社会人から保育士を目指せる?最短5カ月の資格取得ルート・体験談・通学スケジュール

保育士を目指す社会人にとって、最短で資格を取得する方法は「保育士試験ルート」への挑戦。一方で、夜間や通信で通える短大・専門学校などに通学して資格を取る「養成校ルート」も選択肢のひとつ。働きながら資格を取得した方の体験談や通学・通信での学習スケジュール例、費用をおさえるコツまで、実践的な情報が満載。夢の実現にお役立てください。

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目次

 社会人が「保育士」を目指すのは難しい?働きながら夢を叶えた体験談

今から保育士を目指しても遅くないかな?」「仕事と両立できるか不安…

そんな迷いを抱きながらも、保育の道に進もうか悩んでいる方はいませんか?

まずは、通学や通信講座を活用して資格を取得した社会人の方の体験談を見ていきましょう。

実際にどんな風に仕事と両立しながら保育士資格を取ることができたのか、参考にしてみてくださいね。

働きながら夜間大学に通学して保育士資格を取得!

前職で子どもと関わる機会があったことから、「もっと子どもと深く関われる仕事がしたい」と思い、保育士の道を目指しました!

働きながら学べる学校を探すなかで、専門学校の夜間部を知り、自分の生活リズムでも通えそうだと感じて入学を決意。

実際に見学へ行った際、夜間部の学生や先生方のあたたかい雰囲気に触れ、「ここなら自分も頑張れる」と思えたのが印象的でした。

週に4日~5日、18時過ぎから9時過ぎまで授業を受けていました。

特に思い出に残っているのは、体育の授業です。

テーマに沿ってグループで表現活動に取り組み、曲や構成を話し合いながら何度も練習を重ねて発表へとつなげました。みんなで作り上げる過程や達成感は、今でも心に残っています。

また、図書室で絵本やパネルシアターの資料を読み、実習に向けた準備にも活用しました。

就職活動では、保育園や幼稚園の違いを調べながら自分の希望を整理し、先生方に相談しながら園見学や面接に臨みました。

今後は、子どもや保護者の方々から信頼される保育者を目指して、日々の保育を大切に積み重ねていきたいと思います。

通信講座で保育士試験に合格!5カ月で資格を取得

昔から子どもが好きで社会人になっても「やっぱり保育士になればよかった」という想いから、試験に挑戦することにしました。

保育士試験は筆記+実技の合格が必要。筆記試験は最初は「こんなに覚えられるのかな…」と不安でいっぱいでした。

そもそも保育の基礎知識がなかったので、独学は難しいと感じ、四谷学院の通信講座を利用することにしました。

働きながらの勉強だったので、時間のやりくりは大変でしたが55段階のカリキュラムを活用しながら繰り返し問題を解くことに専念。

どの講義動画も約15分で要点を学ぶことができ、スキマ時間を使って学習を続けました。

最初は基礎のインプットを重視して、何度も同じ問題を解き、知識が定着してきて、応用問題にも少しずつ対応できるようになりました。

勉強のリズムができてからは、週に1回の添削課題でモチベーションを維持しつつ、過去問にも挑戦。

筆記試験に合格後の実技試験ではピアノが苦手だったので、「音楽分野」ではなく、「造形」「言語」を選びました。

四谷学院からの模擬動画や合格者の作品例などを参考に対策を立てました。

合格し、保育施設で働く夢に近づいたことにうれしさを感じています。

このように、社会人になってからでも、保育士を目指す方法は一つではありません。

上記の体験談のように、自分に合った方法を見つけて保育士資格を取得した社会人の方はたくさんいます。

大切なのは、「保育士になりたい」という気持ちを信じて、一歩踏み出すことです

社会人から保育士になる!保育士試験・養成校通学ルートのメリット&デメリット

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社会人から保育士を目指すには、大きくわけて「保育士試験に合格するルート」と「養成校へ通学して卒業するルート」の2つがあります。

