放課後等デイサービスの仕事に興味があるけれど、無資格でも働ける?と疑問に思う方は多いようです。実は、放課後等デイサービスは一部の業務は無資格でも働け、育児経験を活かすことができる仕事です。今回は、無資格でも働ける仕事内容や、歓迎される資格、働きながら資格取得がかなう任用資格についてわかりやすく解説します。
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放課後等デイサービスで必要な資格と仕事内容
放課後等デイサービスは、資格がないと働けないと思われがちですが、実際には一部の業務で無資格でも働くことが可能です。
働くうえでの資格についての考え方と、無資格でできる仕事内容についてみていきましょう。
資格について
放課後等デイサービスでは、原則として「児童指導員」や「保育士」など、一定の専門資格を持つスタッフの配置が義務づけられています。
しかし、配置人数は入所児童数によって異なり、すべてのスタッフが有資格者である必要はありません。
実際、多くの放課後等デイサービスでは、子育て経験や福祉など対人での支援スキルを持つ無資格者を積極的に採用している事例もあります。
ただし、施設の運営基準上、児童指導員や保育士といった有資格者の配置が一定数求められていることからも、無資格者が現場で主な役割を担うことは難しいかもしれません。
無資格でできる仕事内容
無資格者でもできる仕事内容としては、送迎時の運転補助、施設内での子どもの見守り、遊びや活動のサポートなど、補助的な役割がメインとなるでしょう。
無資格の場合は、あくまでサポートスタッフとしての勤務になりますが、現場で実務経験を積むことで、働きながらよりキャリアアップにつながる資格取得を目指す道も十分にあるといえるでしょう。
放課後等デイサービスで歓迎される資格
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放課後等デイサービスでは職員が雇用され勤務するにあたって、一定の「配置基準」が設けられています。
これは、児童の人数や支援内容に応じて、配置すべき職員の人数や職種・保有資格などが定められているもので、施設はこの基準を守って運営する必要があります。
そのため、特定の資格を持っていれば、より多くの業務に深く携わることができるのはもちろん、採用時にも有利になるという見方もできそうです。
ここではこの配置基準をみていきながら、放課後等デイサービスへの就職・転職を目指す際に、特に歓迎されやすい代表的な資格を紹介します。
保育士
配置基準
- 障がい児が10人までは保育士または児童指導員を2人以上配置
- 10人を超える場合は、5人ごとに1人の追加が必要
- うち1人は常勤である必要がある
保育士は入所児童の障がいの種類に関わらず、必ず配置しなければならない職種のため、保育士資格を保有している方には高いニーズがあるでしょう。
特に、発達に特性のある子どもとの関わりや、個別支援計画の作成補助など、保育経験を活かせる場面は多くあります。勤務経験があれば、児童指導員任用資格としても認められる場合があり、キャリアアップにつながる点も大きなメリットといえます。
障がいをある子ども一人ひとりの特性に合わせた支援を行うため、スキルや経験としても、保育士ならではの観察力や発達の知識、また柔軟な対応力などが求められます。
まずはカンタン登録 (30秒)看護師(正・準)・助産師・保健師
配置基準
- 医療的ケアが必要な児童、重症心身障がい児を受け入れる場合は看護職員を1名以上配置
看護師、准看護師、助産師、保健師の資格を有する方は、主に医療的ケアが必要な子どもを受け入れる放課後等デイサービスで「看護職員」として配置が求められています。
たとえば、てんかんや呼吸器管理が必要な子どもに対する対応、体調変化への素早い判断などが求められます。看護師が常勤している施設では、医療的ケア児の受け入れが可能となり、サービスの幅も広がるため重宝されるでしょう。
重症心身障がい児を受け入れる事業所であれば、より専門的な看護のスキルが求められるため、高いニーズがあることも分かります。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
配置基準
- 機能訓練を行う場合は、理学療法士などの「機能訓練担当職員」を1名以上配置
- 該当業務に従事する場合は、配置基準としての保育士等の数に含めることも可能
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は、リハビリ専門職である「機能訓練担当職員」として、いずれも発達支援において大きな役割を担います。
主に放課後等デイサービスでは、理学療法士は身体機能の支援、作業療法士は生活動作の訓練、言語聴覚士は言語や食べ物や飲み物の飲み込みの支援を行うことが多いかもしれません。
これらの専門職は、特に医療的ケア児対応のデイサービスでニーズが高く、個別支援計画の立案にも深く関わります。
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放課後等デイサービスで働きながら資格取得するための任用資格
