・介護職員の処遇改善加算で、最も気になるポイントは、職員確保に向けた月額賃金のベースアップでしょう。

2024年度に改訂された新基準では、これまで3項目に分かれていた加算率の算定基準を「福祉・介護職員等処遇改善加算」として一本化しすることで、要件を再編・統合して加算率を引き上げる試みがなされました。

この改定により、放課後等デイサービスを含む障がい児通所系施設では、2024年度に全体の91.1%が福祉・介護職員等処遇改善加算の取得を達成しています。

これは障がい児支援以外の分野で働く福祉・介護職員と比べると最も高い数値です。

以下の表は、2024年9月のサービス提供における、障がい児支援にかかる給付の取得状況です。

この高い取得率からは、放課後等デイサービスをはじめとする障がい児を対象とした施設のうち90％以上に制度の活用が広がっていること、また施設側が職員の賃金ベースアップに意欲的であることがわかります。

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【放課後等デイサービスの処遇改善加算】2025年度からの新要件

2024年度から施行された新加算の取得には、以下の3要件を満たす必要があります。

キャリアパス要件
月額賃金改善要件
職場環境等要件

2025年度からは、このうち「職場環境等要件」について新たな適用要件が追加されました。

なお「福祉・介護職員等処遇改善加算」には、加算Ⅰから加算Ⅳまでの区分があり、施設ごとの取り組み状況によって申請できる区分が異なります。

そのうち、Ⅲ・ⅣもしくはⅢ・Ⅳについて、それぞれ以下の6区分から取り組む必要があります。

取り組みが必要な6区分

入職促進に向けた取り組み（4項目）
資質の向上やキャリアアップに向けた支援（4項目）
両立支援・多様な働き方の推進（4項目）
腰痛を含む心身の健康管理（4項目）
生産性向上（業務改善および働く環境改善）のための業務改善の取り組み（8項目）
やりがい・働きがいの構成（4項目）

必要取り組み数

福祉・介護職員等処遇改善加算Ⅰ・Ⅱ
以下の6区分の詳細ごとに各2つ以上取り組んでいることが必要です。
福祉・介護職員等処遇改善加算Ⅲ・Ⅳ
以下の6区分の各項目の詳細のうちそれぞれ1つ以上の取り組みが必要です。

※ただし「（5）生産性向上」は3つ以上、またそのうち以下の2項目は必須の取り組みになります。

（17）厚生労働省が示している「生産性向上ガイドライン」に基づき、業務改善活動の体制構築（委員会やプロジェクトチームの立ち上げ又は外部の研修会の活用等）を行っている

（18）現場の課題の見える化（課題の抽出、課題の構造化、業務時間調査の実施等）を実施している

【6区分の項目詳細】