託児所とは？保育園との違いや施設の種類、働くメリットや給料についてわかりやすく解説

託児所とは、さまざまな形態の認可外保育園のことを指します。主に企業内や病院で行われる小規模保育や、商業施設内に開設されている一時保育などがあたりますが、保育士さんとしては、一般的な園との違いや働きやすさが気になりますよね。本記事では、託児所の種類や仕事内容、働くメリット・デメリット、また給料事情や求人の探し方などをわかりやすく解説します。

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この記事でわかるのはこんなこと！
託児所とは「企業内・院内・認可外」で行う保育施設の通称
一時預かりや少人数保育が多く、行事や残業が少ない
給料が低めの傾向があるが、夜勤手当や企業の福利厚生で高収入の求人も

託児所とは「認可外保育施設」などの通称

「託児所」という言葉は、法律などで定義された正式名称ではなく、児童福祉法にもとづく認可を受けていない「認可外保育施設」の総称を指すことが一般的です。

託児所のタイプとしては、主に以下のようなものがあります。

• 企業が従業員のために設置する「事業所内保育所」
• 病院内に設置され、職員や利用者の子どもを預かる「院内保育所」
• 商業施設内にある「一時預かり所」
• 一時預かりが中心の小規模園としての「ベビーホテル」

認可外といっても、国や自治体の指導監督基準に従って運営されており、定期的な監査も行われます。

一般的な認可保育園との違い

認可保育園と託児所（認可外保育施設）には、設置基準や運営形態に明確な違いがあります。

認可保育園は国が定めた厳しい基準（広さ、保育士の数、給食設備、園庭の有無など）をすべてクリアし、都道府県知事の認可を受けています。

一方、託児所は施設ごとに独自の基準や自治体の指導監督基準にもとづいて運営されており、サービスの柔軟性が高いのが特徴です。

主な違いを以下の表にまとめました。

項目	一般的な認可保育園	託児所（企業内・院内・認可外）
管轄・基準	国（厚生労働省）の設置基準を満たす	都道府県への届出・独自基準で運営
開所時間	原則として朝から日中（7:00〜19:00頃）	24時間、土日祝、短時間など柔軟
預かる年齢	0歳児〜5歳児（就学前）が基本	施設による（乳児のみ・就学後も可など）
園庭	原則として設置義務あり	なくても運営可能（近隣の公園などで代替）
申し込み（利用者）	自治体の窓口（入園選考あり）	施設へ直接申し込み（先着順など）
保育料（利用者）	世帯年収や自治体により決定	施設が独自に設定（助成がある場合も）

このように、託児所は認可保育園に比べると、より「利用者のニーズに合わせた柔軟なサービス」に特化しているといえそうです。

認可外だから、一時預かりや夜間の保育など、それぞれの園が独自のサービスや強みを持っているんだね。

一時預かり・月極保育など施設ごとの特徴

託児所の利用形態には、大きく分けて「一時預かり」と「月極（つきぎめ）保育」の2種類があります。

求人を探す際は、その施設がどちらの形態を主としているかを確認することで、自身の希望する働き方とのミスマッチを防ぐことができます。

一時預かりの託児所では、保育士が利用者に預かりシステムの説明をしたり、お会計のレジ精算を担当したりすることも。

「認可外」はどんな施設？

「認可外」と聞くと「基準を満たしていない施設」と、ネガティブな印象を持つ方もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

認可園では対応しきれない、深夜や休日の保育、短時間のスポット利用といったニーズに応えるために、あえて認可外として運営している施設も数多くあります。

なかには、企業主導型保育所のように、国からの指導・助成金を受けて運営され、設備や保育士配置において認可園並み、もしくはそれ以上の水準を保っている園もあります。

また、夜間営業の託児所は、夜勤の仕事に従事するひとり親家庭などをサポートするための、大切な施設といえるでしょう。

ほかにも、時間単位の一時預かりとして、高級ホテルやサロン、クリニック、住宅展示場などの利用者を顧客とする落ち着いた託児所や、商業施設内で大型遊具を安全に楽しめるテーマパーク的な施設もあります。

