埼玉県を中心に関東エリアで保育園を展開する「まあれ愛恵会」様。
競争率が高い関東圏で、22年度は新卒学生55名を採用につなげるなど安定的な採用力を強みとしています。
2016年から保育士バンク!とお付き合いいただき、これまで7年間、就職・転職フェアへの出展、求人広告の掲載を継続的に行なっています。
今回は、長年の経験に基づいた採用戦略とともに、求職者の視点から考える園の魅力の伝え方について、理事長の海田様にお聞きしました。
■目次
採用基準に合った人が見つからない…採用に悩んだ過去
ーーー現在、新卒採用を中心に採用を進めている「まあれ愛恵会」様。
採用活動の方針を教えてください。
当法人では、長く活躍していける方を探すために「自園の保育理念や方針に沿って成長していけるかどうか?」を軸に選考しています。
その中で中心に採用しているのが新卒の学生さんです。
自園で活躍できそうな方を探すために、ハローワークや養成校での求人募集はもちろん、就職・転職フェアへ出展するなど当初から採用活動にはある程度費用をかけていました。
しかし、「新卒を採用したいのにハローワークから紹介してもらえるのは50~60代の方がメイン」
「当時出展していた一般職向けのフェアでは保育士さんと全然出会えない」といったミスマッチがありました。
特に園の拡大とともに採用枠を増やした時期は「どうすれば採用がスムーズに進むのか」と悩みましたし、採用基準を下げずに人員を確保することの難しさを実感しました。
そんなとき、保育業界を専門に採用支援を行っている保育士バンク!さんと出会ったんです。
ーーー保育士バンク!のご利用を決めた理由は何ですか。
当時、就職・転職フェアに出展した経験はあったのですが、製造や金融など他の業種の会社も幅広く集まる、いわゆる総合媒体の会社さんが主催するイベントに参加していました。
保育士専門のイベントではなかったので、
保育の仕事を探している方への集客力があまりないのがネックでした。
実際イベントでも保育業界志望の方が少なく、出展しても採用につながらない状況だったんです。
「このままではいけない」と焦りを感じていたとき、保育士バンク!営業担当の方から「保育士バンク!の就職・転職フェアは保育士さんや保育学生さんの集客にかなり強い」とお聞きしたので利用してみることにしました。
実際に参加してわかりましたが、やっぱり保育業界を専門にしたサービスなので、当然、総合媒体のフェアよりも保育経験がある方・保育系の学生さんの来場が多く、求める人材にアプローチしやすいなと思いました。
実際にブースに来てくださる方も勉強熱心で。真剣に話を聞いてくださる方が多くうれしいですね。
ーーー実際の保育の様子
試行錯誤で編み出した就職・転職フェアの戦略
ーーー「まあれ愛恵会」様では毎年、各エリアを合計して10回程度の就職・転職フェアに出展していますが、安定的に採用できるまでには試行錯誤があったそうです。
フェア会場にいるライバルとどう差をつけるか?を考える
就職・転職フェアには多くの園の方が出展するので、ともすれば埋もれてしまう可能性はあります。
そこで、どうしたらライバルとなりうる出展法人の中で一番になれるか?を考えます。
当法人は待遇や福利厚生がアピールポイントなので、同じように待遇面を充実させている園が競合相手になります。出展法人のことを調べると「約半分がライバルになりそうだな」などとわかるので、あとはその中で一番になる方法を考えます。
一番になるために大事だと思うのが、ブースに立つ先生たちの雰囲気です。
やっぱりブースに活気があると、求職者さんからしても「何だか楽しそうだな」と興味が湧くでしょ?
