異年齢でのゲーム遊びは、楽しいだけではなく成長につながるねらいがたくさんあるでしょう。「あんな風に走れるようになりたい」「小さい子をフォローしてあげよう」など、子どもそれぞれが感じる他者への感情を引き出せるかもしれません。今回の記事では、3歳児から5歳児までがいっしょに楽しめるゲーム遊びを紹介します。
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■目次
異年齢のゲーム遊びを保育に取り入れよう
保育士さんの中には、異年齢での交流を持ちたいと考える人もいるでしょう。
まずは、同じ空間ですごしたり同じ活動を楽しんだりしながら、いっしょに過ごすことに慣れていけるとよいですね。
もちろん、ルールや遊び方は年齢や個々の発達によって違いがでてくるでしょう。
ゲーム遊びとなると難しく感じるかもしれませんが、3歳児から5歳児の子どもがいっしょに楽しむことはできるのでしょうか?
くわしく紹介します。
異年齢の保育でゲーム遊びは楽しめる?
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年齢が異なる子どもたちで遊ぶことは、難しい場合もあります。
しかし、異年齢保育や縦割り保育で一日をすごす保育園もあるなど、工夫次第で楽しく遊ぶことができるでしょう。
年齢の異なる子ども同士でゲーム遊びを楽しむことは、人とのかかわりを学んだり、思いやりや優しさに触れたり、さまざまなねらいがあります。
保育士さんが育みたい子どもの姿をもとに、紹介するゲーム遊びを保育に取り入れてみてください。
異年齢で楽しめるゲーム遊び:保育室内
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異年齢の場合、運動量や身体能力の差が広がるため、まずは室内の限りある空間で遊んでみるのがよいでしょう。
保育室内でできる、異年齢のゲーム遊びを紹介します。
爆弾ゲーム
爆弾ゲームは、他者への関心を深めるなどのねらいも持つことができます。
ボールを相手に受け渡す何気ない動作が、人への思いやりやいっしょに遊ぶことへの楽しさを感じることにつながるかもしれません。
準備するもの
- ボール
- 音楽機器
- 椅子
遊び方
1.全員が着席した状態で一人がボールを持ちます。
2.音楽が鳴り始めたら隣の人にボールを回していきます。
3.音楽が止まったときにボールを持っていた人が負け、または勝ちです。
遊びのポイント
音楽はみんなで歌をうたってもよいでしょう。
最後にボールを持っていた人が自己紹介をする、などのルールがあると交流が広がりそうですね。
宝探しゲーム
宝探しは、ルールも簡単で取り入れやすいのではないでしょうか。
他者と協力することのよろこびを感じる、友だちと達成感を味わうなどのねらいを持ち、取り入れてみてください。
準備するもの
- 宝物になるアイテム
遊び方
1.チーム分けをします。
2.隠された宝物をチームで協力して探しましょう。
遊びのポイント
宝物はひとつでなくても構いません。たくさん用意すると、見つけられた達成感を味わえますね。
チーム分けは、ランダムでも構いませんが、年齢や発達のバランスを考慮して組むこともよいでしょう。
ひっくり返しゲーム
ひっくり返しゲームは、「オセロゲーム」や「ひっくり返し競争」などともいわれています。
一人ひとりが夢中になりながらもチームで競い楽しめる遊びです。
しっかり身体を動かすこともできるうえに、集中力や洞察力も養われるでしょう。
準備するもの
- 裏表で色違いのカード
遊び方
1.2チームに分かれ、色分けします。
2.スタートしたらどんどんカードを裏返していきます。
3.終了した時点で、表になっている色のカードが多いチームが勝ちです。
遊びのポイント
3歳児頃の子どもは、遊びに夢中でひっくり返すことに集中するあまり、チームの色への意識がうすいかもしれません。
帽子やはちまきなどで、色分けを明確にしておくとよいでしょう。
猛獣狩り
猛獣狩りは、どんどんと新しいチームを作っていくため、いろいろな人との交流を楽しめるでしょう。
周りを観察する力もつくかもしれません。
他のゲームに入る前の導入、チーム分けの方法として取り入れてみてもよいのではないでしょうか。
遊び方
1.一人が先導しながら、みんなで歌をうたいます。
2.歌の最後に、先導している人が動物の名前をいいます。
3.その動物の文字数に合わせて、友だちとチームを作り、完成したチームから座ります。
遊び方のポイント
最初は、保育士さんが先導しながら様子を見て変えるとよいですね。
余ってしまう子がでないように、保育士さんたちも参加するとよいかもしれません。
異年齢で楽しめるゲーム遊び:戸外や園庭
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交流することに慣れてきたら、戸外でゲーム遊びを楽しみましょう。
しっかり身体を動かすことで気持ちも開放的になり、リラックスした状態で交流を深められるかもしれません。
あぶくたった
「あぶくたった」は、昔からあるわらべうた遊びのひとつです。
手をつないで輪になり、歌をうたいながら遊びます。
輪の中にだれか入って、最後はその人がみんなを追いかけます。
輪の中の人は複数いてもよいでしょう。
交流しながら、昔ながらの遊びに親しむ機会を設けられるのもよいところですね。
色鬼
鬼ごっこはたくさん走るため、「交流を持ちながらもしっかり身体を動かして遊べるようにしたい」というねらいがある場合に取り入れるとよいでしょう。
しかし、体力や走る早さを考えると5歳児が有利な場合が多いです。
そのため、走る以外のルールを加えた色鬼などにすると全員が楽しめそうですね。
ドロケイ
ドロケイは、友だちと協力しながら楽しむ遊びのため、異年齢の交流も深まりやすいでしょう。
助け合うことで、他者への関心を深め、思いやりややりがいを感じられるかもしれないですね。
遊び方
1.泥棒と警察の2チームに分かれ、泥棒が入る牢屋のスペースを確保します。
2.警察は10秒数え、泥棒は逃げます。
3.10秒数えたら、泥棒を追いかけてタッチします。
4.タッチされた泥棒は、牢屋に入ります。
5.牢屋にいる泥棒は、逃げている泥棒にタッチしてもらうと牢屋からでて再び逃げることができます。
6.時間内に泥棒を全て捕まえたら警察の勝ちです。
遊びのポイント
遊ぶ際は、警察と泥棒が分かりやすいようにしておきましょう。
異年齢の場合は、チーム分けのバランスも考慮しておくとよいですね。
異年齢で行うゲーム遊びは子どもの成長を促す保育のひとつ
異年齢で楽しむゲームアイデアを紹介しました。
さまざまな年齢の子どもとのふれあいは、子どもたちの気持ちの成長につながるでしょう。
お別れ会や遠足など、特別な行事の活動として取り入れてもよいですが、日常でのふれあいも大切かもしれないですね。
クラスごとではなく、保育園全体で子どもの成長を見守ることは、質の良い保育につながるかもしれません。
紹介した内容を参考に、ゲーム遊びを楽しんでみてくださいね。