保育園の採用担当者の仕事内容は採用計画の立案や園見学の開催、面接など多岐に渡ります。自園に必要な人材を補充するためにも、現場の状況をきちんと把握したうえで計画的に取り組むことが大切です。今回は保育園の採用担当者の仕事内容や、やりがいを詳しく紹介します。タスク管理や状況把握能力など必要なスキルについてもまとめました。
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保育園の採用担当は誰が担う?
一般企業では主に人事部が採用活動を担当しますが、保育園の場合は園長先生や副園長先生が担うことが多いかもしれません。保育士の人材不足が深刻化する中で、自園に必要な人材の採用を担当することは重要な役目となるでしょう。
実際に保育園で採用担当を担う際はどのような仕事内容が挙げられるのでしょうか。詳しく把握して採用担当者にとって必要なスキルや能力についても確認していきましょう。
保育園の採用担当者の仕事
保育園の採用担当者の仕事を詳しく紹介します。
①採用計画の立案
まずは現場の状況を把握して採用計画を立てる必要があるでしょう。
採用計画とは採用する人数や募集スケジュールなどの計画を立てることを指します。加えて、採用活動にかかる経費なども計上したうえで立案を行うことが求められます。
また、近年ではオンラインを活用したWeb面接を行う園も増えています。そういった選考方法も積極的に取り入れたうえで計画を立てる必要があるでしょう。
②採用手法の選定
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次に人材の募集方法を決めていきます。
主な採用手法の種類は以下の通りです。
- ハローワーク
- 求人情報誌
- 求人情報サイト
- 人材紹介会社(転職エージェント)
- 保育専門の大学や専門学校などからの紹介
この他にも保育士さん向けの転職・就職フェアに参加する園もあるでしょう。
転職・就職フェアは、保育学生さんや転職活動中の保育士さんなどと直接会い、園の特色や魅力をアピールすることができる場です。多くの求職者と出会うことが可能なため、採用活動の一つとして取り入れる園も多いかもしれません。
このようにさまざまな種類の中から採用手法を決定し、自園にとって必要な人材を見つけることが求められるでしょう。
③応募受付
採用手法が決まったら人材の募集を行います。求職者から電話やメールの問い合わせがくる場合を想定して、受け答えができるように準備する必要があります。
書類選考を行う園もあれば、応募受付後にすぐ面接を行う園もあるでしょう。求職者の希望を尋ね、面接日程の調整を行うことも大切な仕事となります。
④園見学会・説明会の開催
応募受付後、求職者に向けて園見学や説明会の実施を行うケースもあるでしょう。
子どもたちの様子や職員同士の雰囲気、保育内容などを紹介して求職者とコミュニケーションを図ることができます。自園についてしっかり説明を行い、理解を深めてもらうことが求められるでしょう。
⑤面接・選考
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次に採用面接・選考を行っていきます。
面接では、求職者の希望と園の勤務条件のすり合わせや志望動機の確認、保育観の把握などを行っていきます。
求職者の本質を引き出すためにも和やかな雰囲気で面接を行う必要があるでしょう。
また、自園が求めている人材かどうかをチェックするうえで評価シートを作成する採用担当者の方もいるかもしれません。シートがあれば複数応募などで選考に迷った際も役立ちそうですね。
⑥内定・入社フォロー
採用決定後、求職者に対して内定や入社フォローを行います。内定に関する手紙の送付や書類手続きなどは事務の方に任せる場合もありますが、求職者が不安にならないようにフォローすることが大切です。
入社に向けて質問や心配事はないか、求職者の気持ちに寄り添った対応が求められるでしょう。内定辞退などを防ぐためにも誠実に対応することがポイントになります。
保育園の採用担当者に必要なスキル
タスク管理能力
先述の通り、採用担当は園長先生や副園長先生が担うことが多いため、園の運営や管理などさまざまな仕事をこなしながら採用活動に取り組むことでしょう。
採用計画をスムーズに進めるためには、業務の重要度や優先順位の設定ができる「タスク管理能力」が必要となります。複数の業務を同時進行で行うため、効率的な取り組み方を明確化することも大切ですね。
状況把握力
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保育士は子どもたちの成長を支える専門性の高い職種となります。
そのため、採用担当者は自園の現場の状況をしっかり把握したうえでどのような人材を獲得するべきかを確認することが大切です。
また、「乳児クラスの経験が長い方を採用したい」「早番の保育士さんを募集したい」など求める人材は各園によって違いがあります。その点を明確化し、選考に取り組まなければなりません。
コミュニケーション能力
面接では求職者の人柄や保育士としての適性を確認する必要があるでしょう。
過去の保育士経験や保育観などを知るためにさまざまな質問を行います。求職者が自園にあった人材か見極めるためにも、柔軟なコミュニケーション能力が求められます。
また、緊張感がある中で面接を行っても求職者の本音を引き出すことは難しいかもしれません。
和やかな雰囲気でやり取りが進められるよう、気遣いや配慮ができる力も必要になりますね。
保育園の採用担当者のやりがい
自園の保育観に合った人材を採用できる
自園の特色や保育方針にあわせて人材の選考ができることは、採用担当者にとって大きなやりがいの一つです。
採用した人材が保育士として活躍する姿を見ると、その人材を見出したことに対してよろこびを感じることもあるでしょう。
多くの人と出会うことができる
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保育園の採用担当者は、見学会や面接などで多くの保育士さんと出会うことができるでしょう。さまざまな方の人柄や保育観を知ることで視野が広がり、自身の成長につながることが期待できます。
また、ハローワークや人材紹介会社など異業種の方と話す機会もあるため、交流の場も広がりそうですね。
保育園の採用担当者の仕事に取り組もう
保育園の採用担当者は採用計画の立案から面接対応までさまざまな業務をこなします。
現場の状況にあわせて自園に必要な人材を見極め、獲得することが大切です。
しかし、中には保育園の運営や管理に忙しく、なかなか採用活動に時間を割けない担当者の方もいるでしょう。
その際は、求職者の紹介や面接の日程調整などを行う転職エージェントを利用してみるとよいかもしれません。条件交渉や入社フォローなども任せられるため、安心してサポートを受けることができるでしょう。
採用担当者としてのやりがいを感じつつ、自園に合った人材を採用し、園の運営をスムーズに進められるとよいですね。