だから、自発的に「フェアに出てみたい」と言ってくれた先生に出席してもらうようにしています。実際、当日に向けて積極的に時間を作り、ブースに掲示する写真を変えようとか、どんな声かけをするかなど話し合ってくれているので頼もしいです。
やっぱり先生たちが使命感を持って話をすれば、「この園の先生って雰囲気がいいだけじゃなくて、考え方がしっかりしているんだ!」と求職者さんに思ってもらえると思いますし、こうした熱心な心がけこそがライバルに負けない強い武器になるんじゃないかなと思いますね。
ーーー実際の保育の様子
せっかくの宣伝ノベルティが目立たない…他の法人から学んだ試行錯誤の時代
私たちも、最初からうまくいっていたわけではありませんでした。
いつかのフェアで、園のロゴ入りバッグを配っている法人さんがいたので、「宣伝になるし、うちでもやってみよう」と、A4サイズのロゴ入りバッグを作ったことがありました。
しかし当日会場に持って行くと、もっと大きいバッグを配っている法人さんがいて…私たちのバッグが全然目立たなくなったんですね。
求職者さんは回ったブースでパンフレットや資料をもらうことがあるので、バッグは非常に便利なんですが、サイズが小さいとそれを上回る大きさのバッグにまとめて入れられてしまうんです。
それに、バッグを持っている方を見て「あれは何だろう。中に何が入っているのかな?」と気になり、そのバッグを配っているブースに足を運ぶんですよ。
そのとき、ただロゴ入りのバッグを作るんじゃなく、大きくて目立つものが目を惹くんだ!とわかりました。
この反省を活かして、オレンジ色で同じくらい大きなバッグを作ったら大当たり!
予想通り求職者さんの目に留まって、ブースに来てくれる方が増えるという好循環を作ることができました。
最初から一筋縄ではいきませんでしたが、繰り返し出展する中で他の法人さんのやり方を勉強できましたし、自分たちに足りていない要素を知れたと思います。
人を集めるためにはブースに立つ先生たちの積極性も大事ですが、自園の存在をアピールする戦略や工夫も必要だと気づきましたね。
フェア出展後の追客は一通の手紙のみ
ーーー就職・転職フェアでは、着座した求職者と継続的に連絡を取り、園見学や選考につなげることも重要になります。
「まあれ愛恵会」様ではどのように求職者と接点を作っているのでしょうか。
フェアで出会った求職者さんに繰り返し声をかけるやり方もあると思うのですが、当法人では、フェアで話をした方へメールか手紙を一通送るだけにしています。
なぜなら、園側から猛烈にプッシュするより、求職者さんに「この園に行きたい」って気持ちを持ってもらうことが重要だと考えているからです。
だからメールや手紙には「うちがいいよ!ぜひ来てね」といった内容ではなく、「いろいろな園をいっぱい見てよく調べて、自分にとって一番いい園に就職できるといいですね」というメッセージを伝えるようにしています。
「求職者が園を選ぶときの行動」をとことん考える
ーーー「まあれ愛恵会」様の採用手法は決して就職・転職フェアのみではありません。
保育士バンク!のフェアと共に掲載中の求人広告には、求職者の動きに裏付けられた戦略がありました。
採用って、「就職・転職フェアに出展すればいい」「ただ求人を載せるだけ」じゃダメなんですよ。
大事なのは、求職者さんが園を選ぶまでにどんな行動をしているか、どんなプロセスを踏んで園を決めているかの「動線」をもとに戦略を立てることなんです。
たとえば、求職者さんが求人サイトにたどり着いて募集要項などを見た際に、その園がいいなと思ったら園のホームページに飛んでみることがあると思います。他にも、就職・転職フェアの開催情報が載ったページから、出展法人の求人広告を見に行くことも考えられますよね。
求職者さんは納得のいく園を見つけるために、いろいろな媒体を通して気になる園の情報を集めたうえで応募しているはずなんです。
だから、「保育士バンク!」という同じサイトに載せるからこその相乗効果を見込んで、就職・転職フェアと求人広告をセットで利用して、応募してもらいやすい仕組みを作っているんです。
プラスして、求人サイトから自園のホームページを訪問してくれた求職者さんに「素敵な園だな、行ってみたい!」と思ってもらえるように、ホームページの情報を充実させて、都度ブラッシュアップしています。
あとは、他の園と比べたときに条件が魅力的に見えているかどうかも重要ですね。
どこで勝負していくかは園によって異なりますが、当法人では保育士さんが安心して働ける環境作りや待遇の充実に力を入れています。
こうした点を考えないと、「就職・転職フェアを試したけど採用につながらない」「求人広告を出しても応募が来ない」という事態に陥ってしまうと思います。
求職者さんにとって自園がどんな風に見えているのか?を考え、 園を選ぶときの行動をトータルで考えることが採用成功の秘訣です。
ーーー実際の保育の様子
多くの人に求人情報を届けるには掲載期間が肝!