預かりニーズや家庭の状況・保護者の仕事などにあわせて、さまざまなタイプの託児所があるんだね。

企業内・院内・商業施設・ベビーホテル、種類は主に4つ

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託児所を大きく分けると「企業内保育所」「院内保育所」「商業施設内託児所」「ベビーホテル」の4つのタイプに分類されそうです。

それぞれの施設によって、預かる子どもの層や開所時間、保育士の仕事内容はそれぞれ異なります。

企業内保育所（事業所内保育所／企業主導型保育）

企業内保育所は、企業が自社の従業員の子どもを預かるために設置している施設です。

オフィスビル内や近隣に併設されていることが多く、保護者と子どもの距離が近いのが特徴です。

企業の営業日に合わせて運営されるため、土・日・祝日が休みになるケースが多く、働く場合はプライベートの予定が立てやすい点が魅力です。

院内保育所

病院で働く医師や看護師などの医療スタッフの子どもを預かる施設です。

病院の敷地内や隣接地に設置されており、医療現場の勤務体制に合わせて運営されています。

そのため、24時間保育や夜間保育を行っている託児所の場合は、保育士にも夜勤が発生する可能性があります。

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商業施設内の託児所

デパート、ショッピングモール、美容院、劇場、ホテルなどの商業施設内に設置され、利用客の子どもを一時的に預かる施設です。

利用時間は1時間から3時間程度と短く、働くにあたっては、毎日違う子どもと接することが特徴的と言えるでしょう。

ベビーホテル

一般的には夜20時以降の保育、宿泊をともなう保育、利用者の半数以上が一時預かりのいずれかを行っている施設の通称です。

24時間開所しているものから、夜間や早朝に閉所するところなどさまざまですが、認可園や企業内保育などと比較すると、夜間営業が多い傾向があるようです。

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負担が軽い・行事が少ない…託児所で働く3つのメリット

託児所で働く大きなメリットは、大規模な認可保育園に比べて業務負担が軽い傾向にあることです。

行事や書類作成の少なさ、少人数保育・異年齢保育（縦割り保育）の経験をつめることなどが、働くうえでの主な魅力といえそうです。

行事や書類作成が少なめで負担が軽い

以前いた大規模認可園では、運動会や発表会の時期は衣装や練習の準備で毎日残業でした。
転職した今の託児所は、準備が必要な行事がないから持ち帰り仕事はゼロ。精神的にも体力的にも楽になりました。

一般的な保育園では、運動会や発表会、親子遠足、お泊り保育などの大型行事の準備に多くの時間を割かれ、残業や持ち帰り仕事が発生しがちです。

しかし、託児所の多くは一時預かりや少人数保育が中心のため、大規模な行事がないことが多いようです。

そのため、行事の計画書作成や衣装作り、発表会の演目練習・指導といった負担が大幅に軽減されます。

また、月案・週案のような長期的な保育計画や児童票などの書類作成も、認可園に比べて簡素化されているか、そもそも存在しないケースもあります。

これにより、勤務時間内は保育に集中できる、定時で退勤できるなど、プライベートを重視したい保育士さんにとっては、働きやすさを感じる方も多いようです。

少人数保育で子どもとじっくり関われる

持病があり、心拍数が上がる運動は主治医に止められているので、保育の仕事は続けられないと思っていました。でも、転職した託児所は、乳児が多く室内での見守りがメインなので、一人ひとりとゆっくり関わりながら、落ち着いて保育ができています。

託児所は定員が数名から数十名程度の小規模な施設が多く、保育士一人あたりが担当する子どもの数が少ないのが特徴です。

また、0歳児～2歳児の乳幼児を預かることが多いことから、身体を動かす保育が少なく、施設全体の子どもたちを職員全員で見守る体制がとられています。

そのため、子ども一人ひとりの個性や体調、気分の変化にきめ細かく気づくことができ、じっくりと向き合う保育ができる環境でしょう。

「もっとゆったりと子どもに関わりたい」「一人の子どもに時間をかけて寄り添いたい」と考えている保育士さんには、やりがいを感じられそうです。

異年齢保育（縦割り保育）のスキルが身につく

クラス担任制がないのでプレッシャーを感じなくていいのがうれしい！職員みんなで子どもを見守るので、負担が集中しないし、幅広い年齢の子どもたちと関わる中で、柔軟な対応力が身についた気がします。

