保育士の退職金はいくら?早見表と勤続年数別シミュレーションでわかりやすく解説

保育士として働いていると「退職金はもらえる?」「相場はいくら?」と将来が気になるものです。実は保育士の退職金は、公立か私立か、勤続年数や雇用形態によって数百万円単位の差が出ます。今回は公立保育園と私立保育園、それぞれの退職金相場を徹底解説。10年・20年・30年働いた際のシミュレーションや、損をしないための申請方法、税金の仕組みまでわかりやすく解説します。

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この記事でわかること
  • 大切な退職金!保育士はいくらもらえる?相場を確認 ▼詳細
  • 保育士の退職金はどこから支給される?公立と私立のしくみ ▼詳細
  • 公立保育園の平均相場は「平均約837万円」!退職金シミュレーション ▼詳細

目次

大切な退職金!保育士はいくらもらえる?相場を確認

退職金とは、職場を辞めるときにまとまって支払われるお金のことです。

「今まで長く働いてくれてありがとう」という感謝もふまえて支給されるもので、勤続年数が長いほど金額が大きくなるのが一般的です。

一般的に、保育士が受け取る退職金の平均的な相場は以下の通りです。

保育士の退職金相場

勤続5年: 約30万〜60万円

勤続10年: 約100万〜150万円

勤続20年: 約400万〜600万円

定年退職(勤続35年以上) 約1,500万〜2,000万円

※私立保育園の多くが加入する独立行政法人福祉医療機構(WAM)の支給基準や地方公務員(公立保育園)の退職手当制度に基づいた試算
※「自己都合」か「定年」かという退職理由や、園独自のプラスアルファ(調整額)によって金額が前後

退職金の支給は法律で義務づけられているわけではないため、退職金制度がない職場では何年働いても支給されないことがあります。

保育士の退職金はどこから支給される?公立と私立のしくみ

勤務先が公立・私立保育園によって退職金制度は大きく異なります。

公立保育園

公立保育園の保育士は地方公務員にあたるため、退職金制度が自治体の条例で整備されています。

原則として勤続1年以上の正規職員が支給の対象です。自治体によっては、6カ月以上勤務していれば、切り上げて1年とみなされることもあります。

「退職金が支給される仕組み」

公立保育園の保育士は地方公務員にあたり、「地方公務員の退職手当制度」が適用されます。そのため、退職金は各自治体が定める退職手当条例に基づいて支給されます。法令で定められた制度なので、条件を満たせば支給される点が大きな特徴です。

私立保育園

私立保育園の場合は、園ごとの就業規則によって条件が異なります。

正社員として3年以上勤務すると退職金が出るケースが多い傾向にありますが、あくまで園の規定次第です。

「退職金が支給される仕組み」

多くの私立保育園は社会福祉法人が運営しており、その約9割が独立行政法人福祉医療機構(WAM)の「社会福祉施設職員等退職手当共済制度」に加入しています。

2023年4月時点では、約88万5,000人が利用しています。

この制度の大きなポイントは、本人負担は「0円」という点。

退職手当金の財源を施設経営者・国・都道府県の三者で負担してくれます。※国と都道府県の補助が出るのは、共済法施行令で定められた範囲内

保育士自身が給料から積み立てたり、掛金を負担したりする必要はありません。

ただし、退職金を受け取るには、原則として1年(12ヶ月)以上の被保険者期間が必要です。

パートなどの非常勤勤務の場合は、以下の条件を満たせば、退職金を受け取ることができますので押さえておきましょう。

  • 1カ月の労働時間が、正規職員の3分の2以上である。
  • 雇用契約期間が1年以上である。

要注意!「退職金がもらえないケースもある」

退職金は全ての人がもらえるわけではありません。以下に該当する場合は支給されないことが多いです。

・制度そのものがない園

株式会社などが運営している場合は退職金制度がない園もあり

・非正規雇用での勤務

パートやアルバイトは、原則として支給対象外となるケースがほとんど

・「最低勤続年数」に満たない

多くの園で「1年以上」などの条件があり、特に6カ月未満の退職は支給対象外

・就業規則の条件未達

園ごとに受給資格(勤続3年以上など)が異なるため、規則の確認が必須


このように、退職金がもらえないケースもあるため、就職・転職のときは「退職金制度があるか」「何年目から対象になるか」を事前に確認しておくと安心です。

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公立保育園の平均相場は「平均約837万円」!退職金シミュレーション