また、養成校への通学ルートを検討する社会人の多くは、夜間部や通信制を中心に進学先を選んでいます。

ここでは、それぞれのルートの特徴や学び方の違い、メリット・デメリットについて詳しく紹介します。

学習期間や費用などに大きな違いがあるため、これから保育士を目指す方はどちらを選択するべきかをしっかり考えましょう。

【最短5カ月】保育士試験ルート

社会人や主婦の方に人気の「保育士試験ルート」。

保育士試験は、全国で毎年2回、主に【前期:4月〜6月】【後期:10月〜12月】に実施されています。

在宅で学習し、試験の合格を目指すため、働きながら挑戦しやすいルートです。

保育士試験の内容

保育士試験の受験資格は以下の通りです。

  • 大学・短期大学・専門学校の卒業者
  • 1991年3月31日以前に高等学校の卒業者※2025年時点で52歳以上の方が該当
  • 高校を卒業し、児童福祉施設などで所定の実務経験者(2年以上かつ2880時間以上)
  • 中学校を卒業し、児童福祉施設※などで所定の実務経験者(5年以上かつ7200時間以上)

上記の条件を満たしていれば、年齢にかかわらず誰でも保育士試験を受けることができます。

保育士試験は筆記試験クリア後に実技試験を受けることで、合格を目指します。

【筆記試験の科目(全9科目)】
保育原理/教育原理および社会的養護/子ども家庭福祉/社会福祉/保育の心理学/子どもの保健/子どもの食と栄養/保育実習理論
※マークシート形式で100点中60点以上取れば合格

【実技試験】
実技試験は、「音楽」「造形」「言語」の3分野から、得意な2つを選んで受験します。
それぞれ、保育の場面を想定した課題が出され、歌唱や制作、語りなどを通じて表現力や基本的な技能が求められます。

保育士試験に受かるための費用の目安

学習方法 費用の目安 主な内容
独学 約5,000〜1万円 テキスト・問題集の購入費用
※実技対策や学習管理はすべて自己対応
通信講座 約2〜8万円 筆記+実技対策教材/添削・模試サポート/動画講義や学習スケジュール機能
予備校・通学講座 約15〜30万円 通学型授業+模試・教材一式/講師からの直接指導/補講・フォロー体制あり

※費用は目安です。講座内容や受講期間、サポート体制によって異なります。

独学で受験可能ですが、通信講座や予備校などを活用することで、効率よく合格を目指すことができるでしょう。

学習スタイルごとの費用例とサポート内容をまとめました。

選ぶ学習方法によって費用は異なるため、自分に合った内容と予算を見極めることが大切です。

保育士試験の合格率と一発合格の割合

2023年度の保育士試験の合格率は26.9%。

「一発合格」の割合は、一次情報によると約15%。約6〜7人に1人 が一回で合格している計算になります。

社会人の方の中には、集中して学習し、最短5カ月で筆記+実技試験に合格した方もいます!

また、筆記試験の科目ごとの合格を積み重ねる「科目合格制度」があるため、数年かけて計画的に取得することも可能です。

続いて、社会人が保育士試験ルートを選ぶメリット&デメリットを見ていきましょう。

保育士試験ルートのメリット

  • 短期間で取得を目指せる
     集中して学べば、1年以内の取得が可能なため、早く資格を取りたいという方にはおおすめ。
  • 自宅学習が中心で時間の融通がきく
     通信講座などを活用すれば、通学の必要がなく、自分のペースで学習できます。
  • 学費をおさえられる
     養成校を卒業するルートに比べて費用負担をおさえることが可能です。

保育士試験ルートのデメリット

  • スケジュール管理が自己責任
     いつまでにどれを学ぶか、自分で計画を立てて進める必要があるので不安な方は通信講座などのカリキュラムを利用するとよいでしょう。
  • 実技への不安が残りやすい
     ピアノや造形などの対策は独学だと難しく感じる人も。通信講座や教材選びが重要です。
  • 実習経験がないまま就職活動になる場合も
     試験ルートでは実習がないため、現場経験ゼロで就職活動に臨むケースもあります。無資格で働ける保育補助として現場に入るなど、実際の保育に触れる機会を自分でつくることも大切です。

【最短2年】通信制・夜間部の養成校通学ルート

「じっくり学びながら、実習も経験したい」「現場力をつけて保育士になりたい」
そんな方に選ばれているのが、保育士養成校への通学ルートです。

大学・短期大学・専門学校などの養成施設を卒業することで、国家試験を受けずに保育士資格を取得できます。

なお、幼稚園や認定こども園などで働ける幼稚園教諭1種・2種免許状も同時に取得可能な学校が多いのも特徴です。

保育士資格+幼稚園教諭免許状があることで、就職や転職の選択肢が広がるでしょう。

社会人がこのルートを選ぶ場合、夜間部や通信制が主な通学スタイルです。それぞれの特徴を確認しましょう。

通信制の養成校に通学する場合(在宅学習+年間通学5〜10日+実習20日程度)

