職場の意向調査で「退職したい」をどう伝える?保育士が円満退職する手順と理由別の例文

保育園で実施される意向調査、「退職したい」と言い出せなかった経験はありませんか?担任業務の責任や人手不足による職場への気まずさから、本音を伝えられずにいる保育士さんも多いようです。本記事では、意向調査の基本知識から、意向調査で言えなかった場合のフォロー手順、退職理由別の書き方の例文を解説します。引き止めに遭わないコツや円満退職につなげる伝え方も分かります。

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保育士が受ける「意向調査」とは

園で行われる「意向調査」は、来年度の働き方の意向を保育士さんなどの職員ひとり一人に確認するものです。

時期としては例年9月~12月の間に行う園が多いようです。

意向調査って一般的な会社ではしないですよね?なんで保育園では慣習になっているの?

来年4月からの担任を決める必要があることや、配置基準があるため保育士の人数によって園児の受け入れ人数が変わるから。退職や働き方の変更希望について事前に意向を聞いておく必要があるためです。

意向調査は、職員が退職や異動の希望を園に伝えることで、次年度の人員配置の参考にするために行われます。

調査方法は、直接話す面談形式や、アンケートのような書面での回答など、園によって方法は異なります。

退職を希望する場合、この機会に伝えることは園にとっても大事な情報となるため、保育士さんにとっても円満退職につながる方法といえるでしょう。会員登録・相談無料保育士バンク!で転職相談

意向調査で退職意向を伝える場合のポイント

意向調査で退職を伝えるときは、誠実さと前向きな姿勢が大切です。ここでは伝え方のポイントを整理しましょう。

退職時期を明確に伝える

退職意向を伝える際に最も重要なのは「いつ辞めたいか」を明確にすることです。

「今年度末まで」「20XX年3月31日まで」など、具体的に伝えることで園側も後任の採用や引き継ぎを計画できます。

この際に、あいまいな表現をしてしまうと園が調整しづらく、誤解を招くこともあるため注意が必要です。

特に年度途中での退職を希望する場合は、園児や保護者への影響も考え、できるだけ早めに申し出ることが望ましいでしょう。

「辞めたいけど時期はいつでもいいです」「転職先が決まったら…」みたいに曖昧だと、園としても見通しが立たなくて困ることもあります。

退職理由は前向きに表現する

退職理由は「人間関係がつらい」「業務量が多すぎる」といった否定的な言い方ではなく、「新しい環境で経験を積みたい」「家庭と両立しやすい働き方をしたい」など前向きに表現するのがコツです。

表現として、現状への不満を表に出すと「それは今後対策するから」と引き止める材料になってしまうこともあります。

そうならないよう、すでに次の働き方に目を向けた表現をすることで、スムーズに退職の意向を受け入れてもらえる可能性が高まるでしょう。

「今の職場がイヤだから辞める」よりも「保育士としてのキャリアのために次のステップへ進みたい」と伝えれば印象も違うし、気持ちよく退職できそう

引き継ぎや在職中の協力姿勢を示す

退職を伝えるときは、最後まで責任を持って業務を行う姿勢を見せることが大切です。「年度末までしっかり担任を務めたい」「引き継ぎ資料を整えます」など、園側が安心できるような一言を添えましょう。

在職中の協力姿勢を見せることで、退職後も園や上司との良好な関係を保ちやすくなり、推薦や再就職の際の好印象にもつながります。

意向調査から退職日までの期間を円満に過ごすためには「どうせ辞めるからどう思われてもいい」という態度は禁物!

