ブラック保育園とは、残業代の不払い・休憩なし・ハラスメントの常態化など、労働法に違反する過酷な労働環境を持つ保育施設のことです。「休憩が取れないのは保育士あるある」「持ち帰り仕事は当然」と感じているなら、それは労働法違反である可能性が高いです。本記事では、ブラック保育園の特徴6選・チェックリスト・よくある誤解・居続けるリスク・環境を変えるための選択肢を解説します。
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労働法違反が常態化しているのが「ブラック保育園」
「ブラック保育園」とは、長時間労働・サービス残業・ハラスメントなど、労働法に違反する、または保育士が心身ともに消耗するほどの過酷な労働環境を持つ保育施設のことを指します。
「ブラック企業」「ブラックバイト」と同じ文脈で使われる言葉で、法律上の正式な定義はありませんが、一般的に次のような状態を指します。
- 残業代が支払われない(労働基準法第37条違反)
- 休憩時間が与えられない(同法第34条違反)
- 有給休暇を取得させない(同法第39条違反)
- 園長・主任によるハラスメントが常態化している
- 慢性的な人員不足で職員一人ひとりへの負担が過大
こども家庭庁による2020年の調査によると、保育士の離職理由のトップは「職場の人間関係」で、次いで「給与の低さ」「仕事量の多さ」が続きます。
また、2023年のこども家庭庁の調査では、保育士として資格を持ちながら保育職に就いていない「潜在保育士」が全国に約115万人いると推計されています。
これは、保育士として働いていたものの、実際の職場が肌に合わないと感じる、ライフステージの変化による働き方の希望に合わなくなったなどの理由で、現場を離れる保育士が多いことが分かります。
このような問題の背景には、長年、保育業界に根付いている「好きな仕事をしているんだから無理は当然」「子どものための自己犠牲は美徳」という古い考え方があります。
それらが、違法状態を「普通」に見せてきている原因のひとつといえそうです。
保育士さんが、自分の職場環境へ違和感を感じるとしたら、それは保育士さん自身ではなく、保育業界の問題かもしれません。
ブラック保育園の特徴6選
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保育士のリアルな声と労働法の観点から選んだブラック保育園の特徴をピックアップしました。
まずは、今の園に当てはまる項目があるか確認してみましょう。
| 特徴1 | 特徴2 | ||
| 特徴3 | 特徴4 | ||
| 特徴5 | 特徴6 |
特徴1:休憩が取れない・持ち帰り仕事が常態化
「昼ごはんを5分で食べる」「休憩時間に休憩がとれない」「残業はないが持ち帰り仕事がある」このようなエピソードは、保育士あるあるにされがちですが、明確な法律違反です。
労働基準法第34条は、次のように定めています。
- 労働時間が6時間を超える場合:少なくとも45分の休憩
- 労働時間が8時間を超える場合:少なくとも1時間の休憩
「担任だから」「子どもから目が離せないから」は、法的には休憩を与えない理由になりません。
休憩が取れない状態は、保育園側(雇用主)の義務違反であり、ブラック保育園の代表例でもあります。
今の園に不安を感じたらまずは無料相談から特徴2:有給休暇が取れない・「休みにくい空気」がある
有給休暇を「年度末まで使わないこと」「使いたい場合は休む理由を具体的に園長に申告して許可を得ること」といった運用は、有給休暇制度の趣旨と一致しません。
2019年の法改正により、年10日以上の有給休暇が付与される労働者には、雇用者は、従業員の有給休暇を年5日以上取得させる義務があります。
これは正規の職員もパートも同じです。取得を実質的に抑制する環境がある場合は、制度運用に課題があります。
特徴3:パワハラや安心して意見を言えない雰囲気がある
怒鳴る、人格を否定する発言をする、無視する、人前で高圧的な態度で叱責するなどは、業務上必要かつ相当な範囲を超えれば「パワーハラスメント(パワハラ)」に該当します。
改正労働施策総合推進法では、事業者にパワハラの防止措置を義務付けています。
指導とハラスメントは別物です。職員が委縮して上司に意見を表明できない職場環境は、パワハラが常態化している可能性も高いでしょう。
転職について聞きたい保育士さん保育士バンクに相談特徴4:慢性的な人手不足で、常に配置基準がギリギリ
