自分で正式に取得したにもかかわらず、いざ聞かれると意外と「なんだっけ?」と思い出せない保育士さんが多いのが、保育士免許の正式名称です。これを覚えておかないと、履歴書に書く際などに困ることも。改めて、保育士の免許について復習してみましょう。
buritora/stock.adobe.com
■目次
保育士免許の正式名称は?
保育士の資格の正式名称は「保育士資格」です。
平成15年11月に改正された児童福祉法により、それまでの民間資格から国家資格へと移行しました。それにともなって資格保有者の呼称も「保育士」に統一し、名称独占資格として規定されました。
保育士の資格保有者が保育士として働く際には「保育士登録」をする必要があります。
これは、各都道府県知事から委託されている登録機関「社会福祉法人日本保育協会」の登録事務処理センターで行なうものです。
手続きの受諾と登録が完了すると資格取得証書が交付され、保育士として勤務できるようになります。この証書は「保育士証」と呼ばれるものになります。
保育士とは違う資格?「保母」とは
年配の方が保育士さんのことを「保母さん」と呼ぶのを聞いたことがある方もいるかもしれません。
児童福祉法の改正以前は、この「保母」は、民間資格として交付されていた、現在の保育士資格と同程度のものです。しかし当時この保母資格を取得した方が、現在、正規の保育士として働くには、保育士資格への切り替えが必要です。
切り替えの手順としては、保育士資格保有者と同じように社会福祉法人日本保育協会の登録事務処理センターで保育士登録の手続きをして「保育士証」を取得する必要があります。
出典:児童福祉法の一部を改正する法律の施行に伴う児童福祉法施行令の一部を改正する政令等の施行について/厚生労働省
【保育士免許の正式名称】履歴書にはどう書くのが正解?
takasu/stock.adobe.com
「保育士資格」を取得後、登録手続きを経て「保育士証」が交付され、保育士として働くことができる、という流れになることもあって、まれに「保育士資格」と「保育士証」が混同してしまっている保育士さんもいるようです。
資格そのものの名称は「保育士資格」なので、履歴書や職務経歴書などの就職に必要な書類や、公的書面で保有資格を記載する必要がある場合は「保育士資格」と表記します。
また、履歴書の資格欄には、取得年月日を明記する欄があります。ここでは「保育士資格」の取得日を書きます。取得日は保育士登録後に発行される「保育士証」に記載されています。
この際に記入するのは「保育士資格の取得日」ですので、誤って保育士証にある「登録日」を書かないよう注意が必要です。
【保育士免許の正式名称】保育士の資格があると働ける就職先
metamorworks/stock.adobe.com
保育士の資格を保有していると、以下のような職種に就くことが可能です。
無資格でも勤務できる「指導員」などの職種名は、施設によって変わることもありますが、ここでは一般的な呼称を紹介しています。
乳幼児が対象
- 保育園・保育所(保育士)
- 託児所・ベビーホテル(ベビーシッター)
- 病児保育(病児保育士)
- 認定こども園(保育士)
幼児から児童までが対象
- 児童養護施設(保育士・施設職員)
- 児童館(職員)
- 小児科病棟を有する病院(医療保育士・病棟保育士)
小学生以上の児童が対象
- 学童保育所(学童指導員)
- 放課後子供教室(児童支援員)
- 放課後等デイサービス(保育士)
保育園などでの正規の保育士としての就業はもちろんですが、子どもとかかわる仕事は、ほかにも幅広くあることがわかりますね。
【保育士免許の正式名称】持っているとこんなメリットも
保育士資格を所有していると、新たに取得することができる資格もあります。
以下の職種は、保育士や社会福祉士など、指定の資格を持っていれば研修を受講することによって取得できる資格で、この場合、保育士資格は「基礎資格」と呼ばれます。
-
【保育士資格を基礎資格としている専門資格】
- 放課後児童支援員
- 児童発達支援管理責任者
- 医療保育専門士
学童保育での勤務が可能です。
障害児通所支援施設、障害児入所支援施設での勤務が可能です。
小児科病棟での勤務が可能です。
※各資格によって基礎資格保有のほかに認定基準があるものもあります。
また、保育士は一度取得すれば、一生更新の必要がない資格であり、一度引退しても子育て後や定年後など年齢を重ねてからでも働くことができるのが、大きなメリットのひとつです。
ただし、登録後に入籍などによる姓の変更、また本籍地の変更があった場合には変更手続きが必要ですので注意が必要です。
保育士免許の正式名称は「保育士資格」と覚えよう!
maroke/stock.adobe.com
保育士資格についての復習はできたでしょうか?
これからも保育士の皆さんが一生ものの保育士資格を生かしてよりいっそう活躍できるよう保育士バンクは応援しています。
保育士バンク!は、保育士専門の求人サイトです。
保育士バンク!では、保育現場や転職に役立つ情報から、あなたのご希望に合う求人を紹介する転職サポートも行なっています。
「履歴書や職務経歴書の書き方で迷っている…」「こんな園があったら転職したい!」「保育園以外にこんな職場で働ける?」など、あなたの転職についての悩みやご希望があれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。
あなたにぴったりの転職先を、保育士バンク!といっしょに見つけてみませんか?