子どもたちが大好きな読み聞かせの時間。今では仕掛け絵本や大人向けの絵本など、いろいろな絵本が出ていますね。また、絵本を読んでほしい子どもたちの心もさまざまです。また、絵本は創造力や思考力を育むのに役立つといわれています。今回は絵本に関して、大人の視点、子どもの視点からそれぞれ見ていきましょう。
楽しい仕掛け絵本の世界
皆さん、「仕掛け絵本」はお好きですか?私は昔から、飛び出す絵本や目の錯覚によって不思議な現象が起こる仕掛け絵本が大好きでした。
そこで本日は、オススメの仕掛け絵本を5作品、ご紹介します。
〇今日の おやつは
作:わたなべちなつ
おいしそうなホットケーキ…!!というだけじゃない!実はこの絵本、お皿は手前のページにしか描かれておらず、奥のページは鏡のようになっているのです。
だから垂直に立てて上をつまむと、まるで本当にメープルシロップを注いでいるかのように見えてしまうのですね。
驚きのアイデアです。
とっても面白い鏡を使った仕掛け絵本ですね。
〇オセアノ号、海へ!
作:アヌック ボワロベール, ルイ リゴー
楽しいポップアップが満載の絵本です。
海面の上、海面の下が見られるので、海の底をのぞき見している気分にもなれちゃいます。
サンゴ礁のページはうっとりするほど綺麗!!クジラやお魚なども登場するので、海の生き物が好きという方にもおすすめ♪海を冒険しているような気分に浸れます。
〇ようせいのおしろのぶとうかい
作: マギー・ベイトソン 絵: ルイーズ・コンフォート 訳: かがわ けいこ
開いてびっくり!メリーゴーランドのようになっちゃう仕掛け絵本です。
とってもファンシーな妖精たち、仕掛けもとっても細かく、「どこが動くのかな?」とじっくり楽しめる絵本です。
お人形もついているので、お人形遊びが好きな子はとっても気に入ってくれるのではないでしょうか?ようせいの仕掛け絵本はシリーズもたくさんありますので、集めて並べてみるのも素敵ですね♪
〇不思議の国のアリス
作・絵: ロバート・サブダ 原作: ルイス・キャロル 訳: わく はじめ
これぞ定番、というようなポップアップ絵本。
ページをめくるたびに、不思議の国があふれ出てくるような演出は、大人も子どもに戻ったように楽しませてくれます。
特にトランプのページはどんな仕掛けなのかじっくりと眺めたくなってしまいます。
魅力的な絵、お話し、仕掛けと3拍子そろった、一度は読んでいただきたい絵本です。
〇光の旅 かげの旅
作:アン・ジョナス 訳:内海 まお
最後は少し変わった仕掛け絵本をご紹介。
モノクロのシンプルな絵本と思いきや、ついつい唸ってしまうような仕掛けが。
そう、まず『光の旅』を楽しんだ後にひっくり返して読むと、『かげの旅』がはじまるのです。
なるほど、と思ってしまうこと間違いなしの仕掛け絵本です。
心に残る『大人が泣ける絵本』特集
皆さんは最近、いつ涙を流しましたか?大人になると泣くことって少なくなりますよね。
でも、涙は心を浄化してくれます。
特に、感動して涙を流すと、脳が興奮してリラックス効果をさらに高めることができます♪今日は、大人も感動して号泣してしまうほどの「泣ける絵本」をご紹介します。
〇『100万回生きたねこ』
作・絵:佐野洋子 出版社: 講談社
100万回も死んで、100万回も生きたねこがいました。
王様、船乗り、手品使い、どろぼう、おばあさん、女の子・・・みんながそのねこをかわいがり、そのねこが死んだ時には泣きました。
他人から愛されていてもなんとも思っていなかったねこですが、愛する人ができ、自分よりも大切な家族を持つことに。
しかし・・・100万回死んでも悲しくなかったねこは、はじめて愛することを知り、愛する者を失って涙を流します。
〇『ないた赤おに』
作:浜田廣介 絵:いもとようこ 出版社:金の星社(他複数あり)
人間と仲良くしたい赤おにのために、自ら悪役を買ってでる青おに。
青おにのおかげでたくさんの友だちを得た赤おにでしたが、青おにがどうなったのか気になって訪ねてみると・・・。
友情の美しさと孤独の哀しみを描いた童話の傑作です。
〇『あなたをずっとずっとあいしてる』
作・絵:宮西達也 出版社:ポプラ社
マイアサウラのお母さんがひろってきたたまごは、ティラノサウルスの赤ちゃんだったのです。
他人の子だと知りながら、我が子と同じように深い愛情で育てる母親、自分が他人の子だとは気付かずに母親や弟を信頼して育つ子ども・・・。
