特別な配慮が必要な子どもとの関わり方。保育士が現場で実践する3つのポイントと保護者対応

クラスに「特別な配慮が必要な子ども」がいると、関わり方や保護者への伝え方に迷う日が続くこともあるのではないでしょうか。発達障がいの可能性がある子、家庭環境や性格が影響しているケースなど、その背景はさまざまです。本記事では保育士が現場ですぐ実践できる3つの関わり方と、保護者の不安に寄り添う声かけの工夫を、具体例とあわせて解説します。

この記事でわかること
  • 発達障がいや家庭環境など、配慮が必要な子に共通する5つの特性とその背景 ▼詳細
  • 現場ですぐ実践できる、子どもとの3つの関わり方 ▼詳細
  • 不安を抱える保護者への寄り添い方と、関係を悪化させない伝え方のコツ ▼詳細

目次

「特別な配慮が必要な子ども」とは?保育で配慮したい5つの特性

そもそも特別な配慮が必要な子どもとは、一体どのような子が該当するのでしょうか。一般的に保育園や幼稚園などに通う幼児期に支援が必要となる子どもの例は、以下のような特性がある子だと言われています。

  • 落ち着きがない子
  • 集中力がない子
  • 人との関わりが苦手な子
  • こだわりの強い子
  • 集団行動が苦手な子

これらはあくまで一例であり、ほかにもさまざまな特性があるようです。このような子がクラスにいる場合、保育士さんとしては子ども一人ひとりに適した対応と関わり方をする必要があります。

また、発達障害の疑いがあったり家庭環境や性格などが関係していたりすることもあるようです。それぞれの場合についても詳しくみていきましょう。

「気になる子」が複数いるクラスを一人で受け持つと、対応に正解が見えず疲れてしまうこともあるはずです。同じ悩みを抱える保育士さんは決して少なくありません。

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【発達障がいが疑われるケース】3歳ごろから現れる主なサイン

言動や行動に困難な様子が見られる場合、考えられることとしてはその子どもに発達障がいの疑いがあるということです。発達障がいは大きく分けると、以下の3種類に分類されます。

  • 学習障害(LD)
  • 注意欠如・多動症(ADHD)
  • 自閉スペクトラム症(ASD)

一般的に発達障がいの症状は3歳ごろから見られ始めるようです。そのため、複数の幼児期の子どもたちと関わる保育士さんは発達障がいの疑いを発見しやすい立場と言えるでしょう。

また、最新の文部科学省調査(令和4年)に発表した調査によると、全国の通常学級に在籍する小・中学生の8.8%が学習や行動に困難のある発達障がいの疑いがあることがわかりました。

1クラスに35人の生徒がいるとすると、そのうち3人は発達障がいの疑いがあるということになります。前回の調査の2012年が6.5%であったことを考えると、2%以上増加している状況です。

保護者や教職員が発達障がいという特性を認知するようになり、対象の子どもに気づきやすい状況になったことも数値増加の要因となっているようです。

よく耳にする「グレーゾーン」とは? 診断名はつかないものの発達に偏りや特性が見られる、いわゆる「グレーゾーン」の子どもも増えています
明確な診断がないからこそ、保育士さんが「気になる」と感じた事実を園内で共有し、継続的に観察することが大切です。

【家庭環境や個性が影響するケース】発達障がい以外の背景も

支援が必要な子どもは、発達障がいの疑いがある子どもだけとは限りません。たとえば、家庭環境やその子自身の性格、発達状況なども影響していることもあるからです。

そのため、保育士さんとしてはさまざまな要因を加味して、目の前にいる子ども一人ひとりに合った支援をすることが重要となります。

外部の専門機関と連携することも有効 園だけで抱え込まず、外部の専門機関と連携することもできます。
専門機関には、自治体の巡回相談児童発達支援センター保育所等訪問支援などがあります。
こども家庭庁が令和6年に改訂した「保育所等訪問支援ガイドライン」では、専門員が園を訪問して具体的な支援方法を助言する仕組みも整備されています。

こんな状況、
当てはまっていませんか?

