小規模保育園は働きにくい?デメリットはある?人間関係・保育内容・給料について紹介!

小規模保育園は、保育士として子どもとじっくり関われる一方、0歳児~2歳児と対象年齢が限られることや職員が比較的少人数というデメリットもあるため、転職での注意点が気になる方もいるでしょう。本記事では、小規模保育園でのリアルな働き方とその課題をカテゴリ別に紹介、メリットや小規模保育園が向いているタイプ、2025年から改正された処遇改善手当の影響など、最新情報も解説します。

Zoey106 / stock.adobe.com

小規模保育園のデメリットやメリットは?
・小規模保育園は少人数制の認可園。職員数や経験の幅、給与面でのデメリットも
・子ども一人ひとりと深く関われる、行事が少なく残業が少ないなどのメリットもあり
・アットホームな環境が好き、乳児保育が得意な方やブランクがある方にも向いている

小規模保育園とはどんな保育施設?

小規模保育園は、国が策定した「地域型保育事業」のプランから生まれた保育園の形態です。少人数で家庭的な保育を実現するための事業として、国から認可されています。

とくに都市部に多い0歳児~2歳児の待機児童への対策や、地域のニーズに沿った子育て支援を目的としています。

主な特徴を以下にまとめました。

対象年齢
原則として0歳児から2歳児までに限定(一部、条件によって例外もあり)
園児の定員
6人以上19人以下の少人数の利用定員で行う
設置基準
0歳児~1歳児の保育室は1人当たり3.3平方メートルが主。また、園庭の設置義務が緩和されるなど、一般的な認可園と基準が異なる
種類
職員の資格や配置基準が異なるA型(保育所分園タイプ)、B型(中間型)、C型(家庭的保育タイプ)の3つの型に分類
卒園後
3歳児以降は卒園となり、各園が連携する認可保育園などの施設へ移行することが原則

小規模保育園は、このような独自の基準と仕組みを持つことで、細分化された子育てニーズに応える役割を持っています。

地域のミニ保育園みたいなイメージだけど、認可園なんだね。働きにくいことはなさそうだけど、デメリットあるのかな?メリットも知りたい!

小規模保育園の求人を探すなら、保育士バンク!にご相談ください。会員登録・相談無料保育士バンク!で転職相談

 

保育の特徴から感じるデメリット

小規模保育園は子どもの定員が19人以下と少ないため、保育士さんは子ども一人ひとりにていねいに関わりながら働くことができるでしょう。

しかし、その分、職員が少人数体制なことや行事の少なさから、業務やキャリア形成においてデメリットを感じることがあるかもしれません。

職員の全体数が少ない

職員の配置基準は一般的な認可園に比べて手厚い傾向があるのが小規模保育園の特徴ですが、子どもの定員が6人~19人(C型は10人以下)と少ないため、職員の全体数は限られます。

そのため、職員が急に休んだ場合には、ほかの職員に業務負担が集中するという問題も生じやすいようです。

また、2024年度のこども家庭庁による調査では、小規模保育園に常勤する事務職員の数は平均0.1人と少なく、ほとんどの園で事務作業を保育士が兼任していることが予想されます。

3歳児以上の保育経験が得られない

小規模保育園は、0歳児~2歳児までの乳児保育を行うことが原則です。

そのため、乳児期の子どもの保育や発達に深く関われる一方で、3歳児以上の幼児教育や集団活動の経験を積む機会が限定される側面もあります。

将来的に大規模園への転職を考えている場合や、幅広い専門性を深めたい保育士さんにとっては、経験の幅が狭まると感じることもありそうです。

行事運営の経験が積めない

小規模保育園では、保育対象が乳児であることや定員が少ないことから、一般的な保育園ではメインイベントとなる運動会や発表会など、大規模な行事の経験を積む機会が少ないかもしれません。

行事が少ない・規模が小さいことで業務の負担は減りますが、経験不足が課題になったり、行事を通して一体感を味わう機会が少なかったりする点が気になる方もいるでしょう。

保育の特徴から見るメリット

保育の特徴面でのメリットについても見ていきましょう。

【こんなメリットがありそう】
・保育士の人員配置は一般の認可園より「プラス1人分」手厚い!
・子ども一人ひとりとじっくり向き合える!
・行事の負担がないから、残業も少ない傾向!

