保育士さんが転職する上で、離職後に注意すべきことをまとめました。
次の職場で働き始めるまでに時間がある場合、特に年金や保険料の支払いには注意しましょう。
また、制度をうまく使えば、リフレッシュの時間を作ることもできますよ。
年金料・保険料などの支払い
離職すると、これまで年金や健康保険など給料から天引きで支払っていたものを、自分で支払うよう手続きしなければいけません。
なるべく素早く手続きを進めることがポイントです。
年金の切り替え・手続きをお忘れなく!
正規職員の場合は、在籍中に厚生年金に加入している場合がほとんどでしょう。
厚生年金から国民年金への変更手続きが必要となります。
退職した日から14日以内に、お住まいの市区町村の役所で、国民年金窓口にて手続きを行います。
一方、正規職員で、なおかつ退職してもすぐに次の職場で働き始める場合、その会社・法人でまた厚生年金に加入するので、国民年金の手続きをする必要はありません。
いくら払う?国民年金保険料
国民年金保険料、実際に払う金額はどのくらいでしょうか。
平成29年の保険料は1万6940円。
国民年金は所得に関係なく、全員一律の金額となります。
在職中は年金保険料は給与から天引きされていたかと思いますが、離職後は自分で納める必要があります。
健康保険 無保険にならないように注意!
会社や法人を辞めると、自分で手続きをしに行かない限り無保険状態になってしまいます。
病院に行っても保険証がないので、100%自費で医療費を支払うことに。
そうならないためには、3つの方法があります。
・退職前の会社の健康保険に引き続き加入する(任意継続被保険者になる)
・お住いの市区町村の国民健康保険に加入する
・家族の扶養となり、家族が加入する健康保険の被扶養者になる
納付相談をせず未納が続く場合には、保険料の他に延滞金が加算されますので、いずれも早めに手続きをしましょう。
もらわなきゃ損?!失業手当について
失業手当とは自ら離職したり、解雇や倒産などで職を失ったとき、新たな仕事が見つかるまでの間に受け取ることができる給付金のことです。
失業手当がもらえる条件
失業手当がもらえる条件は、離職の前日から数えて、二年以内に失業保険に加入した期間が満12か月以上あることです。
早めに手続きをしなければ、受けられる期間が短くなってしまうので早めにハローワークに行きましょう。
自己都合退職、会社都合退職とは?
失業手当の給付では、「自己都合退職」か「会社都合退職」かで給付期間が大きく変わります。
「自己都合退職」とは、保育士さんが自分の意志で職場を辞める場合で、ほとんどのケースがこれにあたります。
「会社都合退職」とは、会社の倒産や解散により職場がなくなってしまったケースや、会社の経営上の都合などによる「解雇」により、やむを得ず職を失ったケースです。
いつからもらえる?
・自己都合による退職退職後 90日~
・会社都合による退職の場合、退職後 すぐ
となっています。
いつまでもらえる?
失業手当の受給期間は、勤続年数と離職時の年齢によって変わります。
・自己都合退職の場合
勤続1年~10年で90日
10年以上で120日
20年以上で150日
・会社都合退職の場合
年齢や勤続年数で決まります。
30歳未満…勤続5年未満は90日、5年以上は120日、10年以上は180日です。
35歳以上45歳未満…勤続5年未満は90日、5年以上は180日、10年以上は210日です。
失業手当、いくらもらえるの?
実際に受け取れる失業手当の金額は退職前6か月間の給料の50~80%となります。
もらうための手続き
1.会社を離職した翌日以降にハローワークへ行き、必要書類を提出し求職手続きを行う。
2.失業手当の受給資格が決定される。その翌日から7日間は待機期間となる。
3.指定されている初回認定日にハローワークに行く
4.指定された日に失業認定を受ける
約7日後に失業手当が指定の金融機関口座に振込まれます。
もしも休職期間が長くなってしまったら??
休職期間が長くなってしまい、失業手当が終わってしまったのに、生活の立て直しができていない。
そんなときに、手助けになる制度を説明します。
住宅支援給付金とは
失業者が家賃を払えなくなった時に、市区町村が支援してくれる制度です。
住宅支援給付金を受けとるには下記の条件があります。
1.働く能力と就職の希望がありハローワークで求職申込を行う
2.住宅を喪失、または喪失の恐れがある
3.世帯における収入が一定額以下の者(2人世帯で月17.2万円以内)
4.世帯により預貯金が一定額以下の者(複数世帯なら100万円)
以上の条件をすべて満たすと住宅支援給付金を受けとることができます。
住宅支援給付の支給額は、賃貸住宅の家賃額となりますが、地域ごとに上限があり、収入に応じて変わります。期間は原則3カ月、最長9カ月となります。
総合支援資金とは
失業や減収などで困っている人を支援し、生活の立て直しや経済的な自立のために、貸し付けをする制度です。
申し込みは市町村の社会福祉協議会で行います。
住宅支援給付金と一緒に受けることもできます。
貸し付け条件は次の通りです。
1.低所得者世帯(市町村民税非課税程度)で、失業や収入の減少などによって生活に困窮していること
2.公的な書類などで本人確認が可能であること
3.現在住居のある人、または、住居確保給付金の申請を行い、住居の確保が確実に見込まれること
4.法に基づく自立相談支援事業などによる支援を受けるとともに、社会福祉協議会とハローワークなど関係機関から、継続的な支援を受けることに同意していること
臨時特例つなぎ資金の貸付とは
上記のような公的な給付・貸付が開始されるまでの生活が立ちゆかない、住居を喪失した離職者の方に対して、当座の生活費(上限10万円)を臨時的に貸し付ける制度です。
住居のない離職者が対象となり以下が条件となります。
1.離職者を支援する公的給付制度(失業等給付、住宅手当等)又は公的貸付制度(就職安定資金融資等)の申請を受理されており、かつ当該給付等の開始までの生活に困窮している
2.貸付けを受けようとする方の名義の金融機関の口座を有していること
手続きは市区町村の社会福祉協議会の窓口で行います。
前職での個人情報に注意!
保育士には、個人情報(子どもの名前や写真など、個人を特定できるもの)に関して、業務上知りえたことへの守秘義務があります。
保育園のウェブサイトに載せるなど、業務上必要なことである場合には、保護者に了承を得ましょう。
SNSについつい子どものかわいい写真を載せてしまう保育士さんもいるようですが、もちろんプライバシーの侵害です。
写真だけではなく、音声、映像などもです。
特に注意するのは、「退職する記念に」などで子どもと一緒に撮った写真を、無断でSNSにアップしてしまったりするケース。
前職の個人情報を守るといった義務は、退職後も変わりません。
無職ではクレジットカードを作れない!?
退職後、クレジットカードを作ることはできますが、無職ということで審査に通りにくくなります。
そのことから、必要な場合は退職前にクレジットカードを作ることをオススメします。
さまざまな制度は賢く使えば、次の仕事までにリフレッシュの期間を置くこともできます。
また、次の職場で活躍するためにも、個人情報の扱いにはくれぐれも注意しましょう。