引退しても廃業せず事業承継したい!M&Aなどの選択肢と進め方と保育園を譲る方法4選

    経営者として、保育園を廃業せずに譲る「事業承継」の方法は、個人に譲る、法人や企業に譲る、法人同士の合併などさまざまな方法があります。後継者がなかなか見つからない場合も、保育園を廃業する以外の選択肢を探しましょう。今回は、経営者の希望から「保育園を譲る」4つの選択肢について詳しく解説しながら、譲り方、メリット・デメリットについて考えます。

    あなたに合った「保育園を廃業せずに譲る方法」は?

    保育園を廃業せず存続させるためには「事業継承の方法」を知ることからはじめましょう。

    事業承継は、身近な人に引き継ぐ「親族・職員への承継」、外部の法人などに引き継ぐ「M&Aによる承継」の、大きく二つのパターンに分けられます。

    このなかから、まずは簡単な設問に答えることで、あなたのタイプに合う方法を見つけてみましょう。

    【保育園を廃業しないための「譲る方法」診断】

    4つの設問で、経営者としての考えに近い答えにしたがって進むと、自分に合う方法にたどりつきます。

    Q1.
    身近に後継者になりそうな人材がいる。

    はい  → 「1.個人への承継」へ

    いいえ →「Q2」へ

    Q2.
    今の保育園を、できるだけそのままの形で引き継いでほしい。

    はい  → 「2.株式譲渡によるM&A」へ

    いいえ →「Q3」へ

    Q3.
    法人全体ではなく、保育園の事業だけを切り出して譲りたい。

    はい  → 「3.事業譲渡によるM&A」へ

    いいえ →「Q4」へ

    Q4.
    自園を大手法人などのグループ傘下に加えて、運営をまかせたい。

    はい  → 「4.合併によるM&A」へ

    いいえ →「ネクストビートに相談

    希望によっては複数の選択肢に該当する場合もあるので、それぞれの特徴を比較しながら検討してみましょう。

    方針は固まっていないけど、まずは廃業せずに保育園を存続させたい!とご希望の方は、保育園運営と事業承継の両面から相談できるネクストビートにお問合せください。

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      【譲る方法その1】個人への承継

      ベテラン保育士さん

      保育園を廃業せずに残す方法として、「個人への承継」が、最も身近で安心感がある方法と考える経営者の方は多いでしょう。

      経営者の家族や親族、あるいは長年勤めてきた職員や役員といった身近な人物に園を引き継ぐケースは、理念や方針をそのまま維持できて、保護者や地域からの信頼も得やすいかもしれません。

      【こんなタイプの経営者におすすめ!
      園を家族経営として続けたい
      長年勤めた信頼できる職員・役員がいる

      譲る相手(買い手・譲渡先)

