【2026年版】公定価格とは?保育園の運営費と最新の改定について分かりやすく解説

    公定価格とは、教育・保育施設を対象とした財政支援で給付する費用を求めるための価格のことです。 国が決めた基準をもとにして算定されており、子ども一人あたりの教育・保育に必要となる費用として認定されています。本記事では、公定価格の基準や算出方法・支払いの仕組みといった基礎知識から運営上での疑問に答えるQ&A、2026年度から新設される加算・減算・評価項目などをわかりやすく解説します。

    naka / stock.adobe.com

    「公定価格」は国が定める保育園の標準的な運営単価

    公定価格とは、子ども1人あたりの「教育・保育に通常必要な費用」として国が定めた基準額(単価)です。私立保育園の運営費は、この公定価格がベースとなります。

    この公定価格の「総額」がいくらになるかは、園の体制や地域に応じて、以下の2つの要素を合算して計算(算定)されます。

    どこの園でも支払われる「基本分」
    人件費、事業費、管理費の3要素で構成される、園を運営する上での最低限の土台です。

    園の状況に応じてプラスされる「加算分」
    処遇改善や延長保育、ICT活用など、園の個別の取り組みに応じて上乗せされます。また、物価の高い都市部では地域区分により単価が調整されます。

    上記を合算することで、総額が決定します。計算式としては、以下のようになります。

    公定価格の構造

    基本分

    人件費・事業費
    管理費

    加算分

    処遇改善・
    延長保育など

    運営費
    総額

    このように、基本となる土台の金額に、それぞれの園が努力している項目を積み上げていくのが、公定価格の基本的なルールと考えるとわかりやすいでしょう。

    お問合せ&資料ダウンロード

    採用課題・経営課題に関する個別ご相談受付やサービスガイドなどの資料DLはこちらからどうぞ。
    まずはお気軽にお問合せください!

      法人名または施設名

      都道府県

      ご担当者様名

      メールアドレス

      お電話番号(ハイフンなし)

      お問い合わせタイトル

      お問い合わせ内容

      ダウンロードを希望する資料(任意 & 複数選択可)

      公定価格を決める4つの算定基準

      保育活動oey106 / stock.adobe.com

      公定価格によって算出される給付額は、すべての園が一律ではありません。子どもの年齢や施設の場所、定員規模など、複数の条件を組み合わせて一園ごとに細かく計算されます。

      公定価格の基本分単価を左右する主な要素は、以下の4点です。

      子どもの年齢と認定区分

      保育施設に在籍する子どもが「何歳か」「どの認定を受けているか」によって、一人あたりの単価が異なります

      これは、年齢が低いほど配置すべき職員数が多くなり、人件費がかかるためです。

      認定区分は、子どもの年齢や家庭の状況(保育の必要性)によって、以下のように分類されています。

      認定区分

      年齢

      給付内容

      利用可能施設

      1号認定

      満3歳以上

      教育標準時間

      幼稚園・認定こども園

      2号認定

      満3歳以上

      保育短時間・保育標準時間

      保育所・認定こども園

      3号認定

      3歳未満

      保育短時間・保育標準時間

      保育所・認定こども園

      地域による単価の差(地域区分)

      公務員の地域手当に準じて、施設がある市区町村ごとに8つの区分が設定されています。

      東京23区など賃金や物価が高い都市部ほど単価が高くなります。

      また、園の所在地や自治体ごとの区分に割り当てられた数字が大きいほど、基本分単価に上乗せされる割合が増えます

      施設の利用定員

      園の定員規模も、単価に影響を与える重要な要素です。

      一般的に、定員が少ない小規模な施設ほど、一人あたりの運営コストが高くなる傾向にあるため、定員区分ごとに単価が設定されています。

      2026年度の改定では、一部の地域の小規模施設を対象に、定員割れによる急激な減収を抑えるための算定が行われる予定です。

      園独自の取り組み(加算項目)

      年齢や地域による基本分に加えて、園がどのような保育を行っているかによって金額が加算されます。

      たとえば、職員の経験年数やキャリアに応じた処遇改善延長保育の実施専門職の配置などが該当します。

      これらすべての要素を合算したものが、その園の最終的な公定価格(運営費総額)となります。

      保育の「公定価格」は、保護者と行政から支払われる

      「運営費の総額」として、前述の方法で計算された公定価格は、以下の図のように園に支払われます。

      公定価格(総額)
      公費負担額(施設型給付費)
      公定価格(総額)から保護者が支払う保育料を差し引いた額(国・自治体が負担)
      利用者負担額(保育料)
      保護者が世帯年収に応じて支払う保育料
       
      私立保育園
      (委託費として支払われる)

      このように、保護者から支払われた保育料を引いた額に、行政から支払われる「公費負担額(給付金)」を合計することで、算出された公定価格の額に到達する仕組みになっています。

      園へ入ってくる収入額は「公定価格」によって、基本分と加算分で予算(総額)を決め、保育料と給付金でその予算をまかなうシステムになっています。

      2026年度より新設される加算・減算項目(予定)

