【2025年最新】保育士の給料は本当に上がる?正社員やパートの昇給額や「上がらない」と感じてしまう理由

「処遇改善で給料が上がるって聞いたのに、実感がない…いつ上がるの?」そんな声が、保育現場から聞こえる中、政府は保育士の人件費を10.7%引き上げるために、処遇改善制度を新たにスタート!今回は、2025年4月からの給料アップの例や正社員・パート職員への支給実態も交えて解説。保育士として給料を上げるための3つの方法もまとめました。

保育士の給料は本当に上がる?上がったはずなのに…実感が少ない理由

政府は2024年度4月から、処遇改善制度を通じて保育士の人件費を10.7%引き上げると発表しました。

引用:国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策の重点事項/こども家庭庁


処遇改善制度とは、国が財源を確保し、園を通して保育士さんの給料に反映させる仕組みです。

ニュースで政府の発表を耳にして、「これで給料が上がるはず!」「10%くらい上がるなら、給料が22万円なら2万円アップするの?」と期待した方も多いのではないでしょうか。

実際に賃金アップが進む園がある一方で、現場の保育士さんからは「思ったほど実感がない」という声も聞こえてきます。

その背景には、このような事情があるようです。

  • 基本給ではなく手当扱いでの増額のため、ボーナスや退職金に反映されない
  • 増額分が「一時金」として後から支給されるケースもあり、毎月の生活費を補えない
  • 月給の増加は数千円程度で、物価や生活費の上昇にすぐ埋もれてしまう
  • 園によっては手当の反映のスピードが遅く、給料明細に変化が見えない
  • 国の処遇改善制度は「認可保育園」で働く保育士さんが対象のため、認可外保育園で働いている方は恩恵を受けられない
    ※例外として、企業主導型保育園では別の制度の中で処遇改善の仕組みあり

そもそも、国が処遇改善によって財源を確保しても、その配分や運用は園ごとに委ねられています。

つまり、処遇改善による手当は、国から直接、保育士さん一人ひとりの口座に振り込まれるわけではないのです。

国は処遇改善として人件費を10.7%引き上げる方針を示していますが、実際にその効果を保育士さんが「実感できるかどうか」は、働く場所によって差が生じるでしょう。

 2025年の給料アップはいつから?パート職員も対象になる可能性大!

こども家庭庁は、「保育士さんがなかなか給料のアップを実感できない」「制度が複雑でわかりにくい」という現場の声を受け、2025年4月から処遇改善制度を見直し、新たな体制をスタートさせました。

制度をよりシンプルな設計にして「一定のルールに基づいた公平な支給」の実現に向けて動き出したのです。

正社員だけでなく、パート職員の保育士さんも制度の対象となる可能性が高く、実際に手当が支給される形で制度が広がりつつあります。

なお、詳しい制度内容については、こども家庭庁により「オンライン説明会」を配信しています。

引用:「処遇改善等加算に関するオンライン説明会」/こども家庭庁

制度の仕組みが変わる一方で、実際に気になるところは「給料がいくら上がるのか」という点ですよね。

2025年4月からの給料アップ例!

新制度によって、以下のような給料の増額が期待できます。※なお、旧制度ですでに手当を受けていた方は、その内容が引き継がれた上で見直されます。

【処遇改善の給与アップは3段階】

  • 全保育士さん対象に基礎給料アップ
    例:月額5,000円~9,000円前後プラス
  • 経験による給料のアップ
    例:10年以上勤務している保育士さんは月1万円前後の加算(1年未満の勤務から徐々に加算がスタート)
  • 役職やリーダーなど役職向けの給料のアップ(研修予定・修了含む)
    例:主任や副主任、リーダー職に就くと月2万〜4万円の手当がプラス

※新しい処遇改善制度の詳細はこちらをご確認ください。


ただし、この処遇改善加算を園が受けるためには、「保育士のキャリアに応じた昇給ルール(キャリアパス要件)」や「研修を受けて役職に就く仕組み」が整っていることが必要です。

