【2026年最新】待機児童問題の現状。その原因や対策、保育現場への影響をまるごと解説

    待機児童問題とは、認可保育園への入所を希望しても定員不足で入れない子どもが生じる社会問題です。2025年の全国数は過去最少の2,254人を記録しました。しかし新たな問題も浮上しています。本記事では、待機児童の原因となる保育士不足・地域格差といった問題、そして6.4万人にのぼる隠れ待機児童についても詳しく解説します。

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    この記事でわかること
    • 2025年の待機児童数は2,254人と過去最少。一方「隠れ待機児童」は約6.4万人 ▼詳細
    • 待機児童の約83%は1・2歳児に集中。保育士不足が受け入れ拡大を阻む最大要因に ▼詳細
    • 2026年度から「こども誰でも通園制度」全国展開や保育士給与5.3%引き上げなど新たな対策も ▼詳細

    【待機児童のいま】2025年4月の全国数は過去最少の2,254人

    待機児童とは、認可保育園への入所を希望して申し込みをしたにもかかわらず、入所できていない子どものことです。
    2025年4月のこども家庭庁の調査では、全国の待機児童数が過去最少の2,254人となりました。
    2025年度の待機児童問題のトピックとしては、以下が挙げられています。

    • 待機児童数:2,254人(前年度より313人減少)
    • 約87.9%の市区町村で待機児童ゼロ
    • 待機児童数が50人以上の自治体は5自治体に減少

    待機児童が問題となったピーク時である2017年の全国数は26,081人でしたが、減少が続き、2025年までの8年間で、10分の1以下まで減っています出典:保育所等関連状況取りまとめ/こども家庭庁にもとづいて作成

    この減少は、国が待機児童対策として、受け皿の拡大や保育士確保への取り組みが続けられてきた成果はもちろん、急激な少子化の波なども原因と言えそうです。

    待機児童率と年齢別の数からみる現状

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    ピーク時からは順調に減少しつつある待機児童数ですが、自治体によってはいまだ解消できない問題となっている部分もあります。

    以下は、2025年4月1日時点のデータによる、待機児童率の高い上位10自治体です。

    順位

    都道府県

    申込者数

    待機児童数

    待機児童率

    対前年比

    1

    沖縄県北谷町

    1,007

    42

    4.17%

    4

    2

    和歌山県海南市

    806

    33

    4.09%

    33

    3

    奈良県橿原市

    2,509

    68

    2.71%

    68

    4

    大阪府高石市

    1,461

    34

    2.33%

    26

    5

    大阪府大阪狭山市

    1,635

    38

    2.32%

    38

    6

    滋賀県近江八幡市

    2,329

    40

    1.72%

    25

    7

    滋賀県大津市

    9,478

    132

    1.39%

    ▲52

    8

    滋賀県草津市

    4,553

    48

    1.05%

    31

    9

    三重県四日市市

    5,990

    56

    0.93%

    ▲16

    10

    兵庫県西宮市

    10,287

    76

    0.74%

    ▲ 5

    数字だけでなく待機児童率(待機児童数÷申込者数)を確認することで「人数は多くないが入りにくい地域」がわかります。

    また、年齢別の待機児童数を見てみましょう。

    年齢

    待機児童数

    割合

    0歳児

    164人

    7.3%

    1・2歳児

    1,877人

    83.3%

    3歳以上児

    213人

    9.4%

    出典:保育所等関連状況取りまとめ/こども家庭庁にもとづいて作成

    年齢別の待機児童数については、0歳児~2歳児が全体の90.6%を占めており、とくに育児休業が終了する年齢の1・2歳児が圧倒的に多いことがわかります。

    待機児童数を解消できなかった要因として、こども家庭庁による各自治体への調査では、以下のような3つの要因が上位に挙げられていました。

    1. 保育人材の確保が困難だったため、利用定員数を確保できなかった 44.1%
    2. 申込者数の増加、または計画していた利用定員数の不足 39.8%
    3. 地域によって保育需要に偏りがあった(特定の地域や施設への申し込みが集中)35.5%

    待機児童が減らない主な理由として、保育士不足により、園が受け入れ枠を広げられない問題が深刻といえるでしょう。

    ほかにも、全体の77.3%にのぼる共働き世帯(2024年時点)の急増や、特定の園への入園希望が集中することが解消を難しくしています。

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    【2026年】待機児童問題の原因と国が取り組む対策