      2026Tatjana-Balzer / stock.adobe.com

      保育における、国の公定価格は年度ごとに見直しが行われます。主な理由は、以下の要素を反映させる必要があるためです。

      人件費の改定
      国家公務員給与の改定(人事院勧告)に準じた引き上げ・引き下げ

      物価の変動
      消費税率の変更や、光熱費・食材料費などの物価水準を考慮

      政策的な加算
      待機児童対策や保育士の処遇改善など、その年の重点施策にもとづく新たな加算項目の追加

      2026年度の4月からは、これらにもとづいた新しい支援策が導入される見通しです。

      ここからは、この新しい施策案をそれぞれわかりやすく解説します。

      特別地域保育体制確保対応加算(仮称)

      過疎地などの小規模施設を対象とした支援策です。

      児童数が減少している地域でも、保育施設の維持が必要なケースを対象とした新たな加算です。

      新制度の中身
      利用人数が15人以下の小規模園で、保育の質の確保にかかる取り組みや保育の維持や確保に向けた取り組みを行う場合に算定対象になる。
      新制度のねらい
      地域から保育の場がなくなることを防ぐ

      保育ICT推進加算(仮称)

      保育現場におけるテクノロジーの活用を奨める加算項目です。

      業務改善や制度を今後も続けていくための加算として新設が検討されています。

      手書きの書類作成や電話応対などの事務作業を減らし、職員が子どもと向き合う時間を確保するとともに、心身のゆとりを持てる職場環境作りを後押しします。

      新制度の中身
      保育にかかる業務内で、計画・記録、保護者連絡、登降園管理、キャッシュレス決済システム、保育施設業務管理プラットフォームなどを活用することが要件の加算を新設。
      新制度のねらい
      園の業務効率化を推奨するための加算
      ICT化のお悩みは
      保育士バンクで解決!

      「こども誰でも通園制度」にかかる公定価格の見直し

      2026年度から全国で本格実施される「こども誰でも通園制度」の給付化にともなう公定価格の新設定です。

      新制度の中身
      主幹教諭等専任加算、主任保育士専任加算、事務職員雇上費加算、高齢者等活躍促進加算が新たに設けられる。
      新制度のねらい
      こども誰でも通園制度の実施にともなう公定価格の設定

      障がい児保育加算の「保育士みなし特例」新設

      障がい児保育を行う施設への「保育士みなし特例」を創設し、加算の対象にします。また、既存の「療育支援加算」も、さらなる加算の充実が具体的に検討されています。

      新制度の中身
      「療育支援加算」の見直しに加え、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった専門職を保育士の数に含めることができる「保育士みなし特例」を新設。
      新制度のねらい
      専門職を効果的に活用し、保育現場におけるインクルージョン(包摂)を推進

      安全計画の策定・経営情報の報告にかかる減算(2026年7月〜)

      法令によって園に求められる「安全計画の策定」や「研修・訓練の定期的な実施」などが行われていない場合に適用される減算項目です。

      本減算は、2026年7月より新たに創設される予定です。

      読んでおきたいおすすめ記事

      2026年度より拡充される加算・評価項目

      既存の加算制度のうち、2026年度にさらなる充実や要件の見直しが検討されている項目をまとめました。

      保育士・幼稚園教諭等の処遇改善
      【拡充の内容】
      保育士・幼稚園教諭等の公定価格上の人件費について、令和7年の人事院勧告を踏まえた改善を確保
      【拡充のねらい】
      保育士・幼稚園教諭のさらなる処遇改善
      満3歳児以上限定小規模保育事業加算の設定
      【拡充の内容】
      3歳児~5歳児のこどものみを対象とする小規模保育事業の創設にともなう公定価格の設定
      調理体制の人件費算定を見直し
      【拡充の内容】
      定員が21人~40人の保育所および認定こども園を対象に、繁忙時間帯に追加の調理員(非常勤職員)を配置するための費用を積算
      【拡充のねらい】
      比較的小規模な施設における調理業務の負担を軽減
      学級編制調整加配の見直し
      【拡充の内容】
      2026年度からの幼稚園・認定こども園の園児数が一学級30人以下になることにともない、公定価格の対象基準を31人以上に見直す
      【拡充のねらい】
      学級編成の規定の見直しに合わせて、人員を増やすための加算対象を適切に調整

      そのほかにも、以下のような内容の加算や減算、見直しが予定されています。

      施設機能強化推進費加算の充実:施設の防災機能・対策強化のため、単価設定について施設の規模を踏まえた調整を行う

      冷暖房費加算の緩和措置の継続:区分の変更により対象外となる市町村への緩和措置について、2026年度以降の継続を検討

      年齢別配置基準を満たさない場合の減算:
      月末に急な退職が生じた場合など、 人材確保に一定の猶予を設けるための減算の見直し

      「経営情報等の報告を行っていない場合」の減算:
      毎事業年度の終了後5カ月以内に経営情報などの報告を行っていない場合の減算

      これらの施策は2026年度からのスタート予定ですが、内容や施行時期は変更・改定される可能性もあります。

      公定価格と最新改定に関するよくある質問

      公定価格についてもっと詳しく知りたい、疑問があるという保育園経営者の方の声に応えます。

      Q1 ほかの市町村の子どもが利用する場合、地域区分は居住地と所在地のどちらが適用されますか?

