保育園で行なわれる秋のイベントの一つに芋掘り遠足がありますよね。土に直接触れて収穫を体験できる芋掘りは、子どもにとって特別な行事かもしれません。今回は、芋掘り遠足を行なう時期やねらい、指導案を書くときのポイントなどについて紹介します。また、遠足前の導入方法もあわせてまとめたので参考にしてみてくださいね。
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■目次
保育園で行なう芋掘り遠足の時期やねらい
保育園では、秋になると幼児クラスの子どもたちを中心に、芋掘り遠足に出かけることもあるでしょう。
普段の園生活では経験できない収穫体験ができるとあって、子どもたちが好きな行事の一つかもしれません。
ここでは、保育園で芋掘り遠足を行なう時期やねらいについて紹介します。
保育園での芋掘り遠足の時期
収穫する芋によって収穫時期が異なるため一概には言えませんが、だいたい7月から10月下旬頃が芋掘り遠足に適した時期のようです。
多くの保育園では、芋掘り遠足の際にさつまいもを収穫しているでしょう。さつまいもは10月が旬なので、10月の中旬から下旬にかけて芋掘り遠足を予定している保育園も多いかもしれません。
しかし、地域や園によってはじゃがいもや里芋を扱うこともあるようなので、それぞれの旬の時期に芋掘り遠足に出かけるのがよさそうですね。
保育園で行なう芋掘り遠足のねらい
保育園で行う芋掘り遠足は、子どもたちが芋を掘りながら秋を感じ、身体で自然を体感することができます。具体的にはどのようなねらいがあるのでしょうか。
さつまいもやじゃがいもについて知る
芋掘りを経験することで、さつまいもやじゃがいもがどんな姿で土に埋まっているのかを知るというねらいがあるようです。
さつまいもにはひげが生えていたり、いくつもつながって採れたりすることは、芋掘りをして初めて知ることができるでしょう。
普段目にしているさつまいもやじゃがいもが、実はこんな見た目をしているなどという気づきを得られる機会になりそうです。
土や虫に触れて自然を感じる
芋掘り遠足には、土や虫に触れることによって、自然を感じるというねらいがあるようです。
芋掘りでは、普段はあまり見られないさつまいもの葉やつる、土の中にいる虫などを観察できますよね。実際に目で見て触れることで、どんな色や形をしているのか、また匂いなども知ることができるでしょう。
子どもたちが、視覚や触覚のほか嗅覚などを使って、全身で自然を感じられる機会となるといいですね。
農家の方や作物に感謝する
芋掘り遠足には、畑で芋を育ててくれた農家の方や、無事収穫できた作物に対して感謝の気持ちをもつというねらいがあるようです。
先生は芋掘り遠足の前に、子どもたちと畑の農家さんのお話を聞いたり、子どもたちからお礼を伝える機会を作ったりしましょう。そのなかで、農家の方がさつまいもやじゃがいもを育てることの難しさを教えてくれるかもしれません。
先生は、「農家さんが芋を作ってくれるから、先生もみんなも芋を食べることができるんだよ。ありがとうの気持ちを持とうね」と子どもたちが感謝の気持ちを持てるように声かけしてみましょう。
保育園で行なう芋掘り遠足の指導案作成のポイント
ここでは、芋掘り遠足の指導案を作るときのポイントをまとめました。
芋掘り遠足のねらいをしっかりと理解して、指導案を立てるようにしましょう。
3歳児
3歳児の芋掘り遠足のねらいは、自然に親しむことです。
3歳児は芋を上手に掘り出せないこともあるかもしれないので、そのときは先生がいっしょに手伝いながら芋掘りをしましょう。
ただし、子どもたちが芋掘りの達成感を得られるように、途中まで手伝うなど子どもの状況を見て援助することが大切になります。
4歳児
4歳児の芋掘り遠足のねらいは、芋をよく観察し特徴を知ることです。
4歳児は、友だちと収穫した芋の大きさを比べたり、会話を楽しみながらいっしょに協力したりする姿が見られるかもしれませんね。
芋を掘るときは、つるをひっぱったり土を掘り起こしたりといった力が必要な部分を先生が手伝うようにしましょう。