    待機児童問題には、ひとつではなくさまざまな要因から起こっています。

    それぞれの問題が起こる原因と、それぞれの原因に対して2026年度に国が行う予定の対策を、こども家庭庁の資料をもとにまとめました。

    共働き世帯の増加による保育ニーズの高まり

    働く女性の割合が増え、25〜44歳女性の就業率は8割を超えています。

    共働きが一般的なライフスタイルとなったことで、かつてよりも「子どもを保育園に預けたい」と考える家庭が大幅に増えました。

    子どもの数自体は減っていますが、預ける人の割合が高まっているため、保育の需要はまだ高い水準にあります。

    【2026年度の対策キーワード】

    ・こども誰でも通園制度

    就労要件を問わず時間単位で利用できる「こども誰でも通園制度」が2026年度から全国展開されます。フルタイム勤務以外の多様な保育ニーズを柔軟に受け入れることで、認可保育所への一極集中を分散させます。
    保育利用支援事業(入園予約制)

    1歳児クラスの枠が埋まる前に翌4月の入園を予約できる仕組みです。育休を1年間取得しつつ職場復帰の時期を確保し、その間の代替保育利用料や施設の体制整備も国が支援します。

    地域による「需要と供給」のバランス

    受け皿の過不足は全国一律ではなく、地域によって状況が大きく異なります。

    再開発などで若い世代が流入する都市部では、整備が追いつかず入園待ちが発生する一方、地方では定員を下回る園も増えています。

    このような地域差の問題により、受け皿の整備が難しい状況が続いています。

    【2026年度の対策キーワード】

    ・人口減少地域における保育機能確保・強化、地域分析

    人口減少地域での保育を守るために向け、将来の利用者数を予測しながら、施設の統廃合や多機能化等のモデル事業を支援する予算が組まれます。

    保育士不足による受け入れ人数の制限

    園の建物や設備に空きがあっても、そこで働く保育士が足りないために、子どもを迎え入れられないケースが深刻です。

    待機児童がいる自治体の約半数が、解消できない理由として「保育士の確保が困難なこと」を挙げています。

    人員配置のルールを守るために、やむを得ず受け入れ人数を絞っている園が少なくありません。

    【2026年度の対策キーワード】

    ・保育士の給与5.3%引き上げ

    令和7年人事院勧告に基づいて、2026年度から保育士の公定価格(人件費分)が5.3%アップします。これにより、保育士の給与水準の改善が期待されます
    ・保育支援者

    清掃や配膳、寝具の用意など、無資格でもできる仕事を分担する「保育支援者」の導入に補助金が支給されます。保育士の負担を減らすことで、離職を防ぎ、受け入れ児童数を確保することにつなげます。

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    預けたい時期である「低年齢児」への集中

    待機児童の多くは1歳児と2歳児に集中しています。

    この年齢の子どもには、3歳児以上に比べてより多くの配置基準が定められています。

    最もニーズがある時期と、最も人手が必要な時期が重なっているという仕組み上の課題が、スムーズな解消を阻む要因となっています。

    【2026年度の対策キーワード】

    ・企業主導型ベビーシッター

    待機児童の多い1・2歳児の受け皿確保に向け、企業主導型ベビーシッターの利用料を、国が補助します。
    2026年度は、夜間や休日、出張時などの多様なニーズに応えるため、使いやすいチケット制度の運用が継続されるようです。
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    待機児童ゼロの裏にあふれる「隠れ待機児童」

    待機児童数は減少していますが、この数字には、認可保育園に入れなかったすべての子どもが含まれているわけではありません。

    実は、待機児童の数え方には、国が定めた基準があるため、その基準に含まれない子どもは、実際に保育園には入れていない状態でも、待機児童としてカウントされていないケースがあるのです。

    待機児童数に含まれない「除外4類型」

    保育園に入所できなかった児童のうち、以下の項目のいずれかに該当する場合は「待機児童」のカウントから除外されます。

    • 育休延長中:園に入れなかったため、保護者が育休期間を延長した場合
    • 特定園のみ希望:自宅から近い園や兄弟と同じ園など、特定の施設のみを希望している場合
    • 求職活動の休止:預け先が見つからないために、仕事探しを一旦ストップした場合
    • 地方単独事業の利用:認可外施設のうち、自治体が独自に助成している施設を利用している場合

    これら「除外4類型」に該当する子どもは「保留児童(隠れ待機児童)」と呼ばれます。

    全国の隠れ待機児童(保留児童)数は約6万4,000人

    2025年時点でのこども家庭庁の調査では、全国の待機児童数2,254人に対して、隠れ待機児童は64,489人にのぼります。

    最も多かったのはその前年の2024年で、隠れ待機児童数は71,032人に達していました。
    2025年度でも、公式な待機児童数の約28倍もの子どもたちが、「認可保育園への入所を希望しながら、結果的に入れていない」のが現状です。

    自治体が「待機児童ゼロ」を達成したとしても、依然として多くの隠れ待機児童が控えているため、保育のニーズはまだ高いと言えそうです。

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    2026年度はどうなる?待機児童問題をもっと知る3つのポイント

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    2026年度から全国展開される新制度も踏まえ、現場を取り巻く変化のポイントを詳しく解説します。

    子どもの数はさらに減り「園が選ばれる」時代へ

    2024年には統計史上初めて年間出生数が70万人を割り込み、入園してくる児童数も減少の一途が見込まれます。

    待機児童数が増加していた頃は「足りない受け皿を増やす」ことが課題でしたが、これからは、魅力的な園や質の高い保育が求められるようになりそうです。

    POINT!

