保育園では、自由遊びや感覚遊び、ごっこ遊びなどさまざまな活動を楽しむことでしょう。それらの遊びを取り入れるねらいには、どのようなものが挙げられるでしょうか?今回は子どもが保育園で遊びを楽しむねらいを詳しく紹介します。園で楽しむ遊びの種類や動画つきのアイデア、活動ポイントもまとめたので参考にしてみてくださいね。
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子どもにとって遊びとは何?
子どもにとって遊びは、心身の成長に必要な行為のひとつ。
遊びを通して、身体を動かす方法や自分の興味のあるものを選択する力、人とのコミュニケーションの取り方などさまざまなことを学びます。
また、子どもが「この遊びをしてみたい」「お気に入りの遊びを見つけて楽しみたい」という意欲的な気持ちが自主性を育む機会になるといわれています。
そのため、周囲の大人は子どもに「〇〇をやりなさい」と命じるのではなく、主体的に子供が遊べるように見守ったり、サポートしたりすることが大切かもしれません。
保育園で遊びを楽しむねらい
保育園で子どもが遊びを楽しむねらいにはどのようなものが挙げられるのかを詳しく紹介します。
興味のある遊びを見つける
保育園にはさまざまなおもちゃや絵本、製作に使う廃材などが置いてあるでしょう。
その中から、自らが好きな遊びを見つけて活動することを「自由遊び」と呼びます。
保育士さんがやることや遊び方を決めるのではなく、自ら興味や関心をもつ遊びを選ぶことで、遊びの楽しさやよろこびを味わうことができるでしょう。
その経験を積み重ねると、意欲的に行動する力や自己表現をする力を育むことにつながるといわれています。
好奇心や探求心、思考力を育む
保育園では公園に出かけて自然遊びを楽しんだり、園庭で野菜を育てたりと季節を感じながら過ごす場面が多いでしょう。
自然とふれあいながら「この植物は何かな?」「どうして雪は降るのだろう?」とさまざまなことに興味や関心を抱く場面があるかもしれません。その機会は子どもの好奇心や探求心、思考力を育むきっかけになりそうです。
また、お医者さんごっこをするうちに「大きくなったらお医者さんになってみたいな」と思ったり、保育園ごっこを楽しむ中で「先生みたいな保育士さんになりたいなあ」と感じたりすることもあるでしょう。
「大きくなったら〇〇になりたいな」と将来の夢を見つけられるのも、遊びを楽しむ醍醐味といえそうです。
社会性や柔軟性を学ぶ
保育園ではじっくり自分のお気に入りの遊びを楽しむこともありますが、次第に保育士さんや友だちといっしょに遊ぶ機会が多くなっていくことでしょう。
また、設定保育と呼ばれるみんなでひとつの遊びを楽しむ活動を取り入れる園もあります。
遊びを通して簡単なルールを学んだり、友だちのアイデアを聞いたりとさまざまな経験を重ねることで、自然と社会性や柔軟性が身についていくのかもしれません。
他者と過ごす楽しさを知る
保育園が初めて集団生活を体験する場という子どもは多いもの。
入園当初は保護者の方と離れるのが悲しくて泣く子もいますが、次第に自分の好きな遊びを見つけて楽しむようになると、新しい環境に慣れていくものでしょう。
また、遊びを通して保育士や友だちと過ごすことに心地よさを感じると、保育園に行くことが楽しみになる子も多いようです。
このようなことから、遊びは他者と過ごす楽しさを知るきっかけになる重要な機会といえそうですね。
保育園で楽しむ遊びの種類
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続いて保育園で楽しむ遊びの種類について詳しく見ていきましょう。
感覚遊び
感覚遊びとは、視覚や聴覚、触覚などの感覚を働かせ0歳児から楽しめる遊びです。
ものを見たり触ったり、音を聞いたりすることが遊びの基礎となるでしょう。
一般的に保育園では、音遊びや水遊び、泥遊び、紙粘土を使った造形遊びなど、感覚を養う遊びを取り入れていきます。
ふれあい遊び
保育士や友だちとスキンシップを楽しめるふれあい遊びは、0歳児~2歳児中心に取り入れることが多いでしょう。
ふれあい遊びは、保育士との愛着関係を育むうえでも大切だといわれています。
遊びの中で抱っこしてもらったり、手をつないだりするうちに安心感を抱くきっかけになりそうです。
運動遊び
運動遊びは、手や足など身体を使って楽しむ遊びです。
ボールや縄跳び、マットなどさまざまな道具を使う場面も多いかもしれません。
遊びを通して筋力や柔軟性、持久力、瞬発力などバランス感覚などの身体能力を高められるでしょう。
また、鬼ごっこやリレーなど子ども同士で取り組む遊びでは、ルールを守る大切さやアレンジする楽しさを知る機会になりそうです。