      個人に承継する場合は、主に「家族や親族」または「職員や役員」が引き継ぎ先になることが多いようです。

      家族・親族への承継

      自分の子どもや親族に経営をまかせる方法です。理念や方針を残しやすく、地域からの信頼も保ちやすいのが特徴です。

      ただし、相続税・贈与税の問題や、家族間の意見調整が難しくなるリスクもあります。

      職員・役員への承継

      現場を理解している職員・役員など既存の関係者に経営をまかせることで、安定した運営を続けられる可能性が高い点が強みです。

      経営資金やマネジメント力の不足が課題になりやすく、金融機関の支援を受けながら進める必要があるかもしれません。

      メリット・デメリット

      メリット

      • 理念を引き継ぎやすい
      • 保護者や職員が安心しやすい
      • 現場を理解している人にまかせられる

      後継者個人に対して譲るという手段は、理念や運営方針を守りやすいことから、保護者や職員からの信頼も得やすい方法です。

      園の保育現場を知る人にまかせることで、日常の運営も途切れにくいことによる安心感があるでしょう。

      デメリット

      • 経営力や資金が不足することがある
      • 相続や贈与に税金の問題が発生する
      • 家族や職員間で意見の調整が難しい場合がある

      個人への譲渡であれば、資金や経営力が不足すると園の継続が不安定になる恐れがあります。また、税金や親族間の相続など法的な調整に手間がかかる点も注意が必要です。

      親族に譲る場合は保育への知識や経験、また職員では経営に関する知見が不足しているというケースは事前に想定しうるリスクでしょう。

      早めにこのギャップが埋められるよう準備が必要かもしれません。承継についての不安はネクストビートに相談

      【譲る方法その2】株式譲渡によるM&A

      保育園を廃業せずに残す方法のひとつとして、シンプルでスムーズなのが「株式譲渡」です。

      株式譲渡は、会社の株を新しい相手に渡すことで経営の権利を移す方法です。これによって、経営権も新しい相手に移ります。

      【こんなタイプの経営者におすすめ!】
      今の保育園をできるだけそのままの形で残したい
      後継者は見つからないが、園を確実に存続させたい

      譲る相手(買い手・譲渡先)

      株式を持つ企業が運営する保育園では、株式譲渡により法人格を残したまま経営権を移転できます。

      この方法では、株式の譲渡によって経営権を譲渡先に移すかたちになります。法人そのものは存続するため、保育所の認可や保護者・職員との契約は継続されます。

      これによって、これまで取得してきた国や認可や、保護者や職員との契約に大きな変更を加えることなく承継できるのが特徴です。

      ただし、社会福祉法人は株式を発行していないため、株式譲渡は不可能です。

      メリット・デメリット

      メリット

      • 法人を残したまま経営権を移せる
      • 認可や契約を維持できるため、現場の混乱が少ない可能性がある
      • 手続きが比較的シンプルな場合もある

      株式を譲るだけで経営権が移るため、法人はそのまま存続します。手続きも事業譲渡や合併に比べるとシンプルといえるケースが多いようです。

      国や自治体からの認可や保護者や関係業者との契約もそのまま引き継がれるので、日常の運営に大きな影響が出にくい方法です。

      デメリット

      • 社会福祉法人では利用できない
      • 法人が抱える負債やリスクも一緒に引き継がれる場合がある
      • 買い手探しや条件交渉に時間がかかるケースがある

      株式譲渡は株式会社などに限られ、社会福祉法人では使えません。また、法人の借入金や潜在的なリスクもそのまま引き継がれる場合もあるため、買い手が見つかりにくいことがあります。

      事業や株をそのまま譲渡するという特性上、お互いの条件のすり合わせや交渉に時間がかかる点も注意が必要です。株式譲渡について相談する

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        【譲る方法その3】事業譲渡によるM&A

        さまざまな事業を展開する法人が「保育事業部分だけ譲渡する」というケースや、複数の園を運営しているなかで「この園だけを切り離す」というように、法人全体ではなく事業や施設単位で譲渡する方法です。

        法人自体は売り手側の手元に残るので、別事業を継続させたり、残った事業をほかの法人に譲渡したりすることも可能です。

        【こんなタイプの経営者におすすめ!】
        複数事業を持ち、保育園だけを切り離したい
        一部の園だけを譲渡して法人自体は存続させたい

        譲る相手(買い手・譲渡先)