クラスに気になる子が複数いて、一人で対応に追われている
「これでよかったのか」と関わり方に自信が持てない日が増えた
加配や園内研修など、サポート体制が整っていないと感じる
保護者へ気になる行動を伝えたいが、関係悪化が怖くて言えない
配慮の必要な子に時間を取られ、ほかの子にも申し訳ない気持ちがある

3つ以上当てはまる方は、
現場そのものを見直すタイミング
かもしれません。

チェックの数が多くても、保育士さんの努力不足ではありません。配慮の必要な子が複数いるクラスを一人で抱える環境そのものに無理があると感じたら、相談できる窓口があります。LINEで相談OK!保育士バンク!に無料相談する

子どもとの関わり方において実践できる3つのポイント

子どもと一緒にいる保育士milatas / stock.adobe.com

保育士さんが支援が必要な子どもと関わるときは、どのような点に配慮すればよいのでしょうか。ここでは、特別な配慮が必要な子どもとの関わり方を解説します。

子どもの「困っていること」を理解する

子どもがどのようなことで困っているのかを理解することが大切です。たとえば、先生の話していることがわからなかったり、みんなと一緒に行動できなかったりするなど、さまざまな原因があるでしょう。

子どもの気持ちを理解するためにも、保育士さん自身が子どもの話をしっかりと聞く姿勢を示すことが重要となります。

その子に合った支援環境を整える

困っている理由がわかったら、次はその子に合った支援をするようにしましょう。そのために、まずは情報収集を行い、分析することが大切です。

何が苦手で何を得意としているのかを把握できるので、その子に合った支援ができる環境を整えられるでしょう。とはいえ、いきなり完璧な状態を求めてはいけません。少しずつ進んでいけるようにサポートすることが大切です。

園の体制として「加配保育士」を配置できるケースもあります。加配は配慮が必要な子に対し通常の職員数に上乗せして保育士を配置する制度で、こども家庭庁の障害児保育加算などにより運営費が補助されます。

自治体や園によって運用が異なるため、まずは主任や園長に相談してみるのが第一歩です。

得意なことを伸ばし、自信を育てる

苦手なことがある場合、どうしてもそのことばかりに目が行きがちです。苦手なことを把握することも大事なことですが、大切なのは得意なことを伸ばしてあげること。

保育活動中に得意なことを見つけた場合は、子どもが自信をつけられるように支援をしましょう

たとえば、達成した出来事に対して褒めるなどです。褒めてもらえることで、自然と自信がつくようになり、自己肯定感を高められるようになるでしょう。

とはいえ、一人ひとりに合った支援を実践するには、園の体制や保育観も大きく関わってきます。

加配や少人数制など、配慮ある保育ができる園で働きたいという保育士さんも多いのではないでしょうか

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「不安に寄り添う」保護者との関わり方2つの視点

保護者と話す保育士milatas / stock.adobe.com

何かしらの支援が必要な子どもを育てる保護者の中には、悩みを抱えている方も少なくありません。ここでは、保護者との関わり方を紹介します。

保護者の不安を一人で抱えさせない声かけ

保育士さんが子どもの特性に気づいているということは、その子の保護者も気づいている場合が多いです。園内での子どもの様子を伝えつつ、家庭での様子も聞くようにしましょう。

保護者が抱える不安に寄り添えるような声かけをしていくことで、その保護者が一人で悩みを抱え込まずに済むでしょう。

保護者へ気になる行動を伝える際は、「最近〇〇という様子が見られて、私たちも一緒に考えていきたいと感じています」のように、診断名ではなく「事実+一緒に考える姿勢」を組み合わせる伝え方が有効です。

突然の指摘は保護者の不安を強くするため、日常の連絡帳や送り迎えの小さな会話の積み重ねが土台になります。

日々の小さな「よいところ」を言葉にして伝える

特別な配慮が必要な子どもの場合、周囲の子と同じような行動を取ることが難しい傾向にあります。

行事などでそういった状況を目の当たりにした保護者は、他の子と比べることがよくないとわかっていながらもショックを受けてしまうことがあるようです。

そのため、日々の保育中の些細なことでもかまいませんので、その子のよいところを伝えることを心がけるようにしましょう。

保護者との関わり方は、保育士さんが一番神経を使うところですよね。

職場の同僚にも話しづらい悩みは、外部のキャリアアドバイザーに気軽に投げてみるのも一つの方法です。

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    配慮が必要な子どもとの関わり方についてのよくある質問

    現場でつまずきやすいポイントから、転職を検討する際の不安まで、保育士さんから多く寄せられる質問をまとめました。

    Q.「特別な配慮が必要な子ども」とは、発達障がいのある子のことですか?