そのため、まずは勤務先の園が、この処遇改善加算の対象となる体制(キャリアパス要件など)を整えているかを確認しましょう。

園側が体制を整えていないと加算の対象外となり、手当の増額が見込めない場合もあります。

【正社員・パート別】給料がアップした保育士さんの声

正社員・パート別に昇給の一例を紹介します。

正社員

勤続3年目で分野別リーダーを目指して研修受講中です。 基本給は19万円ですが、処遇改善で毎月の手当が加わるようになりました。

経験加算で8,000円、全員に支給される手当で1万円、さらに研修を受けているので5,000円がプラス。

合計すると2万3,000円アップ!月収は21万3,000円になっています。

以前は『昇給ってよくわからない』と思っていたけど、毎月の給料で少しずつ実感できるようになりました!

勤続5年・職務分野別リーダーをしています。
基本給は21万円ですが、処遇改善で手当が加わるようになりました。

経験加算で1万2,000円、全員に支給される手当とリーダー手当で2万円、さらに職務分野別リーダーとして5,000円がプラス。

合計すると3万7,000円アップ!月収は24万7,000円になっています。

責任は増えましたが、収入に反映されることで“やりがい”につながっています。

パート


週3日、4時間勤務で扶養内のパートで働いています。
うちの園では時給に手当が最初から含まれていて、月あたり約3,000円分が上乗せされています。

毎月の給料明細には明記されていませんが、しっかり手当が支給されているので、うれしいです。

週5日、フルタイムのパートとして働いています。前の園で取得したリーダー資格もあり、担任や副担任を持つ年もあります。

うちの園では、経験や役割に応じて3,000〜5,000円の手当が月給に加算される仕組みになっています。自分の頑張りが評価されていると実感できてうれしいです。

時給1200円以上のパート求人が知りたい

簡単1分登録!転職相談
保育士・幼稚園教諭・看護師・調理師など
保育関連の転職のご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!

保育士の給料を上げる3つの方法「勤務園でのキャリアアップor転職するべき?」

処遇改善はうれしいけれど、「もっと給料を上げるのはなかなか難しいのかな…」と感じる保育士さんもいるのではないでしょうか?

主に給料を上げる方法は3つあります。

 勤務園で将来を見据えてキャリアアップを進める

保育士等キャリアアップ研修の制度を利用して、研修に参加することで処遇改善手当の増額が期待できるでしょう。

経験年数3年以上の方が対象のため、研修の受講を考えるとよさそうです。

キャリアアップ研修まとめ

項目 必要な経験年数 研修内容
職務分野別リーダー 概ね3年以上 対象分野の研修1分野以上
専門リーダー 概ね7年以上(リーダー経験含む) 4分野以上の研修修了(うちマネジメント分野を含む)
副主任保育士 概ね7年以上(リーダー経験含む) 4分野以上の研修修了(うちマネジメント分野を含む)

なお、2025年4月からの制度見直しにより、これまでのように「研修修了が手当支給の条件」ではなく、年度内に研修を修了する予定であれば、手当の支給対象として認められるようになりました。

基本給の高い園や福利厚生が手厚い園に転職する

たとえ、処遇改善手当が支給されていても、基本給がもともと低い場合は、現状に納得がいかない方もいるでしょう。

転職すべきか迷ったときは、まずは給料のデータで現状を把握し、求人票や各園の経営状況がわかる「ここdeサーチ」をチェックしてみましょう。

経験年数に応じた平均年収を確認

以下は、厚生労働省の2024年度の統計に基づいた、経験年数ごとの月給(所定内給料額)の目安です。

経験年数 所定内給料額(円)
0年 226,800円
1〜4年 240,500円
5〜9年 260,000円
10〜14年 272,100円
15年以上 302,700円