総務省の資料によると、2023年度の公務員保育士さんを含む地方公務員一般職員の退職金の平均は、約837万円です。

定年退職(60歳)の場合は、平均約1,057万円。

定年まで勤めあげると、1,000万円を超える大きなまとまった金額を受け取れる可能性が高いです。

公立保育園の退職金の計算式

公立保育士の退職金は、以下のシンプルな式で決まります。

退職金 = 基本額(給料 × 支給率) + 調整額(役職による加算)

※支給率は倍率と呼ばれています。

基本額とは…「退職日給料月額×退職理由別・勤続年数別支給率」のこと。
退職した日の「月給」に、働いた長さや理由に応じた「倍率(支給率)」を掛けたものです。長く勤めるほどこの倍率が高くなります。

調整額とは…調整月額のうち額が多いものから60月分の額を合計した額のこと。
主任や園長など、役職に就いていた期間や貢献度に応じて上乗せされる「役職手当」のようなものです。現役時代の頑張りが、退職金のプラスアルファとして反映されます。

【支給率の一覧表(退職理由別)】

総務省が公表している支給率の例です。支給率は、退職理由や勤続年数別に設定されています。内訳は以下の通りです。

出典:総務省 / 地方公務員の退職手当制度について

たとえば「支給率6.0」というのは、退職日の給料月額を6倍するという意味です。

給料月額が25万円で支給率6.0なら、25万円×6.0=150万円が基本額になります。

勤続年数別シミュレーション(自己都合退職・給料月額25万円の場合)

勤続年数 計算式(給料月額×支給率) 退職金の目安(基本額)
10年 25万円×6.0 約150万円
15年 25万円×12.4 約310万円
20年 25万円×23.5 約587万5,000円
25年 25万円×33.5 約837万5,000円
30年 25万円×43.5 約1,087万5,000円
35年 25万円×52.44 約1,311万円

なお、<a id=”a”>調整額は含んでいない</a>ため、実際の支給額はこれより多くなる可能性があります。

また、定年退職の場合はさらに高い支給率が適用されます。実際は勤続年数とともに給料月額も上がるため、あくまで目安としてご覧ください。

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    私立保育園の平均相場は「平均約480万円」退職金シミュレーション

    私立保育園に勤める保育士さんは加入している制度によって、退職金の計算方法が異なります。

    今回は、例として社会福祉法人の多くが加入するWAMの退職手当共済制度について紹介します。

    退職手当共済制度(WAM)のシミュレーション上の退職金の平均は、約480万円

    勤続30年を超えると退職金の伸び率が大きくなり、1,000万円以上受け取ることができる場合もあります。

    退職手当共済制度(WAM)利用者向けの計算式

    次の計算式で退職金が決まります。

    退職手当金=計算基礎額×支給乗率

    「計算基礎額」とは、退職前6カ月の基本給(本俸月額)の平均に応じて決まる金額のことです。

    簡単にいうと「退職する直前半年間の基本給がいくらだったか」をもとに、退職金の土台となる額が決まるしくみです。

    支給乗率は、勤続年数(被共済職員期間)に応じた倍率のことです。公立の「支給率」と考え方は似ていて、長く勤めるほどこの倍率が上がり、退職金も大きくなります。

    勤続年数別シミュレーション(普通退職・計算基礎額約25万円~約26万4,000円の場合)

    以下は、独立行政法人福祉医療機構のシミュレーションをもとにした目安です。

    勤続年数 退職金の目安
    1年 約13万円
    3年 約39万円
    5年 約65万3,000円
    10年 約130万5,000円
    15年 約269万7,000円
    20年 約511万1,250円
    25年 約735万円
    30年 約1,010万円
    40年 約1,422万円