    A. 発達障がいのある子だけを指すわけではありません。

    家庭環境や個性、発達の進み具合などにより配慮が必要な子も含まれます。文部科学省の令和4年調査では、通常学級の小中学生の8.8%に学習面・行動面で著しい困難があるとされており、幼児期からそのサインが見られる場合もあります。

    Q. クラスで気になる子がいます。発達障がいかどうか保育士が判断してもよいですか?

    A. 保育士が診断することはできません。

    判断は医師の専門領域です。日々の様子を客観的に記録し、園内で共有しながら、必要に応じて自治体の巡回相談や児童発達支援センターにつなぐのが基本の流れです。保護者へは「診断名」ではなく「気になる行動の事実」をベースに伝えると関係を損ねにくくなります。

    Q. 「加配保育士」をつけてもらうにはどうすればよいですか?

    A. 自治体への申請または園独自の判断により配置されます。

    加配は配慮が必要な子に対し、通常の職員数に上乗せして保育士を配置する制度で、こども家庭庁の障害児保育加算などにより運営費が補助されます。詳細は主任・園長または自治体の保育課に確認しましょう。加配体制が整った園を探す際は、保育士バンク!の専任アドバイザーが園ごとの受入れ状況まで把握しています。

    Q.「うちの子は大丈夫です」と保護者に言われたとき、どう対応すればよいですか?

    A. まずは保護者の気持ちを否定せず、受け止める姿勢が大切です。

    診断名や障がいの可能性を直接伝えるのではなく、園での具体的な様子(できた瞬間・困っていた場面)を事実ベースで共有しましょう。家庭での様子も聞かせてもらい、伴走者として一緒に考える関係を築くと信頼につながります。

    Q. 特別な配慮が必要な子への対応で疲弊しています。転職を考えてもいい?

    A. 心や体に限界を感じているなら、働き方を見直す選択は正当な判断です。

    保育士バンク!では専任アドバイザーが園を訪問し、加配の有無・少人数体制・園の保育観まで把握しています。「一人で抱え込まずに済む園」「サポート体制が整った園」に絞ってご紹介できます。

    Q. 転職サービスに登録すると、今の職場にバレませんか?

    A. バレません。本人の許可なく勤務先に情報が共有されることはありません。

    保育士バンク!では「在職中」と伝えていただければ、連絡のタイミングや方法にも配慮します。日々忙しい保育士さんのペースに合わせて進めます。情報収集だけでも大丈夫まずは話を聞いてみる

    Q. まだ辞めるか決めていません。相談だけでもいいですか?

    A. はい、相談だけでも問題ありません。

    「迷っている」「ほかの園の条件だけ知りたい」という段階の登録も多くいらっしゃいます。保育士バンク!では情報収集目的の相談を歓迎しており、登録したからといって転職へ誘導することはありません
    「辞めるかどうかも含めて、まず話してみたい」という段階でも歓迎です。

    Q. 登録した後、しつこく連絡が来ないか心配です。

    A. 希望の連絡方法(電話・LINE・メールなど)や時間帯を伝えていただければ、それに合わせた対応をします。

    登録時に「まずは情報収集だけ」と伝えていただければ、保育士バンク!では、必要以上の連絡は控えます。自分のペースでじっくり転職について考えられますよ!LINEで相談OK!保育士バンク!に無料相談する

    出典:通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について/文部科学省

    読んでおきたいおすすめ記事

    必要な配慮に合った関わりが、子どもの未来を変える

    子ども一人ひとりに寄り添う仕事である保育士さんは、特別な配慮が必要な子どもに対しても、適切に関わることができるでしょう。

    一人ひとりの子どもの成長を促すためには、保護者との連携も欠かせません。子どもと保護者、それぞれの関わり方を理解し、適切な支援を行っていきましょう。

    適切な配慮を日々の保育で行えるかどうかは、園の体制や保育観によっても大きく変わります

    加配の配置や少人数クラス、職員同士の連携が整った園で働けば、配慮の必要な子にも、ほかの子にも、もっと丁寧に向き合えるはずです。
    保育士バンク!では、専任アドバイザーが実際に園を訪問し、配慮の必要な子への受け入れ体制や雰囲気まで把握しています。

    今の園での関わり方に限界を感じている」「子ども一人ひとりと向き合える園を知りたい」といった段階のご相談も歓迎しています。

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