製作遊び
保育園では画用紙や折り紙、紙コップなど身近な材料を使って製作遊びを楽しむ機会があるでしょう。
はさみやのりなどを使うこともあり、さまざまな道具を使ってひとつのものを作り上げる達成感を味わうことができそうです。
また、作品展や卒園製作などを取り入れる園では、友だちと作品を作りあげる喜びを分かちあう場面があるかもしれません。
ごっこ遊び
2歳頃からおままごとやお店屋さんごっこ、郵便屋さんごっこなどさまざまな役になりきって楽しむ「ごっこ遊び」をする子どもの姿が見られるでしょう。
周囲の大人の様子を真似たり友だちと相談しながら楽しんだりと、アレンジしやすい遊びのひとつかもしれません。
また、クラス全体で郵便屋さんごっこを取り入れて、ポストを作ったり手紙をやり取りしたりして集団遊びを楽しむことも多いようです。
【動画つき】保育園で楽しむ遊びアイデアとねらい
続いて動画つきで保育園で楽しむ遊びアイデアやねらいを紹介します。
手遊び
ふれあい遊びのひとつとして手遊びを楽しみましょう。
ねらい
- 手や指を使って身体を動かすよろこびを感じる
- 手遊びを通して保育士や友だちとのやり取りを楽しむ
- 手遊びを繰り返し行なうことで歌詞やリズムを覚える楽しさを知る
ポイント
手遊びは、準備が不要で保育に取り入れやすい遊びのひとつでしょう。
季節を感じられる歌や行事を盛り上げる歌など、たくさんの手遊び歌があります。
保育園で積極的に取り入れてみてくださいね。手遊びのまとめ記事はこちらをご覧ください。
感触遊び
おもしろい感触を楽しめる遊びを楽しみましょう。
ねらい
- 小麦粉の特性を知り、興味や関心をもつ
- 素材の感触の面白さに気づく
- 感触の楽しみながら保育士や友だちと感じた思いを分かちあう
ポイント
小麦粉粘土は独特のさわり心地が楽しいものですよね。
乳児クラスで遊びを楽しむ場合は口の中に入れないように見守ることが大切です。
「面白いね」「むにむにする!」などさわった感想を言い合いながら、子どもとのやり取りを楽しめるとよさそうです。感覚遊びのまとめ記事はこちらをご覧ください。
ゲーム遊び
手作りのゲームを楽しみましょう。
ねらい
- ゲームを通して友だちと身体を動かす楽しさを感じる
- 簡単なルールを守る大切さを知る
- ゲームをアレンジする楽しさやよろこびを味わう
ポイント
ゲームは保育士さんや友だちとやり取りしながら進めることから、コミュニケーションの大切さを知る機会になるでしょう。
子どもの自主性を大切にしつつ、様子を見守りながら必要な声かけを行ないましょう。ゲームをまとめた記事はこちらをご覧ください。
製作遊び
作品を作る楽しさを知る製作遊びを楽しみましょう。
ねらい
- 材料を組み合わせてひとつの作品を作る達成感を味わう
- 製作工程にそって作業する大切さを知る
- 作品の作り方を工夫する楽しさを感じる
ポイント
製作遊びは工程に沿って作る楽しさを学ぶことができます。完成後は子ども同士で魚釣りゲームを楽しみましょう。
自分で作った作品を使ってゲームをすると一層盛り上がりそうですね。製作遊びをまとめた記事はこちらをご覧ください。
ごっこ遊び
役になりきって楽しめるごっこ遊びを楽しみましょう。
ねらい
- 役になりきって友だちと遊ぶ楽しさを知る
- さまざまな場面をイメージして発想力や創造力を養う
- 保育士や友だちとやり取りしながら遊びをアレンジしていく
ポイント
クラス全体でひとつのごっこ遊びを楽しんだり、グループごとに取り入れたりと形式はさまざまです。
牛乳パックや紙コップなどの材料を用意してごっこ遊びに使えるアイテムを製作できるように環境を整えられるとよさそうです。ごっこ遊びの詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。
保育士さんへ
「最近じっくり保育に集中できていない」など書類作業で忙しく、今の働き方に不満がある方は一度保育士バンク!にご相談ください。あなたらしく働ける方法をいっしょに見つけていきましょう。
保育園で遊びのねらいを意識して活動に取り入れよう
保育士さんは、子どもたちへ遊びの提案をするときに、どのような目的で遊びを取り入れているのか意識することが大切です。
保育計画や指導案などに保育のねらいを記入し、子どもたちが充実した園生活を送れるようにサポートできるとよいですね。
また、保育士バンク!では保育士さんの遊びネタやおたより作成ネタなどを配信中。
保育士さんの転職のサポートも実施しているので「もっとじっくり保育に集中したい」など今の働き方に不満がある方はぜひ一度相談ください。