縄跳びは子どもたちに人気の遊びですが、上手く跳ぶにはコツが必要なため、教え方に悩む保育士さんもいるでしょう。また、子どもにとって縄跳びが難しい理由を知ることで、指導がしやすくなるかもしれません。今回は縄跳びの教え方とポイントを紹介します。子どもが跳びやすいロープの長さや、縄の選び方、姿勢などもまとめました。
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子どもにとって縄跳びが難しい理由
3歳児や4歳児くらいの子どもから興味を持ち始める縄跳び。
前飛びから挑戦する子どもも多いでしょう。
しかし、うまく縄を回せなかったり、タイミングよく跳べなかったりと、縄跳びを難しいと感じる子どもも多いようです。
子どもにとって縄跳びが難しいと感じる理由には、どんなものが挙げられるのでしょうか。
両足跳びが難しい
一点目に、両足跳びが難しいということが挙げられます。
子どもがジャンプをしたとき、着地するときに足がそろわなかったり、何度も飛ぶうちに段々位置がずれていったりするかもしれません。
腕を回す動きが難しい
次に、子どもには腕を回すのが難しいという問題もあるでしょう。
縄跳びでは、ロープを回すために腕を後ろから前に動かす必要があります。また、上手く回すには右と左の動きを一致させることも重要です。
これらは普段の生活ではやらない動きであるため、縄跳びに慣れるのに時間がかかってしまうのかもしれません。
腕の動きとジャンプの動きが一致しない
3点目に、腕の動きとジャンプの動きが一致しないことも難しさの要因です。
ロープを回せても適切なタイミングでジャンプしなければ成功しません。そもそもタイミングが掴めなかったり、どちらかの動きに集中してしまったりといった問題がありそうです。
これらの主な原因をもとに、保育士さんは子どもがどの工程でつまづいているかをしっかり観察するようにしましょう。
教えるときは、つまづきに対して適切なアプローチができるとよいですね。
子どもに縄跳びを教える前に確認すること
縄跳びを始める前に、保育士さんが確認しておくとよいポイントがあるようです。詳しく見ていきましょう。
縄の長さ
子どもの身長によって、跳びやすいロープの長さは異なるため、まずはその子に合ったロープの長さを測ってみましょう。
足でロープの真ん中を踏み、持ち手が子どもの脇の下から胸あたりの高さにくる長さがちょうどよいとされています。
縄跳びの素材と重さ
うまくロープを回せない子どもの場合、ビニール製の軽いロープだとより回しにくくなってしまうようです。
ある程度重さがある布製ロープだと、空気抵抗が生まれて回しやすくなるほか、ロープを目視しやすくなるという利点があります。
ビニール製のロープしかない場合、ロープにトイレットペーパーの芯を通して錘にするという方法もあるようです。微量ではあるものの、錘になることで回しやすくなるうえ、ロープの動きを目で追いやすくなるでしょう。
姿勢
子どもに教える前に、跳ぶときの正しい姿勢についても知っておくとよさそうです。
縄跳びをしているときにありがちなのが、足元ばかり見て背中が丸まってしまうことでしょう。
背筋を伸ばして前を見るようにすると、ジャンプがしやすくなるだけでなく、跳ぶタイミングも掴みやすくなるかもしれません。
子どもへの縄跳びの教え方
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それでは、子どもへの縄跳びの教え方を手順ごとにみていきましょう。
1.両足でのジャンプを練習する
まずは両足のジャンプが上手にできるように練習してみましょう。
大人が両足でジャンプする姿をお手本と見せ、「2つの足をくっつけてジャンプだよ」など子どもにわかりやすい表現を使うとよさそうです。
どうしても難しい場合は、段差の上など少し高いところから両足で踏み切って跳ぶ練習をしてみると効果的かもしれません。
2.ジャンプのリズムを掴む
両足ジャンプができたら、リズムよくジャンプする練習をしてみましょう。
保育士さんが拍手でリズムを取りながら、子どもたちに跳んでもらうとよさそうです。
大人と1対1で手をつなぎながらジャンプして、飛ぶときの間隔を掴むのもよいでしょう。
3.跳び越える練習をする
次に、縄跳びのロープを飛び越える練習をやってみましょう。
地面に置いた縄などを、両足でジャンプして跳び越えます。
注意するポイントとしては、このときに片足跳びにならないことです。
長縄の要領で、左右に揺らしたロープを飛ぶこともよい練習になるかもしれません。
4.ロープの回し方に慣れる
ロープ回しを練習することも大切になります。
縄を半分に折り、片手で持って身体の横で回してみましょう。
右手でできたら左手で回す、というように両方の手で練習するとよいですね。
練習するときは、子どもたちがロープを振り回さないように見守りましょう。
5.実際に跳んでみる
跳び方やロープの回し方がわかったら、実際に跳んでみましょう。
初めて縄跳びをするときは、腕を斜め上に向かって上げ、ロープを担ぐ姿勢から始めるとよいですね。
跳ぶタイミングが掴めない子どもには、「目の前をロープが通ったら跳んでごらん」と声かけするとやりやすいかもしれません。
子どもへの縄跳びの教え方のコツ
子どもに縄跳びを教えるときのコツをまとめました。子どもの様子に合わせて取り入れてみてくださいね。
ジャンプと縄の動きを別々に練習する
ロープを回しながら跳ぶという組み合わせた動きが難しい場合は、それぞれ1つずつ練習するとよさそうです。
保育士さんは、子どもがどの動きで引っかかっているのかをしっかり見ておくことが大切と言えるでしょう。
楽しみながら練習できるよう工夫する
子どもは集中力を継続させるのが少し難しいかもしれません。そのため、なかなか長い時間練習することができないことも考えられます。
楽しみながら練習できるような工夫ができると、子どもたちも意欲を持って練習することができそうです。
縄跳びの得意な年長の子どもにお手本を見せてもらったり、跳べたら保育士さんが思い切り褒めたりすることで、子どもたちも縄跳びを楽しめるかもしれませんね。
目印や合図などを活用する
ジャンプの練習をする際は、目印や合図などを工夫するのもよいでしょう。
着地の位置がずれていってしまう場合は、地面に丸をつけておき、そこに着地できるような目印をつけるよいかもしれません。
ジャンプのリズムがずれる子どもには、保育士さんが拍手でリズムを取りながら跳ぶ練習をしてみましょう。
教え方のコツを知って、子どもといっしょに縄跳びを楽しもう
今回は、子どもに対する縄跳びの教え方を紹介しました。
子どもにとって縄跳びは、そもそも両足跳びができないことや、腕を回す動きがやりにくいことなど難しいと感じる理由がさまざま挙げられます。
ジャンプのみ、ロープを回すのみなど工程ごとにじっくり練習することで、跳びやすくなるでしょう。
また、教え方のポイントとして子どもが楽しく練習できることや、目印や合図など子どもにとってわかりやすくする工夫も大切となるようです。
教え方のポイントを参考に、子どもと縄跳びを楽しんでみてくださいね。