放課後等デイサービスの連絡帳は、保護者とのコミュニケーションツールとして非常に重要です。しかし、それだけではない独自の側面も持っており、書き方にもセオリーがあるようです。この記事では、放課後等デイサービスにおいての連絡帳の役割を見ていきながら、具体的な書き方のポイントと、個別の例文を紹介します。
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放課後等デイサービスとは
放課後等デイサービスは、障がいを持つ子どもたちに療育を提供する福祉施設です。
療育の場であると同時に、子どもたちの放課後の居場所としても機能しています。保護者が日中に就労などで不在となる家庭の子どもが、放課後や学校の休業日の時間を過ごすことができます。
放課後等デイサービスでは、以下の4つの活動を通じて具体的な支援を行ないます。
- 自立支援と日常生活の充実のための活動
- 創作活動
- 地域交流の機会の提供
- 余暇の提供
これらの活動により、子どもたちはそのため、開業届と同時に提出するパターンが多いようです。
日常生活のスキルを身につけ、自己表現や社会性を育む機会を得ながら余暇の時間を有意義に過ごすことができます。
放課後等デイサービスは、自閉症や発達障がい、身体障がいなど多様な障がいの療育に対応しています。原則として18歳までの児童・生徒が利用でき、利用には国や自治体の受給者証が必要です。
放課後等デイサービスでは、障がいのある子どもたちが安心して過ごせる場所の提供だけでなく、保護者や家族に対する包括的な支援も目的としています。この達成によって、共生社会の実現を目指しています。
つまり、放課後等デイサービスは障がいを持つ子どもたちや地域社会にとっての成長の場であり、その役割は非常に重要と言えるでしょう。
放課後等デイサービスにおける連絡帳の役割
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放課後等デイサービスにおける連絡帳は、2つの大切な役割を持っています。詳しく見ていきましょう。
「家族支援」における情報共有ツールとしての役割
連絡帳は、保育士などの支援スタッフと保護者との間の重要なコミュニケーションツールです。
発達支援は、本人支援・家族支援・地域支援などさまざまな支援対象を包括しており、放課後等デイサービスにおける連絡帳は、その中の「家族支援」の一環となる重要な役割と考えられるでしょう。
子どもが放課後等デイサービスでどう過ごし、どのような支援が行なわれているか、それによってどのような変化や成長がみられたかなどを、保護者と保育士が情報共有を行なうことは非常に大切です。
厚生労働省の調査報告書によると、放課後等デイサービスにおいての保護者との情報交換の機会として最も多く利用 されているのが、日々の連絡帳という結果も見られます。
出典:放課後等デイサービスガイドラインを用いたサービス提供の実態把握の為の調査報告書/厚生労働省
保護者とのコミュニケーションツールとしての連絡帳を有効に使うことで、保護者と支援者の信頼関係を築くことはもちろん、支援の質をより高めることにもつながるでしょう。
「サービス提供記録」としての役割
放課後等デイサービスにおける連絡帳は、家族支援以外にもう一つの重要な側面があります。
それは「サービス提供記録」としての役割です。
サービス提供記録とは、施設として利用者に提供したサービス内容を記録する文書のことです。放課後等デイサービスの場合は、子どもに対して行なった支援内容の記録がこれにあたります。
児童福祉法に基づく省令によって、このサービス提供記録の作成は義務づけられています。
様式は任意のため、多くの場合施設ごとに定めているものがあるようです。記録の必要があるのは、主に以下の事項です。
- サービスの提供日及び提供時間
- 利用者名及び記録者名
- 提供した具体的なサービス内容
- 利用者の心身の状況
-
その他利用者へ伝達すべき必要事項
このサービス提供記録は、その日に行なった支援の記録だけでなく、個別支援計画書に沿った支援が行なわれていることを証明する、記録としての役割を持っています。
なぜ連絡帳がサービス提供記録の役割を担っているかというと、省令により放課後等デイサービスなどの支援施設は、この提供記録の内容について保護者に確認をとることが規定されているからです。
この記録は、適切な支援が適切な時間において実施されていること、それを保護者へしっかり共有していることへの証明となるため、施設の報酬請求の根拠としても大きく関わってきます。
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放課後等デイサービスの連絡帳の書き方のポイント
放課後等デイサービスで保育士さんや指導員さんが連絡帳を書く際のポイントを紹介します。
例として「発達障がいを抱える小学校低学年の男子にサッカー療育を行なった日の連絡帳」をイメージして書き方の注意点を見ていきましょう。
実施した支援内容を具体的に記載する
実施した支援内容を記す際には「みんなで楽しくサッカーをしました」など端的に記すのではやや足りないでしょう。
