近年注目されている「リスキリング」にはどのような目的があるのでしょうか。デジタル化が進む中、ITスキルの習得に向けて取り入れる企業が増えているようです。今回は、リスキリングの意味や導入効果、保育園における導入手順を詳しく紹介します。保育士にとってリスキリングが必要な理由もまとめたので、活用してみてくださいね。
aijiro/stock.adobe.com
リスキリングとは
そもそもリスキリングとは、今後新たに取り組む業務のスキルの習得を目的に学び直すことをいいます。最近はコンピュータに関する技術や知識の習得に向けた用語として使用されることが多いようです。
その背景として、近年事業を運営するうえで、ICT化やAI技術の活用などのデジタル化が進められています。
デジタル化に伴い、さまざまな現場でコンピュータに関する技術の習得が必要になり「リスキリング」という用語が注目されるようになりました。
企業間でさらなるデジタルの活用が進む中、従業員に対するリスキリングの取り組みが重要視されています。
なぜ保育士にリスキリングが必要?
保育業界においても保育士の業務負担や労働環境の改善に向けてパソコンやタブレットなどさまざまな電子機器の導入を推進しています。
パソコンでおたよりを作成したり、勤怠管理システムを活用してシフトを作成したりと活用法はさまざまです。
そのため園側がリスキリングの機会を設けることで、以下のようにさまざまな効果が得られるといわれています。
業務の効率化に役立つ
保育士は指導案やおたより作成、連絡帳記入など書類業務が多い仕事です。手書きで行なう作業に追われ、残業時間が長くなったり、仕事を持ち帰ったりすることもあるようです。
このような状況の中、リスキリングを通して電子機器の活用法を学ぶ機会を設ければ、デジタル化が可能な業務を増やすことができ、仕事の効率化に役立つでしょう。
職場環境の改善につながる
リスキリングで習得した内容を実践して仕事が効率化すると、時間がかかっていた業務の削減につながります。
結果的に職員の残業時間が短くなったり、子どもと向き合う時間が増えたりすることで、職場環境の改善が期待できます。
職員同士の意見交換の場になる
リスキリングの取り組みはパソコンやタブレットの技術の習得だけではなく、職員同士の学び合う場を提供します。
同じプログラムや研修をこなすと意見交換ができたり、コミュニケーションが活性化されたりすることにつながるでしょう。
また、どのような業務をデジタル化するべきか職員同士で考えるきっかけにもなりそうです。
子どもの健康管理や午睡管理、預かり時間のチェックなどができるさまざまなシステムが開発されています。
園でどのようなシステムを取り入れて、どう活かしていくのか職員一人ひとりが考えられる機会になるとよいですね。
保育士にリスキリングの機会を!園で取り入れる手順
buritora/stock.adobe.com
最後に保育園でリスキリングの機会を取り入れる際の手順を見ていきましょう。
導入するプログラムや研修を話し合う
まずは職員からの意見を取り入れながら、どのようなプログラムや研修が必要か話し合いを行ないましょう。
外部講師を呼ぶ場合もあれば、パソコンの知識が豊富な職員が研修計画を作成することもあるようです。
現場の声を聞き、必要な研修やプログラムを用意することが大切ですね。
担当者や進め方を決める
続いて、研修やプログラムを主導する担当者を決めていきましょう。
外部講師を呼ぶ場合も司会者やまとめ役が必要です。スムーズに講習が進むようにあらかじめ進行表などを作成し、準備しておくことがポイントです。
研修やプログラムを導入し、習得したスキルを実践してもらう
研修やプログラムの導入後は、習得したスキルを業務上で実践してもらいましょう。
パソコンやタブレットの操作に関して困ったことがあったときに、すぐ相談できる環境を整えておくことも大切です。
感想や意見を収集し、改善点を話し合う
職員からリスキリングの取り組みに関する感想や意見を収集しましょう。改善が必要な部分はやり方を見直し、次の機会に役立てるとよいですね。
中にはパソコンやタブレットの操作に苦手意識を持っている職員もいるかもしれません。丁寧に聞き取りを行ない、不安な点をサポートできるように配慮しましょう。
リスキリングを通して保育士のスキルアップを支えよう
リスキリングを通して、職員のパソコンスキルを高められると業務の効率化だけでなく、「学ぶ」ことの楽しさを伝えるきっかけになるかもしれません。
新たな技術の習得が仕事へのモチベーションアップにつながるよう、環境を整えていくとよいですね。
また、保育士バンク!では、職員定着や業務負担軽減に向けたICTシステム導入の支援を行なっています。
人材紹介や求人掲載、就職・転職フェアなどを通じて保育施設の採用をお手伝いしていますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。