資格取得前から保育補助として働き、実践を積みながら保育士としての道を歩んできたIさん。保育園に4年ほど勤務し、「もっと学びたい」「成長したい」という気持ちを抱いて転職を決意しました。迷いや葛藤のなかで保育士バンク!を利用し、チーム保育体制からクラス担任制の園で働くことを希望。スキルを磨ける環境で新たなスタートを切ったIさんの体験談を紹介します。
プロフィール
保育士を目指した理由やご経歴を教えてください。
最初は保育とは異なる専門学校に進学しましたが、将来のビジョンが描けず、進路を見直すことにしました。
そこで、姉が保育士だったことや幼い頃の夢が保育士だったことを思い出し、保育園の保育補助のアルバイトを始めたんです。
補助という立場ではありますが、乳児クラスでオムツ替えをしたり一緒に遊んだりと、しっかり子どもと関わることができました。
実践的な経験を積むなか、園長先生からの助言があり、保育士資格の取得を決意しました。
その後、保育士養成校を卒業し、社会福祉法人が運営する保育園への採用が決まりました。
さっそく相談してみる保育士として働くうえで、保育補助の経験が役立ったことはありましたか?
保育学生のときは実習に行っても、短期間なこともあり、深く関わることがなかなかできませんでした。
だからこそ、「保育学生さんは保育園でバイトしたほうがいい!」と伝えたいくらい、保育補助としての経験は貴重だったと思います。
書類業務などは担当していませんでしたが、子どもと関わる時間が多く、実践的な経験を活かし、保育士として働くことができました。
保育士資格を取得後に働いた職場はどのような保育園でしたか?
「褒める保育」の方針のもとで自由保育やコーナー保育を取り入れ乳児・幼児クラス別に、子どもたちと関わっていました。
持ち帰り仕事などもなく、「得意な人がピアノを担当しよう」などという、職員の得意分野を活かすスタイルだったんです。
クラス担任制ではなかったので、数名の正社員とパート職員でフロア全体を見ていくチーム保育の体制が取られていました。
職員は同世代が多く、一人ひとりの保育観や考え方を尊重しながら保育を行っていたので、職員同士との連携は取りやすかったです。
ただ、一部屋で異年齢の子を保育するため、発達などもそれぞれ違い、大変さを感じる場面はありました。
転職を考えた理由を教えてください。
保育の内容や職場環境に働きやすさを感じていましたが、経験を積むなかで先輩方が退職されていきました。
今後リーダー的な立場になる可能性に不安を感じるようになり、現実的に自分が引っ張っていく状況になることを想像したとき、「保育士としてもっと学びたい」「さまざまな園で経験を積みたい」という気持ちが芽生えました。
また、後輩の保育士さんたちが力をつけていく様子を見て「後輩たちが引っ張っていくことで、よりよい環境が築かれるのではないか」と感じたんです。
チーム保育の体制だったので、クラス担任を経験することも大切だと感じ、勤務4年目で環境を変えることを選びました。
保育士バンク!を利用した理由と転職活動について詳しく教えてください。
以前から保育士バンク!という名前は知っていましたし、サイトを利用したときに求人検索がしやすかったんですよね。
年度初めに保育士バンク!に登録し、転職活動を始めることにしました。
年度初めの保育士バンク!への転職相談。葛藤はありましたか?
転職の相談後、キャリアアドバイザーの方はさまざまな求人を紹介してくださいました。
ただ、年度初めだったので、私の中で「本当にこのまま転職してよいのか」「子どもとお別れするのは寂しい」といった想いがあり、区切りがつかない状態でした。面接日程の相談をしていくうちに、「ごめんなさい」と断ることもあったんです。
そのときに、「今後もう一度受けたいと思ったときに採用枠がない場合もある」という現実的な側面も伝えてくださいました。
マイナスの面をしっかりお話してくれたので、真剣に私のことを考えてくれていることに、驚きました。「転職したい気持ちがあるのなら、サポートしていきたい」という気持ちがしっかり伝わってきたんです。
私も生半可な気持ちで面接を受けてはいけないのではないかと考えて、一度転職活動を中断しました。
1度転職活動を中断した後、どのような形で再開されましたか?
その後、冬になり、気持ちにも踏ん切りがついて、もう一度転職活動を再開しようと思いました。キャリアアドバイザーの方にも再度連絡を取りました。
正直、1度お願いしていたのに断ってしまった経緯があったので、気まずい気持ちがあったのですが、快く転職のサポートを引き受けてくれました。
しっかり相談にのってくれたキャリアアドバイザーの方に頼りたいという気持ちがあったので、本当に感謝しています。
転職活動の流れや転職先を決めた理由を教えてください。
キャリアアドバイザーの方には「通勤のしやすさ」「給与面」「年齢別のクラス編成がある保育園」といった希望条件を伝えました。
2つの園を紹介してくださりましたが、一つは引っ越しが必要な園だったので、通勤のしやすさからもう一つの園を選び、見学に行きました。
園の雰囲気を見させていただくと、ベテランの先生が多く、園長先生の人柄にも惹かれ、ここで働きたいという気持ちを抱きました。
職員の先生方がテキパキ動かれていて、学びの多い環境であることが、決め手になりましたね。
転職後、実際に働き始めた印象を教えてください。
現在は、0・1歳児の15人の担任をしています。正社員3人体制で、パートの方にもサポートしていただきながら、保育をしています。
前の保育園との大きなギャップは特に感じることないです。
「園によってやり方の違いがあって当たり前」という気持ちがあるので、あまり気になることはありません。子どもの成長に合わせて関わり方も変わってきますしね。
頼れる先輩方も多く、メンタル的にも明るい気持ちで過ごしています。
ベテランの先生と一緒に働いてみた印象や今後のキャリアについて教えてください。
現在働いている園では、ベテランの方から学ばせていただくことがたくさんあります。
たとえば、トラブルがあっても落ち着いて対応されている姿を見ると、本当に頼りになるなと思います。
私は「迷ったときはすぐに聞く」ということを大切にしているので、午睡の時間などに、子どもへの対応についてアドバイスをもらうようにしています。
だいぶ園の流れには慣れてきたので、今はまず、子どもとの信頼関係を築いていきたいですね。
また、臨機応変にゆとりをもって対応できる保育士さんになりたいです。
子どもとの関わりがとても上手な先生がいて、子どもたちが自然とその先生の周りに集まっているんです。
そういった先生の関わりを学びながら、子どもと一緒にさまざまなことを楽しめる保育士として成長していきたいと思っています。
転職を考えている保育士さんへのメッセージについて教えてください。
仕事をしているからこそ、転職活動に動きだせなかったり園見学に行けなかったりする方はたくさんいると思います。
キャリアアドバイザーの方は普段からさまざまな園とやり取りをしているので、園長先生の人柄などなど情報をたくさん知っています。
友だちに相談するより専門的な転職エージェントの方にお話しすることで、具体的なアドバイスがもらえるのではないでしょうか。
私自身自然と「転職を決断する」瞬間がきたので、まずは「迷っているのなら相談してみる」ことを大切にしてほしいですね。