こども環境管理士は、自然の力を活かしてこどもが安心して過ごせる環境づくりを学べる資格です。園庭や保育室の整備、自然との触れ合いを大切にした遊びの工夫など、日々の保育にすぐ活かせる視点が身につけることができるでしょう。今回は、こども環境管理士の試験日程や受験資格、通信講座を活用した勉強法まで徹底解説します。
こども環境管理士とは
こども環境管理士は、「こどもが安心してすごせる環境」について学び、実際の保育や教育現場で役立てられる資格です。
2007年に公益財団法人日本生態系協会によって創設され、自然環境を活かした保育の視野が広がる資格として注目されています。
こども環境管理士の資格取得者はどんな風に活躍しているの?
資格を取得すれば、「園庭の木や草花の取り入れ方」「こどもが落ち着いて遊べる空間づくり」「自然と触れ合う遊びアイデア」など、こどもと環境のつながりを大切にした保育を実践できることを証明できるでしょう。
こども環境管理士の資格取得はどんな人が向いているの?
保育士や幼稚園教諭、子育て支援員、保育ボランティアなど、こどもに関わる仕事をしている方が資格の取得を目指すことが多いようです。
その他に以下のような方は資格取得を検討してみるとよいでしょう。
- 自然の中でこどもと過ごすのが好きな方
- 園庭や保育室をよりよい環境にしたいと考えている方
- こどもに自然の楽しさや大切さを伝えたい方
- 自然を活かした遊びや活動を保育に取り入れたい方
- 環境教育や自然保育に興味がある方
こどもにとって、身のまわりの環境は心や感性を育てる大切なものです。自然と触れ合いながら過ごす時間は、豊かな成長につながっていきます。
日々の保育に自然の視点を取り入れてみたい方は、まずは資格を取得するために試験の概要やどのような学習が必要なのかを確認してみましょう。
こども環境管理士の資格試験の受験資格・試験日程・合格率
こども環境管理士の資格試験について、受験資格や試験日程、合格率などの概要を紹介します。
こども環境管理士の受験資格
こども環境管理士には「2級」と「1級」の2つの等級があります。
2級は年齢・学歴・職歴に関係なく、誰でも受験することができます。
また、1級は以下の条件を満たす方が受験できます。
- 幼稚園教諭または保育士の資格を取得後、通算で満3年以上の実務経験がある
- 2級こども環境管理士の資格を取得後、通算で満3年以上の実務経験がある
- 幼稚園の園長または副園長として、通算で満3年以上の実務経験がある
- 保育所の所長または副所長として、通算で満3年以上実務経験がある
- 認定こども園の園長または副園長として、通算で満3年以上の実務経験がある
- 1~5に当てはまらない場合、通算で満5年以上の実務経験がある
また「実務」とは、「幼児教育や保育に関わる継続的な活動」のことを指します。具体的には、以下のような仕事や活動が含まれます。
- 幼稚園教諭や保育士として働いた経験
- 幼稚園、保育所、認定こども園などの運営や事務の仕事
- 団体や企業で、幼児教育や保育に関する仕事を続けて行った経験
- 市民団体などで、幼児教育や保育に関する活動を続けて行った経験
- 幼稚園教諭・保育士を育てる学校での指導や研究
- 研究機関で、幼児教育や保育に関する指導や研究を続けて行った経験
- 研究機関で、幼児教育や保育に関する事務や運営に関わった経験
なお、「実務」として認められるかどうかは、受験時に提出する「実務経験申告書」や「小論文」で内容を示し、さらに口述試験の中で詳しく確認されます。
試験日程と内容
こども環境管理士の試験は年に1回実施されます。2025年度(令和7年度)のスケジュールは以下の通りです。
- 受験申込期間:2025年6月1日(日)〜9月16日(火)
- 筆記試験日:2025年11月2日(日)
試験会場:北海道 / 岩手 / 宮城 / 東京 / 新潟 / 石川 / 長野 / 愛知 / 大阪 / 広島 / 徳島 / 福岡 / 鹿児島 / 沖縄(計14カ所)※そのほかキャンパス受験・サテライト試験あり - 口述試験(1級のみ):2026年1月24日(土)
- 合格発表:1・2級(筆記試験) 2025年12月24日(水)発送/1級(口述試験) 2026年2月20日(金)発送
日程は毎年同じような時期に行われていますが、年度ごとに変更になる可能性があります。
試験の合格率
2024年度の合格率は1級が約92%、2級が62%でした。
2023年時点の認定者の総数は3,132名です。
その中でも認定者は学生が多く、全体の約44%を占めているようです。
また、幼稚園・保育所・認定こども園に勤務している方が約38%を占めており、こどもと関わる仕事に就く多くの方が資格を取得しています。
なお、過去の認定者数は以下の通りです。
年度 | 認定者数 |
---|---|
2016年 | 190名 |
