こども誰でも通園制度とは?2026年度実施で保育施設に必要な制度概要・補助金・課題

    こども誰でも通園制度は、保護者の就労を問わず0歳6カ月〜満3歳未満の子どもを預かる制度で、2026年度(令和8年度)から全国で本格実施されます。今回は制度概要や一時預かりとの違い、補助金、実施方式、導入の流れまでわかりやすく解説します。現場の課題と対策についてもまとめたので、ぜひこれからの採用活動などにもお役立てください。

    この記事でわかること
    • 2026年度(令和8年度)本格実施。制度概要・対象・利用料金を解説! ▼詳細
    • 一般型・余裕活用型の実施方式や給付単価・加算の情報を整理! ▼詳細
    • 現場で見えた課題と対策、円滑に実施するためのポイント ▼詳細

    目次

    こども誰でも通園制度とは?【2026年度(令和8年度)4月~実施】

    こども誰でも通園制度とは、保護者の就労状況を問わず、保育所などに通っていない0歳6カ月〜満3歳未満の子どもを預かる通園の仕組みです。

    従来の保育は、保護者の就労や病気などの「保育の必要性」が利用の前提でした。

    こども誰でも通園制度では、専業主婦(主夫)家庭や育児休業中の家庭なども含め、就労状況にかかわらず利用できるようになります。

    2026年度(令和8年度)から、全国の自治体で本格的に実施されています。

    制度の目的と意義

    こども家庭庁の資料では、こども誰でも通園制度の目的を「全てのこどもの育ちを応援し、こどもの良質な成育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化する」と定めています。

    子どもにとって 家庭とは異なる経験や、同じ年頃の子ども・家族以外の人と関わる機会を通じて、社会情緒的な発達など成長に資する経験が得られる
    保護者にとって 専門的な知識や技術を持つ人との関わりにより、孤立感や不安感の解消につながり、社会的資源の活用にもつながる
    保育者にとって これまで接する機会の少なかった子どもや家庭と関わることで、専門性を地域の子どもの育ちのために広く発揮できる
    事業者にとって 地域社会との関係が広がり、定員を満たしにくくなった施設でも、専門性の高い人材を手放さず事業を継続・発展できる可能性が広がる

    家庭だけでがんばりすぎない子育て」を社会全体で支えることが、制度の根底にある考え方です。

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      こども誰でも通園制度の対象・利用料金・利用方法

      制度を取り入れるうえで、まず押さえておきたいポイントを紹介します。

      対象となる子ども

      対象は、保育所・幼稚園・認定こども園・地域型保育事業等に通っていない0歳6カ月〜満3歳未満の子どもです。

      満3歳児は対象外です。認可外保育施設に通う0歳6カ月〜満3歳未満は対象となりますが、企業主導型保育施設に通っている場合は対象外とされています。

      利用時間と利用方法(定期利用/自由利用)

      利用時間は、子ども1人あたり月10時間が上限です(令和7年度時点)。

      利用方法は、自治体や地域の実情に応じて次の2つから選択、または組み合わせて実施します。

      出典:「こども誰でも通園制度」について〜基礎資料集〜/こども家庭庁から抜粋

      利用料(1時間300円標準+軽減額)

      1時間あたり300円が標準的な金額とされていますが、実際の額は各施設が設定できます。

      認可基準・職員配置基準

      民間事業者が実施する場合、市町村長の認可が必要で、自治体の条例で定める基準に適合していることが条件となります。

      主な基準は、以下の通りです。

      設備基準(面積) 0・1歳児:3.3㎡以上/2歳児:1.98㎡以上
      資格 保育士または市長が行う研修の修了者を2人以上配置(1/2以上は保育士)※緩和規定あり
      配置基準 0歳児3:1/1歳児5:1/2歳児6:1(子ども:保育士の人数)

      一定の条件を満たす場合は、従事者を1人とできる緩和規定も設けられています。

      こども誰でも通園制度と一時預かりの違い

      何かと混同しやすい「こども誰でも通園制度」「一時預かり」との違いについて詳しく見ていきましょう。

      一時預かりは、保護者の病気や仕事など「一時的に保育が難しい理由」を前提とした、いわば保護者のための制度でした。

      一方こども誰でも通園制度は、理由を問わず利用でき、子どもの育ちを応援することを目的とした制度とされています。

      主な項目を比較すると、以下の通りです。

      項目 こども誰でも通園制度 一時預かり事業
      主な目的 すべての子どもの育ちの応援 家庭で保育が困難な乳幼児の一時的な保護と保護者の負担軽減
      対象の子ども 就労要件を問わず、未就園の0歳6カ月〜満3歳未満 一時的に家庭での保育が困難になった乳幼児
      利用時間 月10時間が上限の想定 市町村ごとに設定
      利用料 1時間300円が標準 自治体により異なる
      考え方 「通う」(継続的な関わりが前提) 「預かる」(一時的な利用が前提)

      こども誰でも通園制度の実施方式「一般型と余裕活用型」

      こども誰でも通園制度には、施設の状況に応じて選べる実施方式があります。

      大きく「一般型」と「余裕活用型」に分かれ、一般型はさらに2つに分けられます。

      認可基準を満たすかによってどのような方式を選択すべきか、考える必要があるでしょう。

      一般型(在園児と合同)