小規模保育園には、一般的な認可保育園の基準に比べて、保育士の配置人数が多めに定められています。

また子どもの定員も少ない少人数制のため、子ども一人ひとりと深く向き合う保育が実現しやすく、保育士としてのやりがいをより強く感じられる方も多いでしょう。

また、大規模な行事運営がない園が多いことから、行事準備にともなう残業や持ち帰り仕事が少ない傾向があり、ゆとりをもって働くことができそうです。理想の保育ができる求人を探す

簡単1分登録!転職相談
保育士・幼稚園教諭・看護師・調理師など
保育関連の転職のご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!

人間関係と職場環境で生じるデメリット

泣く赤ちゃんkapinon / stock.adobe.com

少人数で運営される小規模保育園は、保育士さん同士の人間関係における距離の近さや、施設の広さによる制約が、働きにくさにつながる場合がありそうです。

保育士同士の密な連携が必要

子どもの定員と職員の全体数が少ない小規模保育園では、その性質上、保育士同士の連携がキーポイントになることが多いようです。

ワンフロアで縦割り保育を行う園や、担任制をとらない園もあるため、保育士同士のコミュニケーションの円滑さや密度が保育の質に影響すると感じ、働きにくい印象を持つ方もいるかもしれません。

園庭や身体を動かせるスペースが少ない

小規模保育園は、園庭がなかったり保育室のスペースが限られていたりするため、外遊びを公園などで行うことが多いようです。

そのため、保育士さんは園外への引率・移動遊び場の確保、そして安全管理の面で細心の注意を払う必要があります。

また、雨の日や猛暑日などは室内での活動が中心となり、1歳児や2歳児が十分に身体を動かせないため、活動に工夫が必要になることもありそうです。

保育室が少ない・職員室が狭い場合がある

小規模な施設の特徴として、保育室の数が少なく、縦割り保育を基本としている園も多いようです。

そのため、年齢別にクラス分けされる大規模・中規模園に慣れた保育士さんにとっては、その環境が負担に感じることも。

また、職員室や休憩場所が狭く、ノンコンタクトタイムが取れるスペースが十分ではない園では、オンとオフの切り替えが難しい場合がありそうです。

人間関係と職場環境から見るメリット

人間関係や職場環境から得られそうなメリットについても見ていきましょう。

【こんなメリットがありそう】
・少人数のチームで保育ができて働きやすい!
・低年齢が対象で園自体がコンパクトだから体力的な負担が少ない!
・子どもの人数が少ないから目を離すことが少なくて安心!

人間関係が良好であれば、少人数体制は働きやすさにつながりそうです。チームでの連携の取りやすさや、限られたスペースで子どもたちの様子をつねに把握できるメリットもあります。

園外活動が多い園であっても、受け入れ児の年齢的に体操指導のようなハードな運動をする機会が少なく、体力的な負担がない点もメリットでしょう。

少人数ならではのアットホームな園や、保育士さん同士のコミュニケーションが円滑な園なら、風通しのよい環境で働けそうです。

人間関係については、園見学に行って職場の雰囲気を見ることが一番です。不安な方は園見学からはじめましょう。

働きやすい園の求人を探す

保育士バンク!の新着求人

お住まいの地域を選択して、最新の求人情報をチェック!

