指に絵の具をつけて自由にお絵描きを楽しめるフィンガーペインティング。乳児クラスにも取り入れやすいため、やり方などを知りたい保育士さんもいるのではないでしょうか。片栗粉や小麦粉を使った作り方も覚えて、保育に役立てられるとよいですね。今回は、フィンガーペインティングの遊び方やねらい、製作の仕方などを紹介します。
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■目次
フィンガーペインティングとは?
フィンガーペインティングとは、筆など使わずに直接手や指に絵の具を付けて、画用紙などに塗ったりこすったりする技法です。
フィンガーペインティングを通して、絵を描く感覚を育めたり、自由に表現したりすることが育まれると言われています。
1歳児や2歳児の年齢が低い子どもたちでも楽しむことができるので、指や手を使って絵を書く楽しさなどを味わえるでしょう。
保育園では、暑くなってくる6月、7月頃からフィンガーペインティングを保育に取り入れる園が多いようですが、そもそも保育に取り入れることには以下のようなねらいが挙げられます。
- 絵の具の感触を知り、色が混ざる面白さを感じる
- 汚れを気にせず自由に表現することを楽しむ
絵の具の感触や混ざる面白さを感じたり、汚れを気にせず自由に自己表現をしたりするねらいがあります。
指導案を作成する際も、子どもたちが自由な発想を大切にしながら楽しめるよう、環境構成や配慮する点などを考えていけるとよいですね。
今回は、フィンガーペインティングの基本的な遊び方やアレンジ方法などをくわしく紹介します。
フィンガーペインティングの基本的な遊び方
まず、フィンガーペインティングの基本的な遊び方から紹介します。
遊び方
1.手や指に絵の具を付けます。
2.画用紙に押します。
3.画用紙上の(2)をこすってみたり、折りたたんでこすり合わせてみたりして絵の具の感触を楽しみます。
4.(1)~(3)を繰り返して遊びます。
遊ぶときのポイント
いろいろな色が混ざると暗くなってしまうため、はじめは2色から3色で遊んでみましょう。
汚れを気にせず楽しめるように、机などに新聞紙を敷いたり、汚れてもよい服装に着替えたりして子どもたちが自由に遊べるようにするとよいですね。絵の具でなく、食紅にすると万が一子どもたちが口に入れてしまっても安心かもしれません。
フィンガーペインティングのアレンジした遊び方
次に、材料を加えると楽しいフィンガーペインティングのアレンジした遊び方をみていきましょう。
小麦粉での作り方
小麦粉での作り方を紹介します。
用意するもの
- 小麦粉
- 水
- 絵の具
- 鍋
- 混ぜるもの
作り方
1.小麦粉と好きな色の絵の具を用意します。
2.小麦粉と水を1:4の割合で混ぜて鍋に入れて火にかけます。とろとろになるまで温めて火を止めて、少し冷まします。
強火にしてしまうと、小麦粉がダマになってしまうことがあるので注意しましょう。
3.(2)に絵の具を混ぜたらできあがりです。
遊ぶときの注意点
火を使うので、子どもたちがいない部屋で行ったり、作っている間は他の保育士さんに子どもを見守ってもらったりと危険がないようにしましょう。
冷ましている間も鍋が熱くなっている場合があるので、「鍋が熱くなっているから、絶対に触らないでね」と声をかけ、子どもたちの手が届かないところに置くとよいですね。
また遊ぶ前は必ず、アレルギー児がいないか確認することが大切です。
片栗粉での作り方
続いて、片栗粉での作り方を紹介します。
用意するもの
- 片栗粉
- 水
- 絵の具
- 鍋
- 混ぜるもの
作り方
1.水1リットルに対して片栗粉大さじ5を鍋に入れ混ぜます。
2.片栗粉が溶けたら、鍋に火をかけます。
3.(2)を温めてから火を止めて冷まします。
4.(3)が冷めたら絵の具を入れればできあがりです。
遊ぶときの注意点
小麦粉アレルギーがある子がいる場合、片栗粉にして遊ぶと全員で楽しめるかもしれません。小麦粉と同様、火にかけるときは周囲をきちんと確認し、安全な場所で行うようにしましょう。
フィンガーペインティングで遊ぶときのポイント
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最後に、フィンガーペインティングで遊ぶときに気をつけるポイントを紹介します。
汚れてもよい服装で行う
フィンガーペインティングは、指に絵の具を付けて自由に行えるので、洋服が汚れてしまうことが考えられます。そのため、事前に保護者の方に汚れてもよい服を用意してもらうことで、ダイナミックに遊べそうです。
保護者の方には早めに周知すると、スムーズに準備が進められそうですね。
年齢に合わせた遊び方を取り入れる
年齢に合わせた遊び方を取り入れると楽しく製作ができそうです。
1歳児・2歳児クラス
指先が上手に使えるようになってくる頃なので、絵の具の感触を楽しんでみましょう。言葉も端から吸収する時期にもなるため「クルクル」や「三角」「四角」「丸」など形に合わせて言葉がけをするのもよいですね。
3歳児・4歳児・5歳児クラス
幼児クラスになると、自分なりのイメージを持って製作する姿が見られるようになるので、子どもたちなりの表現を自由に楽しめるような環境にすることが大切です。
また、製作を進める際に友だちと一つのテーマで話し合って作品を作り上げてみてもよいですね。その際、保育士さんにアドバイスを求めるときは答えて、その他は子どもたちを見守るようにしましょう。
フィンガーペインティングで子どもたちといっしょに楽しもう
今回はフィンガーペインティングの遊び方をくわしく紹介しました。
保育でフィンガーペインティングを行うのには、絵の具の感触や色の混ざり方を知りながら、自由に表現することをねらいとしています。
小麦粉や片栗粉、絵の具、食紅などを身近なものを使って簡単にできるので、保育に取り入れやすい遊びと言えるでしょう。
今回の記事を参考にしながら、子どもたちとフィンガーペインティングで遊んでみてくださいね。