病児保育士は、保育士資格があれば未経験からでも挑戦できる働き方のひとつ。現場で役立つ認定病児保育スペシャリストなどの民間資格、気になる給料事情を徹底解説。さらに、自分に合う職場がわかる診断や病児保育室の動画、仕事のメリット・デメリットも紹介します。
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- 「保育士資格」があれば未経験から挑戦OK
特別な国家資格は不要。実務経験を積みながら民間資格で専門性を高めるのが一般的 - 職場は「施設型」か「訪問型」の大きく2種類
病院併設の保育施設や企業主導型保育園、自宅へ伺うベビーシッターなど自分に合う形が選べる - 行事・残業が少なく、個別ケアに集中できる
大規模な園行事の準備に追われず、目の前の一人の子どもと丁寧に向き合える働き方
病児保育士になるには保育士資格のみでOK
病児保育士になるには、保育士資格または看護師免許を取得し、病気の子どもを預かる保育施設や医療機関、あるいは訪問型事業所に勤務するのが一般的な流れです。
そのため、病児保育士と呼ばれてはいるものの、「病児保育士」という名称の国家資格が存在するわけではありません。
あくまでも病児保育に従事する保育士や看護師などの総称として使われています。
2026年時点では、企業主導型保育園の一角を利用した受け入れ体制が進むなど、ニーズが広がっており、今まさに必要とされている専門職です。
また、現場では保育士は子どものケア中心で医療行為は行いませんが、より医療分野の知識があるとよい場面もあります。
そのため、まずは現場で経験を積みながら、さらに専門性を深めたくなったタイミングで「病児保育に関する民間資格」の取得にチャレンジするのも一つの方法です。
病児保育の現場で活躍できる民間資格
認定病児保育専門士
「全国病児保育協議会」が認定する資格です。病児保育施設での実務経験が数年以上ある保育士・看護師が対象で、講習と試験を経て取得できます。現場でのリーダーを目指す方に適しています。
目安期間:実務経験2年以上 + 約1年(学習期間)
目安費用:約3万6,000円
合格率:高いという情報があるが非公開
医療保育専門士
「日本医療保育学会」が認定する資格で、病院内での保育(病棟保育など)に特化しています。病児保育のみならず、医療チームの一員としての深い知識が求められる資格です。
目安期間:実務経験1年以上 + 約1~2年(学習期間)
目安費用:約5万円+ 別途、学会への入会金・年会費が必要
合格率:10%との情報もあるが非公開
認定病児保育スペシャリスト
「日本病児保育協会」が認定する資格です。2022年に一度認定事業が終了しましたが、2026年時点で再開しています。 保育士資格がなくても、18歳以上(高校卒業以上)であればWeb講座と実習で取得を目指せるため、未経験から専門性を身につけたい方に選ばれている資格です。
目安期間:約1カ月~3カ月(学習・実習期間)
目安費用:約8万8,000円
合格率:8割前後という情報もあるが非公開
病児保育士に向いている人
基本的に病児保育士になる方は、一般的な保育園や認定こども園の経験を経て、働く方が多数。
ただ、病児保育士は一般的な保育園とは役割が異なるため、向き不向きが分かれる傾向にあります。
✅ 病児保育士に向き
病児保育士の給料は平均月収20万円〜25万円
病児保育士の給料は、一般の保育士と大きくは変わりませんが、平均月収20万円〜25万円が相場となります。
※手取りは額面の約8割で算出。賞与2〜3カ月分を目安としています。
パート・アルバイトの場合は時給1,100円〜1,500円程度で、都心部や訪問型は高めになる傾向です。
病院・クリニック併設型を狙う
運営母体が医療法人の場合、一般の園よりも賞与(ボーナス)が安定していたり、住宅手当などの福利厚生が手厚い場合があります。
「非公開求人」を賢く活用する
病児保育は少人数制のため、募集人数が少なく、一般の求人サイトには載らない「非公開求人」として募集されることが多々あります。
保育専門のエージェントに登録し、自分の希望条件に合う病児保育の求人を優先的に紹介してもらえますよ♪
保育士バンク!無料相談【病児保育士が働ける職場】施設の種類と仕事内容
病児保育について理解を深める上で、まず知っておきたいのが「病児」と「病後児」の違いです。
風邪やインフルエンザ、胃腸炎などの病気を患っている状態です。発熱が続いていたり、症状がまだ安定していなかったりする子どもの状態を指します。