      専任の職員を配置し、在園児と同じ部屋で保育を行う方式です。

      在園児と関わる機会が多く、子どもの社会性や情緒的な発達を促しやすいのが特徴です。保育所等の定員とは別に、制度の定員を設定できます。

      一般型(専用室独立実施)

      専任の職員を配置し、在園児とは別の専用スペースで保育を行う方式です。

      利用する子どもに合わせた環境を整えやすく、一人ひとりの発達や特性に応じた保育を提供しやすくなります。

      余裕活用型

      利用定員に達していない施設が、既存の職員配置の範囲内で、定員の空きを使って受け入れる方式です。

      新たに職員を確保する必要性が低いため、人員に余裕がない施設や、まずは制度を試したい施設にとって現実的な選択肢といえます。

      一方で、受け入れ枠が時期によって変動するため、同じ子どもを継続して受け入れにくい場合がある点には留意が必要です。

      なお余裕活用型は、保育所・認定こども園・小規模保育事業所・事業所内保育事業所が対象とされています。

      読んでおきたいおすすめ記事

      こども誰でも通園制度の補助金(給付単価)はいくら?

      事業者には、子どもの年齢に応じた給付単価が支給されます。

      子ども1人1時間あたりの基本分単価は以下の通りです。

      年齢 基本分単価(1時間あたり)
      0歳児 1,700円
      1・2歳児 1,400円

      ※利用料の標準は1時間300円です。令和7年度の単価(0歳児1,300円・1歳児1,100円・2歳児900円)から引き上げられています。

      さらに令和8年度は、子どもを受け入れた際の単価に加えて、次の8つの加算が設けられています。

      加算項目 単価 主な要件
      障害児加算 1時間600円 障害児を受け入れた場合
      医療的ケア児加算 1時間2,500円 看護師等を配置したうえで医療的ケア児を受け入れた場合
      要支援家庭こども加算 1時間600円 要支援家庭の子どもを受け入れた場合(必要に応じ関係機関と連携・情報共有)
      初回対応加算 1回 0歳児1,700円/1・2歳児1,400円 事前面談(30分以上)と事後面談(10分以上)を実施し記録を残した場合。前回利用から半年以上空いた場合も対象
      生活困窮家庭等負担軽減加算 生活保護世帯:1時間300円上限/市町村民税所得割合算額77,101円未満・要支援家庭:1時間200円上限 市町村が認めた家庭の子どもの利用料を減額した場合
      賃借料加算 1時間200円(賃貸借契約金額が上限) 賃貸物件で実施する場合(毎月支払う額が上限)
      特別地域加算 1時間300円 離島や山村地域等の要件に合致する地域の事業所で受け入れた場合
      保護者支援面談加算 1回1,400円 子どもの様子を伝え、保護者の育児の悩み等に対応する面談を30分以上実施し記録を残した場合

      ※公定価格や加算の詳細は変更される場合があるため、こども家庭庁の資料やお住まいの自治体でご確認ください。

      こども誰でも通園制度の導入の流れ・申請方法

      民間事業者が制度を実施するには、自治体による認可・確認の手続きが必要です。

      一般的な流れは次のように進みます。※自治体によって違う場合もあるため、確認が必須です。

      STEP1
      ①事前協議
      実施を希望する場合、自治体の担当課と事前に協議する
      STEP2
      ②認可・確認の申請
      指定様式の申請書や事業計画書などの必要書類を提出する
      STEP3
      ③審査(現地確認を含む)
      設備や運営体制が基準に適合しているか審査を受ける
      STEP4
      ④認可・確認(事業開始)
      認可・確認を受けたのち、事業を開始する

      申請に必要な書類は自治体ごとに定められており、事業計画書や収支予算書、職員の保育士資格を証する書類、設備の図面など多岐にわたります。

      認可手続きには時間を要するため、余裕を持ったスケジュールでの準備が大切です。

      こども誰でも通園制度総合支援システム

      制度の運用にあたっては、こども家庭庁が整備するこども誰でも通園制度総合支援システムが導入されます。

      施設側では、空き枠・面談可能枠の登録、予約の確認・管理、QRコードによる登降園の打刻、利用実績の入力、自治体への請求書発行などをこのシステムで行うことになります。