    出典:退職手当金計算シミュレーション /独立行政法人福祉医療機構

    ※上記は一定の条件での目安です。実際の金額は個人の給与や勤務状況によって異なります。
    ※計算基礎額は本俸月額の平均に応じて20段階に分かれているため、同じ月給25万円でも基本給の内訳次第で変わることがあります。

    独立行政法人福祉医療機構のホームページに「退職手当金計算シミュレーション」が公開されています。

    「勤続年数」「退職前6カ月の平均月額給与」「退職理由」を入力するだけで、おおよその金額が表示されるため、目安を算出してみましょう。

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    保育士の退職金に税金はかかるの?退職所得控除の適用で「0」になる可能性も

    「退職金にも税金がかかるの?」と心配になる方もいるかもしれません。

    結論、退職金にも所得税や住民税はかかります。

    通常の給与よりも大幅に税負担が軽くなる「退職所得控除」という制度が適用になります。

    退職所得控除とは、「退職金のうち、この金額まではまるごと非課税にしますよ」という枠のことです。計算方法は勤続年数によって変わります。

    退職所得控除の計算方法

    勤続20年以下の場合:40万円×勤続年数(80万円に満たないときは80万円)

    勤続20年超の場合:800万円+70万円×(勤続年数−20年)

    具体例で確認してみましょう

    例1

    勤続10年で退職金150万円を受け取った場合控除額は40万円×10年=400万円。

    退職金150万円は控除額の400万円以下なので、税金は0円です。

    例2

    勤続25年で退職金700万円を受け取った場合控除額は800万円+70万円×(25年−20年)=1,150万円。

    退職金700万円は控除額の1,150万円以下なので、こちらも税金はかかりません。

    このように、多くの保育士の退職金は控除の範囲内に収まるため、実質的に非課税になるケースが少なくないようです。

    退職金はいつもらえる?支給時期と請求手続き

    「退職したらすぐに振り込まれるの?」という点も気になるところですよね。

    ここでは、退職金の支給時期と、意外と知られていない請求手続きについて紹介します。

    公立保育園の場合は、退職から原則1カ月以内に支給されるのが一般的です。

    私立保育園(WAM共済加入)の場合は、退職手当金請求書が独立行政法人福祉医療機構に届いてから、おおむね3カ月程度が目安とされています。

    また、WAMの退職手当共済制度には「合算制度」というしくみがあります。これは、退職時に退職金を受け取らず、次の職場で勤続年数をつなげる方法です。

    前の園と次の園が、どちらもWAMの退職手当共済制度に加入している場合に使えます。

    勤続年数が長いほど退職金は大きくなるので、転職の際は「合算できるかどうか」も確認しておくとよいでしょう。

    要注意!退職金は「申請しないともらえない」

    退職金は、退職すれば自動的に振り込まれるわけではありません。

    WAMの退職手当共済制度の場合、退職した施設から渡される二次元コードを使って「退職手当金請求書」を自分で作成し、独立行政法人福祉医療機構に提出する必要があります。

    退職金の請求期限は、退職日の翌日から5年間です。

    「そのうちやれば大丈夫」忘れてしまうと受け取れなくなることもあるので、退職後は早めに手続きしておきましょう。

    退職金を引き継げる転職先を探すなら!専門家に無料相談

    退職金制度がある保育園の見つけ方、知っていますか?

    「退職金がある園で働きたい」と思っても、どうやって探せばいいのかわからない方もいるでしょう。

    求人票を1つずつ確認する以外にも、実はいくつかの方法があります。

    「転職エージェント経由」で確認する

    退職金の有無や制度の詳細がもし求人に書いていない場合、希望の園に退職金制度が必要かを聞くのは、気がひけますよね。

    転職エージェントを利用すれば、「退職手当共済に加入しているか」「勤続何年から対象か」といった細かい条件を、アドバイザーが代わりに確認してくれます。

    なお、保育士バンク!では無料で情報収集が可能なのでまずはご相談くださいね。

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    運営法人の種類から「退職金の出やすさ」をある程度見分けられる

    制度としての目安になるのが、園の運営法人の種類です。

    社会福祉法人が運営する保育園は、WAMの退職手当共済制度への加入率が約9割と高く、退職金が出る可能性が比較的高いといえます。

    一方、株式会社運営の保育園は制度の有無がまちまちなので、個別の確認が欠かせません。

    求人票を見るときに「運営:社会福祉法人〇〇」などの記載があれば、共済加入の可能性が高いという目安になるでしょう。

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    保育士の退職金についてよくある質問

    Q.パートや派遣の保育士でも退職金はもらえますか?

