保育園における保護者支援とは、どのような内容でしょうか。保護者とコミュニケーションを図りながら育児の悩みに寄り添うことも、大切な仕事のひとつですよね。今回は、保育園で行う保護者支援について、実施例や保育士として求められることを紹介します。あわせて、支援をする際に配慮することをまとめました。
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■目次
保育園における保護者支援とは
保育園における保護者支援とは、保育園が保護者の気持ちに寄り添い、育児に関するサポートを行うことです。
保育園に子どもを通わせている保護者は、自分の育児のやり方に自信が持てなかったり、子どもの成長について悩みを抱えていたりするかもしれません。
保護者支援は保護者の育児負担を軽減するために大切な業務のひとつですが、保育園ではどのような子育て支援ができるのでしょうか。取り組みの例を挙げてみました。
- 子どもにとって最善な環境を整える
- 子どもの保育園での様子を保護者に伝える
- 保護者と信頼関係を築き、適切な支援をする
周りに育児の相談をする人がいなければ、子育てに行き詰まってしまう保護者がいるかもしれません。
保育士として、保護者の抱える育児についての悩みや課題に寄り添い、保護者が楽しく育児を行えるようサポートできるとよいですね。
保育園における保護者支援の実施例
では、保護者支援として、具体的にどのようなことを行えばよいのでしょうか。
保育園で実施できる保護者支援の例をまとめました。
保護者から育児相談を受ける
保育士さんが保護者から育児相談を受けて助言をすることも、保護者支援につながります。
子どものお迎え時など保護者と顔を合わせるタイミングで、育児の相談を受けることがあるかもしれません。
「食べる量が少ない」「保育園へ行くのを渋る」「成長が遅い」などと、保護者が育児について抱える課題はさまざまです。
育児についての悩みに親身になって対応すれば、保護者にとって保育士さんが精神的な支えになることでしょう。
保育園で準備できるものを揃える
子どもの予備の着替えやうがいで使うコップ、敷き布団など、保育園で準備できる物を用意することも、保護者支援の一環であるといえます。
保育中に汚れた子どもの衣類を軽く洗濯することも、日々忙しい保護者にとって子育て負担の軽減につながることでしょう。
保護者のスケジュールを考慮する
発表会や運動会など大きな行事の日程は、できる限り保護者の都合を擦り合わせて決定するのではないでしょうか。
保護者のスケジュールに配慮しながら保育園を運営することも、支援の一つに数えられます。
保育園における保護者支援で求められること
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では、保護者支援を行うにあたって、保育士さんはどのようなことを求められているのでしょうか。
誠実な対応
保育士さんは、保護者と信頼関係を築くことが大切です。
保護者に対する誠実な対応により、良い印象を与えることができるでしょう。
なお、話しやすい保護者であっても丁寧な言葉遣いで受け答えをするように心掛けましょう。
話を聞く姿勢
保護者の困っていることや、子どもの家での様子などをじっくりと聞きましょう。
保護者の悩みを汲みとり、改善に導いていく方法を提案するなどフォローすれば、保護者の精神的な負担が和らぐかもしれません。
なお、状況によっては子どもの気持ちを代弁して保護者へ伝えることも大切です。
例えば、登園を渋る子どもの心境を保護者に知ってもらうことで、保護者が子どもの言動を理解することにつながるかもしれません。
きめ細やかな連絡
保育園で過ごす何気ない子どもの普段の会話や行動も、具体的に保護者へ伝えてみましょう。
連絡帳などを用いれば、保育士に直接悩みを言い出せないという保護者も状況を伝えやすいでしょう。
保護者と密にコミュニケーションを図ることで、保護者の言動や文面などから育児における課題を汲み取ることができるかもしれません。
保育園における保護者支援で配慮すること
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ここでは、保護者支援の際に保育士として気を付けることをまとめました。
上から目線で話さない
保育士さんが上からの命令口調で話せば、保護者が不快な思いをするでしょう。
育児の悩みなどを、保育士さんに打ち明けにくくなるかもしれません。
保護者を責めたてず、保護者の気持ちに寄り添う姿勢が大切です。
安心感を与える
保護者は自分の子どものことについて、さまざまな心配を抱えがちです。
例えば、子どもの成長が他の子どもと比べて遅いのでは…と不安になることも。
保護者の子どもと同じような事例を伝えるなどして、安心感を与えられるように配慮しましょう。
保護者の頑張りを認める
自分の子育てに自信が持てない保護者に対しては、子どもの成長を感じられるポイントを見つけて褒めるとよいでしょう。
保護者は保育士さんに認めてもらえたことにより、子育てに前向きに取り組めるようになるかもしれません。
保護者といっしょに子どもの成長の喜びを共有しながら、育児の課題にも向き合えるとよいですね。
秘密を周囲に漏らさない
保護者は保育士さんに信頼を寄せて、育児の悩みや家庭のことなどを打ち明けています。
周囲に話せば信頼関係が損なわれるため、保護者から知り得た内容を周囲に漏らさないよう細心の配慮を心掛けましょう。
なお、保護者の話を受けて子どもへの虐待が疑われる場合には通告義務があるため、福祉事務所もしくは児童相談所へ状況を伝える必要があります。
保育園での保護者支援は子どもの健やかな成長に必要不可欠!
保護者支援を行うにあたり、大切なことは保護者の気持ちに寄り添うことです。
保護者が普段何気なく話していることにも耳を傾け、保護者の抱えている課題に真摯に向き合いましょう。
子どもの健やかな成長のために、保育士として安定した親子関係を築けるよう手助けできるとよいですね。
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