保育士資格は独学で取得を目指せる!科目ごとの難易度や学習期間・合格者の声・スケジュールの立て方ガイド

保育士試験の合格を独学で目指すためには、筆記・実技の試験内容や合格率を知り、自分に合った学習方法を見つけることです。実際に一発合格を果たした方は全体の15.0%。効率的に学習することで独学でも合格を狙えます!今回は、独学で保育士資格に挑戦するメリットやデメリット、合格するための勉強法、合格者からの声などを徹底解説します。

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目次

保育士資格取得は独学で目指せる!合格率を紹介

「保育士資格は独学でも取れるの?」と疑問に思う方はいませんか。

実際、保育士試験は独学で挑戦する人も多く、計画的に学習を進めることで合格を目指すことができます。

ただし、2023年度の保育士試験の合格率は26.9%。

また、過去5年間の合格率を平均すると約22.3%と、年によって多少の変動はあるものの、おおよそ4人に1人が合格している計算です。

なお、すべての科目と実技に1回で合格する「一発合格」の割合は、一次情報によると約15%とされています。

難易度は高いものの、筆記試験の科目ごとの合格を積み重ねる「科目合格制度」があるため、数年かけて計画的に取得することも可能です。

では、独学で保育士資格を目指す場合、どのようなスケジュールで勉強を進めればよいのでしょうか。

1年間・2年間それぞれの学習期間に合わせて確認してみましょう。

保育士資格を独学で取るための学習期間スケジュール例(1年間・2年間別)

保育士資格を取得するには、筆記試験と実技試験の両方に合格する必要があります。

特に筆記試験が難しいといわれており、合格に必要な勉強時間は100時間~180時間

筆記試験は全9科目と範囲が広く、事前にしっかりとした学習計画を立てることが合格への第一歩となります。

筆記試験の合格後は実技試験(音楽・言語・造形から2分野選択)の対策も必要です。

また、受験には費用もかかります。2025年度前期試験の受験料は、

クレジットカード決済:13,054円(受験手数料12,700円+事務手数料)
コンビニ決済:12,975円(受験手数料12,700円+事務手数料)

とされており、申込方法によって若干異なります。

2年間かけて筆記・実技を受験する場合は、それぞれに受験料がかかるため、トータルで2万円以上かかる可能性もあります。

こうした費用面も踏まえて、無理のないスケジュールを立てましょう。

ここからは、1年間で合格を目指すモデルケースと、2年間かけてじっくり取り組むケースを紹介します。

1年間勉強をして合格を目指す

独学で1年以内に保育士試験に合格するには、筆記・実技の両試験を見据えて計画的に段階を踏んだ学習が必要です。

たとえば、最短5カ月の実技試験までの合格を目指す場合、

筆記に150時間、実技に30時間かけるとすると、合計180時間
1日あたり約1時間強の学習が必要

以下は、1月から学習を開始し、4月に筆記試験、6月に実技試験を受験するスケジュールです。

筆記試験までの約3カ月間は、試験範囲が広いため、できるだけ集中して学習時間を確保することが重要です。

時事問題のチェックなどはすきま時間を活用しつつ、重要ポイントに絞って効率よく勉強を進めていきましょう。

2年間勉強をして合格を目指す

独学で2年かけて保育士試験合格を目指す場合、じっくり知識を定着させながら、無理のないペースで勉強を進めることができそうです。

1月に学習をスタートし、1年目に筆記試験の一部科目を受験、2年目に残りの筆記科目と実技試験を受験する場合のスケジュール例をご紹介します。

たとえば、筆記試験の9科目を得意科目と不得意科目に分け、1年目にその中から計4科目(得意科目・不得意科目をバランスよく選ぶ)を集中的に学習・受験し、2年目に残りの5科目を受験する方法もあります。

