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子どもたちの心の成長を育むツールとして「絵本」があります。「子どもたちの”今”にぴったりな絵本を選んであげたいけれど、どんな絵本がよいのだろう」と、悩んだり迷ったりすることもあるでしょう。今回は福音館書店の「月刊絵本」に注目。その魅力を、開園から月刊絵本を保育に取り入れている園の取材を通してお伝えします。

目次
子どものたちに読み聞かせる絵本、どう選んでいる?
子どもの想像の世界を大きく広げてくれる絵本。
子どもへの「読み聞かせ」の時間を大切にされている園の先生も多いのではないでしょうか。
「子どもたちの想像力を育む絵本を選んであげたい」
「絵本の楽しさを子どもたちといっしょに感じたい」
など、絵本に対するさまざまな期待があるなかで、果たしてどんな絵本を選んだらよいのか迷うこともあるかもしれません。
そこで今回ご紹介したいのが、福音館書店の月刊絵本です。
昔も今も広くたくさんの子どもたちに愛されている『ぐりとぐら』も、実は福音館書店の月刊絵本から生まれた絵本。
福音館書店の月刊絵本には、「大人がくりかえし読んであげることで、はじめて子どもたちは絵本の世界をたっぷりと楽しむことができ、心を豊かに育てることができる」という想いがつまっています。
「月刊絵本」は年齢に応じて厳選された新作絵本を毎月お届け
そもそも月刊絵本とは…子どもの年齢や成長に合った絵本が毎月届くシステム。
「どんな絵本を選べばいいかわからない」
「忙しくてなかなか書店へ行くのが難しい」
「読む絵本がマンネリ化してしまう」
といった悩みをもつ先生方にうれしいサービスです。
毎月、全国にあるこどものとも社が園に直接お届けしています。
月刊絵本にもいろんな種類がありますが、福音館書店の月刊絵本の特長は、一冊一テーマ、一つの「ものがたり」に特化しているところ。
先ほどの『ぐりとぐら』をはじめ、 『はじめてのおつかい』『きんぎょがにげた』『おおきなかぶ』『ぞうくんのさんぽ』などのロングセラー絵本も、月刊絵本が生み出してきた絵本です。
福音館書店の月刊絵本「ものがたり絵本」が子どもたちにもたらすものとは…?
その魅力を探るべく今回取材したのは、兵庫県にある幼保連携型認定こども園・社会福祉法人任天会「日野の森こども園」。「絵本を大事にしたい」という理事長先生の考えで、開園から福音館書店の月刊絵本を保育に取り入れている園です。
さっそく園長先生に、お話を伺いました。
園長の松本先生
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「大好きな絵本を、大好きな人が読んでくれる」しあわせ
松本先生が絵本に親しむようになったきっかけは、幼少期にお母さんが「読み聞かせ」をしてくれた体験にありました。
松本先生
ちいさい頃から母がよく絵本を読んでくれていて、
とくに『しょうぼうじどうしゃじぷた』が大好きでした。
松本先生
今でも表紙を見るだけで、母の姿はもちろん読み聞かせをしてもらった部屋の風景、布団の柄まで思い出せます。
自身の心の原風景を豊かにしてくれた絵本。その経験が、現在の保育にもつながっていると話す松本先生。
松本先生
『大好きな絵本を、大好きな人が読んでくれる』それだけで十分。上手じゃなくてもいいのです。
絵本の読み聞かせは、そのスキルより大好きな人が読んでくれること、絵本時間そのものが子どもの心を育む、と松本先生は言います。