通信制の短期大学や専門学校に通う場合、自宅学習を中心に年間5~10日のスクーリング(対面授業)と約20日間の実習を組み合わせて学ぶことが多いでしょう。

授業はオンデマンド動画や印刷教材を用いた自己学習形式が一般的で、空いた時間にマイペースで進めることができます。

学校によって違いがあるものの、レポート提出(月2~4本程度)や定期的なWebテストなどを通じて、学習の定着を図りながら進級・修了を目指します。

社会人や子育て中の方へのサポートも充実しており、働きながらでも保育士資格の取得を目指せます。

夜間部のある養成校に通学する場合(通学週5日×2年+実習20日以上)

夜間部は平日の夕方以降に授業がある通学課程で、週5日(月〜金)の通学が一般的です。

多くの学校では授業時間が18:00〜21:00頃に設定されており、約2年間で卒業・資格取得を目指します。

なかには、土・日・祝日を中心に授業を行う学校もあるようです。

対面授業だからこその実技指導やグループワークが充実しており、保育の実践力を身につけたい人に向いています。

なかにはマンツーマンのピアノ講習を受けられる学校があるため、「ピアノが苦手だけど上手になりたい」という方は検討してみるとよいでしょう。

また、保育実習は20日以上参加する必要があり、学校によっては柔軟な日程調整が可能です。

年齢層の幅広いクラスで、同じくキャリアチェンジを目指す仲間と学べるのは魅力的ですね。

通信制・夜間部の養成校を卒業するまでの費用の目安

通信制や夜間部の養成校を卒業に向けた費用の目安を確認してみましょう。

学習スタイル 学習期間 学費の目安(総額) 取得できる資格
通信制短期大学 約2〜3年 約70万〜160万円 保育士資格+幼稚園教諭(二種)免許状
通信制大学(4年制) 約4年(短縮もあり) 約100万〜180万円 保育士資格+幼稚園教諭(一種または二種)免許状
通信制専門学校 約2〜3年 約60万〜120万円 保育士資格のみ
夜間部(短大・専門学校) 約2年 約60万〜110万円 保育士資格(幼稚園教諭免許が取得できる学校もあり)

※学費には入学金・授業料・スクーリング費・実習費などを含みます。

実際の費用は学校や学科によって異なるため、通学したい養成校が見つかった場合は、しっかり確認しましょう。

通信制・夜間部の養成校に通学するメリット

  • 卒業と同時に保育士資格が取得できる
     保育士試験の受験は必要なく、必要な単位と実習を修了すれば、確実に資格を得られる安心感があります。
  • 実習を通して現場力が身につく
     保育所や施設での実習があるため、子どもとの関わり方や保育の流れを体験しながら学べます。就職時にもアピールしやすい経験になります。
  • 対面型の授業で質問しやすい
    通信制・夜間部共に通学して対面形式で授業を受けられるため、講師の方などに質問しやすいでしょう。仲間と共に学べる環境のため、学習意欲を維持できることもポイントになりそうです。

通信制・夜間部の養成校に通学するデメリット

  • 卒業までに時間がかかる
     専門学校・短大でも最短2年、大学なら原則4年かかるため、今すぐ働きたい人には長く感じるかもしれません。
  • 学費の負担が大きめ
     通信制や夜間部でも、総額で60万〜180万円ほどかかる場合があり、試験ルートより費用は高めです。
  • 自宅近くに養成校がない場合がある
    国的に通信制や夜間部を設置している養成校は限られているため、自宅近くに学校がなく、通うことが難しいケースもあります。

このように「保育士試験に合格するルート」と「養成校へ通学して卒業するルート」について、それぞれメリット&デメリットがあります。

自分に合ったルートを選び、働きながらどのように仕事と学習を両立していくのかをイメージしてみましょう。

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【保育士試験ルート】社会人から保育士になる!仕事と両立スケジュール例

保育士試験ルートを選択した場合は、試験の合格に向けて計画的に学習を進めることがポイントです。

通信講座などを活用しながら、約5カ月で筆記・実技の両方に合格するためのスケジュール例を紹介します。

5カ月で筆記+実技合格スケジュール

前期の試験で4月に筆記にクリア後、6月に実技に合格するスケジュール例です。

【スケジュール例】

スケジュール

スキマ時間などを活用し、コツコツ学習を継続することで、短期間で資格取得を目指せます。

また、通信講座では、実技対策では講師からのフィードバックを受けながら練習できる講座も多く、限られた期間でも効率的に力を伸ばせます。

限られた期間だからこそ、無理のないスケジュールを立てて、日々の積み重ねを大切にしていくことがポイントです。

仕事との両立~1日のスケジュール例~

仕事と両立する場合、1日あたりに確保できる学習時間の目安を把握し、平日は1〜2時間、休日は3〜4時間といったように、自分の生活スタイルに合わせて計画を立てましょう。