特に1年目は「完璧を目指しすぎないこと」がポイント。

まずは全体像をつかみ、無理のないペースで学習を進めましょう。2年目に入る頃には、自分に合った勉強法を身につけることができるでしょう。

もし不合格の科目があっても「次で受かれば大丈夫!」という気持ちで、あきらめずに挑戦することが大切ですね。

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独学で保育士資格を取得するメリット

学習の進め方が見えてきたところで、ここからは「独学という選択肢」について、あらためて整理してみましょう。

まずは、独学で保育士資格を取得を目指すメリットを紹介します。

お金をかけずに学習をスタートできる

独学の大きなメリットは、学習にかかる費用を抑えられることです。

保育士試験対策の市販テキストや問題集は、1冊あたり1,500〜3,000円ほど。数冊そろえても、1万円前後で十分に学習を始められます。

また、最近は無料で使える学習動画解説サイトSNSでの情報共有など、独学をサポートしてくれるツールも充実しています。

必要な教材を自分で選びながら、予算に合わせた学習スタイルを組み立てられるのも、独学ならではのよさでしょう。

得意・不得意を踏まえた柔軟な学習計画が立てられる

独学なら、9科目すべてを同時に進める必要はありません。

まずは得意な「『子どもの食と栄養』から勉強を始めてみる」「苦手な『社会的養護』は毎日少しずつ教材を読み込む」といった工夫が可能です。

また、仕事や家庭と両立しながら進める場合も、スケジュールを自分で調整できるため、「今週は実技対策に集中」「今月は筆記の暗記中心」とメリハリのある学習に取り組めそうです。

「自分で乗り越えた経験」=将来にも活きるスキルになる

独学で保育士試験を目指すことは、ただ「知識を覚える」だけではありません。

自分で調べて、計画を立てて、試行錯誤しながら学びを続けていく」その経験自体が、大きな力になるでしょう。

保育の仕事は、正解がひとつではない日々の積み重ね。

子どもの成長に合わせて対応を考えたり、新しい保育の知識を取り入れたりする中で、「自分から学び続ける姿勢」が求められます。

独学の勉強を通して身についた「学び方」や「工夫する力」は、資格取得後もずっと役に立つものでしょう。

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    独学で保育士資格を取得するデメリット

    独学には魅力も多い反面、注意しておきたいポイントもあります。

    ここでは、独学で保育士試験の合格を目指すデメリットについて紹介します。

    暗記量の多さに挫折しやすい

    筆記科目の「保育原理」や「子ども家庭福祉」「社会福祉」などでは、制度や法律、保育理念の変遷などを幅広く学びます。

    特に福祉分野は用語や制度の変化が早く、覚えることが多いため、独学では情報の整理が追いつかず、途中で混乱してしまうことも。

    この法律、どこで使うの?」「制度の違いがよくわからない」など、つまずいたときに質問できる人がいないと、「やっぱり通信講座などを利用したほうがよかったかも…」と感じる場合もありそうです。

    苦手科目の克服に時間がかかる

    「保育の心理学」や「教育原理」の科目では、理論や人物名、専門用語が多く登場します。

    なじみのない分野に対して「イメージがわかない」「文字ばかりで理解しづらい」と感じる方も多いかもしれません。

    解説を読んでもピンとこなかったり、問題集の解答がなぜそうなるのかわからなかったりすると、理解が浅いまま進んでしまうことも。

    特に苦手意識のある分野では学習の手が止まりやすく、モチベーション維持が難しくなることもありそうです。

    実技試験の準備が自己流になりやすい

    筆記試験に合格すると、次に待っているのが実技試験です。

    音楽表現・造形表現・言語表現の3分野から2つを選び、保育現場を想定した内容で実技に取り組みます。

    独学の場合、演奏やお話の表現を客観的に見てもらう機会が少なく「このやり方で本当に大丈夫かな…」と不安を感じることもあるかもしれません。

    たとえば、ピアノではテンポや強弱のつけ方言語表現では声のトーンや間の取り方造形では構図のバランスや色使いなど、細かな部分が評価の対象になります。

    こうしたポイントを自分自身で判断しながら練習するのが難しいことは、独学ならではの悩みでしょう。

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    読んでおきたいおすすめ記事

    保育資格試験の受験資格は満たしている?独学で勉強を始める前に確認を

    保育園で働く人

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    独学で保育士試験の合格を目指すにあたって、まず確認しておきたいのが「受験資格」です。

    せっかく学習を始めても、受験要件を満たしていなければ試験を受けることができません。

    受験資格は以下の通りです。

    受験資格(以下のいずれかに該当)

    • 大学・短期大学・専門学校の卒業者
    • 1991年3月31日以前に高等学校の卒業者※2025年時点で52歳以上の方が該当
    • 高校を卒業し、児童福祉施設などで所定の実務経験者(2年以上かつ2880時間以上)
    • 中学校を卒業し、児童福祉施設※などで所定の実務経験者(5年以上かつ7200時間以上)