非認知能力、そして目に見えないものへの感性を育む
では、絵本は子どもの成長にどうつながるのでしょうか。
松本先生
言葉の発達や学習効果など、絵本の効果は無限大だと思います。 ただ、わたしが感じているのは、目に見える効果ではなく目に見えない効果の方。
世の中には、目に見えないものがたくさんありますよね。空気もそうだし、人の心、夢や希望、明日なんかもそう。だから目に見えないものへの感性ってとても大切だと思うのです。
絵本は、そういった感性や想像力を育んでくれるものだと信じていて。絵本という”うそんこ”の世界を楽しめるってとても豊かなことですよね。
絵本の世界でのびのびと想像を広げた体験は、やがて子どもの成長の過程で、一歩踏み出す勇気になったり、心の支えになることもあるかもしれませんね。
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子どもの本質に誠実な絵本への絶対的信頼
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松本先生
幼い頃から慣れ親しんできた絵本が、気づけばどれも福音館書店さんのものばかりで、その信頼は厚いですよね。
20~40年選手の絵本、親子三世代で読み継がれている絵本がたくさんあるんですけど、それってすごいことなのですよ。
めまぐるしく変化する時代のなかで、いつの時代も子どもの本質を見失わず、「子どもの心を動かす」絵本作りに誠実に向き合い続けてきた福音館書店。
その信頼は絶対的なもののようです。
子どもの心を発見でき、保育の幅を広げてくれる絵本
さて、保育のプログラムには、うたやダンス、運動、工作などさまざまなものがありますが、松本先生は「そのどれもが『子どもとつながる』ためのツール」だと話します。
松本先生
絵本もその1つ。 絵本は、子どもたちの心と保育のベースになると信じています。
また、月刊絵本には、自分では選ばないような絵本と出会える魅力があります。
松本先生
『絵本のレパートリーが増える=子どもとの心のつながりが増える』と思っていて、そうすると保育の幅も広がりますよね。 それまで自分の枠だけで育てようとしていたものが、月刊絵本によって枠を越えられるというか。
枠や壁を取っ払うって子どもと関わるうえで、とても大事なことだと思うのです。
「絵本」を共通言語とした保育
日野の森こども園では、朝・お昼寝前・夕方の1日3回、絵本の読み聞かせを行っています。
この日の月刊絵本は『まあくんの いもほり』(こどものとも年中向き2019年11月号)
まず、だれよりも松本先生が楽しそう
子どもたちも「読み聞かせ」の時間をとっても楽しみにしています。
真剣なまなざし。集中してお話を聞く子どもたち
絵本の世界に入り込み、ときに驚いたり共感しあったりも 「絵本をまんなかにして、先生と子どもたちみんながつながる」そんな空気を感じました。
「絵本」をきっかけに生まれる遊びたち
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たとえば『どんぐりころころむし』(ちいさなかがくのとも2019年10月号)
どんぐりの穴から出てきたちっちゃな幼虫を「どんぐりころころむし」と呼ぶこの絵本。
以来、子どもたちは「どんぐりころころむし」探しが大好きで、見つけると必ずだれもが「どんぐりころころむし!」と言うそう。
佐藤先生(4歳児担当)
私個人で言えば、どんぐりは冷凍してから使いたいのですが、子どもたちのキラキラした笑顔がね、それを止めているんですよ。笑
それから『きっさ すなどーひー』 (こどものとも2019年8月号)という絵本。
砂場にしみこむ水からできる「すなどーひー(砂コーヒー)」のものがたり。
この絵本をきっかけに子どもたちは、「砂場+水=すなどーひー」遊びにはまっていて、園庭にあがる度に「すなどーひーつくってくるね!」「あしたもつくらなくちゃ」と言っておおはしゃぎなのだそう。
佐藤先生(4歳児担当)
1度読んだだけで『すなどーひー』がこんなにも子どもの心に残るものかとびっくりしました。
きょうも黙々「すなどーひー」づくり
子どもたち、そして保護者たちと「絵本」でつながる
毎月あたらしい絵本が届く月刊絵本は、「ぼくの絵本」「わたしの絵本」として子どもたちがそれぞれ自宅に持ち帰るシステムになっています。みんな「今月の絵本はなんだろう!」と楽しみにしているそう。
松本先生
家にあるもの(絵本)が園にもあるっていうのも、子どもにとってはすごくうれしいことなのです。
「これママによんでもらった!パパによんでもらった!」という子どもたちの言葉から、先生たちと保護者のコミュニケーションにつながることもあるといいます。
大好きな絵本を、大好きな人に読んでもらった記憶は、大人になっても幸せな体験として心に残り続けるものですよね。
そのきっかけをつくってくれる福音館書店の月刊絵本。ぜひ保育に役立ててみてはいかがでしょうか。

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