多くの託児所では、年齢ごとにクラスを分けるのではなく、0歳児から就学前までの子どもが同じ空間で過ごす「異年齢保育（縦割り保育）」を行っています。

このような環境のなかで、年上の子が年下の子の面倒を見たり、年下の子が年上の子を真似して成長したりする姿を間近で見ることができます。

また保育士として、発達段階の異なる子どもたちが安全に楽しく遊べるような環境設定や、それぞれの年齢に応じた言葉がけ、関わり方を同時に実践するスキルが身につくでしょう。

クラス担任制の保育園では経験しにくい、幅広い年齢層への対応力や柔軟性など、保育の専門性を高めることにもつながりそうです。

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園庭がない・給料が安い？託児所で働くデメリットと注意点

託児所には、さまざまなタイプやそれぞれのニーズに特化した特徴があるため、働きやすさがある一方で、設備面や待遇面でのデメリットも存在します。

園庭がないことによる保育内容の制限、少人数ゆえの配置体制の厳しさ、そして給料面での違いについて、事前に理解しておく必要がありそうです。

園庭やホールがなく、遊びの工夫が必要

託児所の多くはビルの中や商業施設の一角、病院内などの限られたスペースに設置されています。

そのため、認可保育園のような広い園庭や遊戯室（ホール）がない施設がほとんどです。外遊びをする際は近隣の公園まで行く必要がありますが、天候や移動のリスクもあるでしょう。

また、室内での活動がメインとなるため、リトミックや制作など、限られたスペースのなかで子どもたちが楽しめる遊びの工夫や、環境設定のアイデアが求められることもありそうです。

職員体制によって「ワンオペ」の時間ができる可能性も

小規模な託児所では、必要最低限の保育士人数で運営していることが少なくありません。

認可外保育施設の配置基準は認可園と異なるため、時間帯によっては職員の数が手薄になることがありまするかもしれません。

とくに早番や遅番の時間帯、または職員が休憩を交代で取るタイミングなどで、一時的に保育士一人が子どもを見る「ワンオペ」の状態が発生することがあるかもしれません。

面接時には職員の配置体制や休憩の取り方についてしっかりと確認しておくとよいでしょう。

国の処遇改善手当がつかず、年収が下がる傾向

認可保育園で働く保育士には、国からの「処遇改善等加算」などの手当が支給され、給与の底上げが図られています。

しかし、多くの認可外保育施設はこの制度の対象外となっており、その分、月収や年収が低くなる傾向がありそうです。

ただし、手当や福利厚生などを含めたトータルの待遇は施設によって大きく異なります。単に月給の額面だけでなく、手当や賞与を含めた年収ベースで判断することが大切です。

託児所の給料・待遇事情【保育園との比較】

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一般的に、託児所の給料は認可保育園と比較して「やや低め」から「同じくらい」の傾向があるようです。

ここでは、給料が決まる仕組みと、高待遇を狙うためのポイントを整理してみましょう。

給料が低い理由は、処遇改善手当がないから

最大の要因は、認可保育園では、行政から園に対して人件費の補助として「処遇改善等加算」による手当が支払われる制度があります。

これにより、この制度を利用している園では、一般的な保育士で月給に5,000円～9,000円ほどプラスされたり、経験年数に応じて給与が上がるといった、特別手当がついています。

しかし、認可外である託児所の多くはこの制度の対象外です。

そのため、基本給だけで比較すると、どうしても数万円程度の差が出てしまうケースが見られます。

託児所で高収入が叶う「独自の手当」と「福利厚生」

認可外の託児所であっても、どんな点に注目して勤務先を選ぶかで、認可園以上の収入や待遇が見込める可能性もあります。

このようなポイントを押さえて職場を選ぶことで、認可外の託児所でも高収入を狙うことができそうです。

とはいえ「手当や福利厚生のことはなかなか面接では聞きづらい…」という方も多いのではないでしょうか。

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託児所で働くには？必要な資格と求人の探し方

託児所で働くために必要な資格や、効率的な求人の探し方について解説します。

認可外であっても保育士資格は強力な武器になりますが、施設によっては資格がなくても働ける場合があります。

保育士資格があれば優遇！無資格でもOKの場合も

託児所の求人は「保育士資格」を必須条件としている場合が多いですが、法律上の配置基準では、認可保育園に比べて有資格者の配置人数が厳しく定められていない施設もあります。

