ひな祭りのお祝い料理として有名なちらし寿司。なぜ食べられるようになったのか、由来についてくわしく知らない先生もいるかもしれません。今回は、ひな祭りに食べるちらし寿司の由来や、具材に隠された意味について紹介します。子どもたちにわかりやすく伝え、保育園で過ごすひな祭りを実りある行事にできるとよいですね。
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■目次
ひな祭りにはどんなものを食べる?
女の子の健やかな成長と健康を祝う行事として親しまれているひな祭り。
この日には、春の訪れを感じさせる旬の食材などを使った、伝統的なお祝い料理を食べる慣習があるようです。
一般的に、ひな祭りに食べるものとして以下が挙げられるでしょう。
- 菱餅
- ひなあられ
- はまぐりのお吸い物
- 白酒
- ちらし寿司
これらの食べ物にはそれぞれ意味が込められており、お祝いの場にふさわしい縁起がよいものとして人々に食されています。
そのなかでも、ちらし寿司は華やかな見た目から、ひな祭りのメイン料理として親しまれているようです。
今回は、そんなちらし寿司がひな祭りのお祝い料理として定着した由来について紹介します。
料理に込められた意味について知れば、よりいっそう行事に親しみをもって、楽しむことができるかもしれませんね。
ひな祭りにちらし寿司を食べるようになった由来
ちらし寿司がひな祭りに食べられるようになったのには、明確な由来はないそうです。
しかし一説によると、平安時代に食べられていた「なれ寿司」というものがちらし寿司のはじまりと言われています。
なれ寿司は、魚の中にお米を詰めて発酵させた保存食で、ひな祭りをはじめとするお祝いごとの席で食べられていたようです。
そして江戸時代に入り、見た目が地味で独特な匂いをもっていたなれ寿司の代わりに、「ばら寿司」が食べられるようになったと伝えられています。
ばら寿司は具材を混ぜ込んで作ったもので、現在のちらし寿司の原型とも言われているようです。
その後、より見た目が華やかで、具材を混ぜずに上に乗せる形のちらし寿司へと変化したとされています。
また、ちらし寿司の具材には以下のように縁起のよい意味があると言われています。
- エビ:背中が丸くなるまで長生きできる
- レンコン:先まで見通しがきく
- 豆:健康でマメに働ける
このようにちらし寿司は、色鮮やかで派手な見た目をしていることと、縁起がよいとされる具材が使われていることから、ひな祭りのお祝い料理として広く定着したのではないかと考えられているようです。
ちらし寿司の由来や意味を子ども向けに伝える言い換え例
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ひな祭りでちらし寿司を食べるようになった由来について、子どもたちにわかりやすく説明してみましょう。
ここでは、子どもからの質問を想定した簡単な言い換え例を紹介します。
Q1.ちらし寿司ってどんなもの?
ちらし寿司は、ご飯のうえにエビやレンコン、豆などが乗った料理のことだよ。
ほかにも、いくらやサーモンといったお魚や、卵などが乗っていることが多いけど、地域によって具材は違うんだって。
Q2.どうしてひな祭りにちらし寿司を食べるの?
昔の人は、お祝いの時に見た目が地味なお寿司を食べていたんだって。
だけど、だんだん見た目が華やかになって、ちらし寿司が食べられるようになったんだよ。
しかも、ちらし寿司に入っている具材には縁起がよい意味が込められているから、ひな祭りにぴったりなのかもしれないね。
子どもたちからちらし寿司について聞かれたときには、「お祝いにぴったりな食べ物」ということが伝わるように説明してみましょう。
また、子どもたちと給食でちらし寿司を食べて、どんな具材が入っているのかを知ったり、具材の意味について学べたりする機会を作れるとよいですね。
保育園で楽しむちらし寿司の製作
保育園のひな祭り行事に向けて、ちらし寿司の製作をしてみましょう。
用意するもの
- 空の容器(なければ紙皿でも可)
- フラワーペーパー(白色)
- 折り紙(赤、黄色、緑、ピンクなど)
- はさみ
作り方
1.空の容器の底にくしゃくしゃに丸めたフラワーペーパーを敷きつめます。
2.折り紙を細かく切って、具材を作ります。
3.(1)のフラワーペーパーの上に具材を並べればできあがりです。
ポイント
ご飯の部分を表しているフラワーペーパーは、綿や白色の毛糸などでも代用することができます。
乳児クラスの子どもが挑戦する場合には、さまざまな色のフラワーペーパーを用意して、指でちぎって具材を作ってもらうとよいでしょう。
また、幼児クラスの子どもが製作するときは、ちらし寿司に含まれる具材についても説明し、子どもたちが自分で色どりなどを考えながら具材を表現できるとよいですね。
ちらし寿司を食べる由来を子どもたちに伝え、ひな祭りを楽しもう
今回は、ひな祭りにちらし寿司を食べる由来や子ども向けの伝え方などを紹介しました。
ちらし寿司がひな祭りの食事として定着したのにははっきりとした由来はないようです。
しかし、平安時代にお祝いの場で食べられていた「なれ寿司」というものが時代とともに変化して、華やかな見た目のちらし寿司になったと言われています。
ちらし寿司に入っているエビ・レンコン・豆には、それぞれひな祭りのお祝いにふさわしい意味が込められています。
製作をしたり由来をわかりやすく説明したりして、保育園のひな祭り行事に向けてワクワク感を高められるとよいですね。