      A. 施設の所在地のほうの区分が適用されます。

      基本的には、園児の居住地域ではなく、施設の所在地域に準じた公定価格が適用されます。

      ちなみに、給付費や委託費の請求は子どもの居住地である市町村に対して行い、保育料(利用者負担額)も居住地の市町村が設定した金額となります。

      Q2. 2026年度の新加算はいつから申請できますか?

      A. 2026年4月の施行予定です。

      基本的には年度初めの4月からの施行になる可能性が高いですが、具体的な申請要件や単価は、2026年3月ごろに告示される予定です。

      また「安全計画の策定・経営情報の報告にかかる減算」のように、7月以降など時期をずらしての施行が検討されている制度もあります。

      Q3. ICT加算のために担当者を新しく雇う必要がありますか?

      A. 新規雇用の必要はなさそうです。

      こども家庭庁の資料によると、本加算のためだけに専任職員を新規雇用することは規定されていません。

      算定要件として「保育にかかる業務内で、計画・記録、保護者連絡、登降園管理、キャッシュレス決済システム、保育施設業務管理プラットフォームなどを活用」とあるため、既存の職員でICTを活用した業務改善に取り組むことで算定可能になる見込みです。

      Q4. 災害や感染症で臨時休園した場合、運営費の支給はどうなりますか?

      A. 通常通り給付費が支給されます。

      保育の提供体制を維持するため、通常通り給付費が支給されます。
      各種加算や調整の判断も、休園の影響を除いた通常の状態に基づき行われます 。収入が保証されるため、職員への人件費も適切に支払うことが求められます。

      園運営でのお悩みは
      保育士バンク!に相談

      公定価格の仕組みや2026年度の最新情報を理解しよう

      2026年度の公定価格改定は、少子化による定員割れへの対応やICT活用、配置基準の見直しなど、現場の課題に応える内容となっています。

      制度の変更点を早めに把握し、新しい加算を適切に取り入れることで、保育の質と園の評価・職員の定着率の向上を同時に進めていきましょう。

      保育士バンク!では、人材紹介や求人掲載、シフト・勤怠管理のICT化まで、園の採用・運用を幅広くサポートしています。

      次年度の採用を成功させたい」「ICTシステムを導入して業務効率化を図りたい」など経営上のさまざまな課題にも、最適な解決策をご提案します。

      園運営や制度対応、人材確保に課題を感じている経営陣、園長先生、採用担当の方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

      まずはサービスを見てみる

      出典:施設型給付の概要と仕組み/こども家庭庁出典:令和8年度予算案の概要(事業別の資料集)/こども家庭庁出典:令和8年度予算編成過程で検討する主な事項について/こども家庭庁出典:令和8年度予算編成過程で検討する保育所等の公定価格の見直しについて/こども家庭庁出典:令和8年度保育関係予算概算要求の概要/こども家庭庁出典:公定価格における地域区分に関する対応について/こども家庭庁出典:公定価格に関するFAQ(よくある質問)/こども家庭庁

      保育施設の採用課題へのお取組み支援

      コスト削減しながら採用を強化するって、どうすればいいの?

      新卒採用も年々難しくなってきているし、参考にできる採用事例が聞ければなぁ。

      採用のお悩みは私たち保育士バンク!にお任せください!

      保育士バンク!からのご提案

      • 人材紹介サービス
      • 求人広告制作代行
      • 就職・転職フェア
      • 認知拡大、情報発信支援

      保育施設が抱える人材確保や採用課題について、保育士バンク!の担当エージェントがしっかりとサポートいたします。
      各サービスへのご質問、採用課題・経営課題についてのご相談についても受け付けております。

       

      人材紹介&求人広告採用のお問合せはこちら

       

      お問合せ&資料ダウンロード

      採用課題・経営課題に関する個別ご相談、お問合せはこちらからお願い致します。

        法人名または施設名

        ご担当者様名

        都道府県

        メールアドレス

        お電話番号

        ダウンロードを希望する資料(任意 & 複数選択可)

        ご関心のある内容(任意 & 複数選択可)

        お問い合わせ詳細、個別ご相談(任意)

        特集コラム一覧

        本記事の内容は、記事作成日時点の資料等を基に可能な限り正確な情報を掲載するよう努めております。
        しかしながら時間の経過等により情報が古くなったりすることもあり、必ずしもその内容の正確性および完全性を保証するものではございません。

        また、記事の内容はひとつの見解を示すものであり、皆様が思考を更に深める材料としてご活用いただくことを目的としております。
        実際には多様な見解があり、必ずしも唯一絶対の真理を示すものではありません。これらの点につき、本記事の内容を参考にしていただく際は念のためご留意ください。

        コラム記事を探す

        人材紹介・求人広告お問合せ&資料DL