そのため、託児所であれば、認可園に比べると、無資格でも働ける求人が多いのが特徴といえるかもしれません。

とはいえ、正社員として安定して働く場合や、手当などで高収入を求める場合は、保育士資格を持っていれば有利かつ、待遇面で優遇されるのは間違いないでしょう。

未経験やブランクがある場合でも、資格があれば採用の可能性は高まります。まずは資格を活かせる求人を中心に探すことをおすすめします。

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求人検索のコツは「事業所内」「病院内」

一般的な求人サイトで単に「託児所」と検索すると、膨大な数の求人がヒットし、希望に合う施設を見つけるのが難しい場合があります。

効率よく探すためには、検索キーワードを工夫することがポイントです。

たとえば、「事業所内保育所」「企業内保育」「院内保育」「病院内託児所」といった具体的なキーワードを組み合わせることで、希望する形態の施設を絞り込むことができます。

また、一時預かりを希望する場合は「一時保育」「商業施設　託児」などで検索するとよさそうです。

※実際の求人情報は、期限によって掲載されていない場合もあります。またフリーワードでの検索結果のため、実際の求人募集は検索ワードと相違がある場合があります

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託児所で働きたい・求人を探す場合のよくある質問

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託児所で働くにあたっての疑問について答えます。

Q1. 託児所は何歳から何歳まで預かるの？

A. 生後57日～就学前までが一般的です。

基本的には就学前までの子どもを預かりますが、学童保育を兼ねている施設や、商業施設の一時預かりなどでは、小学生以上の子どもに対応する場合もあります。

また、施設や企業、立地条件などによりますが、企業主導型の託児所は、主に0歳児～2歳児が多い傾向がみられます。

これには、3歳児以上になると、認可園・幼稚園・認定こども園など、ほかの受け皿が増えるため、自宅近くの園などに転園するケースが増えるという背景があるようです。

Q2. 新卒や未経験でも託児所で働ける？

可能です！研修制度が整っているか確認してみましょう。

可能ではありますが、即戦力が求められる少人数の現場も多いため、研修制度が整っているか、先輩職員のフォロー体制があるかを応募時や面接で確認するとよいでしょう。

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Q3. 院内託児所は、職員の子どもと患者の子どものどちらを預かるの？

施設により、どちらも可能性があります。

職員の子どものみを預かる施設と、患者（利用者）の子どもを預かる施設があります。

小児科クリニックや歯科医院に併設されている託児スペースなどの場合は、患者さんの子どもを預かるケース、あるいは職員・利用者の両方の子どもをまとめて預かるケースもあるようです。

Q4. 一般的な保育園しか経験がないけど、面接ではどうアピールしたらよい？

これまでの経験から「ていねいさ」「柔軟さ」をアピール！

採用担当者は、これまでの勤務先のタイプよりも「どんな保育ができるか」を重視します。

たとえば、ワンフロアで縦割り保育を行う小規模の託児所では「複数の子どもを同時に見る視野の広さ」が求められます。

また、商業施設内にある一時預かりの託児所では、保育経験に加えて、飲食店やテーマパークでのアルバイト経験が評価されるかもしれません。

「一人ひとりの子どもとていねいに関わりたい」「さまざまなケースに合わせて柔軟な対応ができる」といった、得意分野や意欲を伝えましょう。

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託児所は子どもとゆったり関わりたい保育士さんにおすすめ

託児所は、大規模な行事や書類作成に追われることなく、目の前の子ども一人ひとりとじっくり関わりたい保育士さんにとって魅力的な職場かもしれません。

認可園とは異なる大変さもありますが、少人数でアットホームな環境や、柔軟な働き方ができる点は大きなメリットといえるでしょう。

「今の園での働き方に疲れた」「もっと保育そのものを楽しみたい」と感じている方は、託児所という選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。

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