保育園や幼稚園では、お誕生日会などのイベントや行事の出し物にマジックや手品を行うことがあるのではないでしょうか。花が飛び出たり、水の色が変わったり、新聞紙を作ったものなどマジックといってもさまざまありますよね。今回は、保育で盛り上がるマジックのアイデアやねらい、お披露目時のポイントを紹介します。
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■目次
保育園や幼稚園で行うマジックとは?
マジックとは、さまざまな方法で観客の目をくらませ、不思議な現象のように見せる芸のことをいい、一般的に手品と呼ばれることもあるでしょう。
保育園や幼稚園で行うマジックは、簡単な仕掛けで子どもたちをびっくりさせることができ、場を盛り上げることができる出し物の一つのため、興味を持って見てくれる子どもも多いかもしれません。
マジックで使う道具は、普段の工作に使う画用紙や新聞紙、ペットボトルなど、身近な材料で簡単に行うことができます。また、手作りで準備することができるため、手軽に取り入れられるのもマジックの魅力の一つでしょう。
そこで今回は、保育園や幼稚園で盛り上がるマジックのアイデアについて紹介します。 また、マジックが子どもたちにもたらす影響やマジックを行うねらい、子どもたちにお披露目するときのポイントについてもくわしく解説します。
保育園や幼稚園で行うマジックによる子どもたちへの影響やねらい
保育園や幼稚園のイベントや行事でマジックを行うと、普段あまり目にすることがない不思議な現象に、子どもたちは盛り上がってくれるかもしれません。
ここでは、マジックが子どもたちにどんな影響をもたらすのか、また保育園や幼稚園でマジックを行うねらいについて解説します。
不思議な現象に興奮・楽しさを覚える
マジックは、見ている子どもたち側からすると、現実的にありえないことが目の前で起こる不思議さを体感することができます。その体験によって、子どもたちは驚く、感動するなどのさまざまな感情を味わってもらい、マジックの楽しさを覚えてもらうというねらいがあるようです。
また、マジックや手品を見終わった後に、みんなで感想を話し合うことで、子ども同士や保育士とのコミュニケーションにもつながって、さらに距離が縮まりそうですね。
「不思議!なんで?」を自分なりに考える
瞬間移動や貫通するマジックなど、自分の考えではつじつまが合わない現象を目の当たりにすると、子どもたちはその不思議さについて考えることでしょう。
マジックを行うことで、子どもたちは自分なりに現象を推測しながら、物事が起こった理由を深く考えるきっかけを作るというねらいがあります。さらに、子どもがいろいろなことに興味を持つ好奇心や、興味を持ったものを深く追及する探求心を刺激することにつながるかもしれませんね。
手先を上手に動かす練習になる
マジックはタネを隠すなど、見る人の目をくらましながら行うため、特に手先の動きが重要になります。子どもたちが自分でマジックを行う場合は、物を移動させたり、手の中に隠したり、何も持っていないことを見せるなどの細かな動作を行うと、手先を動かすよい練習になるかもしれませんね。
自分で繰り返し練習してみることに興味を持ち、やがて達成感につながる
マジックや手品を見ることで「なんで?すごい!」と、子どもたちはマジックに強い興味を抱くことでしょう。しかし「自分もやってみたい!」と思っても、最初から上手にできる子はほとんどいないかもしれません。
マジックを何度も練習することで、子どもたちは物事をあきらめずに取り組むことや、少しずつ上達していく楽しさを感じることができるでしょう。自分でマジックに挑戦すると、人を驚かせられたときの喜びや自信をつける成功体験となり、達成感を感じることにつながりそうです。
このように、マジックや手品は子どもへさまざまな影響をもたらします。ねらいなどをきちんと理解してから行うこと、よりマジックを楽しむことができるかもしれませんね。
保育園や幼稚園でマジックをお披露目するときのポイント
保育園や幼稚園でマジックや手品を行うときは、どのようなポイントを抑えるといいのでしょうか。
子どもたちにマジックや手品をより楽しんで見てもらえるコツやポイントを紹介します。
マジシャン風の衣装で登場して雰囲気を作る
保育士が子どもたちの前でマジックを行うときは、普段の服装からマジシャン風の衣装に着替えるなど雰囲気作りをするといいでしょう。