このような場合は、「今日はグラウンドでサッカーをしました。ドリブルやパスのやり方・ポイントをコーチに習いながら、声を出して1対1のパス交換練習とミニゲームを行ないました」など具体的に記す必要があります。
サービス提供記録と併用する場合は、個別支援計画に記載されている内容と整合性がとれているかを念頭においておきましょう。
また、この場合は準備体操や練習などを含めてサッカーをプレーした時間を具体的に記録しましょう。
本人の様子や療育の結果を記載する
実施した支援の内容を具体的に記載したあとに、その際の子どもの様子・反応・できたことなどを具体的に書く必要があります。
たとえば、サッカー療育では以下のように実施内容と本人の様子を関連づけるとよいでしょう。
「先週のサッカーではミニゲームを行ないました。自分一人でボールを運ぼうとして失点につながる場面がありましたが、今日は味方へのパスの重要性をつかんだようで、コツコツと熱心に練習していました。最後には、相手に声かけをしながら上手に足元にパスを出すことができていました。おやつの時間も○○くんとサッカーの話題で盛り上がっていました」
できるだけ、本人の変化や成長を認めて記録することで、療育の効果だけでなく本人の頑張りや成長、もしくは課題となる点などを共有できるよう意識しましょう。
家庭との相互連絡を意識する
連絡帳は、施設からの状況報告だけではなく保護者のニーズを確認し、把握するためのツールとしても非常に重要な意味があります。
一方通行の報告だけで終わるのではなく、保護者からの相談や気になっていることのヒアリング、子どもの家庭での様子を報告してもらえるようにしましょう。
「先日の面談以降、ご家庭での様子はいかがでしょうか?なにか気になることなどあればまたいつでもご相談くださいね」など、保護者が話しやすい声かけができるとよいでしょう。
また、気になることがある場合などは「今日は学校で疲れてしまったらしく姿勢が保ちにくい様子でした。ご家庭での様子もお聞かせいただけると幸いです」など、こちらから連絡帳で経過観察などを呼びかけて、相互の報告を促すことも大切です。
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放課後等デイサービスで参考になる連絡帳の例文
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放課後等デイサービスの連絡帳では、支援内容の記録としての具体的な記載が重要です。
しかし、あったことや行なったことを記録するだけでなく、保護者とのコミュニケーションを主体にしながら、お互いの信頼関係を築くための気づかい、安心感を届ける書き方も大切です。
以下の例文を参考に、支援内容についての理解を求めながら、できるだけ本人と保護者に寄り添った連絡文を書けるとよいでしょう。
例文1
本日は、個別療育にて色や形の認知能力を高める課題に30分ほど取り組みました。
○○さんは、赤、青、黄色の色の違いが分かり、三角形や四角形の形も上手に言えていました。最後まで集中して頑張っていましたね。
またグループ活動では、ボードゲームを通して友達と楽しくコミュニケーションを取ることができていました。最近は、自分から話しかける場面も増えてきて、少しずつ成長が見られます。
これからも、いっしょに頑張っていきましょう。
例文2
本日の自由時間に、○○くんが友達とゲームの取り合いになり、けんかになってしまいました。
その際に、友達を軽く押してしまう場面がありました。 すぐに止めさせ、落ち着いてから「暴力は絶対にいけない。言葉で伝えましょう」と指導し、○○くんも、自分の行動を後悔していた様子でした。
こういった場面では、まず指導員に言うよう伝えています。
先週、感情のコントロールが難しいとのご相談をお母さまからいただいていましたが、近頃はこちらが落ち着いて話を聞くと、言葉を選びながら気持ちを言葉にしてくれることが増えてきたと感じます。
ご家庭でも声かけをお願いするとともに、これからもいっしょに○○くんの成長を見守っていきたいと思います。
例文3
本日は、病院から理学療法士さんに来ていただき、○○くんの身体機能の評価と、それに合わせた運動プログラムを組み込んだ支援を行ないました。
○○くんは、評価の際に少し緊張した様子もありましたが、最後までしっかりと取り組むことができていました。 先生からは「○○くんは集中力があり、頑張り屋さんですね」と褒められていました。
これからは、組んだプログラムに沿って、運動機能の向上を目指していきます。 運動が大好きな○○くんならきっと上手にできると思います。
今日習ったストレッチの動画を連絡サイトの会員用ページにアップしました。ご家庭で取り組んでいただけるとよいかと思います。
出典:放課後等デイサービスガイドラインを用いた サービス提供の実態把握の為の調査
出典:サービスの提供の記録の留意事項/札幌市
出典:放課後等デイサービスガイドライン/厚生労働省
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