【スケジュール例】

時間帯 スケジュール内容
6:00〜6:45 早起きして30分〜45分の学習(動画講義視聴・インプット中心)。
静かな朝の時間を活かして集中力の必要な分野に取り組む。
7:00〜8:30 朝の支度・通勤(移動中に音声教材や暗記カードアプリで復習)。
9:00〜17:30 勤務中は仕事に集中。昼休みに5〜10分だけ暗記カードで確認するのも◎。
18:00〜19:30 帰宅・夕食・リラックス時間。脳を休ませて夜の学習に備える。
20:00〜21:30 夜の学習時間(過去問演習や実技練習などアウトプット中心)。
集中力が切れやすい時間なのでこまめに休憩をはさむ。
22:00〜23:00 入浴・就寝準備。音声教材やアプリでの軽い復習にも活用できる。

仕事と両立しながらの学習は大変ですが、朝や通勤時間などを上手に活用し、自分の生活スタイルに合ったペースで進めていきましょう。

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    社会人から保育士になる!養成校通学ルートの仕事との両立スケジュール例

    夜間部・通信制の養成校の通学を選んだ方は、必要な単位を修了し、卒業と同時に保育士資格を取得します。

    仕事との両立を考えながら計画的に受講しましょう。

    年間スケジュール

    事前に年間スケジュールを把握し、通学日や課題提出のスケジューリング、実習期間の確保なども含めて、仕事との両立を考えることがポイントです。

    【スケジュール例】

    年次 時期 主な内容
    1年次 4月〜6月 入学式・履修登録・導入授業開始。保育原理・子ども家庭支援など基礎科目を中心に学ぶ。
    7月〜8月 前期末レポート・テスト提出。夏期スクーリング(通信制)や集中講義の実施。
    9月 後期スタート。心理学・発達・保健など実践的な知識を深める。
    10月〜12月 保育内容(言語・人間関係等)の理解と模擬保育演習などを行う。
    1月〜2月 後期末試験・レポート対応。春季スクーリング準備(通信制の場合)。
    3月 実習指導の事前学習。次年度の保育実習に向けた準備期間。
    2年次 4月〜6月 応用科目の履修・保育の計画と実践指導演習。施設実習に備える。
    7月〜8月 前期試験・施設実習(2週間〜3週間)開始。日誌記録・実習報告書の作成。
    9月 実習振り返りと後期履修開始。就職活動も本格化。
    10月〜11月 保育実習(保育所)2週間〜4週間。生活リズムと実習の両立に配慮が必要。
    12月〜2月 卒業試験・課題提出。保育士登録書類の準備・申請に向けた動き。
    3月 卒業式・修了。保育士証の取得、就職先の紹介など。

    保育士養成課程における実習は、最低でも約20日間以上あるため、連続して平日に参加する必要があるでしょう。

    そのため、社会人の方が実習に参加する場合、有給休暇の取得やシフト調整、職場への事前相談が必須となります。

    実習期間は多くの場合、2〜4週間にわたり日中フルタイムでの拘束が必要となるため、仕事の「勤務調整」が重要になりそうです。

    仕事との両立スケジュール例

    夜間部や通信制の養成校では、1回あたりの授業はおおむね3時間程度が目安です。

    なお、夜間部では平日の18時〜21時頃に授業を行うことが多いかもしれません。

    また、通信制では普段は自宅で学習を進めますが、スクーリング(対面授業)では1回あたり90分〜180分程度の講義が複数コマ組まれることも少なくありません。

    仕事や生活スタイルに合わせてスケジュールを立てることが大切です。

    【スケジュール例】

    時間帯 スケジュール内容
    6:30〜7:30 起床・朝の準備・朝食。短時間でできる復習や暗記学習を取り入れるのもおすすめ。
    8:00〜17:00 日中は本業の勤務に集中。昼休みに少しだけ課題に目を通すのも◎。
    17:30〜18:00 職場から学校、通信制の場合は自宅に移動。軽食や仮眠でエネルギーチャージ。
    18:00〜21:00 授業(対面 or 在宅)。集中して授業に参加し、その場で理解を深める。
    21:00〜22:00 帰宅・軽食・入浴など。学習内容の振り返りや課題メモもこの時間に。
    22:30〜23:30 就寝準備。翌日の持ち物や授業の確認をして早めに休む。