    児童福祉法第7条に基づく児童福祉施設
    保育所(利用定員20名以上)/保育所型認定こども園/幼保連携型認定こども園/児童厚生施設(児童館)/児童養護施設/助産施設/乳児院/母子生活支援施設/障害児入所施設/児童発達支援センター/児童心理治療施設/児童自立支援施設/児童家庭支援センター

    大学・短期大学・専門学校を卒業した方は、学歴要件を満たしているため、保育施設での実務経験がなくても保育士試験を受けることができます。

    一方で、高卒や中卒の方は、一定年数の実務経験があれば、受験資格を得られます。

    このように、学歴にかかわらず条件を満たせば誰でも挑戦できるのが、保育士試験の魅力ともいえるでしょう。

    【筆記試験】保育士資格の試験内容と勉強法を要チェック!

    保育士資格の筆記試験では、9科目にわたって幅広い知識が問われます。合格するためには、各科目の特徴をつかみ、効率的な学習を進めることが重要です。

    まずは、試験内容を詳しく紹介します。

    試験内容

    試験日程 年2回実施
    (前期:4月中旬頃/後期:10月下旬頃
    試験形式 マークシート方式(全160問
    合格基準 各科目60点以上で合格
    解答方式の変更 2024年度後期より、一部の問題が
    「正答数を指定する形式」に変更。
    指定数と異なる回答数では不正解となるため、
    問題文の読み取りが重要です。
    出題科目(試験時間) ・保育原理(60分)
    ・教育原理(30分)/社会的養護(30分)
    ※同一時間枠で実施
    ・児童家庭福祉(60分)
    ・社会福祉(60分)
    ・保育の心理学(60分)
    ・子どもの保健(60分)
    ・子どもの食と栄養(60分)
    ・保育実習理論(60分)

    筆記試験では、全部で9科目が出題され、それぞれ試験時間が定められています。

    1日で実施されるため、時間配分や集中力の維持も大切です。

    科目別難易度と学習のポイントをチェック

    保育士試験の筆記は9科目あり、それぞれに特徴があります。

    「難易度(最大5段階評価)」や「勉強のコツ」の目安をまとめました。ただ、難易度の感じ方については個人差があるため、あくまでも一例として参考にしてください。

    保育原理 難易度:■■□□□(2/5)
    保育の考え方や制度の基本を学ぶ科目。
    取りかかりやすく最初に手をつけるのに◎
    教育原理 難易度:■■■□□(3/5)
    人物名や用語が多いため、
    図にまとめながら整理するとよい。
    社会的養護 難易度:■■■■□(4/5)
    施設の種類や制度名が出題する可能性大。
    内容を分類しながら覚えるとよさそう。
    児童家庭福祉 難易度:■■■■□(4/5)
    出題頻度の高い法律が多く、
    用語の意味を関連づけて覚えると◎
    社会福祉 難易度:■■■■□(4/5)
    他の福祉分野と用語が似ていて混同するので、
    表にまとめるなどの整理を。
    保育の心理学 難易度:■■■□□(3/5)
    発達の理論や心理学者の考え方が登場する。
    子どもの場面を想像しながら学習するとよい。
    子どもの保健 難易度:■■■■□(4/5)
    病気やけが、感染症など具体的な内容が多い。
    図やイラストで確認しながら進めると安心。
    子どもの食と栄養 難易度:■■□□□(2/5)
    身近な内容が多くイメージしやすいが、
    栄養素や数値の暗記には工夫が必要。
    保育実習理論