経験に応じた平均給料と比べて、「自分の給料は低いかも…?」と感じた場合は、基本給の高い園や福利厚生が充実した園に転職を検討してみるとよいかもしれません。 経験年数を重ねても給料アップが望めない場合は、仕事へのモチベーションが下がってしまうこともあるでしょう。

転職先の求人票の見方

転職を考えたときに、多くの方がまずチェックするのが「求人票」です。

その際に大切なのは、求人票にどのような情報が書かれているかをしっかり確認すること。

特に、給料や手当の内訳、昇給や賞与の有無といった条件は必ずチェックしておきたいポイントです。

以下に、給料関係の求人票のチェック内容をまとめました。

チェック項目 例文・確認ポイント
給料の内訳が明記されているか 給料:23万円(基本給20万円+処遇改善手当3万円)
賞与の支給実績と支給額が書かれているか 賞与:年2回(前年実績 計3.5ヶ月分)
昇給制度の記載があるか 昇給:年1回/評価制度により昇給あり
住宅手当・扶養手当の有無 住宅手当あり(月最大3万円)、扶養手当あり
残業代(時間外手当)の支給方法が明記されているか 残業代別途支給、または固定残業代●時間分含む
求人票を見て情報収集をしたい


また、求人票を見ても「実際の園の雰囲気や内情がわからないから不安…」という方もいるでしょう。

そんな時は保育士バンク!にご相談ください。

園ごとの雰囲気や職場の人間関係、離職率など、求人票ではわからない園の実情をお伝えさせていただきます。

給料が上がらない…でも保育士さんって給料が低いって言われているからしょうがないよね。

と諦めている方も、お問い合わせお待ちしています。

実は、保育士さんの給料を少しでも上げようと努力している園も、たくさんあります!転職を考えるなら、そうした園に出会えるチャンスを広げていきましょう。

会員登録・相談無料保育士バンク!で転職相談

「ここdeサーチ」に登録しているか確認する

2025年4月から、「保育園の経営情報の見える化」制度により、運営法人による報告・公表が義務化されました。

この制度により、以下のような情報が公表される予定です。

  • 園ごとの給料水準(モデル賃金)
  • 人件費比率
  • 処遇改善加算の活用状況 など

処遇改善手当についても、実際に職員に届いているかどうかを外部から確認できる仕組みが整備されるようです。

転職や就職を検討する際は、勤務園や応募先の園が「ここdeサーチ」などで情報を公開しているかをチェックしてみましょう。

ただし、2025年8月時点では制度開始直後のため、公開されていない園も多いようです。今後の更新にも注目するとよいでしょう。

また、中には園の雰囲気を動画などで確認してから、転職先を決めたいという方はいませんか?

保育士バンク!YouTubeチャンネルでは、各小規模保育園認定こども園などの魅力を大公開!「どこか自分に合う園はないかな?」と、転職先を探している方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

保育士の給料に関するよくある質問

続いて、保育士さんの給料についてのよくある質問をまとめました。

Q1. 保育士の平均月収はいくらぐらいですか?

A. 厚生労働省「しごと情報ネット」によると、保育士の平均年齢は39.5歳で、平均年収は406.8万円と公表しています。(経験年数などは含まず保育士全体の平均年収)

これを月収に換算すると、約33万9,000円(月収換算)※賞与含む・12カ月割りとなります。

ただし、ボーナス(賞与)が含まれているため、実際の月々の給料(所定内給料額)は24万~27万円前後となるでしょう。

Q2. パート保育士の平均給料はいくら?

A. 同じく厚労省の統計では、パート保育士の平均時給は約1,300〜1,400円程度となっています。

都市部では1,700円以上の好時給の求人もありますよ♪時間帯や業務内容によっても変動するため、どのような求人があるのか、チェックしてみましょう。

自宅近隣のパート時給を知りたい

Q3. 新制度による処遇改善手当はいつから支給されますか?

