どんぐりや落ち葉などさまざまな自然に出会える秋。これらの自然物を使って、保育園で季節感のある製作をしてみましょう。まつぼっくりや木の枝などを用いて、自然ならではの唯一無二の形や色を活かした自由な表現を楽しめるとよいですね。今回は、自然物を使った秋の製作アイデアを、乳児・幼児の年齢別に紹介します。
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■目次
保育園で行う秋の製作に使える自然物とは?
保育園で秋をテーマに製作を行う際、自然物を利用することもあるでしょう。
秋の代表的な自然物として、以下のようなものが挙げられます。
- どんぐり
- まつぼっくり
- 落ち葉(枯れ葉)
- 木の枝
- もみじ
これらの自然物を使う際は、園内や近くの公園などで子どもたちと拾い集めるところから始めてみましょう。
そうすることで、製作に使う自然物以外にも、コスモスやキンモクセイといった花々のほか、コオロギ、鈴虫などの虫を発見でき、子どもたちがより秋を感じられるかもしれません。
また、落ち葉を踏みしめたときの音や感触、どんぐりの匂いなどにもふれることができるので、子どもたちの五感を育むことにもつながりそうですね。
自然物を製作に活用するときの注意点
保育園で製作をする前に、自然物の取り扱いについて注意しておくべきことがあります。くわしく見ていきましょう。
使う前に殺菌や虫対策をする
自然物をそのまま使うと、汚れや虫などが作品についてしまうかもしれません。製作の際は、前もって処理をしておきましょう。
特に、どんぐりやまつぼっくりには虫や雑菌が付着していたり、虫の卵が産みつけられていたりする可能性があります。煮沸や冷凍をして殺菌、虫対策をすることが大切です。
また、落ち葉や木の枝にも土汚れや細菌などが付着しているため、丁寧に水洗いをして汚れを落としましょう。石鹸やお湯を使うと、色が抜けたり傷んで形が崩れてしまったりするようなので注意が必要です。
水気を切って保存する
水分はカビが発生する原因となってしまうので、十分に乾燥させてから保存しましょう。
水洗いや煮沸処理をした後は新聞紙などの上に並べ、日陰で風通しのよいところに干しておくと、しっかりと水分を抜くことができそうです。
また、使わなかったどんぐりやまつぼっくりなどを保管するときは、新聞紙などに包んで乾燥した状態にしておけば、カビの発生を抑制できるかもしれません。
上記のような自然物の扱い方を踏まえて、年齢別の製作アイデアを見ていきましょう。
【乳児向け】秋の自然物を使った製作
ここでは、保育園の乳児クラスで楽しめる、秋の自然物を使った製作を紹介します。
落ち葉を使ったアイデア
落ち葉のたてがみライオン
<用意するもの>
- 落ち葉
- 画用紙(台紙と、ライオンの輪郭の部分)
- ペン
- 接着剤
<作り方>
1.台紙に画用紙で作ったライオンの丸い顔を貼りつけます。
2.落ち葉を顔の周りに貼りつけて、たてがみを表現します。
3.ペンで目や口などをかいたらできあがりです。
<ポイント>
0歳児や1歳児クラスで製作するときは、先生が画用紙にのりを塗り、子どもたちに落ち葉を貼りつけてもらうようにしましょう。
2歳児であれば、ペンで自由にお絵かきを楽しむ子どももいるかもしれません。
子どもがライオンの顔を自由にえがけるよう、クレヨンやカラーペンは豊富に用意しておくとよいですね。
落ち葉のこすりだし
<用意するもの>
- 落ち葉
- 紙(半紙やわら半紙などの薄い紙)
- クレヨン
<ポイント>
落ち葉と紙をしっかりと押さえていないと、位置がずれてしまいます。そのため、紙をしっかりと押さえるよう子どもたちに伝えましょう。
また、色を塗るのに苦戦している子どもがいたら、先生が紙を押さえて動かないようにサポートするとよいですね。(詳しい作り方はこちら)
どんぐりカップケーキ
用意するもの
- プラスチックカップや紙コップなどの容器
- 紙粘土
- どんぐりや木の枝
- コットンボールやラメなどの飾り
作り方
1.容器の中に紙粘土を入れます。
2.どんぐりや木の枝を乗せて飾りつけをします。
3.仕上げにコットンボールやラメなどで装飾すればできあがりです。
ポイント