    難易度:■■■□□(3/5)
    音楽記号や図記号など実技的な内容も含ま

    れる。
    実際に書いたり音を出したりして取り組むと◎。

    【学習の進め方】テキスト選びが重要!自分が使いやすい教材の選択を

    保育士試験の筆記科目は9つあり、制度や法律、心理、福祉、栄養など幅広い分野から出題されます。

    そのため、どのような教材を使うかによって、学習の理解度や進めやすさが大きく変わってきます。

    市販のテキストには、図やイラストが多く視覚的に理解しやすいものや、文章中心で情報量が豊富なものなど、さまざまなタイプがあります。

    実際に書店で手に取って比較したり、SNSや口コミで使用者の声を参考にしたりすると、イメージがつかみやすいでしょう。

    以下の記事では、保育士試験対策におすすめのテキストや、選び方のポイントを詳しく紹介しています。教材選びに迷ったときの参考にしてみてください。

    【学習の進め方】すきま時間を活用して要点を勉強する

    仕事や家事、育児と両立しながら保育士試験の勉強を進める方にとって、「まとまった時間を確保することが難しい」という悩みはつきものです。

    そんなときは、通勤中や家事の合間などの“すきま時間”を上手に活用することが、合格への近道になるでしょう。

    たとえば、1日10分でも毎日繰り返し復習することで、長時間の学習が難しい日でも記憶の定着につながりそうです。

    スマホで使える過去問アプリや音声解説、動画教材なども充実しているため、自分のライフスタイルに合ったツールを選ぶことで、無理なく続けやすくなります。

    すきま時間学習のコツやおすすめの活用方法については、以下の記事も参考にしてみてください。

    【実技試験】保育士資格を独学で目指すための勉強法

    筆記試験に合格したあとは、音楽・言語・造形の3分野から2つを選んで受験する「実技試験」が待っています。

    それぞれ求められる力や難しさの感じ方には個人差があり、「ピアノが得意だから音楽を選びたい」「話すのは得意だけど絵は苦手…」など、得意・不得意に応じて選ぶことができます。

    ここからは、各分野ごとの試験内容と独学で取り組むためのポイントを紹介します。

    試験内容

    試験日程 年2回実施
    (前期:6月中旬頃/後期:12月中旬頃)
    ※集合時刻・詳細は受験票で案内
    受験資格 筆記試験の全科目に合格した者
    (免除対象者を除く)
    選択科目 以下の3分野から2分野を選択して受験
    ・音楽に関する技術
    ・造形に関する技術
    ・言語に関する技術
    音楽に関する技術 2曲の課題を弾き歌い
    ピアノまたはギター
    【課題曲】
    『ハッピー・バースデー・トゥ・ユー』
    (作詞・作曲:Mildred J. Hill and Patty Smith Hill)
    『証城寺の狸囃子』
    (作詞:野口雨情 作曲:中山晋平)
    ・楽譜(紙)の持ち込み可、移調可。
    ・ピアノは会場設置。ギターは持参
    (アコースティック限定・アンプ不可)
    ※歌のみ/伴奏のみ
    単旋律だけの演奏は採点対象外
    造形に関する技術 当日提示される保育の一場面を絵で表現
    試験時間:45分
    ・用紙:A4判(絵の枠は19cm×19cm)
    ・使用可能な道具:
    - 鉛筆またはシャープペンシル(HB〜2B)
    - 色鉛筆(12〜24色)
    ※水溶性はOK、ただし水の使用は不可
    - 消しゴム
    - 腕時計(音・通信・電卓機能なし)
    ※クレヨン・パス・マーカー類
    や人物イラスト入り文具は使用不可
    ※用具の貸し借りは禁止
    言語に関する技術 3歳児クラスに向けた3分間の素話を行う
    (絵本や道具の使用不可)
    【課題(当日1つ指定)】
    『ももたろう』(日本の昔話)
    『おむすびころりん』(日本の昔話)
    『3びきのこぶた』(イギリスの昔話)
    ※15人程度の子どもを想定。
    椅子などを子どもに見立てて実施

