「保育の2025年問題」という言葉を聞いたことはありますか?これは、子どもの数が2025年をピークに減少するという予測と、それ以降に保育園があまる事態が起きると言われている問題です。そんな少し先の未来に向けて、保育士さんへの影響と対策として今できること・考えておきたいことをまとめました。

78art/stock.adobe.com
保育の2025年問題とは?気になる詳細
この「2025年問題」自体は、日本全体で課題となっている社会問題です。
2025年には、日本の総人口のおよそ2割が75歳以上の後期高齢者になると推測されており、社会保障制度や医療・介護など、さまざまな分野に影響を及ぼすことが懸念されています。
この少子高齢化の問題を、保育に与える影響面で考えるのが「保育の2025年問題」です。
厚生労働省が2021年に発表した報告書「保育を取り巻く状況について」によれば、保育園・保育所を利用する児童数は2025年にピークとなり、以降はゆるやかに減少していくことが見込まれています。
以前、ニュースでも社会問題として取り上げられた「待機児童問題」は、保育園に入園したい児童の数に対して保育園や保育士の数が足りない状態でしたが、今回の「2025年問題」はその逆となり、少子化による子どもの数の減少で、2025年以降には保育園があまってしまうという予測が立てられているのです。
2025年問題で考えられる保育園・保育所への影響は?

milatas/stock.adobe.com
そんな「保育の2025年問題」ですが、具体的に2025年以降の保育現場にどんなことが起こるのか、ピンとこない保育士さんのために、現時点で予想される影響をまとめました。
保育園に予想される影響
このまま少子化が進めば、保育園・保育所は閉園や園の統合などが各地で起こり、減少せざるを得ない可能性が出てくるでしょう。
また、園児の数に対して保育園が多い状態では、保護者がより自分の希望に沿った保育園を選ぶことで、園ごとに入園を希望する児童の偏りが起きることも予想されます。
保育園を経営する側は、入園を希望してもらうための競争が激しくなります。そのため、保護者に対するサービスの向上や質の高い保育内容、他園との差別化をアピールしなければ生き残れなくなる可能性も考えられます。
保育士に予想される影響
保育園の閉園や統廃合によって失業する保育士さんも、少なからず生まれることが予想されます。また、就業が継続できたとしても園児数の減少により給与・賞与が減額する可能性もあります。
そして、より質の高いサービスや保育を求める保護者に対応するために、保育士さん自身もスキルや経験値をあげていかなければ淘汰されるおそれも想像できます。
保育の質を高めるというと、一見、保育業界全体の底上げになる有意義な取り組みとも思えますが、保育される子ども目線での質の向上ではなく、入園者獲得のための施策だとしたらどうでしょうか。
その状況で本当によい保育が提供できるのか、保育士さん自身のスキルアップにつながるのか、疑問が残る部分でもありますね。
簡単1分登録!転職相談
保育士・幼稚園教諭・看護師・調理師など
保育に関わる転職のご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!
2025年問題を前に保育士さんがとれる対策は?
問題とその影響について把握できたところで、保育士さんが自分でできる、今からとるべき対策について考えます。あと数年で訪れる「保育の2025年問題」に立ち向かいましょう!
2025年問題を乗り越えられる保育園への転職
まず「転職」を視野に入れている保育士さんは、2025年までに、より質の高い保育施設、設備が充実している保育施設への転職に向けて活動するのが望ましいでしょう。
また、そのために自身の保育スキルや質を高める努力も必要ですね。
保育士さんはさまざまな能力を必要とされる職業ですが、現時点で獲得している経験やスキルにプラスして、資格取得や検定合格などを目指すのもよいかもしれません。
保育士向けの資格や検定でスキル・キャリアアップ
保育士さんが取得すると役に立つ資格、スキルアップになる検定は数多くあります。
ほとんどが民間資格ですが、取得しておくことで通常の保育士としてだけではなく、病院や学童保育、幼稚園ほかさまざまな教育・保育施設など、就職先の幅が大きく拓けることにもつながります。
以下に紹介するものは一部ですが、中には保育士資格を基礎資格としている(保育士資格を持っていないと取得できない)資格もあります。
- 医療保育専門士
- 運動保育士
- イングリッシュエキスパート保育士
- 幼稚園教諭
- 放課後児童支援員
- 育児セラピスト
- 幼児食インストラクター
- 幼児教育・保育英検
このように、保育士を軸にさらに選択肢を増やすことができる資格は、保育の2025年問題という逆風にも負けない保育士さんの強力な武器となってくれるのではないでしょうか。
今から対策して保育の2025年問題に立ち向かおう!

naka/stock.adobe.com
保育の2025年問題に向けて、今からでもできること・考えられることは多くあります。
これを機会に、保育の中でも自分の興味がある分野・得意分野を見直しながら 自身のキャリアマップを具体的に描いてみることで、スキルアップのヒントが見つかるかもしれません。
保育士バンク!は、これからも保育現場で働きたい保育士さんを応援する転職サービスです。
2025年問題に向けてはもちろん、すでに転職について検討している保育士さんも、具体的には考えていないけどお悩み中の方も、どんなことでも保育士バンク!にお声がけください。
現職場の状況、転職先に求める条件などをお聞かせいただければ、あなたにぴったりな求人をご紹介します。スキルアップ、キャリアアップについてなど保育士さんの希望もお聞かせくださいね。
保育士バンク!の新着求人
お住まいの地域を選択して、最新の求人情報をチェック!