国は、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」によって、子どもの人数に対して必要な保育士数の最低基準を定めています。
保育士の配置基準
0歳児:子ども3人に対して保育士1人
1歳児:子ども6人に対して保育士1人
2歳児:子ども6人に対して保育士1人
3歳児:子ども15人に対して保育士1人
4・5歳児:子ども25人に対して保育士1人
上記の人数はあくまで「最低ライン」です。
常にこの人数ぴったりで運営している園は、誰かが休んだだけで現場が回らなくなる可能性があります。
退職や産休後の補充が遅い、新年度前に慌てて募集をしている場合は、人員体制が安定していないサインかもしれません。
特徴5:残業代未払い・給与が上がらない
法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて働いた場合は、割増賃金の支払いが必要です。
これは「労働基準法」の第37条で定められています。
園外で行った業務であっても、使用者の指示や黙認があれば労働時間に該当します。
残業申請ができない、残業代という概念がない職場には、労務管理上の問題があります。
また、保育士の賃金改善を目的として、国は「処遇改善等加算」という制度を設けています。
これは各園に支給され、職員の賃金改善に充てることが前提となっていますが、職員への配分は園が決めてよいため、処遇改善手当について説明がない場合は、不当な給与支払い体形になっている可能性も。
特徴6:「子どものため」に我慢を押し付けられる風潮がある
「担任だから休めない」「どこも同じ」といった言葉で、有給取得や業務改善をしないことが習慣化している職場は、制度と実態がかけ離れてしまっている可能性が。
有給取得、休憩確保、時間外労働の管理は法律で定められた事項です。職場の理念や慣習で「うちでは守らなくてよい」と決めてはいけません。
業務負担が個人の自己犠牲でなんとかなっているという場合は、施設の問題として改善しなくてはなりません。
ブラックな職場ほど、「ここのやり方が正しい」という空気が強く、ほかの園や法人と比較させないようにしているケースが多いようです。
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ブラック保育園、自分の職場は大丈夫?20項目のチェックリスト
ブラック保育園に勤めていると、意外と自分の園がブラックだと気づかないケースがあるようです。
以下の項目を読んで、今の職場に当てはまると思うものにチェックを入れてみましょう。
今の職場、働き続けられる?
ブラック保育園チェックリスト
| 定時に退勤できた日が今月3日以下 | |
| 昼食を10分以内で食べることが週に3回以上ある | |
| 休憩中に連絡帳・指導案などの仕事をしている | |
| 月の持ち帰り仕事が合計5時間以上ある | |
| 残業代が一度も支払われたことがない |
| 有給を使ったことが今年度0回(または1回以下) | |
| 体調不良でも「休めない」と感じて出勤したことがある | |
| シフトの希望が通ったことがほとんどない | |
| 消耗品・製作物の材料を自費で購入したことがある |
| 園長やベテランに怒鳴られたり、強い言葉で叱責されたことがある | |
| 意見を言ったら無視・冷遇された | |
| 「担任だから」「子どもがかわいそう」という言葉で無理を強いられる | |
| 「私たちの時代はこれが当然だった」という言葉をよく聞く | |
| 職員会議で意見交換が実質的に行われない |
| 入職1年以内の保育士が毎年のように辞めている | |
| 誰かが突然来なくなる(突然退職)が年に複数回ある | |
| 子どもに怒鳴る・脅す指導をするベテランがいる | |
| 体や心に不調(朝起きられない・気分が悪くなる等)を感じている | |
| 昇給の仕組みが不透明で、何年働いても変わる気がしない | |
| 友達の園の話を聞いて「えっ、そんなにいいの?」と驚いた |
判定
0〜3個:一部改善の余地はあるが、全体的には問題のない環境の可能性が高い。
4〜8個:ブラック傾向あり。疲弊が蓄積しないうちに職場環境を見直す余地がある。
9〜14個:ブラック保育園の可能性が高い。心身のサインを無視しないで。
15個以上:明確なブラック環境。今すぐ自分を守るための行動を考えてください。
チェックが多かった方は、「うちってブラックだったの?」と落ち込む前に、これからのことを前向きにとらえて、行動する方向に考え方をシフトしてみましょう!