0歳児の子どもが製作する場合は、あらかじめ容器の中に紙粘土を入れたものを用意しておき、どんぐりで自由に飾りつける作業を楽しんでもらいましょう。
紙粘土に絵の具で色をつけるなどのアレンジもできるので、子どもたちとオリジナルのカップケーキ作りをしてみてくださいね。
木の枝ハリネズミ
用意するもの
- 紙粘土
- 木の枝
- ボタン
作り方
1.紙粘土をハリネズミの形に整えます。
2.(1)の顔の部分にボタンと短い木の枝をつけて、ハリネズミの顔を作ります。
3.(1)の背中の部分に木の枝を差し込めばできあがりです。
ポイント
0歳児や1歳児クラスで行うときは、あらかじめ紙粘土でハリネズミの形を作っておくとスムーズに進められるかもしれません。
また、細い木の枝を扱うと子どもがけがをする恐れがあるので、太くて短い枝を使うとよいでしょう。子どもたちと拾い集めるときは、「こんな風に太いのをたくさん集めよう」と見本を見せて声をかけるとよいですね。
木の枝の長さをあらかじめ揃えておくと、きれいな仕上がりになりますよ。
秋のお面
用意するもの
- 画用紙
- 落ち葉
- 木の枝
- 輪ゴム
- 接着剤
- パンチ
作り方
1.丸くカットした画用紙に落ち葉や木の枝を貼りつけて顔を作ります。
2.(1)の画用紙のふちの対角線上に、パンチで2箇所穴をあけます。
3.(1)であけた穴にそれぞれ輪ゴムを結びつければできあがりです。
ポイント
0歳児や1歳児クラスで取り入れる場合は、先生が画用紙に接着剤をつけておき、子どもたちに落ち葉や木の枝を乗せてもらうとよいでしょう。
アレンジとして、落ち葉を画用紙のふちに並べて貼りつけ、髪の毛を表現してみるのも面白いですね。子どもたちの自由な発想を活かして、秋の季節を感じる個性的なお面を作ってみましょう。
秋のペン立て
用意するもの
- 空き瓶
- 麻紐(瓶全体を巻き付けられる長さ)
- 紙粘土
- どんぐりなどの木の実
- リボン(ビンの直径より10cm~15cmほど余裕のある長さ)
- 接着剤
作り方
1.空き瓶の側面に接着剤を塗り、麻紐を巻きつけていきます。
2.麻紐を巻き終えたら、ビン全体を覆うように紙粘土を貼りつけます。
3.木の実を側面に埋め込んで飾りつけします。
4.紙粘土を乾燥させてリボンを巻いたらできあがりです。
ポイント
先生はあらかじめ麻紐を巻いたものを用意しておき、子どもたちには紙粘土を貼りつける工程から進めてもらうようにしましょう。
乾燥させた後に、ペンで色をつけたり絵をかいてアレンジしたりすれば、オリジナルな作品ができあがりそうですね。
まつぼっくりの首飾り
用意するもの
- 毛糸 1m
- まつぼっくり 1個
- ストロー 数本
- はさみ
ポイント
先生は、ストローを細かく切ってビーズ状にしたものを用意しておきましょう。
ストローの穴が細いため、子どもによっては毛糸を通しづらいかもしれません。先生は、できるだけ太めのストローを用意しておくとよいでしょう。
それでも難しそうであれば、毛糸の先端にセロハンテープを巻きつけておくと穴に通しやすくなるので、必要に応じて援助するとよいですね。(詳しい作り方はこちら)
【幼児向け】秋の自然物を使った製作
ここでは、保育園の幼児クラスで楽しめる、秋の自然物を使った製作を紹介します。
落ち葉を使ったアイデア
落ち葉のフクロウ
<用意するもの>
- 画用紙 1枚
- 絵の具 数色
- ストロー
- 落ち葉 適量
- のり
- はさみ
- ペン
<ポイント>
吹き絵以外にも、絵の具をつけたビー玉を転がしたりスパッタリングをしたりして、模様のつけ方をアレンジしてみるのも面白いでしょう。
先生があらかじめ画用紙の裏側にフクロウの形の切り取り線をかいておけば、子どもたちが線に沿ってカットしやすくなりそうですね。(詳しい作り方はこちら)
秋のキーホルダーやしおり
<用意するもの>
- 落ち葉(いろいろな種類のもの)
- ラミネートフィルム 1枚
- パンチ
- リボン
- はさみ
<ポイント>
貼りつけるタイプのラミネートフィルムの場合、空気を入れないようにするのは子どもたちにとって少し難しいかもしれません。そのため、ラミネートフィルムを重ねて貼りつける作業は、先生が行うとよいですね。