A. 2025年4月から新制度が開始され、勤務園が対応していれば、支給が始まっています。

ただし、支給のタイミングや反映方法は園によって異なるため、給料明細での確認や園への問い合わせが必要です。

Q4. 処遇改善手当はボーナスや退職金に反映されますか?

A. 処遇改善手当は多くの場合「手当」扱いであり、基本給には含まれないため、賞与や退職金に反映されないケースが一般的です。

国からは、毎月の給料に上乗せする形で手当を支給するよう、方針が示されています。

Q5. 今の園の人間関係はよいけれど、給料が低いので、転職すべきか悩んでいます。

A.転職すべきか迷ったら、見学に行くことが大切です!見学後に「やっぱり、今の園で働き続けようかな」と気持ちを切り替えて働く方もいらっしゃいます。

見学に行ったからといって、必ず面接や応募をしなければならないということではありません。

まずは、園の方針や職員の雰囲気を知ってもらいたいという園はたくさんあります!

自宅から通える園を見つけて、見学に行きたい」という方は、保育士バンク!にぜひご相談ください。園見学に向けて、サポートさせていただきます♪

園見学希望!自宅近隣の園を紹介してもらう

なお、保育園以外にも保育士資格を活かせる仕事はたくさんあります。給料アップも期待できるため、以下の記事でさまざまな仕事をチェックしてみてくださいね!

給料が上がるか不安な時は、勤務園で継続or転職について考えてみよう

給料が本当に上がるのか不安に感じたときは、まず今の園が処遇改善制度にしっかり対応しているかを確認してみましょう。

キャリアアップや昇給の仕組みが整っていない場合は、基本給が高く、評価制度が明確な園への転職も一つの選択肢です。

自分に合った働き方と環境を見直すことで、将来の安定した収入につながります!

ただ、転職先を探す際は、基本給だけでなく、福利厚生の確認も重要です。

たとえば、住宅手当が月3万円支給される園なら、年間で36万円分の収入アップになります!

また、物価上昇などの影響で「給料がこのままだと生活に不安がある」という方もいるのではないでしょうか。

そんな時は保育士バンク!にご相談ください。あなたが安心して、納得のいく給料で働ける職場をご提案いたします。パート希望の方もぜひ、ご相談くださいね。

出典:技能・経験に応じた処遇改善等加算Ⅱの仕組み出典:国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策の重点事項/こども家庭庁出典:保育士/厚生労働省出典:処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの一本化について/こども家庭庁出典:令和7年度以降の処遇改善等加算について/こども家庭庁出典:保育所等における継続的な経営情報の見える化について/こども家庭庁出典:保育所等における継続的な経営情報の⾒える化に関するFAQ(令和7年3⽉・4⽉⾃治体オンライン説明会での主な御質問に対する回答等)/こども家庭庁

この記事の監修者
戸田 慎一
経歴
高校教師として勤務、その後不動産営業を経験、現在は保育士さんの転職活動を支援する保育士バンク!にてゼネラルマネージャーとして活躍中。
実績
過去100名以上の保育士さんの転職活動をサポート。これまで、新人賞、ベストチーム賞、ベストマネージャー賞を受賞。

保育士さんに人気の勤務先

あなたへのおすすめ記事

本記事の内容は、記事作成日時点の資料等を基に可能な限り正確な情報を掲載するよう努めております。
しかしながら時間の経過等により情報が古くなったりすることもあり、必ずしもその内容の正確性および完全性を保証するものではございません。

また、記事の内容はひとつの見解を示すものであり、皆様が思考を更に深める材料としてご活用いただくことを目的としております。
実際には多様な見解があり、必ずしも唯一絶対の真理を示すものではありません。これらの点につき、本記事の内容を参考にしていただく際は念のためご留意ください。

就職・転職の無料相談放課後児童支援員見落としがちな転職先保育士の在宅ワーク

保育士バンク!で無料転職相談

保育専門のキャリアアドバイザーがあなたのご希望に寄り添い厳選求人をご紹介!