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ブラック保育園で働いているとよくある5つの誤解
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ブラック保育園で長く働いていると、異常な状態が「当たり前」に見えてきます。
ここでは、保育士がよく抱く誤解を一つずつ解いていきましょう。
ブラック園の誤解①「休憩が取れないのは保育士あるある」
休憩は法で定められた権利であり、取らせないのは職場の法律違反!
「保育士あるある」として広まることで、違法な状態が当たり前のように受け入れられてしまっていますが、これは、明確な法令違反であることに注目しましょう。
労働基準法第34条では、6時間を超える勤務には45分以上の休憩を取らせることが義務づけられています。
「子どもから目が離せない職業だから」という言い訳は「保育士が休憩をとれない」ことの理由にはなりません。
ブラック園の誤解②「持ち帰り仕事は保育士の常識」
持ち帰り仕事は本来サービス残業。「常識」になっているのはブラック保育園!
ICT化が進む現代では、連絡帳のデジタル化・指導案のテンプレート化などで持ち帰り仕事を大幅に削減している保育園が増えています。
また、国も保育施設のICT化について、保育士の負担を軽減する園には補助金を支給するなど強く推進しています。
「心を込めた手書きじゃないと保護者に伝わらない」「どこの園でもそうしている」は、事実ではありません。
働き方改革が進む中で、持ち帰り仕事をゼロに近づけることは、現代の保育園では標準的な取り組みです。
ブラック園の誤解③「担任なんだから我慢して当然」
担任や役職は仕事内容や責任範囲を表すもの。労働法の適用外にはならない!
どんな役職であっても、保育士は労働者です。
担任を任されていても、休憩をとる権利・有給を使う権利・残業代をもらう権利は、完全に保障されています。
「担任なんだから」「リーダーなんだから」という言葉は、責任感に訴えることで権利を使うことをためらわせる、悪質な心理的プレッシャーです。
ブラック園の誤解④「辞めたいなんて無責任」「子どもたちがかわいそう」
保育士さんの離職・転職は個人の問題ではなく、勤務先の問題!
辞めたいと感じることは、無責任でも子どもへの愛情が足りないわけでもありません。
厚生労働省のデータによると、保育士の場合、就職後3年以内に離職した人が全体の約24.9%、5年以内では42.2%にのぼります。
つまり、半数近くが5年以内に辞めているのが現実です。また、経験年数の浅い保育士ほど離職率が高く、早期離職が起きやすい構造になっています。
転職の意向を示した従業員に「うちで働けないならどこに行っても勤まらない」のように言う上司がいますが、個人の弱さや根気のなさを理由にして非難する職場からは、早めに離れる判断も必要かもしれませんね。
ブラック園の誤解⑤「私たちの時代はこれが当然だった」
働き方改革以降、昭和や平成の古い価値観の働き方は忘れてOK!
時間外労働の上限規制・有給取得の義務化が法制化されたのは、2019年施行の「働き方改革関連法」。そこからすでに7年も経っています。
先輩や園長などが口にする「私たちの頃はこれが普通(だから今でもそれを守るべき)」は、現在の法律的な基準では許されない状態を指していることが大半です。
過去の「当たり前」を現代に押しつけることは、法的に問題があるだけでなく、保育士を追い詰めて優秀な人材を失う原因にもなっています。
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キャリアアドバイザーをうまく活用するために、相談時には以下のことを伝えるようにしましょう。
「今の職場のどこが辛いか」を具体的に話す
たとえば「持ち帰り仕事が多い」「休憩が取れない」「有給が使えない」など、できるだけ具体的に伝えることで、エージェントも条件に合った園を探しやすくなります。
「絶対に譲れない条件」と「できれば叶えたい条件」を分けて伝える
これにより、紹介してくれる求人の精度が上がります。複数のエージェントに登録して比較することも、より良い選択肢を見つけるうえで有効です。
迷ったときの判断基準は「5年後の自分」
いくつかの園を比較して、最終的にどこに決めるか迷ったときは、「5年後もここで働いている自分がイメージできるか」を基準にしてみましょう。
給与や立地だけでなく、職場の人間関係・休みの取りやすさ・キャリアアップできる環境か、ライフステージの変化(結婚、出産など)に柔軟に対応してくれるかどうかなどを、総合的に見ることが大切です。
また、内定をもらってから不安が残る場合は、入職前にもう一度見学を希望するのも一つの手です。
断られる園はそれだけで判断材料になるかもしれません。
転職は、自分に合う職場を探す、ごく自然なステップです。
「もっといい環境や待遇の職場で働きたい」「保育士として長く活躍するために環境を整えたい」と思うことは、仕事に真摯に向き合う気持ちの表れでもあります。会員登録・相談無料保育士バンク!で転職相談
ブラック保育園に関するよくある質問
「うちの園、ブラック保育園かも?」「転職してもブラック園だったらどうしよう…」と悩んでいる保育士さんの疑問に答えます。
Q1. ブラック保育園とホワイト保育園の見分け方は?
