「106万の壁」は、社会保険加入となる年収の目安です。また、非課税で働くための年収の目安として意識されてきた「103万の壁」は、2025年12月に「178万円」まで引き上げることが合意されました。 その一方で、現状の106万の壁は、2026年10月をめどに年金制度改正法により撤廃され、「週20時間以上」の勤務で加入する方向になります。本記事では、税金の壁(178万)と社会保険の壁(106万・130万)の違い、保育士の損しない働き方について、わかりやすく解説します。

税金の壁は178万円へ!2026年10月から106万円の壁はなくなる予定
2025年末に「令和8年度税制改正」にあたって「所得税の非課税枠(年収の壁)」が、「178万円」まで引き上がることが国会で合意され、2026年1月から施行されています。
この改正で「税金の壁」は178万円になり、働き控えをする必要はほとんどなくなると見られています。
また、これによりパート保育士さんに限らず、正社員を含めた給与所得者の約8割が減税になるとも試算されています。

上記の図は、2026年以降の「106万円の壁」以外の主な「年収の壁」を整理したものです。
パートで働く方は、基本的には、非課税(所得税がかからない)年収の枠が拡大したことで、以下のどちらかを意識して年収を調整するとよさそうです。
- 106万円・130万円からの社会保険の壁
【選択肢1】
週20時間未満に抑えて、社会保険の扶養内に年収額を収めつつ手取り額を最大にする。 - 178万円からの所得税の壁
【選択肢2】
週20時間以上働き、社会保険に加入して将来の年金を増やしながら非課税枠内で調整する。
この改正で「税金の壁」は178万円になり、働き控えをする必要はほぼなくなりました。
また、これによりパート保育士さんに限らず、正社員を含めた給与所得者の約8割が減税になるとも試算されています。
なお2026年10月には106万円の壁(賃金要件)は、なくなる予定です。
今まで非課税枠で働き控えをしていた方は、勤務先と相談して、自分に合った働き方を改めて選びましょう。
2026年10月までは社会保険加入の目安になる「106万の壁」
パートやアルバイトなど短時間労働者にとって「106万の壁」は、社会保険に加入するかどうかの基準となる収入ラインです。
社会保険に加入する対象となるのは、詳しくは以下の条件を満たした場合です。
- 週20時間以上働く
- 従業員51人以上の企業に勤める
- 月額賃金が8万8,000円/年収106万円以上になる
- 2カ月を超えて働く予定がある
- 学生ではない
上記に該当すると、勤務先の健康保険・厚生年金への加入が必要になります。
扶養内で働くパート保育士さんにとっては、手取り収入に直結するため、働き方を考えるうえで無視できない基準といえます。
106万の壁は2026年10月をめどに廃止へ
2025年6月に成立した年金制度改正法により、3年以内に106万円の年収要件を撤廃することが決定しました。
実施は2026年10月ごろが見込まれており、廃止後は「週20時間以上勤務」で、収入にかかわらず社会保険に加入する仕組みになります。政府のねらいは「働き控えの解消」と「人手不足対策」と考えられます。
保育業界も例外ではなく、パート保育士さんにとっても大きく影響する可能性が高いでしょう。
自分が対象か確認する106万の壁をシミュレーション
106万の壁について、パート保育士さんの働き方によってどのような結果になるのか、一例をみていきましょう。
ケース①
106万円を少し超えてしまったパート保育士さん
時給:1,100円
勤務時間:1日4.5時間 × 週5日 = 週22.5時間
月収:1,100円 × 22.5時間 × 4週 ≒ 9.9万円
年収:9.9万円 × 12か月 = 約119万円
ケース②
106万円以内に抑えたパート保育士さん
時給:1,100円
勤務時間:1日4時間 × 週5日 = 週20時間
月収:1,100円 × 20時間 × 4週 ≒ 8.8万円
年収:8.8万円 × 12か月 = 105.6万円
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103万は178万へ!新・年収の壁と106万・130万との違い
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106万の壁(条件による社会保険加入の壁)
勤務先の社会保険(健康保険・厚生年金)に加入するかどうかを決める、年収・勤務条件の基準です。
年収が約106万円以上かつ従業員101人以上の企業で週20時間以上勤務、月収約8.8万円以上などの条件を満たすと、社会保険の加入対象になります。
加入すると健康保険料と厚生年金保険料が給与から天引きされるため、手取りが少なくなったと感じやすい一方で、医療や年金の保障が手厚くなるというメリットもあります。
政府は2026年10月にこの基準を撤廃し「130万円基準」に一本化する方針を出していますが、段階的に導入される可能性もあり、詳細なスケジュールはまだ発表されていません。
- 働き方例:社会福祉法人が運営する認可園で朝~午後までパート勤務
- 時給1,200円/週5日・1日4.5時間勤務(週20時間以上)
- 年収約115万円
130万の壁(条件を問わず社会保険に加入する壁)
配偶者の扶養から外れるかどうかの基準です。130万円を超えると企業規模にかかわらず扶養から外れます。
「従業員51人以上の勤務先で週20時間以上勤務」の場合は、勤務先の社会保険に加入します。
それ以外(従業員50人以下や勤務時間が週20時間未満)の場合は、自分で国民年金+国民健康保険に加入する必要があります。
- 働き方例:週5日でほぼ1日しっかりシフトに入るパート保育士。
- 時給1,050円/週5日・1日6時間勤務(従業員50人以下の園)
- 年収125〜130万円前後
178万円の壁(ここを超えると所得税がかかる!)