        事業譲渡の相手は、保育園の事業を引き継ぐことができる法人です。

        株式会社や社会福祉法人など保育所の設置主体として認められている法人であれば、承継先として選択することが可能です。

        この方法では法人そのものを移すのではなく「保育園の事業部分」だけを切り出して相手に譲渡します。

        そのため、承継先の法人は自らの枠組みで改めて保育所の認可を受け直し、職員や契約を引き継いで運営を行うことになります。

        メリット・デメリット

        メリット

        • 譲渡する範囲を柔軟に決められる
        • 法人としての信用や他事業を維持できる
        • 買い手との交渉次第で条件を調整しやすい

        事業譲渡では、どの園やどの資産を譲るかを個別に選べるため、経営者の希望に合わせた柔軟な対応が可能です。

        法人自体は残るので、保育園以外の事業や法人としての信用はそのまま維持できます。買い手との交渉によって条件を調整しやすい点もメリットです。

        デメリット

        • 契約や認可を一から整理し直す必要がある
        • 譲渡完了まで時間がかかる

        事業譲渡では、現法人から事業だけを切り出して移すため、契約や認可を整理する必要があります。

        経営者としては、移行の準備に多くの手間と時間を取られる点が大きな負担になる可能性もあるでしょう。

        また、譲渡が完了するまで長期にわたって対応が必要になることもあるようです。事業譲渡について相談する

        読んでおきたいおすすめ記事

        【譲る方法その4】合併によるM&A

        握手mapo / stock.adobe.com

        合併は、複数の法人を統合してひとつにまとめる方法です。たとえば、認可保育園の場合は社会福祉法人同士で行うケースが多く、吸収合併(どちらか一方の法人にもう一方を取り込む形)が一般的です。

        「経営基盤や人材採用などを強化して法人の安定を図る」といった目的で選ばれるケースが多いようです。

        【こんなタイプの経営者におすすめ!】
        大手法人のグループに加わりたい
        独立性よりも経営基盤の強化や安定性を重視したい

        譲る相手(買い手・譲渡先)

        認可保育園の場合、合併の相手は、児童福祉法に基づき保育所を設置できる法人です。合併相手も同法人である必要があり、株式会社同士、社会福祉法人同士などが対象となります。

        実務では、経営基盤をより安定させるために規模の大きい法人や地域での実績がある法人と合併するケースが多いようですが、譲渡目的によって選択の基準はさまざまでしょう。

        合併を通じて職員体制や施設の活用、資金面を共有できるようになり、単独では難しかった運営上の課題にも対応しやすくなりそうです。

        メリット・デメリット

        メリット

        • 経営基盤が強化される
        • 規模を活かして運営が安定しやすい
        • 保護者や自治体からの信頼が得やすい

        大きな法人の一部になることで、資金や人材を共有でき、園の将来に安定感が増します。

        地域密着型の法人や、ブランド力の高い法人と合併することで、地域や保護者にとっても安心材料になるかもしれません。

        デメリット

        • 自法人の独立性を失いやすい
        • ブランドや運営方針を合わせる必要がある
        • 意思決定に時間がかかる

        合併後は、一つの法人としてまとまるため、これまで自園が持っていた意思決定の権限は縮小するため、園の名称や運営方針などが変更になる場合があります。

        今までより独自に判断できる範囲は少なくなりますが、運営の安定や経営資源の活用といったメリットもあるため、それらを含めて検討できるとよいでしょう。合併について相談する

        出典:社会福祉法人の事業譲渡等のあり方に関する調査研究事業事業報告書/厚生労働省出典:合併・事業譲渡等マニュアル/厚生労働省出典:事業譲渡の類型ごとの関連認可等手続について/こども家庭庁出典:社会福祉法人の事業展開に係るガイドライン/厚生労働省

        保育園を廃業せずに譲る、ベストな方法をみつけるなら

        保育園を廃業せずに残す方法には「個人への承継」「株式譲渡」「事業譲渡」「合併」があります。

        それぞれにメリットとデメリットがあり、選べる方法は法人形態や認可の有無などによっても異なってくるでしょう。

        どの方法が自分や自園に合っているかは、事業の状況や経営者の考え方によって変わります。

        迷う場合は、保育園運営やM&Aに詳しい専門家に相談しながら、自園にとって最も安心できる方法を選ぶという手段もあります。

        保育士バンク!」を運営するネクストビートでは、全国の保育業界へのネットワークと保育現場への知見を活かして、保育園の譲渡・承継に関する無料相談を受け付けています。まずはお気軽にご相談ください。ネクストビートに相談する

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