退職後に必ずもらわなければならない書類の中に、「源泉徴収票」があります。源泉徴収票には給与・賞与などの所得金額や自分が支払った所得税が記載されているため、転職先で年末調整をしてもらうために必要ですが、いつまでにもらうべきなのでしょうか。今回はこれから転職を考えている、すでに退職している保育士さんたちに向けて、退職後の源泉徴収票について詳しく解説します。
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■目次
源泉徴収票は退職後1カ月以内にもらうのが原則
源泉徴収票は、1年間の給与・賞与などの収入および納付した所得税額を記載した書類のことです。退職してその年内に新しい会社に再就職した場合、その会社で年末調整をしてもらうために必要となります。
会社が源泉徴収票を交付するのは、基本的に退職者の退職日から1カ月以内と法律で定められています。そのため、通常であれば特に問い合わせなくとも、その期間内に辞めた会社から届くのが一般的です。
源泉徴収票は年末調整や確定申告をする際に必要
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なぜ源泉徴収票が発行されるのかというと、年末調整や確定申告をする際に必要となるからです。ここでは、それぞれの状況でなぜ必要となるのかを確認しておきましょう。
年末調整
前述したとおり、源泉徴収票は退職後の次の会社で年末調整をしてもらうために必要となります。基本的に毎月の給与から天引きされる所得税の金額は概算で計算されているもののため、正確な納税額ではないのです。
このようなことから、最終的な所得や受けられる控除が決定する年末に、徴収をしすぎている人に対しては還付を、徴収額が足りていない人に対しては追加で徴収を行なわなければなりません。
しかし、1年の途中で転職してきた人の場合はその年内に勤務していた別の会社の源泉徴収票がないと、年間を通しての収入額や納税額がわかりません。年末調整をする際に正しい計算ができなくなってしまうことから、源泉徴収票が必要となるのです。
確定申告
退職後、年内に次の会社に就職しなかった場合は、自分で確定申告を行なわなければならないため、ここでも源泉徴収票が必要となります。年末調整と同様で、多く払いすぎている場合は還付を受け、不足している場合は足りない分を納めなければなりません。
なお、年内に転職が済んでいた場合でも、次の職場に前職の源泉徴収票を提出しなければ辞めた会社で納めていた分を合算できなくなってしまいます。この場合は、自分で確定申告を行なわなければならないことを理解しておくようにしましょう。
源泉徴収票がなかなかもらえない場合はどうすればいい?
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退職者の退職日から1カ月以内の交付を義務付けられている源泉徴収票ですが、なかなかもらえないケースもあるといいます。このような場合、どうするべきなのかを確認しておきましょう。
ケース1:辞めた会社が発行してくれない
退職日から1カ月以上経っても源泉徴収票が送られてこない場合は、辞めた会社に連絡を入れ、問い合わせをするようにしましょう。
どんなに催促しても発行してくれない場合は、所轄税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出する必要があります。この届出書を出すことで、税務署から前職へ指導が入るため、源泉徴収票を発行してくれるでしょう。
ケース2:辞めた会社が倒産している
退職後に辞めた会社が倒産したという理由で、源泉徴収票を発行できていないケースもあるようです。
ケース1のときと同様に、所轄税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出しましょう。すると、税務署が破産管財人(会社の破産手続きを行なう人)に対して源泉徴収票の発行を指導してくれます。
源泉徴収票を紛失してしまったときの対処法
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辞めた会社からすでに源泉徴収票をもらっていたものの、何かしらの事情で紛失してしまうことも少なくありません。ここでは、源泉徴収票を紛失してしまったときの対処法を紹介します。
紛失したことに気づいた時点で再発行の依頼をする
源泉徴収票を紛失してしまったことに気づいた時点で、早めに辞めた会社に再発行の依頼の連絡を入れましょう。
辞めた会社まで直接受け取りに行ける場合は郵送費などはかかりませんが、郵送してもらう場合は別途郵送費がかかることもあるので、依頼する際にしっかりと確認しておくことが大切です。
また、何らかの事情によって再発行を断られてしまった場合は、税務署に相談をするようにしましょう。
再発行にかかる時間は会社によって異なる
源泉徴収票は基本的に会社での発行・保管が義務付けられているので、通常は依頼後すぐに対応してもらえることが多いといいます。再発行にかかる時間は会社によって異なりますが、大体数週間程度で対応してもらえるそうです。
しかしながら、再発行を依頼した時期が会社の繁忙期だったり、源泉徴収票の作成を外部に委託したりしている場合は通常よりも時間がかかることを覚悟しておくようにしましょう。
退職後に受け取った源泉徴収票は大事に保管しておこう
源泉徴収票は転職先の会社で年末調整をしてもらうために必要な書類なので、受け取ったあとは大事に保管しておくようにしましょう。
一般的には退職してから1カ月以内を目安に送付されますが、なかなか送られてこないケースも少なからずあるといいます。年末調整の時期になって困ってしまうことがないように、退職後は早めに受け取るようにしましょう。
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