保育園を売却しようと考えたとき「買い手探し」は大きな課題です。園児数の減少や事業承継の問題などから、売却やM&Aを検討する経営者は増えていますが、実際に売却を進めようとすると、さまざまな不安がつきまとうのではないでしょうか。本記事では、保育園の売却について、買い手候補の種類や探し方のポイント、準備から注意点までを解説します。
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保育園の売却・譲渡における買い手探し準備のポイント
こうした理由から、保育園の譲渡や売却を検討する経営者様が増えています。
長年、園を支えてくれていた職員や保護者への影響を考えると、誰に園を託すのかはとても大きな決断でしょう。
売却・承継として保育園を託す買い手を探すためには、事前の準備が欠かせません。買い手探しのために今からできる準備のポイントをまとめました。
売却目的を明確化させる
まずは「なぜ売却するのか」「譲渡することでどうなりたいのか」といった、最終的な目的をはっきりさせましょう。
たとえば、次のような目的が考えられます。
- 事業承継のため
後継者がいないため、法人ごと譲渡して園の運営を継続させたい - 赤字経営からの撤退
園児数減少などで赤字が続いており、経営から退きたい - 資金確保
他事業への投資や法人運営資金を確保するため - 園の存続を優先
経営は続けられないが、子どもや職員の居場所を守りたい
このように理由を書き出すことで、自分の考えが整理されます。目的を明確にしておくと、譲渡条件や交渉の優先順位がぶれにくくなるでしょう。
法人としてのゴール、経営者様個人としてのゴールを明確にすることで、売却後のトラブルや後悔を事前に防げるかもしれません。
譲渡条件においての優先順位をつける
譲渡条件を整理して、その優先順位を決めていきます。
譲渡金額はもちろん、園の運営方針を維持するか、職員の雇用継続を重視するかなど、複数の条件が絡み合っても問題ありません。
大切なのは、複数の条件がぶつかった際にどれを優先するか、あらかじめ決めておくことです。
それによって交渉時に迷いが減り、スムーズな意思決定ができるでしょう。職員や保護者への影響も含め、長期的な視点で判断基準を設定するのがポイントです。
譲渡の希望時期をおおまかに決める
譲渡時期は、園児募集や決算との兼ね合いをみながら、慎重に検討しましょう。
たとえば新年度が始まる前や、行事が落ち着いたタイミングで譲渡ができるようスケジューリングすると、引き継ぎもスムーズにいきそうです。
「半年後までに譲渡を完了させたい」といった目安を設定しておくと、買い手探しや条件交渉のスケジュールを立てやすくなります。
希望の時期が明確であれば、仲介会社や買い手候補も対応しやすく、結果的に早期クロージングにつながるでしょう。
園の現状と情報管理を整理しておく
買い手に提示するための、自園に関する情報を整理しておくことも重要です。
決算書や収支報告、園児数の推移、職員体制などを整え、正確な現状を把握できるようにします。また、秘密保持契約(NDA)の準備を行い、情報開示の範囲とタイミングを決めておきましょう。
情報管理を徹底することで、不要なトラブルや情報漏洩のリスクを避け、信頼関係を築くことができます。
大事な保育園の買い手探しとして、M&Aの仲介はプロにまかせるのが安心です。
わたしたちネクストビートは、経営者様が大切に育ててきた園を、よりよいかたちで未来に託すためのお手伝いをいたします。まずは気軽に相談から
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大事な保育園をまかせる相手は?買い手の選び方
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買い手探しをしていくなかで、いくつかの候補から買い手を選定する作業は、売却・譲渡によって新しく生まれかわる貴園の未来を左右する重要なステップです。
財務面や地域との相性、将来計画を確認し、納得できる相手を選ぶ必要があるでしょう。ここでは売却・譲渡先である買い手を見極めるチェックポイントを紹介します。
財務状況と運営実績の確認
買い手候補の財務基盤が安定しているかどうかは、園の今後の継続性に直結します。
過去の決算内容や経営状況をチェックし、負債や倒産リスクがないかを確認しましょう。また、保育園運営の実績があるか、複数園を運営しているかなども重要です。
地域や保護者との相性
地域の評判や運営方針が、自園の方針と合うかを確認します。
地域に根差した保育を続けてほしいのか、規模拡大を望むのかによって適した買い手は変わります。保護者からの信頼を損なわず、安心して預けられる環境を維持できるかどうかも大切なポイントです。
将来の運営計画
買い手がどのような園運営を目指しているのか、事前に確認しておきましょう。
園の規模を拡大する計画や保育方針などに対する今後の方向性、特色ある教育メソッドを導入する予定があるかどうかなどを把握します。
買い手の運営計画を知ることで、職員の働き方や園児への影響を予測することができます。
大事な園や理念をまかせられる相手探しは、専門家に相談するのが最もスムーズです。安心できる買い手探しや売却・譲渡のご相談はネクストビートへ。
売却・譲渡のご相談はこちら誰に保育園を託す?理想の買い手マッチング診断
買い手探しの準備と、選び方について見てきたところで、ご自分の希望にあうのがどんな買い手なのか気になってきたのではないでしょうか。
ここでは、経営者様の希望にぴったりな買い手を見つけるマッチング診断で、買い手探しのヒントをみつけてみましょう。
いくつかの簡単な設問に答えるだけで、理想の買い手がみえてくるかもしれません。
以下の設問から、まずはご自身が売却・譲渡を考えている園の法人格をご回答ください。選んだ回答によって次の設問が表示されるので、自分にあてはまる場合は「はい」、あてはまらない場合は「いいえ」を選択します。
※この診断結果や解説はあくまで一例です。
買い手の特徴や意向は、企業や法人によってさまざまであり上記の限りではありません。まずは専門家に相談しながら実際の売却・譲渡に駒をすすめてみましょう。買い手探しはネクストビートに相談
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保育園売却の買い手探しにまつわるQ&A
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自園の売却を検討する経営者様が気になる疑問をまとめました。
Q1. 売却にかかる期間は?
買い手探しから条件交渉、契約締結までを含めると、一般的に半年以上はかかります。
希望条件が明確で買い手候補が早く見つかれば短縮できますが、デューデリジェンスや条件調整に時間がかかるケースも多いでしょう。
早めに準備を始めることで、希望時期にクロージングしやすくなります。
Q2. 売却にかかる費用は?
費用としては、仲介手数料と専門家への相談料が主になるでしょう。M&A仲介会社に依頼する場合は、成功報酬などの手数料が発生するため予算を組んでおきましょう。
加えて、弁護士や会計士へ相談する費用がかかる場合もあります。契約内容や仲介会社によって費用は異なるため、事前に見積もりを取り比較すると安心です。
Q3. 売却タイミングはいつが最適?
決算直後から新年度が落ち着いた時期がベストです。最新決算を提示できるため評価が明確になり、入園確定後(5〜7月)や行事が一段落する年末にかけての時期は引き継ぎ負担も小さくなります。
希望時期の1年〜9カ月前から準備を始めるとスムーズに進められそうです。
Q4. 買い手探しは自分でできる?
知人や取引先への紹介で探すことも可能ですが、条件交渉や契約書作成、法的リスク対応まで一人で行うのは負担が大きいかもしれません。
M&A仲介会社や専門家に依頼することで、情報管理や交渉がスムーズになり、安心して譲渡を進められます。
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