    A.退職金制度は正社員(常勤)を対象としていることがほとんどです。

    パートやアルバイト、派遣社員の方は対象外となるケースが多くなっています。

    ただし、園によっては非正規雇用でも一定の条件を満たせば支給される場合もあるので、就業規則を確認してみてください。

    Q.保育園を転職しても退職金は引き継がれますか?

    A.WAMの退職手当共済制度に加入している施設同士であれば、被共済職員期間を合算できる「合算制度」があります。

    ただし、条件があり、転職先が同じ共済に加入している必要があります。転職を考えているなら、事前に確認しておくと安心です。

    Q.退職金がないと言われました。何かできることはありますか?

    A.まずは就業規則を確認してください。

    就業規則に退職金の定めがあり、支給条件を満たしている場合は、園側に支払い義務が生じます。

    規定がなく、雇用契約にも記載がない場合は、残念ながら請求が難しい可能性があります。

    Q.自己都合退職だと退職金はかなり減りますか?

    A.公立の場合は、自己都合退職のほうが定年退職よりも支給率が低く設定されています。

    たとえば勤続20年の場合、定年退職の支給率は30.55ですが、自己都合退職では23.5です。

    金額にすると、給料月額25万円なら定年で約763万円、自己都合で約587万円と、約176万円の差が出ます。詳しくは<a href=”#a”>こちら</a>

    一方、WAMの退職手当共済制度の場合は「普通退職」に分類されるため、退職理由による大きな減額はありません。

    Q.退職金にはどのくらい税金がかかりますか?

    A.退職所得控除の範囲内であれば、税金はかかりません。

    たとえば勤続10年なら400万円まで、勤続20年なら800万円まで非課税です。

    多くの保育士の退職金は控除額の範囲内に収まるため、実質的に非課税になるケースが少なくありません。

    保育士の退職金制度を理解して、将来に備えよう

    保育士の退職金は、勤め先が公立か私立か、正社員かパートか、勤続年数がどれくらいかによって大きく変わります。

    また、「退職金がもらえるか」「もらえるとしたらいくらなのか」は、園が加入している退職金制度と就業規則によって決まるものです。

    公立保育園であれば地方公務員と同じ制度が適用され、長く勤めるほどまとまった金額になります。

    私立保育園でも、社会福祉法人の多くはWAMの退職手当共済制度に加入しているため、勤続年数に応じた退職金が期待できます。

    「退職金のある園で長く働く」という視点は、将来の暮らしに備えるうえで園選びのひとつのポイントになります。

    そのため、保育士バンク!にまずはご相談ください。

    退職金も含めた園選びのサポートをいたします!

    退職金がない園で長く働くことに不安を抱き、転職した方もいます!

    将来の備えについてしっかり考えるためにも、ぜひお問い合わせくださいね。

    出典:第9表の1団体区分別,職員区分別,退職事由別,年齢別退職者数及び退職手当額/総務省出典:地方公務員の退職手当制度について/総務省 出典:退職手当の調整額について/総務省 出典:退職手当共済事業/独立行政法人福祉医療機構出典:令和4年度東京都保育士実態調査結果(報告書) / 東京都福祉局出典:保育士の現状と主な取組 / 厚生労働省出典:令和5年地方公務員給与実態調査 退職手当の支給状況 / 総務省出典:退職金シュミレーション/ 独立行政法人福祉医療機構出典:雇用保険の具体的な手続き / 厚生労働省・ハローワーク

     

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