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意向調査時に退職意向を言えなかった場合の対処手順

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意向調査で退職の意思をうまく伝えられなかったという保育士さんもいるでしょう。人手不足など職場の状況が見える分、言い出しづらい部分もあるようです。

しかし、意向調査は約半年先の人員を視野に入れた調査という意図もあるため、意向調査のあとでもなるべく早い段階であれば、改めて退職の意向を伝えることも可能です。

今年こそ辞めますって言いたかったのに、意向調査の面談で、主任に「来年も担任もってもらうからよろしくね」と言われて「はい!」って元気に答えちゃった………。

あるある!でも年内なら撤回してもまだ間に合うかも。以下を参考に、手順を踏まえてていねいに伝えよう。

(1)退職の申し出期限を確認する

まずは就業規則や雇用契約書を確認し、退職の申し出期限を把握しましょう。

多くの園では基本的に退職の意向は「1〜2カ月前まで」と定められています。また、法的には2週間前の申し出でも有効とされています。

とはいえ、春からの新入園児の人数の確定や担任などの人事、新規採用などの必要性を考え、あえてこの時期に意向調査を行っている意図を理解する必要があるでしょう。

意向調査の期間が終わっていたとしても、できるだけ早めに伝えるのが誠実です。

(2)上司にアポイントを取る

意向調査で言えなかった場合は、まずは直属の上司に相談のアポイントを取りましょう。

忙しい時間や業務の合間に突然伝えるのは避け、事前に「意向調査の件で、お伝えできなかったことがあるので、お時間いただけないでしょうか」と、ていねいに申し出るのが礼儀です。

上司の都合にあわせて、落ち着いた環境で改めて話す場を設けることで、退職意向も伝えやすくなります。

(3)退職の意向と理由を伝える

話を聞いてもらう時間がとれたら、改めて退職の意向をはっきりと伝えたうえで、意向調査の回答を後から変えることへの謝罪をしましょう。

その際は「意向調査の段階では、まだ退職への意向が固まっていなかった」「退職するべきか悩んでいた」ことなどを伝えられるとよさそうです。

また、意向調査がアンケート提出だった場合も、一度提出した回答を撤回する場合は、直接話す方が誤解を防ぐためにもよいでしょう。

退職理由は前向きに簡潔に述べるのが基本です。「育児との両立のため」のように一貫した理由や「今までの経験を活かして療育分野の知見を広げたい」など、保育士として成長したいという理由を準備しておきましょう。

(4)園長への報告と必要書類の確認

最終的には園長へ直接退職の意向を伝える必要があります。上司に報告後、園長との面談を設定してもらいましょう。

その際に、退職届の提出や必要書類の確認も行います。園ごとに提出期限や書類の形式が異なるため、早めに確認して準備しておくと安心です。

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    【理由別】退職意向の伝え方例文

    退職理由によって表現の仕方を工夫すると、職場としても納得しやすくなるでしょう。ここでは退職理由別に意向調査票の書き方の例文を紹介します。

    人間関係が理由の場合

    例文
    今年度末での退職を考えております。
    〇年間という長い間たくさんの経験をさせていただきましたが、この経験を活かして保育士として今後もさまざまな現場で保育経験を積みたいと思うようになり、転職する意向です。

    「同僚と保育観が合わない」「園長と合わない」などの理由で退職する場合は、あえて具体的な理由は述べずに、今後の展望を中心とした前向きな表現で伝えましょう。

    保育観・方針の不一致が理由の場合

    例文
    年度末で退職させていただきたくお願いいたします。
    本園での勤務経験を通して、自分なりの保育観が少しずつ形になってきました。今後は新しい環境でこれまでにない保育のあり方に触れながら、さらに視野を広げていきたいと考えております。

    保育観や方針の違いを理由にする際は、今の職場を否定するのではなく、前向きな表現に変えるのがポイントです。保育士としての成長意欲を示すことで、円満に受け止めてもらいやすくなります。

    残業・業務量など働き方が理由の場合

    例文
    年度末を区切りに退職したくご相談いたします。
    これまで〇年間、さまざまな経験を積ませていただきましたが、今後は生活との両立を考えながら無理のない働き方を実現したいと思うようになりました。転職活動も始めますが、年度末まではしっかり勤めますので引き続きご指導よろしくお願いいたします。