ジャケットを羽織るなどいつもと違う服装で登場すると、子どもたちは何かが起こるのではないかという雰囲気を感じ、期待感を高めることができそうです。
衣装を用意するのが難しい場合は、帽子やサングラス、手袋などの小道具を用意するだけでも雰囲気を出すことができるので、参考にしてみてくださいね。
簡単なマジックから始めて肩慣らしをする
最初はタネがすぐにわかるような簡単なマジックから始めて、子どもたちの興味を惹きつけるのもよいでしょう。
たとえば、タテ模様のハンカチがヨコ模様に変身する定番のマジックを導入として披露してみましょう。やり方は、しましま模様のハンカチを用意し、ハンカチの模様をタテになるように出して子どもたちに見せます。そして、ハンカチを手の中に詰めてからおまじないをかけ、再び手から出したときに模様をヨコにして子どもたちに見せましょう。
このような簡単のマジックでも、子どもたちの興味を惹きつけるきっかけになり、子どもたちの中にはすぐにそのタネに気づく場合もあるかもしれません。しかし、簡単なマジックを最初に行うのには、簡単なマジックで笑いを誘うことや子どもたちにタネを考えてもらう、というねらいがあるようです。
加えて、はじめに簡単なマジックを取り入れておくと、次に難しいマジックを取り入れたときの驚きや期待感を膨らますことができるので試してみるといいかもしれませんね。
子どもたちにマジックを体感させる
裏で仕掛けを隠さないマジックなどは、子どもたちを前に呼んで実際に体験してもらうというのもマジックをより楽しくするポイントの一つです。
子どもたちもお客さん側で見るだけではなく、見せる側に立ってみることで、マジックを披露する楽しさを味わうことができ、自分もマジックに挑戦してみたいと好奇心を刺激されるでしょう。
保育士は、マジックにチャレンジする子どもにタネが見えないようにしながら、しっかりフォローすると上手に披露できるかもしれませんね。
クイズ形式で当てるタネ明かしにチャレンジ
最初の導入とは異なりますが、子どもたちにマジックのタネを当ててもらうクイズをしてみましょう。保育士がマジックを披露した後に、「なぜこうなったのかタネをみんなで当ててみよう!」とクイズを出します。
タネ明かしに挑戦することで、子どもたちは一生懸命考えるだけでなく、正解が分かればそのマジックを習得して、帰ってから保護者に披露したり、子どもがよりマジックに興味を持ったりと、挑戦するきっかけにもなるかもしれません。
このように、マジックや手品はポイントを抑えて行うことで、ただ見て楽しむだけでなく、好奇心や探求心を刺激することにもつながるといえるでしょう。
保育園や幼稚園で盛り上がるマジックのアイデア
保育園や幼稚園で盛り上がるマジックや手品のアイデアを紹介します。
簡単なものから少し練習が必要ものまでさまざまあるので、きちんとマジックのやり方を確認して、イベントや行事などの際に子どもたちの前で披露してみてくださいね。
引っ張るだけで飛び出る新聞紙
引っ張るだけで飛び出る新聞紙ツリーのマジックを紹介します。
このアイデアは、本格的なマジックをする前の導入として取り入れてみると、子どもたちの興味を惹きつけられるかもしれません。
おまじないをかけてから真ん中の新聞紙を引っ張ると、まるで花が飛び出るマジックのように新聞紙が飛び出ます。新聞紙とハサミがあれば作ることかできるので、簡単に準備ができ、取り入れやすいマジックといえるでしょう。
消えるコインマジック
消えるコインマジックのやり方を紹介します。
ハンカチの上に乗せたコインが一瞬で消える、という不思議なマジックです。ハンカチの角に両面テープを貼り、コインを貼りつけて持ち上げることで、消えたように見せることができます。コインが付いていない面をさりげなく見せるところがこのマジックのポイントですよ。
関連記事:【動画】消えるコインマジック 不思議!コインが消えちゃった!?/保育士バンク
通り抜ける5円玉
通り抜ける5円玉のマジックのやり方を見ていきましょう。
これは5円玉の穴を鉛筆が通り抜けてしまう、という貫通マジックです。
仕掛けはとても簡単で、画用紙でペットボトルの飲み口の大きさに合わせた筒で作り、それをかぶせた状態で鉛筆を落とすことにより筒の中で5円玉がうまく回転するため、貫通したように見えるというわけです。普通に考えると鉛筆が入らないという状況に、子どもたちもびっくりするかもしれませんね。
関連記事:【動画】通り抜ける5円玉 ぜったいに不可能??/保育士バンク
割り箸マジック
