保育士の早期離職を防ぐ6つの対策!離職率データと原因から読み解く定着のコツ

入職後1〜3年以内に退職してしまう保育士の早期離職。保育園を含む医療・福祉業の3年以内離職率は40.8%と全産業平均33.8%を約7ポイント上回ります。「給与」「仕事量」「人間関係」が主な原因で、いずれも園側の施策で改善可能です。本記事では統計データから離職の実態を読み解き、園がすぐに取り組める6つの防止策を解説します。

この記事でわかること
  • 保育士を含む医療・福祉職の3年以内離職率は40.8% ▼詳細
  • 退職理由の上位は「人間関係」「給与」「業務量」の三大要因 ▼詳細
  • 1on1面談・ICT化・処遇改善加算などの活用で定着率を向上 ▼詳細

新卒保育士の3人に1人が3年以内に離職

厚生労働省の資料によると、保育所等に常勤採用された令和6年新卒保育士10,277人のうち、同年以内(入職1年以内)の退職者数は835人。全体の8.1%です。

全業種の大卒新規就職者における同年の1年以内離職率10.1%と比べると、この数字は低めとみられるでしょう。

しかし、厚生労働省「新規大学卒業就職者の産業別離職状況」(令和4年3月卒・最新確定値)を見ると、保育園を含む医療・福祉の3年以内離職率が40.8%にのぼることがわかります。

タイミング 医療・福祉 全産業平均
1年以内(2024年卒) 8.1% 10.1%
3年以内(2022年卒) 40.8% 33.8%

令和6年社会福祉施設等調査/e-Stat 政府統計の総合窓口新規大学卒業就職者の産業別離職状況/厚生労働省をもとに作成

このデータからは、入職1年目はとどまっていた新卒保育士が、2〜3年目にかけて離職に転じてしまう状況が浮き彫りになっています。

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    保育士の早期離職、原因は職場環境と待遇のミスマッチ

    落ち込む保育士buritora / stock.adobe.com

    早期離職の原因は、経験年数別のデータと退職理由の両面から実態を把握することが重要です。

    経験年数別に見る離職の集中ポイント

    保育士の離職は下の表が示す通り、若手から中堅へ成長する前に多くが離脱しているのが現状です。

    経験年数と離職の状況
    2年未満
    常勤保育士の15.5%が離職。若手ほど離職しやすい
    8年未満
    離職者全体の49.4%を占め、中堅層に育つ前に離脱
    出典:保育士の現状と主な取組/厚生労働省にもとづいて作成

    経験年数が低い層ほど離職しやすく、8年未満で全体の49.4%を占める現状は、「中堅が育つ前に辞める」という早期離職の問題点といえるでしょう。

    実態調査が示す退職理由ランキング

    2022年3月まで勤務していた保育士に向けて行われた東京都福祉保健局の調査では、保育士の退職理由について、以下の結果が示されています。

    保育士の退職理由TOP4
    1位
    給料が安い
    61.6%
    2位
    仕事量が多い
    54.0%
    3位
    労働時間が長い
    35.4%
    4位
    職場の人間関係
    30.1%
    出典:令和4年度東京都保育士実態調査結果(報告書)にもとづいて作成

    注目したいのは、上位4項目すべてが「園側の施策で改善可能な要因」である点です。

    また、こども家庭庁の資料「保育を取り巻く状況について」で示された「過去に保育士として就業した者が退職した理由」では「職場の人間関係」が33.5%で最多となっています。