放課後等デイサービスで働くにあたって「いまは無資格だけど、将来は資格を取りたい」という方もいるでしょう。
放課後等デイサービスでは、現場経験を積みながら資格取得を目指す人も少なくありません。このなかで代表的なのが、任用資格に該当したうえで実務経験があれば資格取得できる「児童指導員」と「児童発達支援管理責任者」です。
以下でこのふたつのポジションとその任用資格についてみていきましょう。
児童指導員
配置基準
- 障がい児が10人までは保育士または児童指導員を2人以上配置
- 10人を超える場合は、5人ごとに1人の追加が必要
- そのうち1人は常勤である必要がある
放課後等デイサービスで、保育士とならんで配置基準がしっかり定められているのが児童指導員です。
施設によって機能訓練職員を含める場合でも、半数以上は児童指導員または保育士の配置が必要なため、ニーズは非常に高いといえるでしょう。
児童指導員は、以下の任用資格を満たしたうえで、勤務先の事業所から児童指導員として採用されることで、その職に就くことができます。
任用資格・要件
以下の要件を満たしたうえで、勤務先の事業所から選任されることで、その職に就くことができます。
- 4年制大学または通信制大学で、社会福祉学・心理学・教育学・社会学のいずれかを専攻する学部・学科を卒業している
- 社会福祉士または精神保健福祉士の国家資格を取得している
- 高等学校または中等教育学校を卒業し、2年以上児童福祉事業に従事している
- 3年以上児童福祉事業に従事し、厚生労働大臣または都道府県知事から適当と認定された者
- 幼稚園、小・中・高等学校の教員免許を所有し、厚生労働大臣または都道府県知事の認定を受けた者
児童指導員になるための流れ
- 上記いずれかの任用資格を満たす
- 公務員として働く場合:自治体の採用試験に合格
- 民間施設で働く場合:社会福祉法人などの採用試験に合格
- 採用後、児童指導員として配置される
ポイント
児童指導員は、現場で支援を行い放課後等デイサービスの中核を担うポジションです。採用にあたっては、任用資格を満たしていれば実務未経験でもチャレンジできる場合があります。
また、現場での経験を積み重ねると、将来的には「児童発達支援管理責任者」などへのキャリアアップも可能です。子どもの発達支援に関わる仕事に長く携わりたい方にとって、有望なステップとなる職種といえるでしょう。
児童発達支援管理責任者
配置基準
- 一事業所に対して1人以上の配置義務
- うち1人は専任かつ常勤であることが必須5人ごとに1人の追加が必要
放課後等デイサービスの中核を担う職種であり、支援計画の作成、保護者対応、スタッフ指導などを行います。省略して「児発管」と呼ばれることもあります。
実務経験を積んだ後にキャリアアップを目指すポジションで、正社員登用や管理職への道も開けるでしょう。
資格・要件
以下の要件を満たしたうえで、勤務先の事業所から選任されることで、その職に就くことができます。
【実務経験要件】
- 相談支援業務または直接支援業務において、3年~8年程度の実務経験が必要。具体的な年数は、保有資格や業務内容によって異なる
- 保育士や社会福祉士などの有資格者は、より短い年数で要件を満たすケースがある。
【研修修了要件】
- 児童発達支援管理責任者基礎研修 26時間
- OJT(現場実務) 原則2年以上
- 実践研修 14.5時間
上記を修了することで、児発管として配置が可能になります。
なお、児発管として継続的に勤務するには、5年ごとに更新研修を受講する必要があり、更新時にも2年以上の実務経験が必要とされています。
児童発達支援管理責任者になるための流れ
- 必要な実務経験を積む
- 基礎研修を受講・修了する所定の期間、OJTを通じて実地経験を積む
- 実践研修を受講・修了する
- 児童発達支援管理責任者として配置される
ポイント
児童発達支援管理責任者は、子どもの個別支援計画の作成・モニタリング・調整役を担う非常に重要な職種です。
単なる資格取得ではなく「資格+実務経験+研修修了」が必要とされ、現場経験が重視される点が特徴です。自治体や施設ごとの採用条件を事前に確認しておくことも大切でしょう。
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放課後等デイサービスは資格がなくても働ける
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放課後等デイサービスは、無資格からでも始められる仕事があり、子育て経験や人との関わりが活かせる仕事や、ワークライフバランスのとれた働き方が叶う職場と言えるでしょう。
任用資格を利用して、働きながらキャリアアップを目指す道も整備されており、福祉の仕事に初めて関わる方にもチャンスがあるようです。
保育士や幼稚園教諭の資格を活かしながら働ける放課後等デイサービスを、就職や転職の選択肢に加えてみるのもよいかもしれませんね。
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