小学校では2020年から英語必須化になるなど、子どもの英語習得への関心が高まっていますね。保育園でも、外部講師の英語レッスンや英語の遊びを取り入れているところがあるのではないでしょうか。言葉は日常的に親しむことが大切です。保育で英語を取り入れるねらいや意味を理解して、歌やゲームなどで楽しみながら英語に親しんでいきましょう!
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■目次
保育園の英語遊びのねらいとは?
保育園によっては、英語の習得や教育に力を入れているところがあるかもしれません。
方針は、園によって異なりますが、小さい子どもはまず、英語に触れることを「楽しい」と感じることが大切でしょう。
ねらいを一つずつ紹介します。
英語に触れ、聞く力や言葉を発する意欲が育まれる
聞きなれない言葉のため、難しいと感じる子どももいるかもしれませんが、だからこそ「話してみたい」「理解したい」という意欲が生まれる場合もあるでしょう。
聞く力や言葉を発する意欲が育まれることは、言語関係なく成長のひとつですね。
世界を知って興味が広がり、探求心が深まる
今までに知らない世界を知ると、ワクワクする気持ちになりますね。
もちろん、興味はそれぞれですが、「英語の歌を初めて聴いた」「いろいろな国があるんだ」と子どもの新しい発見につながるかもしれません。
英語を通して、言葉で表現することを楽しむ
日本語ではない言語で表現することを、ゲームのように楽しめるとよいですね。
英単語を覚えて発してみたり、思いついた英語を伝えてみたりすることは、子どもの「表現したい」という意欲の表れといえるでしょう。
保育園で英語の遊びを取り入れる際の配慮点は?
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保育園の方針にもよりますが、勉強としてではなく、遊びの一つとして取り入れることが、英語に慣れる第一歩となるでしょう。
活動のねらいを理解した上で、配慮点を意識し、充実した英語の時間にしていきましょう。
楽しむことが大切!英語の遊びが子どものストレスにならないようにしよう
興味関心、発達には個人差があります。
英語を楽しめる子もいれば、苦手意識があったり、理解できなかったりする子もいるでしょう。
英語を話してみるだけではなく、聞いたり、歌ったりすることも親しめる手法です。
子ども一人ひとりの姿を見極めて、必要な配慮をしていきましょう。
保育士さんもいっしょに学ぶ!正しい英語を使おう
子どもの成長や吸収のよさを、保育士さんは日々感じているのではないでしょうか。
だからこそ、正しい言葉を伝える必要があり、これは日本語も英語も変わらず大切なことですね。
「英語は分からない」「発音が苦手」という保育士さんもいるかもしれません。
そのような場合は、活動を通して子どもといっしょに学んでいきましょう!
日頃から英語と触れ合う!環境を見直そう
英語の絵本を置く、壁面にABCの表を貼ってみるなどしてみましょう。
活動のときだけ英語に触れるのではなく、日常の中で自然と英語に触れられる保育環境になるとよいですね。
英語教育のメリットデメリットなども理解した上で、子どもが楽しく英語にふれられるような配慮を行いましょう。
歌や手遊びを使って保育園で英語を楽しもう
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英語が苦手な保育士さんもいるのではないでしょうか。
英語の活動は、先生が話して子どもに伝えるだけではありません。
CDを用いて歌を聴いたり、子どもたちといっしょに歌ってみたりすることもよいでしょう。
乳児向けに歌われている歌も多いですが、英語に慣れ親しむ最初の段階の幼児クラスで取り入れるのもよいでしょう。
Twinkle Twinkle Little Star/作曲:ジャン・フィリップ・ラモー
イギリスの詩人、ジェーン・テイラーの英語詩「The Star」による替え歌が世界的に広まり、さまざまな言語に翻訳されている歌です。
元々は、フランスのシャンソン「”Ah!Vousdirais-je,Maman”(あのね、お母さん)」。
日本では、「きらきら星」として親しまれています。手を揺らして星を表現しながら、英語でも聴いたり歌ったりしてみましょう。
If you are happy and you know it!/アメリカ民謡
この歌は日本語の「幸せなら手をたたこう」です。
0歳児の小さい子どももよく歌っているのではないでしょうか。
英語で歌うことは少し難しさも感じるかもしれませんが、リズミカルな聴き心地で、子どもたちも楽しめそうですね。
Finger Family
日本語の手遊びでは、リズムが「どこでしょう」、歌詞が「おはなしゆびさん」のような歌です。
「どこでしょう」は、「○○ちゃん、○○ちゃん、どこでしょう」と子どもの名前を当てはめますが、Finger Familyは「おはなしゆびさん」のようにおとうさん指から順番に歌われます。
