保育士さんが退職する際には、上司、同僚、子どもたち、保護者などさまざまな関係者に対して退職交渉をする機会があります。その際の言葉選びや伝え方によっては、円満退職とスムーズな転職にも大きくかかわってくることも考えられます。今回は、相手別の保育士さんの退職交渉の例文と、円滑に伝えるポイントを紹介します。
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退職交渉の効果的な伝え方のポイント
退職交渉を効果的に行なうためには、いくつかのポイントを押さえるとよいでしょう。
まず、退職理由を明確にしておくことが大切です。「保育士としてよりステップアップすることを目指した転職のため」などの表現を用いて、具体的な理由を簡潔に伝えましょう。
また、退職日や退職後の動向を事前に決めておき、相手から質問されがちなことをあらかじめ説明しておくのがポイントです。さらに、これまでの感謝の気持ちを誠実に伝えることで、相手に好印象を与えることも忘れずに考慮しましょう。
最後に、引き継ぎの意志を示し、退職後も円滑に業務が進むように配慮する姿勢を示しましょう。こうした要素を含めることで、スムーズかつ効果的な退職交渉を行なうことができます。
【退職交渉の例文】上司・園長に伝える場合
上司・園長は、最初に退職交渉を行なう相手と言えるでしょう。例文を見ながら上司への退職交渉に必要な要素について解説します。
上司・園長への例文
このたび、一身上の都合で〇月末日までで退職を決意しました。今後は新たな転職先で、ここでの経験を活かしてがんばってまいります。先生ならびに皆さんと出会えたことや、ここでの経験が私を成長させてくれたことに、心より感謝しております。
引き継ぎについては最善を尽くしますので、退職日までに必要な準備などあれば引き続きご指導ください。
これまで園の発展に微力ながら貢献できたことを誇らしく思います。本当にお世話になりました。今後も園の発展を心から願っております。
上司・園長から引き止められた場合の例文
突然のお願いにもかかわらず、私のことを案じてくださり勤務継続の打診をいただきましたこと、ありがたく受け止めております。
ただ、どうしても○○のキャリアを追求したいという強い思いがあり、今回の決断に至りました。
今後も先生方から学んだことを活かして成長していきたいと思います。何卒ご理解いただけますと幸いです。
ポイント
上司への退職交渉にあたっては以下の内容をあらかじめはっきりさせておくと、質問攻めにあったり、不要に勘ぐられたりすることの抑止につながります。
・退職理由(例文の「一身上の都合で」の部分)
・退職日の希望(〇月いっぱい、今年度末で、など)
・退職後の動向(例文の「今後は新たな転職先で」の部分)
それらの説明に加えて、これまでの感謝の表明と、ポジティブなフィードバックを組み合わせてお礼の言葉を述べましょう。
最後に、引き継ぎと残りの仕事への誠意を示すことも大切です。上司から指摘される前に先手を打っておくためにも、上司への退職交渉に必要な要素を網羅できるとよいでしょう。
また、引き止めを断る場合は、感謝の言葉と断りの文章をできるだけ簡潔に、あいまいな返答にならないようはっきり伝えましょう。
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【退職交渉の例文】先輩・同僚に伝える場合
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上司・園長への交渉が完了したら、先輩や同僚へ退職交渉を行なう必要があります。といっても、この場合は交渉というより報告の要素が強いことがポイントです。
先輩への例文
このたび、園長先生に相談させていただき今年度末での退職が決まりました。
これまで、先輩のご指導のおかげで多くのことを学ぶことができました。保育士としての成長を見守ってくださったこと、心より感謝しています。
退職理由は一身上の都合ですが、先輩のアドバイスは今後の糧として大切にしていきたいと思います。
引き継ぎ作業についても責任を持って対応できればと思っています。なにかできることがあればお声がけください。あと〇カ月となりますが引き続きよろしくお願いいたします。
同僚への例文
みんな、いつも一緒に頑張ってくれてありがとう。みんなと働くことが楽しかったし、たくさん励ましてもらったことに、とても感謝しています。
○○先生から聞いているかもしれないけれど、〇月末で退職することになりました。これからも応援しているから、またどこかで会えたら嬉しいです。引き継ぎについては全力で対応するので、たりていないことがあったら遠慮なく指摘してくださいね。
ポイント
先輩は、現場で働く上で最も密にかかわる相手であるため、その分しっかりしたコミュニケーションが必要でしょう。同僚に対しては「大変な局面もともに乗り越えてきた仲間」といったイメージで退職交渉ができるとよいかもしれません。
ここでは、現場の仲間としての共感や感謝の言葉をつたえ、引き継ぎに尽力する旨を伝えることで、退職日までの関係を良好に保つことをねらいとしましょう。
転職先を見つけて退職交渉する!【退職交渉の例文】園児・保護者に伝える場合
保育士さんは上司や同僚だけでなく、園児や保護者にも退職を伝える必要があります。ここでは伝え方やタイミングに気をつけながら退職交渉に臨めるとよいでしょう。
園児への例文
みんな、今日は大事なお話があります。先生はおうちのことで忙しくなってしまったので、あと1カ月で〇〇組のみんなとお別れすることになりました。
来月からは△△先生が、みんなといっしょに楽しく遊んでくれます!(後任の保育士を紹介する)
先生にとってみんなと過ごした時間は宝物だよ。これからもいつもの元気を忘れず保育園での時間を楽しく過ごしましょう。先生はみんなのこと、ずっと応援しているよ。
保護者への例文
日頃より、本園ならびに〇〇組の活動へのご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございます。
このたび、一身上の都合により〇月末をもって退職することになりました。〇〇組のお友達と過ごした時間は私にとって本当に貴重な経験でした。これからもお子様の健やかな成長を心より願うとともに、一人ひとりに感謝の思いでいっぱいです。
後任となる新しい担任には△△先生が決まり、本日子どもたちにも報告させていただきました。これから引き継ぎに関しては細心の注意を払い、スムーズに対応できるよう尽力してまいります。
保護者の皆さまにおかれましても、なにかお気づきの点などございましたら最終日まで遠慮なくお声がけください。重ねましてこれまで大変お世話になりましたこと心より御礼申し上げます。
ポイント
子どもたちには、退職というより「新しい先生に代わる」という主旨がポジティブに伝わるような説明を心がけられるとよいでしょう。「〇月末で」などの時間軸の話が全ての子どもに伝わるとは限りませんので、ある程度の理解が得られればよいでしょう。
子どもが帰宅後、保護者に話すことも想定できますので、子どもに話した日のおたよりや連絡帳などで、担任を持っている子どもの保護者にも伝えられるとよいでしょう。
保護者が懸念するのは、新しい担任への引き継ぎなど子どもたちへの影響なので、その部分をしっかりフォローして、保護者に安心してもらうようアピールすることが大切です。
それぞれの例文を参考にスムーズな退職交渉を目指そう
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退職交渉を円滑に進めるためには、上司・先輩・同僚、誰に対してであっても、相手に対する感謝の気持ちと配慮を忘れないことが重要です。
そのために感謝の気持ちを伝えるとともに、退職そのものがポジティブなイメージになるように退職交渉できるとよいでしょう。
また、子どもたちや保護者に対しては、できるだけ不安を抱かせないように、真摯な言葉で報告しつつ、個別の相談などにも対応することを呼びかけるのもよいでしょう。
スムーズな退職交渉のために、より効果的な表現や言葉選びを考えてみてくださいね。
転職を目指す保育士さんや、退職してからこれからのことを考えたい保育士さんは、保育士バンク!へご相談ください。
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