保育所は、乳幼児期の子どもたちの健やかな成長を支える重要な役割を担っています。保育士として働くにあたり、保育所についてどのような施設なのかおさえておきましょう。今回の記事では、保育所の求められている役割の重要性について解説します。また、保育所が現状抱えている課題や今後の展望についてもまとめました。
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保育所の役割とは?
保育所とは、保護者が働いていたり病気だったりといった理由から、保育に欠ける0歳から小学校に入学する前までの子どもを受け入れる施設です。
早朝から開所していたり朝方まで子どもを預かったりする保育所もあり、幼稚園のような夏休みや冬休みは設けられていないのが特長です。
保育所を管轄している厚生労働省の資料によれば、保育所は預かる子どもや保護者に対して以下のような役割を担っています。
子どもにとっての役割
子どもにとって保育所は、初めて保護者から離れて集団生活を送る場所です。
保育士は日々保護者の代わりに、食事や排泄、衣服の着脱、挨拶のマナーなど、子どもたちが健やかに生活するうえで基盤となる基本的な生活習慣を身につけていく指導も行なっています。
また、友だちや保育士と関わり合いながら社会性やコミュニケーション能力を育むなど、保育所は子どもたちが心身共に健やかに成長できるようサポートをする役割を担っています。
保護者にとっての役割
保育所では、家庭で保育をすることが難しい状況をサポートするだけではなく、子どもの育成のために保育に関する知識や技術など専門的な視点から保護者の保育に対する不安を軽減する役割も担っています。
具体的には、子どもの家庭での様子を確認したり保育所での子どもの状況を伝えたりして保護者と連携をとり、日々子どもが健やかに成長するために家庭に対する支援などを行なっています。
保育所が果たす役割の重要性
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これまで保育所の役割について解説してきましたが、保育所を管轄している厚生労働省の保育指針によれば、保育所は「入所する子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することに最もふさわしい生活の場でなければならない。」と記されています。
ここでは、保育所が果たす役割の重要性について具体的にまとめました。
子どもたちの成長を見守る
保育所は、乳幼児期の子どもたちを預かる施設です。
心身共に著しく成長する時期の子どもたちが健全な生活を送れるように、保育士だけではなく、調理師や栄養士、看護師など、保育所で子どもに携わる職員が一丸となって、子どもたちのために最善を尽くす必要があるでしょう。
保護者の就労支援を担う
保育所は保護者の就労を支援する役割を担っており、保護者の勤務時間に対応するため「延長保育」を実施している施設もあります。
また、深夜や翌朝まで預かる「夜間保育」 や、日曜や祝日など「休日保育」 を実施する保育所、週2.3回など一時的に子どもを預かる「一時保育」 など、保護者の就労状況に合わせて開所しています。
地域の子育て支援を担う
保育所は、地域の子育て家庭に寄り添い、多様な保育ニーズに応える必要があります。
地域の方が気軽に参加できるようなイベントを設けたり保育所に関する情報を発信したりして、地域の方々との連携を密にし、保育所について理解してもらうことが大切であるといえるでしょう。
保育所に関わる社会的な課題
利用する子どもや保護者、地域の方にとって重要な役割を担っている保育所ですが、解決が必要な社会的課題も抱えています。それについても詳しく知っておきましょう。
待機児童問題
待機児童問題とは、保護者が保育所に入所申請をしても空きがないため入所できない児童が発生している状況のことで、子どもを預けて働きたいと思っている保護者にとって問題となっています。
日本は出生率が低下して少子化が進行しているものの、共働き世帯が増加したことが要因であると言われています。待機児童を受け入れるために、保育施設を増設するなどの対策が進められています。
保育士不足
待機児童問題を受けて保育施設の数を増やしたところで、働き手となる保育士が不足している状況も続いています。
保育所を利用する保護者のニーズは依然高まっていることから、国は解決に向けて待遇を改善するなど保育士確保に向けた施策を実施しています。
保育所が抱えているこれらの問題を踏まえ、依然として保育所を利用する保護者のニーズは高いことが伺えるでしょう。
保育士の資格を持っていながら資格を活かせていない…という方は、社会貢献のために保育士として働いてみてはいかがでしょうか。
保育所が未来に向けて取り組むこと
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保育所は、子どもたちが心身ともに健やかに育つように、次のような取り組みを行なっていくことが大切でしょう。
地域に密着した施設へ
保育所は、利用する子どもの保護者への支援としての役割だけではなく、保育所を利用していない子育て家庭を含めた支援に配慮していく必要があるでしょう。
地域の方が安心して保育所を利用できるよう、散歩の目的地として近隣の公園や施設を設定するなど、地域の方たちに見守ってもらえる保育環境を整えることが大切です。
保育士の質の向上
地域の多様化する保育ニーズに対応するには、保育所において保育士の質の向上に向けた取り組みを行なうことも必要でしょう。
保育所が研修やキャリアアップ制度などを通して、保育士の技術を高めたりスキルアップできる体制を整えたりすることが求められています。
参考文献:保育所の役割・機能及び今日的意義の考え方/厚生労働省
参考文献:保育所ってどんなところ?/厚生労働省
子どもの成長のために保育所の役割をおさえておこう
保育所は乳幼児期の子どもたちを預かる施設であり、子どもや保護者に対して重要な役割を担っています。
保育士の更なる質の向上に向けて、研修の機会を設けるなど保育所で環境を整えることも大切な役割のひとつでしょう。
保護者や地域と連携を図り協力し合いながら、子どもの心身の健やかな成長をサポートできるとよいですね。
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