これまで年収103万円を超えると発生していた「所得税」が、2026年1月から年収178万円(基礎控除等の合計)まで非課税になりました。
所得税は178万円までかからなくなりましたが、もうひとつの「壁」と考えられる社会保険は、これまで通り106万円(もしくは130万円)を超えると加入が必要です。
これからは「年収が178万円を超えるまでは、所得税は気にせず、社会保険料を払うかどうか」だけを考えて働くことになります。
- 働き方例:家庭と両立しながらしっかり稼ぐ
- 時給1,200円/週4日・1日6時間勤務
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保育士さんが意識したい106万の壁と働き方
106万の壁のメリット・デメリット
扶養のまま働きたい方や、社会保険料の負担を避けたい方にとっては、年収を106万円以内に収める働き方が向いていそうです。
106万の壁を超えない収入について検討するにあたって、知っておきたいメリット・デメリットについてまとめました。
メリット
- 社会保険料の負担なし
扶養のまま働けるため、自分で健康保険料や厚生年金保険料を支払う必要がありません。
手取り収入はキープできる
収入全額がほぼ手取りになるため、短期的には家計にプラスになります。
デメリット
- 将来の年金は増えない
社会保険に加入しないため、将来の年金額や保障(傷病手当金・産休育休給付など)が増えることは望めなくなります。 - 働き方の自由度が制限される
シフトを増やしたり、一時金が支給されたりすることで106万円を超えてしまう可能性があるため、勤務調整や収入管理に気を使う必要があります。
106万の壁を超えないために保育士さんが注意したいポイント
扶養内で働きたい方は、思わぬ収入増で106万円を超えてしまわないように注意が必要です。
パート保育士さんがうっかり陥りがちなトラブルを想定しながら、転職の際にも気をつけたいポイントをまとめました。
- 処遇改善手当や期末手当などの臨時収入で、106万円を超えるリスクあり
- 扶養内で働きたい場合は、安全ラインを100万円程度に抑えるのが現実的
- 一時金より月収ベースで手当が支給される園を選べば安心
- 転職時は、処遇改善手当の支給方法や社会保険加入条件を確認する
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106万円・130万円を超えない働き方チェックリスト

ここでは、106万円と130万円、それぞれの壁を超えないためのチェックポイントをまとめました。
106万円に抑えるためのチェックリスト
| チェック | 確認項目 |
|---|---|
| シフトを「週20時間未満」に抑える | |
| 月収8万8,000円以内を目安にする | |
| 処遇改善手当やボーナスも年収に含めて管理する | |
| 勤務先の社会保険加入条件を確認する | |
| 年末前に収入見込みを点検する | |
| 扶養内希望なら「100万円程度」を上限目安にして調整する |
130万円に抑えるためのチェックリスト
| チェック | 確認項目 |
|---|---|
| 年収の目安を「月収10万8,000円以内」に抑える(130万÷12カ月) | |
| ボーナス・一時金も加味して年間収入を管理 | |
| 扶養から外れると国民年金・国保加入が必要になる点を理解する | |
| 安全ラインの「年収120万円前後」に設定し余裕を持つ | |
| 残業やシフト増で収入が膨らまないよう勤務時間を調整する | |
| 保育士の処遇改善手当などで突発的に超えないよう注意する |
扶養のまま働きたいなら、早めに収入見込みを確認し、シフトや勤務時間を調整することが大切です。
「今の職場は忙しくて、これ以上調整するのは難しいかも…」と感じたら、転職エージェントに相談!
