泣く子は強い？泣かない子との違いや保育士の対応を解説

「泣く子は弱い」と考えられていた時代もありましたが、最近は「泣く子は感情表現豊かで強い子になるのでは？」という説があります。強い子に育つのであれば、たくさん泣いたほうがよいと考える保護者の方もいるでしょう。今回は子どもが泣く意味や泣く子は強いのかを紹介します。泣かない子との違い、保育士の対応もまとめました。

Paylessimages/stock.adobe.com

子どもが泣くことへの悩み

子どもが泣いたとき、どうしたらよいのかわからずに戸惑う保護者の方もいるでしょう。

子どもがずっと泣いているとイライラしてしまいます。『いつまで泣いているの！』と叱ってしまった後、自己嫌悪に陥ります。

子どもが思い通りにいかないことがあるとすぐ泣いてしまいます。育て方がよくないのかと思い、自分を責めてしまいます。

子どもは大人になるにつれて次第に感情のコントロールができるようになり、泣くことが少なくなるものです。

ただ、幼児期は子どもによって感情表現の仕方に違いがあるため、泣くことが多かったり、泣き続けたりしていると「どうしてこんなに泣き虫なの？」と、子どもへの対応に不安になることもありますよね。

泣く子が強いって本当？

「泣かないの！男の子でしょ。」「人前で涙を見せちゃダメでしょ！」と、昔は泣くことに対して弱さを感じて、泣かない子が強いと考えられていた方もいるのではないでしょうか。

ただ、最近は泣く子は感情表現が豊かで強い子に育つのでは？という説もあります。

しかし、「泣く子が強い」という説に根拠があるわけではありません。

また、泣くことで自分の気持ちを相手に伝えられるというのは「しっかり自分の感情を表現できている」ということ。

泣く子が強いという説は、「感情表現が豊かであれば、強く育ってくれるのでは？」という保護者からの期待も込められているかもしれません。

人それぞれ考え方によって違いがありますが、まずは子どもが泣いていても否定的に捉えずに対応することが大切になりそうです。

泣くことの意味

実際、子どもが泣いているのはどのような意味があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

自分の気持ちを表現している

人は成長する中で「悲しい」「苦しい」「怖い」「寂しい」などの感情を味わいます。

これらの感情は、「本来はこうしたい」という欲求が満たされないために生まれるもので、感情がある一定の限界まで達したとき、人は泣くことによって自分の感情を表します。

気持ちを受け止めてほしい

何か問題が起きたときに、言葉で自分の気持ちを表現することが難しい場合があるでしょう。

特に子どもは語彙力が未熟で言葉ではなく、泣くことで自分の気持ちを伝える場合が多いものです。

保護者や周囲の大人に自分の気持ちを受け止めてほしいという想いから、泣き続けることもあるかもしれません。

ストレスや緊張を開放している

泣くことは、ストレスや緊張を開放する意味もあります。

「悲しい」「苦しい」「怖い」「寂しい」などの感情の器があると考えたときに、まだ小さな子どもはこの器の容量が少なく、すぐにいっぱいになって溢れ出してしまうこともあるでしょう。

例えば、お兄ちゃんにちょっといじわるされたとき「本当は仲よくしたいのに・・・」という欲求が満たされず、泣き出す子もいます。しかし、泣いた後は何事もなかったように、またいっしょに遊び出します。

このように泣くことで気持ちをリセットして、自分の感情を切り替えるきっかけにすることがあるかもしれませんね。

泣く子と泣かない子の違い

子どもの中には何かトラブルや問題があったとき、泣く子もいれば泣かない子もいるでしょう。

泣かない子は「我慢強い」と思われがちですが、中にはどうしてよいかわからずに感情を表現できなかったり、叱られるのが怖くて泣くのを我慢していたりする場合があります。

保護者の方の中には「幼稚園で〇〇くんはケンカになっても泣かないのに、うちの子どもはよく泣いているのだろう…」とつい比べてしまうこともあるかもしれません。

しかし、泣く子と泣かない子は性格や感情表現の方法に違いがあるため、比較せずに見守ることが大切ですね。

保育士直伝！泣く子への対応

Paylessimages/stock.adobe.com

最後に保育士が実践する、泣いている子への対処法を紹介します。

気持ちを受け止めてスキンシップを大切にする

子どもが泣き続けていたり、思うように泣き止んでくれなかったりするとイライラしてしまうこともあるでしょう。

しかし、感情的に叱ると子どもが悲しくなり、さらに泣き続けてしまう場合があります。「辛かったんだね」「自分でやりたかったんだね」とまずは気持ちを受け止めることが大切です。

子どもは、保護者の方が気持ちを代弁すると「ママやパパは自分の気持ちをわかってくれている」と安心感を抱くでしょう。

スキンシップを心がけて、抱きしめたり頭をなでたりしながらなぐさめると次第に自分で気持ちを切り替えられそうです。

環境を変えてみる

子どもが泣き続けて情緒が不安定な状況が続くときは、一度環境を変えてみるとよいかもしれません。

例えば、室内にいるときは外の空気を吸いに子どもといっしょにベランダに出ると、気がまぎれて落ち着くことがありそうです。

大人も感情が高ぶっているとその場にいることが辛くなる場面があるでしょう。

環境を変えることで気持ちを切り替えるきっかけになりそうです。

気持ちの切り替えができるように声かけする

子どもの気持ちを受け止めて慰めた後は、気持ちの切り替えができるようにさまざまな声かけを試してみるとよいかもしれません。

「ママが10秒数えた後は泣き止んでいっしょにおままごとしよう」

「あれ？楽しい音楽が聞こえてきたね。パパと踊ってみようか」

など、泣き止んだ後にどんな楽しいことが待っているのか、具体的に伝えてみましょう。

また、子どもの好きな音楽をかけたり、お気に入りの人形を使って「大丈夫？元気出してね。」となぐさめたりして、気持ちを切り替えられるように接し方を工夫してみましょう。

保育士さんへ

「子育て経験を活かして現場に戻りたい」という保育士さんはいませんか？ブランクありでもOK！保育士バンク！であなたが働きやすい職場を一緒に探していきましょう。

【無料】保育士バンク！に相談

泣く子が強いのではなく、安心して泣ける環境を作ることが大切

泣く子が強いという説はありますが、考え方は人それぞれ。

大切なのは子どもが安心して泣ける環境を整えることです。

子どもが泣き続けているとついイライラしてしまうこともありますが、まずは気持ちを受け止めて切り替えができるように声かけをしていくとよいですね。

また、保育士バンク！では子どもが楽しめる遊びネタの紹介や保育士さんの転職サポートを実施中！「子育てが一段落したからそろそろ現場への復帰を考えている」という保育士さんの復職もお手伝いしていますので、ぜひご相談くださいね。