割り箸を使ったマジックのやり方を紹介します。
手に持った割り箸が、もう片方の手で引っぱることでどんどん引き出されていくマジックです。割り箸には輪ゴムが仕掛けられているため、それに指を引っ掛けながら割り箸を持ち、握る力を緩めることで飛びだす仕組みになっています。
保育士が指輪やブレスレットをつけて、「この指輪には不思議な力が宿っているので、直接ふれてなくても割り箸を動かすことができる」と先に子どもに説明してからマジックを行うと、より楽しんでもらえそうですね。
関連記事:【動画】割り箸マジック 飛び出す不思議!!/保育士バンク
キャンディマジック
キャンディを使ったマジックのやり方を紹介しましょう。
絵だったはずのキャンディが本物になるという、ちょっとうれしいマジックです。
画用紙の表に絵が、裏に本物のキャンディが貼りつけてあるため、閉じ方と開き方を工夫するだけで簡単にチャレンジすることができます。本物のキャンディそっくりに絵を描くことが、子どもたちを信じ込ませるコツといえるでしょう。
また、アレンジの1つとして、画用紙にキャンディではなく花の絵をかいて、本物の花が出てくるというマジックにチャレンジしてみても楽しいかもしれませんね。
関連記事:【動画】キャンディマジック 画用紙を開くと…!!?/保育士バンク
水の色が変わる不思議なお水の手品
ペットボトルに入った水が色水に変わる不思議なマジックを紹介します。
身近にある素材だけで簡単にチャレンジできる手品ですが、無色透明の水が色水の変わること子どももびっくりするかもしれません。
この手品は、ペットボトルのフタの裏に絵の具を塗り、水を振ることによって絵の具が溶け出すことで、透明の水が色水に変わるという仕掛けになっています。動画のようにペットボトルを数本用意して、それぞれ違う色に変わるとより盛り上がりそうです。
クリスマスマジック
季節にちなんだマジックのアイデアとして、クリスマスにぴったりなマジックを紹介します。
封筒の中に入れた星が増えたりつながったりする、不思議なマジックです。
このマジックは封筒のポケットの中につながった星を入れておき、そのポケットが見えないようにすることで、取り出した星が増えたり、つながったりするように見せることができます。星の代わりにサンタさんやツリーの形にパーツをアレンジすると、よりクリスマスの雰囲気が出そうですね。
クリスマス以外にも、春の行事であれば星のパーツ部分を桜にしてみたり、ハロウィンのイベントではかぼちゃのパーツにしたりと、アレンジ次第で他のイベントや行事にも活用できるので、季節やイベントに応じて活用してみてくださいね。
関連記事:【動画】クリスマスマジック どんどん新しい星が出てくる!?/保育士バンク
バースデーケーキマジック
誕生日のイベントに、バースデーケーキマジックを披露してみましょう。
大きさの異なる3つの画用紙で作ったケーキにおまじないをかけると、ケーキが絵に変わるというマジックです。
使用するそれぞれの画用紙にポケットを作り、上から抑えてポケットの中に画用紙を収納してから、ポケットの反対側の面を開きます。すると、あらかじめ書いてあったケーキの絵が見えるため、子どもたちには画用紙がケーキになったように見えることでしょう。
ケーキがテーマのマジックなので、お誕生日会にぴったりですね。
関連記事:【動画】バースデーケーキマジック 誕生日会で使える♪/保育士バンク
マジックや手品は身近な素材で簡単に手作りできますが、準備が整ったあとは練習が必要なマジックもあるでしょう。保育園や幼稚園で行う場合は、事前にどのようなマジックや手品を行うのかを決め、段取りや足りない道具がないように確認しておくことが大切です。
盛り上がるマジックを取り入れて、保育園や幼稚園の行事やイベントを楽しもう
今回は、保育園や幼稚園で行うマジックや手品について紹介しました。
新聞紙を使ったマジックやペットボトルの水が色水に変わる手品など、身近な素材を活用して簡単にできるので、出し物としても保育に取り入れやすいでしょう。
マジックは子どもたちに楽しんで見てもらうだけでなく、不思議な現象に興味を持ってもらい、好奇心や探求心を刺激するというねらいがあります。マジシャン風の衣装に着替えたり、子どもたちにマジックを体感してもらったりすると、マジックの雰囲気を作ることができてより盛り上がりそうですね。
保育園や幼稚園で盛り上がるマジックや手品を取り入れて、行事やイベントを楽しんでみてはいかがでしょうか。