現在、働く保護者が多く、保育園も待機児童が出るなどさまざまな問題を抱えています。
保育園だけではなく、子育てを支援する事業には、さまざまなものが存在するのをご存知でしょうか。
現代では、地域で子育ての支援をしようという取り組みや、SNSでの子育て支援の取り組みなども取り入れられています。
今回は、働く保護者や子育て中の保育士さんのために、さまざまな子育て支援についてご紹介します。
地域子育て支援拠点事業とは
「地域子育て支援拠点」という言葉を聞いたことはありますか?
子育て中の親子が気軽に集まって、おしゃべりをしたり、子育てについての情報交換をしたり、お互いの不安・悩みを相談できるような場所が「地域子育て支援拠点」です。
厚生労働省が主体となってそれを「地域子育て支援拠点事業」として事業化し、拠点を増やそうと今も後押ししています。
支援拠点として、保育園が利用されている例が増えている昨今、保育士にとっても無関係ではありません。
〇地域子育て支援拠点の具体的事業内容
全国で6,500ヶ所設置されている地域子育て支援拠点ですが、その事業内容は、基本的には同一のものになります。
(1)交流の場の提供・交流促進
子育て親子が気軽に、かつ自由に利用できる交流の場の設置や、子育て親子間の交流を深める取り組みなどの地域支援活動を実施しています。
(2)子育てに関する相談・援助
子育てに不安や悩みなどを持っている子育て親子に対し、相談や援助などを実施しています。
(3)地域の子育て関連情報提供
子育て親子が必要とする、身近な地域のさまざまな育児や子育てに関する情報を提供しています。
(4)子育て・子育て支援に関する講習等
子育て親子や、将来子育て支援に関わるスタッフとして活動することを希望する人を対象として、月一回以上、子育て及び子育て支援に関する講習などを実施しています。
〇拠点が保育園に設置されることも!
地域子育て支援拠点には、実施形態として3タイプ存在します。
・一般型拠点
主に保育園や公共施設の空きスペースなどに設置されます。
場所として適切であれば、民家やマンションの一室でも可能です。
週に3日以上・一日5時間以上開設している必要があります。
子育てについての知識を有する専任者を2名以上配置していることが条件です。
・連携型拠点
児童館などの児童福祉施設に設置され、週に3日以上・一日3時間以上開設している必要があります。
こちらは主に児童館などの児童福祉施設に設置され、子育てについての知識を有する専任者を1名以上配置していることが条件です。
ちなみにその専任者に、児童館の職員が協力することになっています。
・地域機能強化型拠点
子育て家庭に向けて地域の身近な立場から情報の集約・提供を行う「利用者支援」の体制を強化することが機能として追加されている拠点です。
こちらは週に5日以上・一日5時間以上開設している必要があり、主に保育園や公共施設の空きスペースなどに設置されます。
子育てについて相当の知識を有し、地域の子育て事情に精通する専任者3名以上を配備していることが条件です。
保育士として気になるのは、拠点の設置先が「保育園」になる例でしょう。
その場合、保育士も無関係ではいられません。
実際、専任スタッフには保育士が一番望ましい例として紹介されていたりもします。
(実際、スタッフ採用の際には、保育士資格の有無を問われることがあります。)
子育て中の女性必見「マザーズハローワーク」
「マザーズハローワーク」をご存知ですか?
マザーズハローワークは、子育て中の就職をサポートする施設です。
「働きたい、でも職場復帰は難しい。
」と思われるそんなお母さんにとっての心強い味方なのです。
今すぐ必要にはならなくても、いずれ結婚・出産を考えているなら、今のうちにどういうものか知っておきましょう。
〇子ども連れでも、ゆっくり相談可能!