    夜間部の養成校に通う場合は、日中の仕事後に通学して授業を受けるため、体力面での負担もありますが、対面授業でしっかり基礎から保育の知識を身に付けられるでしょう。

    一方、通信制ではオンデマンド動画やテキストを使って自分のペースで学習できるため、時間の融通が利きやすい一方、自己管理が求められそうです。

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    社会人から保育士に!保育士資格取得の費用をおさえる方法

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    保育士資格取得のために2つのルートについて紹介しましたが、「学費が高そう」「費用が心配…」と感じる社会人も多いかもしれません。

    しかし、保育士を目指す方向けの公的な支援制度を活用すれば、学費や生活費の負担を軽減できるケースもあります。

    ここでは、保育士資格の取得を目指す社会人に知ってほしい3つの費用支援制度を紹介します。

     教育訓練給付金(一般/専門実践)を活用する

    教育訓練給付金は、雇用保険の加入歴がある方を対象に、厚生労働省が実施している学び直しの支援制度です。

    保育士資格の取得に向けた講座も対象となり、条件を満たせば、受講費用の一部が支給されます。

    教育訓練給付制度には、以下の3種類があります。※2025年7月時点

    • 一般教育訓練給付金:通信講座などが対象で、受講費用の20%(上限10万円)が支給・保育士試験対策の講座の多くが該当しており、四谷学院なども対象例
    • 特定一般教育訓練給付金:速やかな再就職やキャリア形成に資する講座が対象で、受講費用の40%(上限20万円)が支給されます。訓練修了後1年以内に就職した場合は、50%(上限25万円)まで支給
    • 専門実践教育訓練給付金:大学・短大・専門学校などの養成校での受講が対象で、受講費用の50%(年間上限40万円)が支給

    修了後1年以内に保育士として就職すれば、さらに20%(年間上限16万円)が加算されます。

    一定の条件を満たし、厚生労働大臣の指定を受けた講座であれば、給付対象となります。

    受講したい講座が見つかれば、ハローワークや厚生労働省の教育訓練講座検索システムで確認することが大切ですね。

     自治体の「保育士修学資金貸付制度」をチェック

    多くの自治体では、保育士を目指して養成校に通学する学生を対象に「保育士修学資金貸付制度」を設けています。

    保育士の養成校への入学準備金・授業料・生活費などを無利子で貸し付けてもらえる制度です。

    たとえば、東京都の制度の概要は以下の通りです。※2025年7月時点

    【対象者】

    以下の条件をすべて満たす方が対象です。

    • 東京都内に住所を有し、20歳未満の子どもを扶養しているひとり親家庭の母または父
    • 児童扶養手当の受給者、または同等の所得水準にある方
    • 養成機関において6か月以上の課程を修業し、対象資格の取得が見込まれる方
    • 就業または育児と修業の両立が困難であると認められる方
    • 過去にこの給付金を受給していない方

    【貸付金】

    • 入学準備金:20万円以内
    • 修学資金:月額5万円(最大2年間)
    • 就職準備金:20万円以内

    また、卒業後に一定期間、指定された地域の保育施設で保育士として働けば、返済が免除されます。

    そのため「実質的に返さなくていい奨学金」といった役割を果たすケースも少なくありません。

    制度の詳細や利用条件は自治体ごとに異なるため、お住まいの都道府県・市区町村の公式サイトで最新情報を確認するようにしましょう。

    ひとり親家庭なら「高等職業訓練促進給付金」も

    「高等職業訓練促進給付金」は、ひとり親家庭の方が看護師や保育士など、就職に有利な資格を取得するために活用できる公的制度です。

    全国の自治体で実施されており、各地域によって支給額や条件が異なります。

    たとえば、福岡県では以下のような支援が用意されています。※2025年7月時点

    【対象者】

    以下の条件をすべて満たす方が対象です。

    • 福岡県内在住
    • 児童扶養手当を受給中または同等の所得水準にあるひとり親の方
    • 6カ月以上の養成機関に通い資格取得を目指している方が対象
    • 所得が児童扶養手当受給対象水準である方(所得水準を超えた場合であっても1年に限り引き続き対象※令和6年8月30日以降)
      養成機関において6か月以上修業予定である方