できるだけ子どもたちが自力で収穫できるように、あらかじめ芋掘りのコツを伝えておくとよさそうですね。
5歳児
5歳児の芋掘り遠足のねらいは、芋の特徴を知り、長さや大きさ、重さを計ってみることです。また、農家さんや食べ物に感謝する気持ちを養うこともねらいと言えるでしょう。
5歳児の場合は、子どもの力だけで収穫できるといいですね。もし上手くできない友だちがいたら、友だち同士で協力して手伝うことも伝えてみるといいかもしれません。
子どもたちが芋を食材として捉え、どんな風に食べられるのか考えられるように声かけすれば、食育にもつながりそうですね。
保育園の芋掘り遠足に向けて準備すること
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保育園で芋掘り遠足をする前にしておきたい準備について紹介します。
農家へ依頼する
地域の農家さんに畑を借りる場合は、事前に農家さんと連絡をとり、畑の状況などを教えてもらうようにしましょう。
連絡をとるタイミングは、芋掘り遠足の実施時期が決まる年度始まりの4月頃がいいかもしれません。
また、芋掘り遠足を行なう日程を伝えておき、芋掘りをする前にさつまいものツルを切っておくことをお願いするのも大切になります。
ツルを切っておくことで、子どもたちが掘り起こす作業をしやすくなるので、忘れずにお願いしておきましょう。
必要なものを用意する
保育園の芋掘り遠足に持っていくものを事前に用意しておきましょう。
芋掘り遠足前に揃える必要があるものは、主に以下が挙げられます。
- シャベルやスコップ
- 軍手
- ビニール袋
ビニール袋は持ち手がついているものを準備すると、さつまいもやじゃがいもを持って帰りやすくなります。また、枚数を多めに揃えておけば、万が一破れてしまっても安心ですね。
保育園でできる芋掘り遠足に向けた導入
ここでは、芋掘り遠足に向けて子どもたちの気持ちを高められるような導入のアイデアを紹介します。
芋掘りごっこ
子どもたちに芋掘りがどのようなものかイメージしてもらえるように、芋掘りごっこをしてみましょう。
新聞紙を芋の形にして紫色の画用紙で包み、セロハンテープで巻きます。
緑色のPEテープをつるに見立てて、新聞紙で作った芋をいくつか取り付け、芋がつながっている姿を再現します。
茶色いカラーポリにいくつか穴をあけて新聞紙のさつまいもの上から被せます。
穴からツルを出して、畑に埋まっているさつまいもを表現すれば、芋掘りごっこの準備ができあがりです。
室内だけでなく、園庭の砂場の中に新聞紙のさつまいもを埋め、芋掘りごっことして遊んでみるのも面白そうですね。
焼き芋じゃんけん
手遊び歌を芋掘り遠足に向けた導入として取り入れてみましょう。
芋掘り遠足に行く前に焼き芋じゃんけんの手遊びをすれば、子どもたちの芋掘り遠足に対するワクワク感を高めることができそうですね。
また、手遊び歌を芋掘り遠足のバスレクのなかに取り入れることで、楽しくにぎやかなイベントになるでしょう。
絵本の読み聞かせ
さつまいもやじゃがいもが登場する絵本の読み聞かせをしてみましょう。
絵本を読み聞かせることで、子どもたちは芋がどんなものか知ることができ、芋掘りに興味を持ってくれるかもしれません。
芋が土のなかでご飯を食べたり、歯磨きをしたり、トイレをしたりするといった、人間と同じような生活を送っているユニークなストーリーの絵本もありますよ。
子どもたちが絵本に登場する芋に興味を持ったり共感したりすることで、芋掘りに親しみをもつことにつながるかもしれませんね。
保育園で行う秋の芋掘り遠足を子どもたちと楽しもう
今回は、保育園の芋掘り遠足について、実施する時期やねらい、子どもたちへの導入アイデアなどを紹介しました。
芋掘り遠足には、子どもたちが土や虫に触れることで自然を感じたり、さつまいもやじゃがいもについて知ったりするといったねらいがあるようです。先生は、子どもたちが自ら芋を掘り起こせるように、コツを伝えたり環境を整えたりして援助しましょう。
導入として手遊びやごっこ遊びを取り入れて子どもたちのワクワク感を高め、芋掘り遠足が子どもたちにとって素敵な思い出になるといいですね。