扶養内勤務や社会保険加入前提の働き方が選べる求人を探して、転職してみるのも一つの方法かもしれません。働き方の希望がかなう転職相談!
106万の壁をもっと知るためのQ&A
106万の壁について、保育士パートさんからよく寄せられる疑問をまとめました。
Q1. パートで一番損する年収はいくらですか?
この範囲では社会保険料が発生するのに、扶養からは外れないため、手取りが減りやすくなります。社会保険料は106万円を超えた時点で一律で発生し、123万円までは保険料額が変わりません。
そのため、同じ負担なら123万円までしっかり働いた方が、手取りが多くなり得るケースもあります。
「どうせなら時給の高い園に転職して、しっかり稼ぎたい」と思ったら、キャリアアドバイザーに相談して条件に合う求人を探すのもおすすめです。会員登録・相談無料保育士バンク!で転職相談
Q2. 106万円と130万円の違いは?撤廃されるとどうなる?
- 「106万の壁」社会保険に加入するための年収基準。2026年10月に撤廃予定です。
- 「130万の壁」配偶者の扶養から外れる基準。こちらは今後も残ります。
106万円の年収基準が撤廃されると、週20時間以上働けば収入に関係なく社会保険加入が必要になります。
ちなみに、社保は自分の勤務先の保険料負担の話、扶養は家族単位の税や保険料の扱いの話になるため、基準額がそれぞれ異なると考えると分かりやすいでしょう。
Q3. うっかり106万円を超えてしまったら扶養控除はどうなる?
106万円を超えても、扶養控除(配偶者控除・配偶者特別控除)はすぐにはなくなりません。扶養控除は税法上の制度で、150万円までは配偶者特別控除が段階的に適用されます。
ただし、106万円を超えた時点で社会保険の加入義務が発生する可能性があるため、税金の控除は残るけれど保険料負担が増える=手取りが減るという状況になることがあります。
手取りが増える転職先を探すQ4. うっかり1か月だけ8万8,000円を超えたらどうなる?
1カ月であれば問題ないようです。ただし、継続して超える見込みがあると勤務先から社会保険加入の手続きが進む可能性があります。
社会保険の加入要件のひとつとして「2か月を超えて継続して働く見込みがあるか」という判断基準があることから、2カ月連続で8万8,000円を超えないように注意するとよさそうです。
Q5. 社会保険料はいくらかかる?
給与の約13〜15%が社会保険料として毎月天引きされます。厚生年金と健康保険料が合わせて引かれるため、加入後は家計に直結することを理解しておく必要があります。
Q6. 103万の壁はまだあるの?
2026年1月から、非課税枠は178万円に引き上げられました。
パート保育士さんは、月収約14万8000円(年収178万円)までは所得税がかからず、全額手取りとして受け取れるようになります。
出典:社会保険適用拡大対象となる事業所・従業員について/厚生労働省出典:「年収の壁」への対応/厚生労働省出典:いわゆる「年収の壁」対策/首相官邸出典:高市内閣総理大臣記者会見/首相官邸出典:合意書/自由民主党
106万の壁は2026年10月まで継続予定!制度を知って活用しよう
106万円の壁は、2026年10月ごろの撤廃が予定されていますが、撤廃後は「週20時間以上勤務」で年収要件なく社会保険に加入する仕組みになるため、改めて働き方にも注意が必要です。
保育士さんはパートであっても処遇改善手当などによる一時金で臨時収入が増える機会があります。扶養内で働くなら余裕を持った年収設定が必要になるかもしれませんね。
また、資格をもっているけど、ブランクがあるしパートで復帰するのも不安、という潜在保育士さんも、まずは働き方の相談からできる保育士バンク!の転職相談を利用してみてはいかがでしょうか。
もちろん扶養外でしっかり働く選択肢も現実的です。社会保険に入ると、将来の年金・保障も手厚くなります。
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