の検索結果は0件でした。
データの取得に失敗しました。しばらく経ってからお試しください。

選択済みの市区町村

    キャリアと給与面に関するデメリット

    小規模保育園で長く働くうえで、役職に就く機会や給料についても気になりますね。最新の調査結果をもとに課題についてみていきましょう。

    キャリアアップの機会が少ない

    小規模保育園は、園の規模が小さいため、分野別リーダーや主任保育士などのポストが少なく、キャリアアップの機会が限定的なケースがあるようです。

    2024年度のこども家庭庁による調査では、小規模保育園A型の保育士のうち、主任保育士の役職に就いている人は、平均で0.3人という結果が出ています。

    これは一般的な認可園での主任保育士が平均1.0人という結果に比べて少なく、約7割の園で、主任保育士のポストが存在しないことが分かります。

    そのため、将来的に管理職を目指したい保育士さんは、小規模保育園に転職する場合には役職に就けるキャリアパスがあるかを確認する必要があるでしょう。

    一般的な認可園に比べて給与水準が低い

    小規模保育園の常勤保育士の給与月額(賞与を含む)は、一般的な認可園に比べてやや低い傾向にあるようです。

    2024年度の調査結果によると、小規模保育園A・B型の給与月額は平均約28万円であり、一般的な認可園に勤務する保育士に比べると、約4万円ほど下回っています。

    ただし、2025年度に処遇改善手当の制度が改正されたことにより、小規模保育園でもより手当が配分されやすくなりました。

    そのため、今後は小規模保育園で働く保育士さんの給与水準が、大きく改善される可能性が高まっています。

    キャリアと給与面から見るメリット

    キャリアや給与面ではどんなメリットがありそうでしょうか。

    【こんなメリットがありそう】
    ・処遇改善手当が改正されて、手当がもらいやすくなった!
    ・乳児保育に特化したキャリア形成には最適!

    2025年度から、保育士の待遇をよくするための国の施策「処遇改善等加算制度」が一部改正されました。

    これにより、小規模保育園を含む全ての保育施設や事業所において、手当の配分が柔軟になり、これまでの制度では加算を受けにくかった小規模保育園も、手当が支給されやすくなりました。

    とくに経験年数が多い職員や、役職に就いていなくてもリーダー職や研修中の職員が増えれば加算の対象になり、全体的な給与水準の改善につながることが期待されています。

    また、キャリアパスの面において、乳児保育に特化した専門性を高めることができるのは、小規模保育園ならではのメリットといえるでしょう。給与が高い求人を探す

    読んでおきたいおすすめ記事

    小規模保育園の勤務が向いているタイプとは

    保育士と赤ちゃんPaylessimages / stock.adobe.com

    デメリットとメリット、両方の面がある小規模保育園。

    その特徴に照らし合わせて、転職先としての選択肢に小規模保育園を入れるかを判断するには、自分の働き方の希望や保育観、何を重視したいかによって決めることができそうです。

    希望の保育や働き方の面で向いている保育士さんは、選択肢として小規模保育園を加えることで転職先のバリエーションが広がるかもしれません。

    これまでの特徴をまとめると、こんな保育士さんは小規模保育園に向いていそう

    ・子ども一人ひとりと深く関わる保育を重視する
    少人数制だからこそ、子どもとのきめ細やかな関わりや個別の発達支援に集中できます。

    ・乳児保育に特化した専門性を高めたい
    0歳児〜2歳児を中心とした、乳幼児期の保育に関する専門スキルが身につきます。

    ・アットホームでおだやかな環境で働きたい
    大規模園にはないアットホームな環境で、ゆったりとした気持ちで保育を行いたい人に向いています。

    ・ワークライフバランスを重視したい
    大規模な行事がない場合は残業や持ち帰り仕事が少なく、プライベートの時間を確保しやすそうです。

    ・チームワークと協調性を活かせる
    保育士同士の連携が求められるため、チームで協力することに抵抗がない人に向いています。

    ・園外活動や遊びの工夫を積極的に楽しめる
    公園や室内で遊びに工夫を取り入れる意欲や、高い安全管理の意識を持っているとよさそうです。

    ・保育以外の業務にも柔軟に対応できる
    事務も含めた幅広い業務に抵抗なく取り組める人は、多様なやりがいを感じられそうです。

    あてはまる項目があった!」と思った保育士さんも、「やっぱり自分は大規模園が向いていそう」と感じた保育士さんも、「両方のいいとこどりできる転職先はない?」という保育士さんも、転職を視野に入れるなら、まずは保育士バンク!にご相談ください。保育士バンク!に無料会員登録転職先を紹介してもらう

    小規模保育園への転職を考える保育士さんからのQ&A

    転職の選択肢として、小規模保育園を考える保育士さんからの疑問や不安に答えます。

    Q1. 小規模保育園への転職で給与アップできる?

    A. 条件次第で可能です。

    小規模保育園は、ほかの形態の園に比べて給与水準が低い傾向にありますが、都心部や企業主導型の園、運営母体が安定している大規模法人が運営する園では、高待遇の求人も見られます

    とくに、2025年度から処遇改善手当の配分の基準がより広がったことで、今後は園による職員のキャリアパスに関する方針によって、給与が改善される可能性は十分にあります。

    転職の際は、基本給の金額、賞与にあわせて、処遇改善手当の支給実績も確認できるとよさそうです。保育士バンク!に無料会員登録転職先を紹介してもらう

    Q2. 乳児保育の経験がないけど小規模保育園に転職できる?