    上記のデータは2019年の調査結果ですが、おおむね同じ要因が上位にきています。

    これにより、早期離職を防ぐ対策ポイントは、職場環境・待遇面での改善であることが、より明確になりそうです。

    これらを保育士個人の問題ではなく、事業者が対応できる処遇・業務設計・マネジメントの課題としてとらえて考えてみましょう。

    保育士の早期離職 原因と対策① 人間関係・精神的負担

    退職理由の上位に入る「人間関係」は、勤務における精神的負担や入職後のギャップにもつながりそうです。

    【原因】孤立・プレッシャー・現場とのギャップ

    少人数・閉鎖的な環境では関係上のストレスが蓄積し、保護者対応の精神的消耗も重なりやすい状況が生まれます。

    1年目離職の引き金としては、それらに加えて、養成校で学んだ理論と現場の実態のギャップも大きいでしょう。

    十分なOJTがないまま即戦力を求められる状況で「こんなはずじゃなかった」という感覚が生まれるパターンも。

    新卒1年以内の退職者は全体の8.1%ですが、私立園ではさらに高い傾向があります。

    【対策】仕組みで孤立を防ぎ、入職前後のギャップを縮める

    離職の予兆は、面談や日常の声かけで早期に拾うことができます。

    「突然辞めた」を防ぐには、保育士個人の頑張りに頼らず、関係性を良好に保つ仕組みをつくりましょう。

    インターンシップやOJT研修などで入職前後のオペレーション体験ができる設計も導入できそうです。

    園ができる対策プロジェクト

    • 1on1面談を入職3ヶ月・6ヶ月・1年のごとに設定
    • 匿名アンケートを定期実施し、不満の芽を可視化
    • 保護者対応は主任・園長が同席し、若手一人に任せない
    • 入職から3ヶ月のOJTプログラムを作り、段階的に業務を任せる
    • 入職前に職場体験を受け入れ、現場とのギャップを埋める

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      保育士の早期離職 原因と対策② 給与・業務量・キャリアパス

      給与明細Hanasak / stock.adobe.com

      待遇・業務量・将来の見通しへの不安は、2〜3年目にかけて離職につながる要因の一つです。

      【原因】報酬・負荷・キャリアの三重ミスマッチ

      東京都保育士実態調査では「給料が安い」61.6%、「仕事量が多い」54.0%、「労働時間が長い」35.4%が退職理由の上位を占めます。

      厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によれば、保育士の平均年収は全産業平均より約60万〜100万円低いこともわかります。

      とくに新卒〜若手は手取りの少なさに加え、指導案・連絡帳・行事準備など保育外の業務が勤務時間を圧迫します。

      さらに、勤務先の先輩の働き方を「何年働いてもポジションも給与も変わらない」「結婚・出産で辞めてしまう」と感じることも早期離職につながりそうです。

      【対策】制度活用で業務負担を減らし、キャリアパスを確立

      給与が低い・仕事が多い・将来が見えない」という不満は、制度・業務設計・キャリアパスの整備で対処できます。

      一度に全部に取り組むのは園側の負担にもなるため、自園の課題として最も声が多い項目から着手していきましょう。

      そのなかで、職員に「不満を解消しようとしてくれている」と園側の姿勢が伝わることも、離職防止の対策になります。

      とくに、ICT導入による業務負担削減は、国や自治体からの補助制度があるため、比較的導入しやすく保育士にも成果が実感してもらえそうです。

      園ができる対策プロジェクト

      • 処遇改善加算の配分内訳を給与明細に明記
      • 保育記録・連絡帳・登降園管理をICT化し、事務時間を削減
      • 保育補助者を活用して業務を分散し、ノー残業ルールをつくる
      • 役職・等級・給与テーブルを明示したキャリアパスを整備
      • 職務分野別リーダー、副主任・専門リーダーのポストを設ける

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      早期離職を招きやすい園セルフチェックリスト

      自園の現状を客観的に把握するための16項目チェックリストに挑戦してみましょう。

      「いいえ」が多いほど早期離職リスクが高い状態といえそうです。

      早期離職を招きやすい園セルフチェック

      人間関係・組織体制
      1. 新人保育士にメンターや教育担当がついている
      2. 定期的な1on1面談やキャリア相談の場がある
      3. ハラスメント相談窓口が設置され周知されている
      4. 保育方針について職員が率直に意見を言い合える
      5. 退職した職員に退職理由のヒアリングをしている
      待遇・給与
      6. 処遇改善加算を最大限活用し給与に反映できている
      7. 給与テーブルや昇給基準が職員に開示されている
      8. 経験年数・役職に応じて段階的に昇給する仕組みがある
      9. 同地域・同規模の園と比べ給与水準が著しく低くない
      業務量・労働環境
      10. ICTシステムを導入し書類業務の効率化に取り組んでいる
      11. 持ち帰り残業やサービス残業が常態化していない
      12. 職員が日常的に休憩時間を確保できている
      13. 保育補助者を活用し業務負荷を分散できている
      キャリア支援・研修
      14. 副主任や専門リーダーなど中間管理職のポストがある
      15. キャリアアップ研修の機会が全職員に公平に提供されている
      16. 園としてのキャリアパスが明文化されている
      結果