      運用ルールや手続きの詳細は自治体によって異なる場合があるため、担当窓口に早めに確認しておくと安心です。

      こども誰でも通園制度の導入で見えた3つの課題と対応策

      試行的事業(モデル事業)に参加した施設からは、制度への期待とともに実務面の課題も報告されています。

      こども家庭庁の調査研究報告書(令和7年3月)をもとに、優先度の高い3つの課題と対応例を整理します。

      課題1. 保育者の確保

      制度には専任従事者の配置や保育士比率の要件があるため、通常業務に加えた人員確保が課題となりました。

      モデル事業に参加した自治体の81.6%が「保育者の確保」を課題に挙げています。

      対応例としては、余裕活用型の選択、登園が集中する曜日・時間帯を見越したパート職員のシフト調整、職員間での役割分担の事前すり合わせなどが挙げられます。

      登降園の曜日・時間が固定されない制度の特性上、柔軟なシフト設計が必要になります。

      課題2. 保護者とのコミュニケーション

      登園頻度が少ないぶん、子どもの様子を伝える機会が限られるという難しさがあります。

      報告書では、保育者の約7割が保護者対応の時間・労力が増えたと回答しています。

      「今日の様子」を簡潔に伝えるひとことコメントの習慣化や、写真・共有カードの活用、利用前の丁寧な説明による期待値の調整などが、対応例として実践されています。

      課題3. 記録・請求処理・連絡業務の煩雑化

      複数の園で、保育者の約半数が記録作成・請求処理・連絡手段の煩雑さを負担として挙げています。

      特に、運営費や人員に余裕がない園では、事務作業の負担が大きくなる傾向が見られました。

      記録の定型化、担当をチームで分担する体制づくり、ICTツールによる情報共有などが、負担軽減の工夫として有効です。

      また、保育士バンク!では、運営や採用に関するさまざまなサポートを実施しています!

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      こども誰でも通園制度を導入するメリット

      負担面の課題がある一方で、施設にとって制度導入には次のようなメリットもあります。

      • 定員割れへの対策になる
        未就園児を受け入れることで、定員に空きのある施設でも子どもとの接点を増やせます。

      • 新たな利用者との接点が生まれる
        制度を通じて施設を知ってもらうことで、将来的な入園や安定した利用につながる可能性があります。

      • 子ども・地域への貢献になる
        家庭で過ごす未就園児に育ちの機会を届け、地域の子育て支援の担い手となれます。

      制度の趣旨に沿って体制を整えることで、子どもにとっても施設にとっても意義のある取り組みです。

      こども誰でも通園制度実施のカギは「人材の確保」!採用に不安があれば保育士バンク!に相談

      制度実施の大きな課題は「保育者の確保」といわれています。

      専任従事者の配置や保育士比率の要件を満たすには、安定した人材体制が欠かせません。

      一方で、保育業界では慢性的な人手不足が続いており、「制度に対応したくても人が足りない」という施設も少なくありません。

      もし、採用や人材確保に不安があれば、保育士バンク!までご相談ください。

      施設の状況に合わせて、必要な人材の採用をサポートいたします。

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      こども誰でも通園制度のよくある質問Q&A

      Q. どの施設でも参加できますか?

      基準を満たす施設であれば実施可能とされています。

      実際の運用では、自治体が事業者の募集や認可を行い、実施施設や実施方法を定めます。

      まずは、自治体の担当窓口に確認するとよいでしょう。

      Q. 通常保育の職員を兼任させることはできますか?

      条件付きで可能です。同じ時間帯に両方を掛け持ちすることはできません。

      それぞれの職員配置基準を満たし、実施時間帯が重ならない場合は兼任が認められています。

      シフト設計の段階で考慮しておくことが重要です。

      Q. 総合支援システムとは何ですか?

      こども家庭庁が提供する専用システムで、施設・保護者・自治体が利用します。

      施設側は、空き枠の登録、予約管理、QRコードによる登降園の打刻、利用実績の入力、請求書発行などをこのシステムで行います。

      Q. ICTツールを使っていない施設でも対応できますか?

      運用自体は可能です。

      ただし、記録・請求・保護者連絡の煩雑化がモデル事業でも課題となっており、ICTの活用は負担軽減や体制整備につながります。

      ICTシステム導入の
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      Q. 幼稚園のプレ保育は対象になりますか?

      実施要綱や基準を満たしていれば対象となります。

      ただし、対象は0歳6カ月〜満3歳未満のため、満3歳の子どもが利用する場合は対象外となります。

      Q. 昼食・おやつ代などは別途徴収できますか?

      保護者の同意のうえで、必要に応じて徴収して問題ありません。

      実費の取り扱いは施設で設定できますが、内容や金額は事前に保護者へ丁寧に説明しておくと安心です。

      出典:児童福祉施設最低基準/厚生労働省出典:こども誰でも通園制度の実施に関する手引/こども家庭庁出典:「こども誰でも通園制度」について〜基礎資料集〜/こども家庭庁出典:こども誰でも通園制度の公定価格について/こども家庭庁

      体制を整えて円滑に実施しよう

      こども誰でも通園制度は、すべての子どもに育ちの機会を届ける、保育政策の大きな転換点です。

      2026年度(令和8年度)の本格実施に向けて、参加を検討する施設は次の3点を軸に準備を進めると安心です。

      1. 参加判断と実施方式の決定(一般型/余裕活用型)
      2. 職員体制・シフト設計の見直し
      3. 自治体システムや記録・請求フローの整理

      なかでも保育者の確保は、制度を円滑に実施できるかどうかを左右する重要なポイントです。

      現在、人材不足や運営体制などに不安がある場合は、早めに採用の準備を始めておきましょう。

      保育士バンク!では、施設の状況に合わせた採用・人材確保のサポートを行っています。制度導入に向けた人材のお悩みは、どうぞお気軽にご相談ください。

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