病気の「峠を越えたあとの回復期」の状態です。熱は下がったものの、まだ体力が戻りきっておらず、一般の保育園での集団生活に不安がある子どもの状態を指します。
施設によってどちらを受け入れているかが異なります。
特に子育てしている方は、感染症のリスクを抑えて「病後児」対応の施設を選ぶことも多いでしょう。
ここからは、病児保育士が働ける施設を紹介します。
病院・クリニック併設型(病児・病後児対応)
小児科などの医療機関内に設置されているタイプです。「病児デイサービス」として運営されていることも多く、常に医師や看護師と連携できる環境の場合があります。
発熱直後などから預かる場合もあれば、病後児のみを対象にしている施設もあります。
定員は4名程度の少人数保育が中心です。
仕事内容
看護師などとチームを組み、子どもの病状を注意深く観察しながら保育を行います。
主な業務は、検温や顔色・呼吸状態の確認、水分補給、病状に合わせた遊び(絵本や折り紙など)を用意します。
医療的な判断が必要な場面ではすぐに専門スタッフに相談できるため、安心してケアに専念できるでしょう。
【病院・クリニック併設型】ある一日の流れ
部屋を温め、今日来る子が好きな絵本や玩具を用意して、安心して過ごせる環境を整えます。
保護者から「昨夜は眠れたか」など細かく話を聞き、子どもがリラックスして入室できるよう優しく声をかけます。
様子を見ながら、横になったまま楽しめるお話や、座ってできる静かな遊びを一緒に楽しみます。
食欲に合わせて量を調整し、励ましながら介助。食後は看護師の確認のもと、お薬を飲みます。
背中を優しくトントンして入眠をサポート。寝ている間も、呼吸が苦しくないか側で見守ります。
起きた後の機嫌や熱を確認。保護者が安心できるよう、一日の様子を連絡帳に丁寧に書きます。
子どもの様子を保護者に伝え、家庭での注意点を共有して一日を締めくくります。
使った玩具を一つずつ除菌し、翌日の予約状況を暫定確認して退勤します。
病児保育専門・企業主導型保育園(病後児対応中心)
認可保育園や企業内保育園、民間の託児所などに専用のスペースが設けられているタイプです。
基本的にはその園に通っている子や、提携企業の従業員の子どもを預かりますが、地域の病児保育不足を補うために受け入れを行っている施設が増加しています。
主に症状が落ち着いてきた「病後児(回復期)」の受け入れが中心です。
保育士は看護師と連携しながら、子どもの様子をきめ細かく見守ります。 普段の保育園に近い環境の中で、集団生活に戻る前の体力を回復できるよう、無理のないペースでゆったりと過ごせるようサポートします。
一日のスケジュール
【保育園・企業内付設型】ある一日の流れ
昨夜の熱の経過などを聞き取り、今日一日を無理なく過ごせるよう準備します。
粘土やパズルなど座ってできる遊びを中心に、体調に合わせた過ごし方を提案します。
食欲があるか観察しながら介助し、消化に良い食事内容への配慮も行います。
回復期でも急な変化があり得るため、こまめに呼吸や体温を確認して見守ります。
起床後の状態を確認。明日の登園目安を、連絡帳に詳しく記入して共有します。
保護者へ一日の様子を報告。お部屋を殺菌・清掃して業務終了です。
居宅訪問型(ベビーシッター)
保育士が利用者の自宅へ直接伺い、1対1で保育を行うタイプです。病児保育施設が満員で予約が取れない時など、仕事が休めない保護者にとって大切な役割を担っています。
仕事内容
子どもの自宅で急性期から回復期まで、その日の体調に合わせた柔軟に対応します。
1対1(兄弟がいる場合は1対2など)で個別のケアに専念できるため、些細な変化にも気づきやすく、深い信頼関係を築けるのが特徴です。
運営会社やNPO団体に登録したうえで派遣され、本部と連絡を取りながら、時には保護者に代わって病院への受診に付き添いをお願いされるケースもあります。
【居宅訪問型】ある一日の流れ
利用者宅へ到着。今朝の症状や薬の種類、緊急連絡先を保護者から詳しく聞き取ります。
自宅でゆったり過ごします。容体により、提携医や近隣の病院へ受診に付き添う場合もあります。
用意された食事を援助し、食欲を観察。預かったお薬をルールに沿って慎重にサポートします。
呼吸や体温の変化に注意しつつ側で見守り、所属会社へ午前中の様子を中間報告します。
午後の検温を実施。無理のない範囲で遊び、一日の様子を活動報告レポートに詳しく記入します。
帰宅した保護者へ対面で詳しく報告。片付けを行い、会社へ終了報告をして業務終了です。
病児保育士診断!自分に合う職場はどこ?