       

      うちの園の早期離職リスクが高い!」「課題が多くてどこから手をつければ…」とお悩みの経営者の方は、まず保育士バンク!にご相談ください。

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      保育士の早期離職に関するQ&A

      保育士の早期離職に関してよく寄せられる疑問に答えます。

      Q1. 保育士の離職率は高い?

      A. 全体平均は低いものの私立園は全産業平均に近い水準です。

      厚生労働省の資料によれば、保育士全体の離職率は9.3%で全産業平均(15.0%)より低い数値です。

      ただし私立保育園に限ると10.7%で全産業平均に近く、業界全体より園ごとの格差が問題といえそうです。

      Q2. 保育士の「早期離職」は何年以内を指す?

      A. 一般的には入職後1〜3年以内を指すようです。

      厚生労働省の統計では「経験年数2年未満・4年未満」の区分でデータが公表されています。

      本記事では、3年以内の離職を早期離職の目安としています。

      Q3. 新卒保育士の1年目の離職率はどれくらい?

      A. 私立園で7.2〜10.0%、公立園で1.1〜3.7%です。

      全産業の大卒新卒1年以内離職率と比べると突出して高いわけではありませんが、私営と公営の格差が大きい点が課題といえそうです。

      Q4. 保育士の退職理由で最も多いものは?

      A. 「給料が安い」が61.6%で最多です。

      東京都福祉局の調査では、「給料が安い」に次いで「仕事量が多い」54%、「人間関係」39.6%、「労働時間が長い」35.4%となっています。

      こども家庭庁による資料では「人間関係」33.5%が最多です。

      Q5. 早期離職防止のために法人ができることは?

      A. 自園の離職率を見直して対策することから!。

      退職者へのヒアリングや在職者アンケートで原因を特定し、優先順位をつけて改善策を実行しましょう。

      本記事のセルフチェックリストを活用して現状把握から始めてみませんか?

      Q6. 潜在保育士を現場に呼び戻すには?

      A. 働き方の柔軟性の整備が最大の訴求ポイント。

      こども家庭庁の調査結果では、潜在保育士が再就業する際の希望条件の1位は「通勤時間」(79.9%)です。

      また、続いて「勤務日数」(77.8%)、「勤務時間」(76.3%)となり、給与(63.7%)よりも働き方への対応が優先されています。

      これは、結婚や出産・育児などライフステージの変化で潜在保育士となった層が、家庭と両立しやすければ保育士として復職したいという希望が読み取れます。保育士バンク!で採用勝ち組出典:令和6年社会福祉施設等調査/e-Stat 政府統計の総合窓口出典:新規大学卒業就職者の産業別離職状況/厚生労働省出典:保育士の現状と主な取組/厚生労働省出典:令和4年度東京都保育士実態調査結果(報告書)にもとづいて作成出典:保育を取り巻く状況について/こども家庭庁

      保育士の早期離職防止は、まず現状把握して適切な対策を

      保育士の早期離職は、保育士個人の問題ではなく職場環境の課題です。

      三大要因は「人間関係」「給与」「業務量」で、いずれも園側の施策で改善可能といえるでしょう。

      これらの課題に対して万全の対策を打てている園は多くないでしょう。

      そのため、課題をしっかり見直しながら取り組むことで、他園に一歩すすんだ定着率の改善にもつながります。

      保育業界に特化した人材サービス保育士バンク!では、定着率の高い採用・運営体制の改善について、全力でサポートいたします。

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