    残業や業務量が理由の場合、職場の批判になりやすいので注意が必要です。「家庭や生活との両立を見直したい」「ワークライフバランスを意識した働き方を目指したい」といった前向きな言葉に置き換えましょう。

    給与や待遇が理由の場合

    例文
    3月末での退職を決意いたしました。
    保育士としてさまざまな経験を積むためにも新しい施設で仕事をしてみたいという気持ちが強くなりました。これからも多くのことを学び、保育士としての知識や技術を培いたいと思います。

    「給与が安い」「昇給が期待できない」「生活が難しい」など待遇を理由に辞める場合は、そこには直接触れず、自身のキャリアアップやスキルアップへの希望を匂わせながら、保育士として成長したい旨を伝えるとよさそうです。

    健康・体調不良が理由の場合

    例文
    数カ月前から体調が優れないまま仕事を行っていましたが、なかなか身体が回復しないため、退職を決意いたしました。今までお気遣いいただき、とても感謝しております。3月末までは体調を整えながら勤務する意向です。

    体調不良が理由の場合は、今までの感謝の気持ちと自身の体調を整えるための決断であることを伝えます。「体調が整ったら復帰できないか?」と引き止められた場合は「回復に専念したい」と伝え、ていねいに断ってもよいでしょう。退職意向を伝えられたら求人探し!

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    意向調査で職場に退職意向を伝える際の疑問Q&A

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    意向調査で退職の意思を伝えるにあたって、保育士さんの疑問や不安にお答えします!

    Q1. 人手不足のうちの職場、辞めたら迷惑がかかる?

    A. 園のことより、まずは自分の将来を考えてみて

    職場の事情も気になりますが、まずは自分の将来や働き方を優先して考えることが大切です。

    園は必要があれば必ず人員補充を検討します。また、そのための意向調査でもあります。敬意をもって退職の意向を伝えられれば、個人が必要以上に責任を感じすぎる必要はないでしょう。

    Q2. 昨年は引きとめられて退職を断念…引きとめに対抗するコツは?

    A. ポジティブな退職理由で押し通すのがポイント!

    職場に対しての不満を退職理由にすることで「その部分を改善したら引き止められる」と受け取られる可能性があります。

    退職理由はよけいなことは言わず「今後は~したい」「転職先で~を叶えたい」のように、自分自身の未来に目を向けたポジティブな内容で伝えましょう。

    Q3. 意向調査で退職したいと言えなかった!調査後でも遅くない?

    A. 原則は退職希望日の2週間前までOK!でも注意点も

    労働基準法上は2週間前までに退職の意向を伝えれば、職場は退職を認める必要があります。そのため、調査後でも退職の意向を伝えることは可能です。

    ただし入職時に交わした職場ごとの規定に「退職願いは1カ月前まで」など、退職時のルーㇽが記載されている場合は、法令を大幅に逸脱していない限り原則としてそれに従いましょう。

    また、意向調査は次年度の園児数や人員配置に大きく影響するため、職場の負担を考えてできるだけ早めに伝えるのが望ましいでしょう。

    Q4. 意向調査の後は求人が減るって聞いたけどどうして?

    A. 次年度の採用はこの時期!待遇重視なら早めに動くのが◎

    意向調査が行われる秋から冬にかけては、園が次年度の人員計画を立てる時期です。そのため、このタイミングで保育士求人が集中し、好待遇の募集も多く出ています。

    ところが年度末が近づくと、多くの園で採用がすでに確定してしまい、求人は一気に減少します。待遇や条件を重視する方ほど、早めの行動が転職成功のポイントになります。

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    退職の意思がかたまったら、次の転職先について考えよう!
    以下の記事では、保育士資格を活かして働けるさまざまな仕事を紹介しています♪

    退職意向を職場に伝えたら、転職先を探そう!

    退職の意思を伝えたら、次のステップは転職先探しです。保育士の求人は年度初めに集中するため、早めに動くことで好条件に出会える可能性が高まります。

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