Head, Shoulders, Knees and Toes
日本語の手遊びでは、「あたまかたひざぽん」のような歌です。
頭、肩、ひざ、つま先を順番にうたいます。
身体の名前も覚えられて、子どもも簡単に楽しめそうですね。
慣れてきたらテンポを早くして、ゲーム感覚で取り入れても面白いかもしれません。
Baby shark
数年前、SNSで人気になったダンスの歌です。
振付も簡単でリズムも楽しいので、ダンスの活動で取り入れている保育園もあるのではないでしょうか。
日本語で歌われているものもあり、「サメのかぞく」という題名です。
楽しく英語に触れられる!保育園での遊び方やゲームアイデア
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さまざまな場面で英語を取り入れ、身近に感じられるものになるとよいですね。
簡単に取り入れられる活動アイデアや、自由遊びに用いることができる内容です。
子どもの馴染みあるものや環境から、自然に英語を取り入れていきましょう。
乳児向け:英語の遊びやゲームアイデア
興味を持ち日頃から親しんでいると、乳児の子どもたちも英語に慣れていき、単語を覚えることもあるでしょう。
日本語の中に、遊びとして英語を取り入れ、言語の獲得を促していきましょう。
Peek-a-boo!で、いないいないばあ
「Peek-a-boo!(ピーカブー!)」は、日本語で「いないいないばあ!」という意味です。
いつもやっているいないいないばあを、英語で赤ちゃんにやってみるのもよいですね。一言だけのやり取りでも、遊びながら英語を楽しむきっかけとなるでしょう。
さまざまな国籍で人形ごっこ
保育園に置いてある人形は、同じ顔や種類のものが多いのではないでしょうか。
アジアやアフリカなどさまざまな国籍を取り入れることで、英語や世界への興味が深まるかもしれません。
おもちゃにも、いろいろな文化を取り入れていきましょう。
英語のシール貼り
シール貼りの活動を取り入れている保育士さんも多いのではないでしょうか。
その活動に英語をプラスしてみましょう。
台紙とシールに英語を書いて、「Aはどこかな?」などと言葉がけをしながら貼って楽しんでみてくださいね。
色探し・宝探し
色や、宝物に見立てたおもちゃを、保育士さんが英語で指定して伝えます。
いわれたものを、子どもたちが探す遊びです。
簡単な興味あるものを用いて、2歳児頃から取り入れてみてください。
英語でゲームを楽しんでみましょう。
幼児向け:英語の遊びやゲームアイデア
幼児クラスになると、興味や理解の個人さが分かりやすくなってくるかもしれません。
もし、クラス全体での活動として英語の遊びを取り入れるのであれば、保育士さんたちが、一人ひとりにあったかかわりをさり気なく行い、フォローすることも大切ですね。
劇
子どもたちの親しみあるお話を用いて、劇に英語のセリフを取り入れてみましょう。
一部のセリフを英語に変えるだけでも、子どもたちの成長や幼児ならではの姿が感じられるのではないでしょうか。
フラッシュカード
イラストの描かれたカードを複数枚用意します。
子どもたちの前で、一枚ずつ保育士さんがテンポよく見せていきます。
子どもはそのイラストの名前を英語で答えます。
英単語を理解していないと難しい遊び方ですが、最初はゆっくりから始め、だんだんとスピードを早めていきましょう。
かるた遊びを英語にアレンジ
イラストの描かれたカードを複数枚、床に並べます。
保育士さんがイラストの名前を英語で伝え、子どもがその名前のイラストカードを取ります。
フラッシュカード同様、英単語を理解していないと難しい遊びですが、保育士さんがヒントを伝えるなどして楽しめる工夫をしましょう。
連想ゲーム
保育士さんが、「赤いものといえばなんだ?」などお題を出し、連想したものを子どもたちが英語で答えます。
もちろん、お題を出す保育士さんも英語で伝えてもよいですが、子どもの理解に合わせて取り入れてみてください。
連想したものを子どもが英語で答えることは難しい場合もあるので、日本語で答えたものを保育士さんが訳して伝えたり、イラスト表などを用意しておいたりする工夫が必要ですね。
連想ゲームの他にも、フルーツバスケットや伝言ゲーム、猛獣狩りなど、普段遊んでいる遊びに英語を取り入れてみてもよいですね。
保育園で英語の遊びを取り入れ、子どもの世界を広げよう!
保育園で行う英語の遊びは、より身近なところから取り入れていくとよいでしょう。
クリスマスやハロウィンなど、行事にからめて英語の言葉を発する機会を増やすことも楽しいかもしれません。
英語に苦手意識のある保育士さんもいるかもしれませんが、「子どもたちといっしょに学ぼう」という気持ちで意欲を持って遊びに参加すると子どもたちもうれしいはずです。
歌やゲームなど、取り入れやすいものから保育に盛り込んでみてくださいね!