2017年 | 287名 |
2018年 | 282名 |
2019年 | 233名 |
2020年 | 202名 |
2021年 | 253名 |
2022年 | 255名 |
2023年 | 297名 |
こども環境管理士の試験内容
こども環境管理士の試験は、「自然環境とこどものかかわり」「保育・幼児教育の場における環境整備」「こどもの育ちと保育環境の意義」などについて、幅広い視点から理解と実践力を問う内容です。
筆記試験の概要
筆記試験の所要時間は2時間です。
択一問題【35問】
- 科目1 自然環境に関する基礎知識【15問】
→10問以上の正解が必要です。 - 科目2 自然体験・生活体験を充実させる環境づくり 【20問】
→13問以上の正解が必要です。
試験では、(公財)日本生態系協会のホームページで紹介されている参考書籍や資料に関する内容、環境に関する時事問題を中心に出題されます。
【出題例】※あくまでもイメージです。実際の問題、過去問などではありません。
問:「自然のもの」とは、どのようなものを指すか、正しい説明を以下の4つの中から選びましょう。
1.どの土地であっても花壇の園芸種や農作物は「自然のもの」に含まれる。
2.「自然のもの」とは、その地域に古くから住み続けている野生の在来種のこと。
3. ペットや家畜、外来種であっても、自然の中で見かければ「自然のもの」になる。
4.どの地域の自然でも同じ種類の生き物が含まれているため、「自然のもの」に違いはない。
小論文【1問】
小論文では、こどもたちが自然と触れ合い、自然を大切にする生活を送るために、自分がこども環境管理士としてどのような考えや取り組みをもって関わっていきたいかが問われるようです。
1級は原稿用紙「800字以内」、2級は「400字以内」で小論文を記述する必要があります。
口述試験
筆記試験に合格した1級の受験者のみが口述試験を受けられます。
試験官と15分ほど質疑応答を行い、こども環境管理士としての意思や信念、知識が適切かどうかを評価されます。
こども環境管理士の資格を取得するための勉強法
続いて、こども環境管理士の資格取得を目指すための具体的な勉強方法を紹介します。
通信講座
こども環境管理士の資格取得に向けては、通信講座を活用して学ぶ方法もあります。自分のペースで計画的に進めたい方や、独学に不安を感じる方にとっては、選択肢のひとつとなるでしょう。
たとえば、四谷学院の「こども環境管理士 通信講座」を活用すると、合格に必要な内容を全55ステップに細かく分けた「55段階学習システム」を利用することができます。
1ステップあたり約30分で学習でき、総学習時間の目安は約27.5時間と、日々のスキマ時間を活用しながら無理なく取り組めるのが特長です。
教材は図解、イラストを豊富に取り入れられており、およそ5ステップごとにチェックテストが用意されているため、学習の理解度を確認しながら着実に進めることができます。
小論文試験については、添削指導が丁寧に行われ、文章の構成や表現のポイントも具体的にフィードバックされるため、初めて小論文に取り組む方でも安心です。
仕事や家事、学業と両立しながら計画的に進められるでしょう。
独学で取り組む
独学で取り組む場合は、(公財)日本生態系協会のホームページで紹介されている参考書籍や資料に目を通したり、環境に関する時事問題をチェックしながら学習を進める必要があるでしょう。
自然・環境・保育に関する幅広い知識を自分で整理しながら取り組み、費用を抑えられながら自分のペースで進めやすいことが特徴です。
また、学習時間は通信講座ではおおよそ27時間前後が学習の目安とされていますが、独学で取り組む場合は、内容の整理や理解に時間がかかり、より多くの時間を要する場合もあるでしょう。
出題範囲が広いため、継続的に計画を立てて学習を進めることが重要です。
また、小論文では、テーマに沿って自分の考えをまとめる力が求められるため、過去の出題例などを参考にしながら、自分の言葉で伝える練習を繰り返すとよいでしょう。
出典:こども環境管理士資格試験(公益財団法人 日本生態系協会)/環境省こども環境管理士を資格取得を目指し、自然と触れ合う保育の視点を広げよう
こども環境管理士は、こどもと自然をつなぐ保育を実践したい方にぴったりな資格です。
独学での受験も可能ですが、計画的に学びたい方や小論文に不安がある方は、四谷学院の「こども環境管理士 通信講座」の活用を検討してみましょう。
図解やイラストが豊富な教材でわかりやすく学べるほか、添削やチェックテストなどのサポートも充実しているため、初めての方でも安心して試験対策に取り組むことができます。
合格者の方からはこのような声も…
こどもたちの育ちを支える環境について学びながら、保育者としての引き出しを増やしたいという方は資格取得に向けて一歩踏み出してみましょう。