    ※2025年6月16日時点の情報です。各分野の課題は、試験ごとに変更するため、詳細は一般社団法人 全国保育士養成協議会の試験案内をご確認ください。

    音楽に関する技術対策

    音楽に関する技術では、課題曲をただ演奏するだけでなく、子どもの前で披露することを意識した表現力が求められます。

    以下の流れに沿って、少しずつ準備を進めていきましょう。

    1. 歌詞をしっかり覚える

    まずは、歌詞を正確に覚えることが大切です。うろ覚えのままでは自信を持って歌えず、試験では、不安を抱くことでしょう。

    一語一句丁寧に覚えておきましょう。

    2. 弾き歌いに慣れる

    次に、ピアノ(またはギター)を弾きながら自然に歌えるようにしていきます。

    弾き歌いは難しいので、何度も繰り返して練習し、楽器と声のバランスをとる感覚を身につけることがポイントです。

    3. テンポとリズム感を整える

    子どもが一緒に歌いやすいように、速すぎず、遅すぎず、安定したテンポを心がけましょう。

    リズムに不安がある場合は、メトロノームの音に合わせて手拍子や足踏みをする練習がおすすめです。

    4. 表情や抑揚で気持ちを伝える

    演奏する際は、ただ音を出すのではなく、子どもに語りかけるようなやさしい表情や、気持ちを込めた歌い方を意識しましょう。

    表情や抑揚は、歌の雰囲気を伝える大切な要素です。

    5. 本番を意識した練習を取り入れる

    仕上げとして、試験当日を想定した練習を取り入れましょう。

    たとえば、「立ったまま弾き歌いをする」「譜面を見ずに演奏する」といった練習をしておくと、当日も落ち着いて臨みやすくなります。

    言語に関する技術対策

    言語に関する技術では、3歳児クラスの子どもたち15人程度の前で素話をすることを想定して、表現力や伝え方が試されます。

    以下のポイントを意識して、準備を進めていきましょう。

    1. どの課題にも対応できるように読み込む

    試験では3つの課題のうち、当日入室後に1つが指定されます。

    そのため、以下の3つのすべての物語をしっかり練習しておくことが必要です。(2025年の前期試験例)

    • 『ももたろう』(日本の昔話)
    • 『おむすびころりん』(日本の昔話)
    • 『3びきのこぶた』(イギリスの昔話)

    2. 自分の言葉であらすじを整理する

    絵本をそのまま読むのではなく、3歳児でも理解できるやさしい言葉で話す必要があります。

    あらすじを覚えるだけでなく、自分の言葉で語れるようにまとめておくことがポイントです。

    3. 声の大きさや話し方を工夫する

    言葉をただ読むのではなく、登場人物のセリフに抑揚をつけたり、声のトーンを変えたりして伝える力も見られます。

    子どもが楽しんで聞けるように、大きすぎず小さすぎず、聞き取りやすい声を意識しましょう。

    4. 身ぶり・手ぶりを加えて表現する

    子どもたちにお話の世界を伝えるには、手や身体を使って表現することも大切です。

    道具や絵本の使用は禁止ですが、ジェスチャーや表情を豊かにするだけでも伝わり方は大きく変わります。

    5. 本番の雰囲気を想定して練習する

    試験では、子どもに見立てた椅子の前に立った状態で、3分間お話し続ける必要があります。

    自宅練習の際も、椅子を並べて模擬的な空間を作ったり、タイマーを使って3分ぴったりで収まるように調整したりするとよいでしょう。

    造形に関する技術対策

    造形に関する技術では、試験当日に提示される保育の一場面を絵で表現する力が求められます。

    時間内に、保育の現場をイメージしながら、情景や子どもの様子を描く必要があります。

    以下のポイントを押さえて、準備を進めましょう。

    1. 保育の一場面をイメージできるようにしておく

    出題内容は試験当日に発表されますが、これまでには「おやつの時間」「室内あそび」「園庭での活動」などのテーマだったようです。

    ただし、毎回テーマは異なり、当日その場で提示される問題文に従って描く必要があります。

    普段の保育現場をイメージして、子どもたちの動きや関わり、保育士の姿などを思い浮かべる練習をしておくと、当日のテーマにも対応しやすくなります。

    2. 人物の動きや表情を描く練習をする

    人がただ立っているだけだったり、表情がなかったりすると、絵に動きが感じられず、保育の雰囲気が伝わりにくくなってしまいます。

    子どもが遊んでいる様子や笑っている表情など、「いきいきしたシーン」を描く練習をしておくとよいでしょう。

    ポーズや表情のバリエーションを増やしておくと、どのようなテーマが出ても対応しやすくなります。

    3. 丁寧に色鉛筆で色を塗る

    試験では、使用できるのは色鉛筆(12〜24色)です。

    クレヨンやマーカーなどは使えないため、色鉛筆で塗ることに慣れておきましょう。色のはみ出しや塗りムラにも注意し、ていねいに仕上げることがポイントです。

    4. 制限時間45分で仕上げる練習をしておく

    描いている途中で時間が足りなくならないように、45分で完成させる練習を重ねておきましょう。あらかじめ、時間配分を決めておくことがポイントです。(例:構図5分/下書き10分/色塗り25分/仕上げ5分など)。

    5. 当日の用具や条件を確認しておく

    使用できる道具は限られています。以下の持ち物を忘れずに用意しましょう。

    • 鉛筆またはシャープペンシル(HB~2B)
    • 色鉛筆(12〜24色、※水溶性OKだが水は使えない)
    • 消しゴム
    • 腕時計(音が鳴らず、通信・計算機能のないもの)
      ※人物キャラクターが入った文房具や、クレヨン・パス・マーカー類は使用できません。