「医療の知識を深めたい」「1対1で向き合いたい」など、大切にしたいポイントは人それぞれです。
どの職場が自分に合っているか、今の気持ちに近いものにチェックを入れてみてください。
病院・クリニック併設型向きのあなた
→チェックが多いあなたにおすすめ: 病院・クリニック併設型
病児専門・企業内保育園向きのあなた
→チェックが多いあなたにおすすめ: 病児専門・企業主導型保育園
居宅訪問型(ベビーシッター)向きのあなた
→チェックが多いあなたにおすすめ: 居宅訪問型(ベビーシッター)
【動画で見る】ベテラン保育士に学ぶ、病児保育のリアルな現場
「タイムスケジュールはイメージできたけれど、実際の空気感を知りたい」という方も多いはず。
そこで、保育士歴20年を超える大ベテランの先生が、どのように子どもたちと向き合っているのか、その一日を追った密着動画を紹介します。
保育士としての子どもへの深い愛情はもちろん、「プロとしての徹底したリスク管理」も重要になりますね。
「自分にできるかな?」と不安な方も、こうした現場の連携体制を見れば、一歩踏み出す勇気が持てるのではないでしょうか。
休憩・休日もしっかり確保!病児保育求人を探す【一般的な保育園との違い】病児保育士として働くメリット・デメリット
「今の働き方を変えたい」と考えている保育士さんにとって、病児保育はやりがいのある仕事のひとつ。ただし、特殊な環境ゆえの難しさもあります。一般的な保育園と比較しながら、メリットやデメリットを見ていきましょう。
メリット
大きな行事(運動会や発表会)がないため、壁面の制作物や衣装作り、指導案の作成に追われることがありません。定時に帰れる職場が多いため、プライベートと仕事の時間を確保したい方におすすめです。
外遊びや長距離の散歩、激しい運動を伴う保育がありません。室内でゆったりと過ごす保育が中心となるため、年齢を重ねても長く続けやすい環境です。
少人数制(または1対1)のため、集団保育では難しい「その子のペースに合わせた細やかな関わり」が可能です。子どもの不安に寄り添い、丁寧なケアができることにやりがいを感じるでしょう。
デメリット
病気の子どもを預かるため、自身が感染症をもらってしまうリスクは避けられません。手洗いや消毒、エプロンの交換など、一般的な園以上に徹底した自己管理が求められます。
子どもの状態は変化しやすいため、常に「何か異変はないか」と気を張っておく必要があります。特に急性期の子を預かる際は、冷静な観察力と判断力が常に求められるため、精神的な疲れを感じることもあります。
「自分にはどのスタイルが一番合っているのかな?」と迷われた方は、2分でできる適性診断で、あなたの「病児ケアへの適応力」をチェックしてみましょう。
【よくある質問】病児保育士の働き方Q&A
病児保育への転職を検討中の方から、よく寄せられる質問をまとめました。
Q. 未経験でも病児保育士になれますか?
多くの施設では、入職後に看護師さんからケアの仕方を教わったり、研修を受けたりする体制が整っています。まずは「病後児保育(回復期)」の施設からスタートするのも一つの手です。
未経験歓迎求人を探すQ. 感染症にかかりやすいと聞きますが、実際はどうですか?
手袋の着用、こまめな消毒など、医療機関並みの感染対策を行っています。ただし、リスクをゼロにすることは難しいため、日頃からの自身の健康管理も大切になります。
Q. 行事や持ち帰り仕事は本当にないのでしょうか?
病児保育は「その日限りの預かり」が中心のため、運動会や発表会といった年間行事が存在しない施設がほとんどです。制作物も、その場で子どもと楽しむ折り紙などがメインとなるため、持ち帰り仕事が発生しにくい環境です。
持ち帰り残業は0!安心して働ける職場を見てみるQ. 医療的な行為(点滴の管理など)を任されることはありますか?
保育士の役割は、あくまで「安静に過ごせる環境作り」と「状態の観察」です。薬の服用(与薬)については、施設のルールに従い、看護師の確認のもとで介助を行います。
Q. 病児保育の「急募求人」はありますか?
病児保育はスタッフの人数が限られているため、一人が退職するとすぐに補充が必要になります。特に「病院併設型」や「訪問型」は、通年でニーズが高いため、タイミングが合えば好条件の急募案件に出会える可能性が高いです。
ただし、好条件の急募求人は公開されると数日で埋まってしまうことがほとんどです。そのため、事前に転職サイトに登録して「病児保育の急募が出たらすぐに教えてほしい」と伝えておくのが、一番確実な方法です。
急募求人を見てみる職場見学からでもOK!病児保育士は人気の職種!まずは求人情報をチェックしよう
「本当はもっと一人ひとりの声を聞いてあげたいのに……」 今の園で、行事の段取りや日々の業務に追われ、そんなもどかしさを抱えてはいませんか?
病児保育士は、子どもたちに寄り添い、働く保護者を支える、欠かせない存在。
残業が少なく、一人ひとりと丁寧に関わることができる病児保育の環境は、理想的な働き方になるかもしれません。
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