マザーズハローワークには、遊具や絵本コーナー等が揃ったキッズスペースがあります。
子どもを連れてハローワークなんて通常は考えられないかもしれませんが、マザーズハローワークではそれができます。
また、お母さんが仕事探しをしている間は、保育士が子どもを見守ってくれるサービスもあります。
普段子どもから目を離せない保護者が、仕事探しに集中できるような仕組みです。
子育てについての相談もマザーズハローワークでは、仕事探しの相談に留まらず、子育てについての相談ができる場を提供しています。
全国で初めて市と労働局、民間企業が協力し合い、親子を対象としたセミナーを開くなどして、子育てと仕事についての理解を深める目的です。
子どもにとっては働く親を知り、自分がどうするべきか考える機会になりますし、親にとっても、働くことに対する理解を得る貴重な時間になるのではないでしょうか。
〇広がる女性支援
マザーズハローワークは、女性支援を名目に、安倍首相が拡充を指示しました。
今年度には、全国で20ヶ所に増加しました。
また、求人内容は一般のハローワークと同じですが、子育てしながら働ける求人の紹介に力をいれるとのことです。
また、一般のハローワーク内にマザーズコーナーとして、子どもを連れていけるコーナーの設置も増え、現在は全国に160ヶ所となりました。
いずれは全てのハローワークが子ども連れでも利用可能になれば、子育てしながらでも働ける機会も増えるのではないでしょうか。
〇お迎え等の時間の制限…まだまだ壁は厚い
仕事探しの門は開かれても、まだまだ子育てしながら働くことは難しいのが現状ではないでしょうか。
保育園・幼稚園のお迎えや、家事によって時間が制限されるからというのが一番の理由。
柔軟に対応してくれる職場となると、求人を探すだけでも一苦労でしょう。
子育て中はパートで、決まった時間で働かざるを得ない状況というのは、現状変化がないようです。
子育て中の女性でも、好きな仕事をする権利があります。
母親としても十分に働ける、子育てしながらでも居心地の良い職場が増え、マザーズハローワークによって広まる社会ができればいいなと思います。
ワンコイン&頼り合い&子育て支援サービス!
少し用事がある時にご近所さんに子どもを預ける、ご近所さんが困っている時は手伝うなど、昔は良くある光景でした。
今はほとんど見かけない光景です。
しかし現在、その「頼り合い」がなんとワンコインで復活しています。
株式会社AsMamaが提供する「子育てシェア」のサービスで、顔見知り同士で子どもの送迎や託児を頼り合う仕組みです。
この「子育てシェア」のサービスは、登録料・手数料無料で、利用料も1時間500~700円を支援者に支払う、顔見知り意外とは繋がれない、日本で初めての賠償責任保険適用など、安心のサービスです。
「顔見知りなのにお金かかるの?」と思う方もいるかもしれませんが、このワンコインの値段設定が重要みたいです。
支援をお願いする方は、無償では逆に気が引ける、2回目をお願いしづらい、では何かお礼をと考えると1000円、2000円になってしまう…ということもあるかと思います。
時給を超えると預けて働く意味がない…というラインで500円という金額を設けています。
何より、急に託児所に預けることになった時の利用料と比べたら、かなり安いですよね!
更に「頼り合い」とはいっても現代では、持ちつ持たれつとはいかず、お願いする側はお願いするばかり、される側はされるばかりと「お互いの頼り合い」にはならないこともあります。
そこで500円という「お金」というお礼のルールがあることでしっかり頼り合いになりますし、責任感も生まれます。
更に、その利用料の計算もシステムが自動で計算してくれ、当日現金で支払える他にクレジットカードを登録しておけば、後日クレジットカード払いも可能だそうです。
直接お金を支払うのは少し気が引ける…という方には嬉しいですよね。
子育て支援サービスを活用して、子育て環境の充実を!
子育て支援には、さまざまな事業があることをご紹介しました。
働く保護者にとっても、現在、保育士として働いている方にもぜひ知っておいて欲しい内容でした。
今後も子育て家庭のニーズに合わせた子育て支援サービスが出てくると思います。
全てを頼るのではなく、必要な時に有効に活用していきましょう。