社会人の学び直しが注目されている昨今、雇用側の環境整備が求められます。今回は、保育士の学び直しが必要なのか、園側の取り組みや具体例についてわかりやすく解説します。保育士がやりがいをもって働ける職場を作り上げるためにも、職員の知識や技術の向上、スキルアップが可能な環境について考えていきましょう。
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社会人の「学び直し」とは
社会人の「学び直し」はリカレント教育とも呼ばれ、近年注目を集めています。
リカレント(recurrent)とは、「繰り返す」「循環する」という意味があります。
学生時代を経て社会に出た後に適切なタイミングで仕事に必要な教育を繰り返し受け、さらにスキルアップしていくことを示しています。
例えば、仕事で海外に行くためにビジネス英語を学んだり、看護師が母子の精神的ケアをするためにカウンセラーの資格を取ったりすることも「学び直し」のひとつです。
日本の平均寿命が伸び、人が働ける期間が長くなっている今、新しい知識の習得やキャリア形成に役立つ学び直しがこれから働くうえで重要な要素といえるでしょう。
学び直しは保育士に必要?
乳幼児期の子どもの成長を支える保育士にとって「学び直し」の機会を設けることも大切になります。
保育士は子どもの命を預かる重要な仕事です。子どもの生活全般を支えるだけでなく、環境の整備や書類作成業務など多種多様な仕事を担います。
学び直しを行なうことで以下のような効果が期待できるでしょう。
- 専門的な知識や技術の向上
- 仕事へのモチベーションアップ
- キャリア形成の確立
また、学び直しは今までの保育を振り返ったり、これからの働き方について考えたりする貴重な機会になりそうですね。
保育士の学び直しは環境が大切!~園側が取り組むべき具体例~
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保育士が学び直しをサポートするためには、園側が環境を整えることも大切になるでしょう。
具体例を詳しく紹介します。
有益な研修・プログラムの提供
保育士さんに有益な研修やプログラムを提供し、学び直しの機会を作っていくとよいでしょう。
研修やプログラムの例は以下の通りです。
危険察知力強化研修:保育における危険察知能力の向上を図る
リスク管理研修:アレルギー対応や安全性の確保などリスク管理への意識を高める
コミュニケーション研修:保護者や職員とのコミュニケーション力を高める
メンタルヘルス研修:ストレスのメカニズムを知り、自身のストレスをコントロールする
ICT研修:パソコンやタブレットの操作方法を学ぶ
また、職員にどのような研修が必要かアンケートを取ったり、会議で話し合ったりしてもよいでしょう。職員が現場で困っていることがあれば、状況を改善するための研修を用意するのも一つの方法です。
書籍や資格手当の支給
園側が学び直しに必要な費用を支給することで、職員の学習意欲を高められそうです。
例えば、「ピアノの演奏スキルをアップさせたい」という職員には必要な書籍の購入を補助する方法があります。
他にも、「絵本の読み聞かせの勉強をしたい」という方には「絵本よみきかせマイスター」の資格取得の費用をサポートするなど、手段はさまざまです。
まずは職員の学び直しに対してどのような手当を出すことが有益なものとなるのかを考え、園主導で提案してみるとよさそうですね。
業務と学び直しを両立しやすい環境作り
職員がいくら学ぶ意欲があったとしても、日々の業務に追われていては、なかなか学習する時間が取れないでしょう。
保育士は業務量が多く、仕事をこなすだけで精一杯という方もいるかもしれません。業務の役割分担を見直したり、残業時間の削減に向けて取り組んだりと、職員一人一人が学びやすい環境を整えることが重要です。
また、職員の勤務時間の管理についてはこちらをご覧ください。職員の勤怠を見える化することで、学びやすい環境を整えることができそうです。
保育士が学び直しをしやすい環境を作り上げよう
働く人々にとって学び直しの機会は仕事へのモチベーションを高め、スキルアップにつながる時間です。
保育士さんもまた、学び直しを通して子どもたちへの関わり方を見直したり、将来を見据えたキャリア形成を考えたりすることができるでしょう。
園側は積極的に学び直しの機会を設け、保育士さんがやりがいをもって働ける職場を作り上げていけるとよいですね。
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