    【支給額(月額)】

    • 市町村民税非課税世帯:10万円(修業最終年は14万円)
    • 市町村民税課税世帯:7万500円(修業最終年は11万500円)

    【修了支援給付金(修了時に一括支給)】

    • 非課税世帯:5万円
    • 課税世帯:2万5千円

    お住まいの都道府県・市区町村の公式サイトで内容をご確認ください。

    社会人から保育士になる!よくある質問Q&A

    保育士を目指す社会人の方から寄せられるよくある質問をまとめました。

     保育士養成施設に通学する場合、期間はどれくらいかかりますか?

    A. 保育士養成施設(大学・短大・専門学校)では、通常2年〜4年で卒業・資格取得を目指します。

    通信制の場合も最短2年で卒業できる学校がありますが、在籍期間や学習ペースによっては3年以上かかるケースもあります。

    保育士になるのに年齢制限はありますか?

    A. 保育士資格の取得には、年齢制限はありません。

    高校卒業以上の学歴があれば、何歳からでも保育士試験の受験や養成施設への入学が可能です。

    実際に40代・50代から資格取得を目指す方も多く、子育て経験を活かして現場で活躍するケースもあります。

     保育士試験の合格率はどのくらいですか?

    A. 保育士試験の筆記試験合格率は約20〜25%、1次情報によれば、実技試験は80%程度です。

    一度合格した筆記科目は3年間有効なため、科目ごとの計画的な学習が合格のカギとなります。

     社会人でも働きながら保育士を目指せますか?

    A. 働きながら資格取得を目指す方はたくさんいるので、ご安心を!

    通信講座や夜間の養成校などを活用し、自分のペースに合わせた学習が可能です。

     未経験から保育士になるのは難しいですか?

    A. 未経験からでも十分に保育士を目指せます。

    現場経験がなくても、資格取得後にしっかりと実習や研修を通してスキルを身につけていけます。深刻な保育士不足のため、歓迎してくれる園がたくさんあるでしょう。

     保育士の仕事は体力的に大変ですか?

    A. 子どもと一緒に体を動かす場面が多いため、体力は必要です。

    ただし、自分のペースで無理なく働ける職場を選ぶことも可能です。たとえば、小規模保育園などは保育室がコンパクトで移動も少なく、体への負担が比較的少ない傾向があります。

     保育士は給料はどれくらいもらえますか?

    A. 初任給は約18万〜22万円程度が目安ですが、地域や施設により差があります。

    経験年数や役職によって給与アップが見込め、令和6年(2024年公表)の賃金構造基本統計調査によると、勤続年数8年ほどの保育士さんの平均月収は約26万9,700円、年間賞与は約70万8,200円で、年収に換算すると約324万5,600円です。

    また、パート勤務の平均時給は1,348円とされており、園によって異なるものの、少しずつ給料が上がっていることが予想されます。

     子育て経験は保育士の仕事に役立ちますか?

    A. 子育て経験は役立ちます。

    保護者対応や子どもの気持ちへの理解などを活かせるでしょう。

     どのような人が保育士に向いていますか?

    A. 子どもが好きで、相手の立場に立って考えられる人が向いているでしょう。

    チームで連携を取って働く力や柔軟な対応力も求められるため、コミュニケーション能力が高い方にもぴったりですね!

    社会人から保育士を目指して子どもと関わる仕事に就こう

    保育士は、子どもの成長に寄り添い、笑顔を支えるやりがいのある仕事です。

    社会人からのスタートでも、学び直しやキャリアチェンジとして多くの方が資格取得に挑戦しています。

    今からでも間に合うかな…」と不安に思っている方は、まずは自分のペースで学べる通信講座から始めてみませんか?

    四谷学院の通信講座では、保育士試験の合格に向けたわかりやすい教材や個別サポート体制が整っており、働きながら学習に取り組んでいる方がたくさんいます!

    また、資格取得後の就職先を探すなら、保育士バンク!のキャリアアドバイザーがしっかりサポート。

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    出典:保育士になるには/こども家庭庁出典:保育士試験合格者の就職状況等に関する調査研究研究報告書/厚生労働省出典:保育士試験の実施状況(令和5年度)/こども家庭庁出典:令和7年試験案内/一般社団法人 全国保育士養成協議会出典:教育訓練給付制度/厚生労働省出典:魅力ある保育/東京都福祉局出典:福岡県

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