落ち葉の周りをはさみで切ることを考えて、間隔をあけて葉っぱを並べることがポイントです。先生は、作り方を説明する際に子どもたちに伝えておきましょう。(詳しい作り方はこちら)
落ち葉のプリントマシーン
<用意するもの>
- 食品トレー 2枚
- 落ち葉 適量
- 絵の具 適量
- 画用紙 1枚
- テープ
- 接着剤
<ポイント>
落ち葉の模様をきれいに写し取れるように、絵の具は塗りすぎないことがポイントです。
しっかりとトレーをくっつけて転写させる必要があるので、子どもといっしょにトレーを押さえて援助するとよいかもしれません。
できあがったら裏面に絵や一言を添えて、秋らしいメッセージカードに仕上げてみるのもよいですね。(詳しい作り方はこちら)
どんぐりを使ったアイデア
アクセサリー
<用意するもの>
- モール
- どんぐり
- はさみ
- キリ
<ポイント>
先生はあらかじめどんぐりに穴をあけ、モールを通す部分を作っておきましょう。
ブレスレットを作るときに、三つ編みのやり方が分からない子どもがいるかもしれません。その場合は、先生が三つ編みのやり方を見せて、子どもたちといっしょに進めるとよいでしょう。
メガネや指輪を身につけて、ファッションショーごっこなどに発展させても楽しそうですね。(詳しい作り方はこちら)
ヨーヨー
<用意するもの>
- おわん型カップ 2個
- 輪ゴム 3個
- どんぐりや木の実など
- 割りばし 3cmに切ったもの
- セロハンテープ
- ビニールテープ
- キリ
<ポイント>
先生は事前にカップの底に穴をあけたものを準備しておきましょう。
輪ゴムを穴に通す工程では、穴の上に輪ゴムを置き、キリや竹串など先の尖ったもので上から押すと通しやすくなりますよ。
カップの中にどんぐりや木の実などを入れすぎると重くなり、輪ゴムが伸縮しなくなってしまうので、適度な量を入れることを子どもたちに伝えましょう。(詳しい作り方はこちら)
どんぐりケーキ
<用意するもの>
- 牛乳パック 1枚
- どんぐり 適量
- 折り紙
- 両面テープ
- 鉛筆
- 接着剤
- はさみ
<ポイント>
子どもたちが線に沿ってスムーズにカットできるように、先生はあらかじめ目安となる線を牛乳パックに書いておきましょう。
作り終わったら、ケーキ屋さんごっこやパーティーごっこなどに活用してみてもよいですね。
どんぐり以外にも小さな木の実を飾りつけて、秋にぴったりなケーキを作ってみましょう。(詳しい作り方はこちら)
まつぼっくりけん玉
用意するもの
- まつぼっくり 1個
- タコ糸 70cm 1本
- 紙コップ 3個
- トイレットペーパーの芯 1個
- セロハンテープ
- はさみ
ポイント
先生は、紙コップの底を切り抜いたものを用意しておきましょう。
カーブをえがくように側面をカットする工程は少し難易度が高いですが、紙コップを少しずつ手前に回しながら切るとやりやすくなるかもしれません。5歳児クラスであれば、先生が見本を示しながら挑戦してみてもよいですね(詳しい作り方はこちら)
ハーバリウム
用意するもの
- 細長いビン(蓋つき)
- 消毒液
- 木の実や木の枝
- ベビーオイル
ポイント
下準備として、先生はあらかじめビンを消毒して乾燥させておきます。
ハーバリウムは保育室や家に飾り、眺めて楽しめるものであることを子どもたちに伝えてみましょう。
これから作るものをイメージして好きな自然物を選んだり、想像力を働かせて製作に取り組んだりする姿が見られるかもしれませんね。(詳しい作り方はこちら)
自然物の製作を行い、子どもたちと秋の季節を感じよう
今回は、秋の保育園で行う製作にぴったりな、自然物を用いたアイデアを年齢別に紹介しました。
秋には、どんぐりや落ち葉、木の枝などさまざまな自然が身近にあふれています。
それらを材料として製作に取り入れ、子どもたちが季節を感じる機会を作ってみましょう。
また、製作を通して自然物の匂いや触り心地を味わえば、子どもたちの五感を育むことにもつながるかもしれません。今回紹介したアイデアを参考に、子どもたちと秋の自然物を使った製作にチャレンジしてみてくださいね。
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