模倣遊びとは、身近な人の仕草や言葉を子どもが真似する遊びのことを言います。保育園においても子どもが何かになりきって遊ぶ姿を目にすることがあるかもしれません。保育士として、子どもの成長を促すような適切な関わり方ができるとよいですね。今回は模倣遊びについて、年齢別の遊び方の例を紹介し、期待できる効果についてもまとめました。
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模倣遊びとは?
保育園で、子どもが身近な人の仕草や言葉を真似しながら遊ぶ姿を目にすることがあるかもしれません。
家族や保育士さん、好きなキャラクターやヒーローなどの言動を真似て楽しむことを模倣遊びといいます。
例えば、おままごとやお店屋さんごっこを行なう場面などでは、子どもがさまざまな役柄になりきって模倣遊びをする様子が見られるでしょう。
まずは、どのような模倣遊びをする傾向にあるのかを年齢別に見ていきましょう。
【年齢別】模倣遊びの例
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模倣遊びの具体例を一般的に見られる年齢別にまとめました。
1歳児クラス
1歳頃は、身近なものを使って簡単な模倣遊びを楽しむ傾向にあるでしょう。
- おままごとセットなどを用いて家族が料理をする姿を真似る
- 積み木などを携帯電話に見立てて大人が会話をしている姿を真似る
身近な玩具などを大人が使用しているものに見立てながら、大人の行動の真似をする姿が見られるかもしれません。
2歳児クラス
1歳頃に比べ、2歳児では会話も交えながら遊べるようになるでしょう。
- 猫や犬などの生き物になりきる
- ヒーローなど好きなキャラクターになりきる
- 身近な大人の口調を真似ながら会話をする
動物の鳴き声や動きを真似たり、身近な人になりきって演じたりする姿が見られるでしょう。
3歳児クラス
3歳頃になると、複数の友だちといっしょに役割を分担しながら遊ぶこともあるでしょう。
- 買い物ごっこで、店員とお客さんそれぞれを演じ分ける
- 医者や保育士になりきって振る舞う
- 絵本やテレビの好きなキャラクターになりきる
友だちと相談しながら、さまざまな状況を想定して遊ぶ姿を見ることがあるかもしれません。
4歳児クラス
4歳頃には、より細かなストーリー設定を考えられるようになるでしょう。
- 家族それぞれの年齢や仕事などを設定しておままごとをする
- オリジナルのストーリーを展開しながら演じる
- 警察官になりきり、自ら設定した事件を解決する
友だち同士で協力しあって模倣遊びを楽しむ姿が見られるかもしれません。
5歳児クラス
5歳頃には、想像のできごとも取り入れながら模倣遊びを楽しめるようになるでしょう。
- 空想しながら存在しないロボットなどになりきる
- 友だちと工夫しながら複雑な設定の遊びをする
架空のストーリー展開でも否定せず、子どもが工夫しながら遊ぶ姿を認めることが大切です。
模倣遊びによって期待できる効果
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ここでは、子どもが模倣遊びを行なうことによってどのような効果を期待できるのかをまとめました。
想像力や発想力が豊かになる
模倣遊びを楽しむためには、周囲の大人や好きなキャラクターなどの言動を再現したりイメージしたりする必要があるでしょう。
そのため、想像力や発想力が養われることが期待できそうです。
言語能力や表現力が育まれる
模倣遊びにおいて、子どもは演じる対象の言葉遣いを思い出しながら表現する必要があるでしょう。
どのような言葉を使うべきなのか考え、普段はしない会話を展開することも。
そのため、言語能力や表現力が高まることが期待できるでしょう。
社会性や協調性が身につく
保育園では、複数の子どもが集まって模倣遊びを楽しむこともあるでしょう。
友だちと相談しながら遊んだり、相手の気持ちを考えながら行動したりするなかで、コミュニケーション能力の発達を促すことも期待できそうです。
模倣遊びにおける保育士としての関わり方
子どもの模倣遊びについて、保育士さんはどのように関わればよいのでしょうか。
アイデアを取り入れて興味をひく
子どもが模倣遊びに興味を持つように、あらかじめ保育士さんが工夫しながら環境を整えるとよいでしょう。
例えば、おままごとがしたくなるようなキッチンコーナーを設けたり、ヒーローになりきれるグッズを用意したりすると、子どもがスムーズに模倣遊びへ移行できるかもしれません。
なお、模倣遊びを保育に導入する際は、子どもの成長段階に合わせて適切な題材を選ぶことも大切です。
見本を示しながら一緒に楽しむ
保育士さんが遊び方の見本を示すと、子どもがその姿を参考にして模倣遊びを楽しめるかもしれません。
例えば、保育士さんがお店の人やお客さんになりきって演じて見せ、子どもと役柄を交替しながら遊んでみましょう。
発想やアイデアを尊重する
模倣遊びを行なうなかで、例えば子どもが役柄を頻繁に変更したり人数設定が適当だったりと気になることがあるかもしれません。
保育士さんは子どものやりたい気持ちや自主性を認め、自由な発想やアイデアを尊重することが大切でしょう。
ときには保育士さんもいっしょに模倣遊びをしながら、参加している子ども全員が公平に楽しめるようにフォローできるとよいですね。
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模倣遊びとは何かを知り、子どもの成長をサポートしよう
保育園でもよく見られる、子どもが模倣遊びを楽しむ場面。
模倣遊びとは何かを理解し、日々の保育に活かしつつ子どもの成長のサポートができるとよいですね。
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