    園にとっては「入園児が来てくれるのが当たり前」ではなくなります。
    自分の園のよさや、地域での評判を大切にすることが、園や自身の仕事を守ることに直結しそうです。

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    待機児童ゼロでも、見えない隠れ待機児童が存在

    待機児童数ゼロの自治体でも、実際には「育休を延長して空きを待っている」「特定の園だけを希望している」などの理由でカウントされない、隠れ待機児童が多く生まれています。

    数字上は解決したように見えても、認可保育園を求めている保護者のニーズは依然として高いままが続くかもしれません。

    また、新築マンションが多く建つ地域や、子育て世代が引っ越してくる人気の街では、今でも「入園したくてもできない」状況が起きています。

    一度は「待機児童ゼロ」になった地域でも、翌年にはまた申し込みが殺到することがあるため、エリアによって忙しさに大きな差が出ています。

    POINT!

    「全国的に待機児童が減った」という事実と、現場で働く保育士さんの体感に差を感じるのは、これが原因かもしれません。
    特定の場所に希望が集中するような偏りが生まれる傾向は、今後も強まる可能性があります。

    受け皿になる?「こども誰でも通園制度」が2026年から全国展開

    定員に空きが出始めた園を活用して、保育園に通っていない家庭の子どもを定期的に預かる「こども誰でも通園制度」が本格的に始まります。

    これは園の維持に役立つ一方で、人手が足りない園では導入が難しいという課題も。制度をうまく使えるかどうかが、これからの園や保育士さんの働き方にも影響が出そうです。

    POINT!

    こども誰でも通園制度の導入により、隠れ待機児童の預かりが想定されます。
    保育士さんにとっては仕事の幅が広がりますが、それに見合ったスタッフの確保や配置がしっかりなされるかが、保育現場にとっては大事になるでしょう。

    待機児童問題について気になるQ&A

    2026年の待機児童問題について、保育士さんが知っておきたいこと・疑問に思うことをまとめました。

    Q1. 待機児童問題とはどういうこと?

    A. 保育園への入所を希望しているのに、定員不足などで入れない子どもがいる問題です。

    共働き世帯の増加により保育の需要が高まる一方で、受け皿となる施設や、そこで働く保育士さんの数が不足していることが主な原因です。

    子どもを預けられないことで保護者が復職できず、家計やキャリアに影響を及ぼす社会問題として長年議論されています。

    Q2. 2054年の待機児童数は何人?

    A. 2025年(令和7年)4月1日時点の待機児童数は、全国で2,254人です。

    2025年度の待機児童数は、前年より313人減少し、過去最少をさらに更新しました。

    子どもの数が減る一方で、自治体の整備が進んだことで全体数は減っていますが、依然として211の市区町村で待機児童が発生しています。

    特定の地域に希望が集中するなどの課題により、今も解消に向けた取り組みが続いています。

    Q3. 隠れ待機児童(保留児童)とは?

    A. 認可園に入れないものの、育休延長などの理由で「待機児童」に含まれない子どものことです。

    「特定の園だけを希望している」「入所を諦めて育休を延長した」などのケースは、統計上の待機児童数から除外されます。

    この「保留児童」は全国に約6.4万人(令和7年調査では約28倍)存在しており、数字に表れない潜在的なニーズの実態となっています。

    Q4. 待機児童数が最も多い都道府県はどこ?

    A. 2024年4月の時点では、滋賀県が最も多くなっています。

    こども家庭庁の調査資料によると、滋賀県は待機児童数が132人と全国で最多でした。次いで兵庫県の76人、奈良県の68人と続きます。

    都市部だけでなく、地方の主要都市や再開発エリアでも、急激な人口流入に保育施設の整備が追いつかず、局所的に待機児童が発生する傾向が見られます。

    出典:保育所等関連状況取りまとめ/こども家庭庁出典:令和8年度保育関係予算案の概要/こども家庭庁

    保育士の働き方にも関係する、待機児童問題について知ろう

    全国の待機児童数は減少傾向にありますが、その裏では「隠れ待機児童」の増加、特定の地域や1・2歳児への需要集中といった問題が出てきています。

    とくに待機児童が生まれる背景には、保育士の人材不足が大きな原因となっています。

    そのため、資格や経験を持った保育士さんは、待遇のよい園からも「すぐにでも来てほしい!」と求められています。

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