すでに働いている園ではなく、これから応募する・内定をもらった園などは、以下の3点をチェックすると分かりやすそうです。
①実際の残業時間(月平均)
②有給取得率
③直近1年の離職者数
これらは、求人票には記載されていないことが多いため、園見学・面接時に直接質問するか、保育士専門の転職エージェントに事前に確認してもらうのがスムーズです。
Q2. 休憩が取れない保育園は違法?
労働基準法第34条により、6時間を超える勤務には45分以上、8時間を超える勤務には1時間以上の休憩付与が義務付けられています。
「子どもから目が離せない」「担任だから」は免除理由になりません。
Q3. 持ち帰り仕事があるのは保育士なら仕方ない?
持ち帰り仕事は使用者の黙認があればサービス残業に該当し、労働基準法第37条違反になります。
ICTを導入し持ち帰り仕事をゼロにしている保育園は実際に存在しており、「どこでも同じ」は事実ではありません。
Q4. ブラック保育園でも、年度途中で辞められる?
民法第627条では、期間の定めのない雇用契約の場合、退職申し出から2週間で退職できると定めています。
「年度末まで退職できない」は法的根拠はありません。ただし円満退職のためには、できるだけ早期に申し出ることが望ましいでしょう。
Q5. ブラック保育園を辞める際に気をつけることは?
以下のポイントを押さえて転職活動をすすめましょう。
①退職の意思は口頭だけでなく書面(退職届)でも伝える
②引き止めや「迷惑をかける」という言葉に必要以上に動じない
③まず転職先や転職エージェントに相談し、見通しをつけてから動く
Q6. 転職先がブラック保育園かどうか見極めるには?
面接で「有給は取りやすいですか?」「持ち帰り仕事はありますか?」と直接聞いてみるのが一番です。
返答があいまいな園は要注意。とはいえ、面接でそんなことばかり聞くのは勇気がいりますよね。
その点、保育士専門の転職エージェントなら、現場のリアルな情報を持っていることが多いので、実際に応募する園について聞くことができます。
また直接聞きづらい、給与や待遇についても、キャリアアドバイザーに代わりに確認してもらうこともできますよ!ホワイト園で働きたい!
出典:保育人材の確保のための総合的な対策/厚生労働省出典:保育士の現状と主な取組/厚生労働省出典:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準/e-GOV法令検索出典:労働基準法/e-GOV法令検索
ブラック保育園から転職して、ホワイト保育園でキラキラの保育士に!
ブラック保育園とは、休憩なし・サービス残業・ハラスメントなど、労働法に違反するか、働く保育士が心身を消耗する過酷な環境を持つ保育施設のことです
「休憩なし・持ち帰り当たり前・残業代なし」は法律違反であり「保育士だから」といって我慢すべきことではありません。
ブラック保育園に長く居続けることで、夢だったはずの保育士という仕事自体が嫌いになってしまう方もいるようです。
そうなる前に、自分らしく笑顔で働ける環境を選ぶことは、保育士さんにとって大切な選択です。
「今の職場は、もしかしてブラック保育園かも?」と思ったら、保育士バンク!にご相談ください!
ほかにも「保育士として働きたいけどブラック保育園は避けたい」「今より働きやすい園に転職したい」というご希望も大歓迎です。
専任のキャリアアドバイザーが、あなたの希望や不安をしっかりヒアリングして、最適な転職をサポートします。
働き方や給与の希望など、どんなことでもまずは保育士バンク!にご相談くださいね。会員登録・相談無料保育士バンク!で転職相談
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