保育関連の求人情報を見ているときに、運動保育士と記載されている求人を目にしたことはないでしょうか。普通の保育士ならわかるけれど、運動保育士の仕事がどういうものなのかまでを詳しく知っている人は意外と少ないかもしれません。そこで今回は、運動保育士がどんな資格なのかはもちろんのこと、仕事内容から取得方法までを詳しく解説します。
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運動保育士とは?
運動保育士は保育士資格と違って、国家資格ではありません。NPO法人運動保育士会が設立した民間資格です。
運動保育士の主な役割としては、運動と保育の専門家として、子どもの発達に合わせた遊びを提供すること。
たとえば、マット運動や鉄棒などを活用した運動をして、子どもの身体能力を向上させるのがねらいとなっています。
資格名に保育士と入っているものの、保育士資格を持ってなくても取得することができる資格です。
運動保育士の仕事内容
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運動保育士の仕事は、子どもの発達に適した遊び・運動を提供することです。安全で楽しい運動遊びをするのはもちろんですが、遊具や器具を活用した遊びを教えることも大切です。
しかし、ただ教えるだけではなく、子どもが楽しく学べるように工夫した指導ができるかどうかもポイントとなります。
たとえば、鉄棒を使った運動遊びの場合、最初は前回りから挑戦するでしょう。前回りができるようになったら、逆上がりにチャレンジすると思いますが、前回りと比べて少し難易度が高いです。
そのため、保育園や幼稚園などを卒園するまでに逆上がりを習得するといったように、目標を立てて指導することが大切です。
年齢に合わせて段階的に、逆上がりに必要な動作を教えていくのがポイント。このとき、ただ教えるのではなく、子どもたちに小さな成功体験を積ませて、楽しみながら実践できるように、工夫して指導していく力が求められます。
運動保育士が働ける場所
運動保育士が働ける場所は、保育園や幼稚園、児童発達支援施設、放課後等デイサービスなどの施設、商業施設内に併設されたプレイランドなどがあります。
特に、児童発達支援施設や放課後等デイサービスは、運動プログラムに力を入れているところが多いです。そのため、運動保育士の資格を十分に活かせる可能性があります。
運動保育士の資格の取得方法
運動保育士の資格は、NPO法人運動保育士会が主催する講座を受講することで取得できます。
「運動遊び実践コース」と「脳機能と発育発達コース」の2つのコースがあり、それぞれで初級・中級・上級という等級が用意されているのが特徴です。
初級は誰でも受講できますが、中級を受講するには初級を、上級を受講するには中級をすでに取得していることが条件となっています。
運動遊び実践コース
運動の指導はもちろんのこと、子どもの発達に応じて、安全で楽しい指導ができるようになる指導方法を学ぶコースです。
等級 | 取得できる資格 | 所得までの日数 | 受講費用 |
---|---|---|---|
初級 | 運動遊び実践アシスタント | 半日(会場) | 3万5200円 |
中級 | 運動遊び実践サブリーダー | 1日(会場) | 5万5000円 |
上級 | 運動遊び実践リーダー | 2日(会場) | 11万円 |
脳機能と発育発達コース
脳の発育発達について学びつつ、発育発達に応じた関わり方や子どもにとってよりよい環境を提供するための知識を学ぶコースです。
等級 | 取得できる資格 | 所得までの日数 | 受講費用 |
---|---|---|---|
初級 | 子育て脳機能アドバイザー | 半日(自宅) | 3万5200円 |
中級 | 子育て脳機能ディレクター | 半日(自宅) | 5万5000円 |
上級 | 子育て脳機能プロデューサー | 半日(自宅) | 11万円 |
いずれの講座も、NPO法人運動保育士会の公式サイトから予約を入れることが可能です。受講したいコースが決まったら、早速予約を入れるようにしましょう。
運動保育士の資格を取得するメリット
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運動保育士の資格を取得することで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。ここでは、資格を取得するメリットを紹介します。
転職・就職する際にアピールできる
運動保育士の資格を取得しておくことで、転職・就職をする際のアピール材料として役立ちます。特に転職・就職先が運動に注力している施設であれば、有利になるかもしれません。
施設によっては、資格手当などを支給しているところもあるので、そういった施設を選べば給与アップが見込める可能性があります。
スキルアップにつながる
運動保育士の資格を取得しているということは、運動遊びの専門的な知識が身についているということです。運動を活かした遊びのレパートリーも増えることから、スキルアップにもつながる可能性があります。
保育園や幼稚園以外にも、児童発達支援施設、放課後等デイサービスなど活躍できる職場も広がるでしょう。
運動保育士を取得することで保育士のスキルアップにもつながる!
運動および保育の専門家として、子どもの発達に合わせた運動遊びを提供する運動保育士。NPO法人運動保育士会が提供する運動保育士資格認定を取得することで、運動保育士として働くことができます。
普段から子どもたちと関わり、遊ぶ機会が多い保育士さんにとっても取得しておくことでスキルアップにもつながる資格といえるでしょう。
保育園や幼稚園以外にも、児童発達支援施設、放課後等デイサービス、プレイランドなど、さまざまな場所で活躍する際にも役立ちます。
今後も需要が高まると予想されるので、これを機に運動保育士の資格を取得してみてはいかがでしょうか。
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