ーーー求人情報がどんなふうに見えているかを求職者の視点で考え、園の魅力を伝えるためのアプローチに工夫を尽くしていらっしゃる海田様。
求人広告の掲載では、どのような戦略があるのでしょうか。
大前提、採用確率を上げるには母数を大きくする、つまり応募者を増やすことが重要なので、なるべくたくさんの方に求人を見てもらう必要があります。
一般的に新卒保育士さん向けの求人広告って夏から秋頃に出す園が多いですよね。
しかし当法人では、春先の早い時期から冬頃まで求人を出しているんですよ。
それは、4年制大学と短大・専門学校で就職活動を行なう時期が異なるからなんです。
4年制大学の方だと、3月~4月から就職活動をしている方が多い。保育以外の学科もあるので、一般職の就活の流れで保育学生さんも早めにリサーチを始めるんですね。
一方短大・専門学生さんの場合、実習時期の関係で1月くらいまで就活をしている学生さんがいます。
ただし、1年中ずっと求人を出していればいいわけでもない。
ずっと募集をかけていると「もしかしてこの園は人手不足なの?」と敬遠されてしまう可能性があると思うんですね。
だから当法人では、1年のうち2カ月間くらい、あえて求人の掲載をお休みする期間を作る試みをしています。
今後必要なのは”リアルな園の雰囲気”を届ける工夫
ーーー「まあれ愛恵会」様では、ホームページや求人広告など各所で園の様子を紹介する動画を掲載されています。
採用活動に動画を活用することにはどんな意図があるのでしょうか。
人間、まずは視覚から入るっていうじゃないですか。求職者さんに園のことを覚えてもらうためにも動画は有効な手段なので、今の採用活動において絶対取り入れるべきものだと思っています。
もっと言えば、働く園を選ぶときに、園の雰囲気も知ったうえで検討してほしい。
動画を使えば、普段園でどんな保育をしているのか、実際の施設の様子はどうなのかをより臨場感を持って伝えられますよね。
実際、園のホームページに公開している動画は、普段の雰囲気をリアルに伝えることを重視して、撮影から編集をすべて保育士さんたちに担当してもらっています。
さらに、求人情報も文字だけだとなかなか印象に残らないので、保育士バンク!の求人広告内には動画を掲載しています。
オリジナル動画も保育士バンク!で制作する動画も両方活用し、さまざまな方法で求職者さんに園の魅力を伝えていきたいです。
上記は保育士バンク!新卒の動画制作サービスをご利用いただき求人広告に掲載中の動画。職員の方々へのインタビューから、現場の明るい雰囲気が伝わります。
入職が決まった方に応募のきっかけを聞くと「求人に載せていた動画が良くて」と答えてくれる方もいるそう。
ーーー最後に、今後の採用活動の展望についてお聞かせください。
聞いたところによると、最近は保育士を目指す人の数が結構減ってるらしいです。
新卒採用に力を入れている当法人では、その事実は必ず考慮しなければなりません。
だから今後は、応募者の母数を担保して多くの求職者さんと出会い、その中から自園で活躍できる人を採用していけるようにしたい。
具体的には、子どもと共に自分自身も成長していけるような素直さや成長意欲を持った方。保育士という仕事に強い思いや熱意を持っている方に出会うのが理想です。
今後も保育士バンク!を通じて、当法人で活躍できる素敵な方に出会えることを期待しています。
保育士バンク!について
保育士バンク!は、人材確保にお困りの保育施設の皆様に向けて、採用のご支援をしています。
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