      また、道具の貸し借りも禁止されているので注意しましょう。

    保育士資格を独学で取得した体験談:子育て・仕事と両立しながら合格した声

    年齢や背景に関係なく、学び直しに挑戦する人のなかには、仕事や家事・育児と両立しながら、保育士試験に“独学で一発合格”を果たすケースも。

    保育士試験に挑戦する方の実情や傾向をふまえ、AIを活用して再構成した体験談を紹介します。

    子育てがひと段落してからの挑戦も、保育への思いが支えに

    保育士を目指そうと思ったとき、「勉強なんて何年ぶりだろう…」と不安になりました。

    でも、まずはテキストを1冊買って、朝の10分、夜の15分を“自分の勉強時間”と決めました。

    最初の1カ月は、全体の内容をざっと読みながら、気になる部分に付せんを貼って学習。

    次の月からは、過去問を解いてみて、わからなかったところだけをノートにまとめるようにしました。

    育児や家事と両立する中では、毎日完璧にできたわけではありません。

    「今日は1問だけ」「今は音声だけ聞く」そんな日もありました。でも、勉強をやめなかったことが一番のポイントだったと思います。

    実技試験では「言語表現」を選びました。
    子どもに読み聞かせるようなつもりで、3分のお話を何度も声に出して練習しました。

    合格通知が届いたとき、うれしさと同時に「自分にもできたんだ」と思えたことが、一番の宝物です。

    仕事と両立しながらの受験も、“続ける工夫”で乗り越えて

    保育士を目指そうと思ったとき、最初に浮かんだのは「この忙しさで本当に勉強できるのかな…」という不安でした。

    それでも、通勤の電車で参考書を読むことから始めてみました。昼休みには、スマホの過去問アプリを5問だけ解く。

    夜は疲れてしまう日が多かったので、寝る前に間違えた問題だけを見直すようにしていました。

    最初の1カ月は、テキストを一通り読んで、どんな科目があるのか全体をつかむようにしました。

    2カ月目からは、過去問を繰り返して、特に苦手だった社会福祉や教育原理に重点を置いて勉強しました。

    すべての時間を勉強にあてられるわけではありませんでしたが、「やれる時間を見つけて、少しでも前に進む」ことを大切にしていました。

    実技試験は「造形表現」を選びました。試験当日は手が震えるほど緊張しましたが、テーマに合わせた子どもの姿を何度も描いて練習していたので、落ち着いて取り組めたと思います。

    合格通知が届いたとき、「あのとき始めてよかった」と心から思いました。忙しい中でも自分のペースで続けてきたことが、自信につながったように感じます。

    保育士資格取得は独学が難しいと思ったら、通信講座の利用も検討を

    保育士試験は、科目数が多く、範囲も広いため、独学で勉強するのは不安…という方も多いのではないでしょう。

    そんなときは通信講座を利用することで、カリキュラムに沿って効率的に学習を進めることができそうです。

    たとえば、四谷学院の保育士講座の受講者の合格率は、73.2%(2023年度実績)。

    では、なぜここまで高い合格率を実現できているのか?

    その理由について、四谷学院の保育士講座の特長を通じて紹介します。

    合格率が高い理由は「55段階学習システム」

    四谷学院では、保育士試験の内容を55のステップに細かく分けて学べる独自の学習法です。

    内容が少しずつ進むので、「いきなり難しくてつまずく」という心配がありません。

    動画は1本約5分。通勤中や家事の合間など、すきま時間に学べるのも大きなポイントです。

    テキストにはイラストや図解も多く、専門用語が苦手な方でも理解しやすくなっています。

    一問一答形式でテンポよく学べるトレーニング

    スマホやパソコンから学習できる「演習トレーニング」は効率的な学習を支えています。

    間違えた問題だけを自動で繰り返せたり、自分だけの「復習リスト」を作れたりと、記憶を定着させる仕組みが整っています。

    「今日は疲れてるから10問だけ」でもOK。

    “やらなきゃ”と不安を抱くよりも、“ちょっとやってみよう”と前向きな気持ちが続けやすさにつながります。

    実技試験も安心。3分野に対応したサポートつき

    四谷学院では、筆記だけでなく実技対策もばっちりサポート。

    「音楽」「造形」「言語」それぞれに対応した動画や作品例、読み聞かせ用の台本などが用意されています。

    さらに、保育士試験に詳しい講師にメールで質問もできるので、「これで合ってるかな…」と感じたときも不安を解消できるでしょう。

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    保育士資格取得は難しい?よくある質問Q&A

    最後に保育士資格取得に向けて、よくある質問を紹介します。

    保育士になるか迷っています。体験の場などはありますか?