    A. 経験を活かして学べば大丈夫ですよ!

    小規模保育園は0歳児~2歳児までの乳児保育が中心ですが、保育士資格とこれまでの保育経験があれば、転職は十分に可能です。

    乳児保育の特徴や保護者への配慮、離乳食などの専門的な対応については、入職後の研修やOJTを通じて身につけられるでしょう。

    同様に、資格はあるけどブランクがある保育士さんや、保育現場は未経験の潜在保育士さんのなかにも、まずは小規模保育園で経験を積みたい!という方が増えています。小規模保育園の求人を見てみる

    Q3. 小規模保育は3歳児以降は受け入れできないの?

    A. 2023年以降は受け入れ可能な制度に。

    小規模保育事業は、原則として2歳児以下の乳幼児を対象としていますが 、2023年4月以降は、自治体が地域のニーズに応じて柔軟に判断できるよう、制度が追加されました。

    これにより、条件によって3歳児~5歳児も受け入れることが可能になっています。

    条件とは、過疎地やへき地など近くに3歳児以降を受け入れる保育園が設置されていないエリアや、兄弟姉妹で別々の施設に通園しなくてはならないケースなどがあたるようです。

    Q4. 転職してから人間関係で後悔したくない。事前に雰囲気を知るには?

    A. 転職エージェントからの紹介を試してみて!

    転職では、求人情報では分からない保育士同士の人間関係や、園の雰囲気も気になるでしょう。

    入職してから「先輩や同僚となじめない」「人間関係が険悪だった…」という事態を避けるために、事前に情報収集ができたらうれしいですよね。

    転職エージェントを利用すれば、求人情報には載っていない職員の定着率や園の雰囲気、園長の人柄など、リアルな内部情報について、園を実際に見てきたキャリアアドバイザーが教えてくれることも。

    また、エージェントに園見学を手配してもらえば、現場での保育の様子や働き方の雰囲気などを肌で感じることもできそうです。転職を考えるなら、まずは相談からはじめてみませんか?保育士バンク!で転職相談無料で会員登録する出典:小規模保育事業における3歳以上児の受入れについて出典:令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果出典:令和7年度以降の処遇改善等加算について

    小規模保育園のデメリットとメリットを理解して転職活動しよう

    小規模保育園は、子どもと密に関われる魅力的な職場ですが、昇進ポストの少なさや給与水準の課題も抱えています。

    しかし、2025年からの処遇改善手当の改正など、待遇を改善するための動きも見られます。

    デメリットやその一方にあるメリットも理解したうえで、自身の希望の保育や働き方と合うかを検討してみてもよさそうです。

    理想の働き方を叶えるために、幅広い選択肢を見ながら転職活動していきたいですね。

    保育士バンク!では、多様な園や施設のなかから厳選して、あなたにぴったりな転職先を紹介します。

    今の職場に不安がある方も、これからの働き方を変えたい方も、ブランクがある方や未経験の方も、安心して働ける職場を保育士バンク!と一緒に探しましょう。会員登録・相談無料保育士バンク!で転職相談

     

    保育士バンク!の新着求人

    お住まいの地域を選択して、最新の求人情報をチェック!

    の検索結果は0件でした。
    データの取得に失敗しました。しばらく経ってからお試しください。

    選択済みの市区町村

      保育士さんに人気の勤務先

      あなたへのおすすめ記事

      特集コラム一覧

      本記事の内容は、記事作成日時点の資料等を基に可能な限り正確な情報を掲載するよう努めております。
      しかしながら時間の経過等により情報が古くなったりすることもあり、必ずしもその内容の正確性および完全性を保証するものではございません。

      また、記事の内容はひとつの見解を示すものであり、皆様が思考を更に深める材料としてご活用いただくことを目的としております。
      実際には多様な見解があり、必ずしも唯一絶対の真理を示すものではありません。これらの点につき、本記事の内容を参考にしていただく際は念のためご留意ください。

      プロ厳選!プレミアム求人

      保育士求人を探す

      コラム記事を探す

      よくある質問

      就職・転職の無料相談放課後児童支援員見落としがちな転職先保育士の在宅ワーク

      保育士バンク!で無料転職相談

      保育専門のキャリアアドバイザーがあなたのご希望に寄り添い厳選求人をご紹介!