母と子、そして家族の心のつながりが痛いほど伝わってくる絵本です。
〇『かたあしだちょうのエルフ』
作・絵:おのきがく 出版社:ポプラ社
だちょうのエルフは、草原にすむ動物の子どもたちの人気者でした。
ところが、ある日、子どもたちをまもるためにライオンとたたかって、大切な片足をなくしてしまいます。
はじめのうちこそみんなしんぱいしてくれましたが、日がたつにつれてなんとなくわすれられて行き、エルフはひとりぼっちになってしまいます。
そんな時、今度はくろひょうがおそってきたのです。
その時エルフがとった行動は・・・ほんとうのやさしさとは何かをうったえかけてきます。
〇『わすれられないおくりもの』
作・絵:スーザン・バーレイ 訳:小川 仁央 出版社:評論社
賢くて何でも知っているアナグマは、いつもみんなから頼りにされ慕われていました。
でも、秋の終わり、年取ったアナグマは自分の死を悟ります。
そして、ある夜、長いトンネルを浮き上がるように走る夢を見ながら死にました。
「長いトンネルのむこうに行くよ、さようなら アナグマより」という手紙を残して――。
かけがえのない友だちを失い、残された仲間たちは悲しみでいっぱいです。
物知りでみんなから頼りにされていたアナグマが死んでしまった時に、みんなが死をどう受け止めて行くか。
身近な人を大切にしようと思う感動の作品です。
〇『ちいさなあなたへ』
作:アリスン・マギー 絵:ピーター・レイノルズ 訳:なかがわ ちひろ 出版社:主婦の友社
「あのひ、わたしは あなたの ちいさな ゆびを かぞえ、 その いっぽん いっぽんに キスを した」ではじまるこの絵本には、母であることのすべてが詰まっています。
親でいることの喜び、不安、苦しみ、つらさ、寂しさ、子どもへの思い――普遍の真実が、あたたかな絵とシンプルな言葉で語りつくされ、読む人たちの涙をさそいます.だれもが一生の宝物にしたくなるような絵本です。
いかがでしたでしょうか?小さい頃に読んだことのある絵本でも、大人になってから読むと印象が変わります。
きっと心に響く絵本があるはず♪
この本読んで!に秘められた子どもの気持ち
お気に入りの絵本を何度も「先生、よんで!」とせがむ子がいますよね。
読む側としては、正直うんざり。
。
子ども向けの絵本は同じ言葉の繰り返しが多いので、読み方もつい、いい加減になってしまいがちに。
そんな時、子どもはどういう気持ちなのかを理解して、上手に接して行きましょう!
〇子どもの脳は反復が好き
子どもの脳は、色んなことを学んで習得して行くために、反復が好きなように作られています。
例えば、1歳前後の赤ちゃんはよろよろしながら、何度も立っては転び、転んでは立ちます。
「同じことの繰り返しだから、歩くのはもうやめよう」とはなりません。
言葉も同じように、繰り返し聞き続けることで、言葉を習得して行くのです。
うんざりな時もあるかもしれませんが、成長の過程と考えて、ちゃんと読み聞かせてあげましょうね。
〇上手に伝えられないけど実は…
子どもはまだ自分の気持ちを上手に伝えることができませんが、「よんで!」の気持ちの奥には色んな思いが詰まっていたりします。
例えば、「絵本の中には大好きな猫がいるから、先生に読んでもらいながら、大好きな猫を見たい!」や、「絵本を読んでもらうことで、先生を独り占めしたい」など。
一人ひとりに対応するのは簡単ではありませんが、子どもの成長にあわせて、絵本の時間を持てるといいですね。
〇絵本とスキンシップのスタイル
読み聞かせのスタイルはいろいろありますが、もし、可能なタイミングがあればひざの上での読み聞かせをおすすめします。
ナレーターとして絵本を読むのではなく、ひざの上で「一緒に読んでいて楽しいね!」と子どもと世界を共有することで、子どもはより満足します。
その他、数人で寄り添って並んで読み聞かせをしたり、子どもに読んでもらったりするスタイルもおすすめです。
自分も楽しみながら、子どもたちと絵本の時間を共有しましょう!
「子どもに絵本を読んであげる」というスタンスではなく、「子どもとのゆったりした時間を共有する」という気持ちでいられたらいいですね。
子どもが興味を持ちそうな絵本を探したり、保育者も一緒に楽しめる本を探すことも、楽しみにひとつと考えましょう!