    A.保育補助ボランティアで現場を体験できます。

    保育士資格がなくても働ける保育補助や、自治体・地域の子育て支援事業などを通じて、保育の現場を実際に体験することができるでしょう。

    保育補助の求人や自治体のホームページなどを確認してみてくださいね。※なお、体験事業は実施していない自治体もあるため、事前に確認することをおすすめします。

    高卒でなくても保育士資格は取れますか?

    A. 中卒や高卒でも条件を満たせば受験できます。

    中卒の方は、児童福祉施設などで「5年以上かつ7,200時間以上」の実務経験が必要です。
    高卒(指定外学科)の方も「3年以上かつ2,800時間以上」の実務経験が求められます。

    詳しくは、全国保育士養成協議会のホームページをご確認ください。

    筆記試験と実技試験の両方に合格しないと保育士にはなれませんか?

    A. はい、どちらも合格する必要があります。

    まず筆記試験で全科目に合格し、その後に実技試験を受験します。筆記には「科目合格制度」があり、合格した科目は3年間有効です。

    一度で全て合格できなくても、計画的に進めることで資格取得を目指せます。

    養成校に通うか、保育士試験を受けて資格を取得するかどちらがよいか迷っています。

    A. ライフスタイルや学習環境に合わせて選ぶのがポイントです。

    養成校(短大・専門・大学)は、卒業と同時に資格を取得でき、実習や就職支援も受けられますが、学費が200万円以上かかる可能性が高いです。

    一方、保育士試験は独学や通信講座を活用しながら、自分のペースで進められるのが特長です。仕事や子育てと両立したい方には、試験ルートを選ぶ方が多いようです。

    保育士は何歳まで取れる資格ですか?

    A. 年齢制限はありません。何歳でも受験・取得が可能です。

    保育士試験には上限年齢がないため、20代はもちろん、40代・50代からチャレンジする方も多くいます。

    保育の現場では、社会人経験や人生経験が子どもとの関わりに活かされることがあります。年齢を重ねたからこそできる保育があると、歓迎する園もあるでしょう。

    ピアノが弾けなくても保育士資格は取れますか?

    A. ピアノが苦手でも取得できます。

    実技試験では「音楽」「言語」「造形」の3分野から2つを選択できます。

    ピアノに自信がない方は「言語+造形」を選ぶことで演奏を避けることが可能です。

    また、音楽を選ぶ場合も、伴奏を簡単にアレンジしたり、ギターで受験したりすることもできます。

    ピアノが完璧に弾けなくても、工夫次第で合格を目指せるでしょう。

    出典:保育士試験の実施状況(令和5年度)/こども家庭庁出典:2018年度子ども・子育て支援推進調査研究事業実施事業/厚生労働省出典:令和7年試験案内/一般社団法人 全国保育士養成協議会

    保育士資格を独学で目指すあなたへ。合格に向けて一歩踏み出そう

    保育士資格の取得には、9科目の筆記試験と2分野を選ぶ実技試験の両方に合格する必要があります。

    一発合格を目指すなら、科目ごとの特性をふまえた学習計画と、効率よく知識を積み重ねる工夫が欠かせません。

    一方で、2年など時間をかけてじっくり取り組む方法もあり、自分に合ったスタイルを見つけることが大切です。

    まずは、自分に合った学び方を見つけ、計画的に学習を進めることが、合格への近道。

    ただ、独学だと「続けられるか不安」「勉強のコツがわからない」と感じる方もいるかもしれません。

    そんなときは、四谷学院の通信講座のように、教材・スケジュール・添削までしっかりサポートしてくれるサービスを活用するのもひとつの方法です。

    独学より費用はかかるものの、無駄なく効率的に学べることで結果的に時間や再受験の負担を減らせるというメリットもあるでしょう。

    まずは資料請求などを行い、カリキュラムの内容や予算面もふまえて自分に合うかどうかをじっくり検討してみてくださいね。

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